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【FC大全:第8回】フランチャイズ本部立ち上げの成功要因を知る

ここまで、フランチャイズ本部を立ち上げるためのポイントをすべてご紹介してきました。
最終回である第8回目は、現在の店舗ビジネスを取り巻く環境を踏まえ、弊社が考える“フランチャイズ本部立ち上げで成功確率を高めるためのポイント”をご紹介したいと思います。


<目次>

<シリーズ>
第1回:フランチャイズ展開をはじめる前に準備すべきことを知る
第2回:フランチャイズ展開する標準店舗モデルを確立する
第3回:加盟店に提供するフランチャイズパッケージを作り込む
第4回:本部が受け取る加盟金やロイヤリティを設定する
第5回:フランチャイズ契約書類を整備する
第6回:加盟店開発戦略を策定する
第7回:フランチャイズ本部のスタッフを育成する
第8回:フランチャイズ本部立ち上げを成功させるためのポイント

(1)店舗ビジネスを取り巻く環境の変化

1900年代から2000年代に入り、日本は成長経済から成熟経済に移行しました。

経済が成熟化し、顧客の嗜好が多様化する現代では、用途に応じて、チェーン店ではなく個性ある店舗を選択する傾向が強まっているように感じます。
例えば、一消費者のお酒を飲む需要といっても、一人で飲むのか、仲間と飲むのか、交際相手と飲むのか、家族で飲むのか、取引先と飲むのか等のように様々な用途があり、それぞれの用途に最適化した店舗を選ぶ傾向が強くなってきています。

十数年前までは、上記のような様々な需要をすべて満たせる総合居酒屋が選ばれていましが、現代において総合居酒屋がかつての輝きを失っているのは周知のとおりです。
そこで、最近では個性豊かなチェーン店が増えているのですが、店舗数が一定規模、具体的には100~200店舗を超えてくると、消費者視点から見たときに、チェーン店の印象が強くなり、従来の個性が感じられなくなるリスクがあります。もちろん例外もありますし、業種業態によって規模の程度も変わってくるのですが、飲食業でここ最近増えている料理の専門性を打ち出した業態は、やはり100~200店舗程度が、消費者視点から見た“魅力ある個性”を維持できる限界のように感じます。

上記の傾向を裏付けるように、2019年には日経MJで「ステルスフランチャイズ」という用語が取り扱われていました。ステルスフランチャイズとは、消費者視点から見たときには個性的な個人店のように見えて、仕組みはフランチャイズシステムというモデルです。

この代表例が、横浜家系ラーメン店「町田商店」を展開する株式会社ギフトです。同社のフランチャイズシステムでは、屋号や内装等を加盟オーナーが自由に決め、メニューでも一定程度の自性を出すことができる点に特徴があります。チェーン店感を出さずにチェーン展開を進めるという、従来のチェーンシステムを根本的に覆す新たな形態といえます。

このような流れは、飲食業だけではなく、サービス業にも見られます。店舗ビジネスを取り巻く環境変化の中で、今後のフランチャイズ展開の在り方についても変化が求められています。

 

(2)従来型フランチャイズシステムの非効率性

フランチャイズシステムは、短期間で100、500、1,000店超といった多店舗展開を実現することで、一定のシェアを獲得し、ブランド浸透、規模の経済の実現等といった便益を得るために導入されたシステムです。目標は1,000店舗超、最低でも100店舗は展開することを前提として発展してきた歴史があります。

そのため、フランチャイズ本部を立ち上げるというと、情報システムの整備、物流体制の構築など、幅広い対応が必要となり、結果としてフランチャイズシステムを整備するのに数千万円のコストが生じることが当たり前と考えられていました。

ところが、前述の通り、現代の店舗ビジネス業界では、単一業態で100店舗を超えられればたいしたもので、1,000店舗を超えるような新興チェーンはごく少数しか生まれていません。

昔は店舗数を拡大することが1店舗当たりの売上向上にもつながる時代でしたが、現代は店舗数が増えるとともに1店舗当たりの売上高が低下する傾向にある時代です。昔と比べて100、500、1,000店舗超といった多店舗展開を実現することは極めて難しい時代ともいえるのです。

このように考えると、従来型のフランチャイズシステムのように、立ち上げ段階から100店舗超を想定してシステム作りに投資をすることは、極めてリスクの高い行為といえます。これからフランチャイズ展開をはじめるのであれば、最低限必要な仕組みから整備をはじめることで初期投資をできる限り節約し、店舗展開の進展と並行して段階的に投資をしていくことが、適切な考え方といえるのです。

>これからの時代に失敗しないフランチャイズ展開のあり方について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

これからの時代に失敗しないフランチャイズ展開のあり方

(3)のれん分けシステムを活用した段階的フランチャイズ展開

このような時代において、弊社が考える最も理想的なフランチャイズ展開の在り方は、自社の従業員を加盟対象とするのれん分けフランチャイズシステムを活用することです。

>のれん分けシステムについて詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

制度構築前に絶対知っておきたい“のれん分けとフランチャイズの違い”

のれん分けフランチャイズシステムの場合、加盟対象者がフランチャイズ本部と信頼関係があり、かつ必要な資質やスキルを身に着けている自社の従業員となるため、最小規模の投資でフランチャイズ展開をスタートできるメリットがあります。

例えば、店舗運営に必要な知識やスキルはすでに身に着けているはずですから開業前研修を実施する必要はありませんし、加盟店開発に必要な手間やコストも必要ありません。
また、加盟店開発のところでもご説明しましたが、フランチャイズ本部として展開をスタートするときの最大の壁は、フランチャイズ加盟の第一号を開拓することですが、のれん分けフランチャイズシステムを運用していれば、すでに加盟者の実績もあることになるため、本格フランチャイズ展開開始時にも有利になります。加盟店開発への投資も、すでに実績があるのと無いのとでは、雲泥の差が出るはずです。

のれん分け制度を活用した“理念共有型フランチャイズ”について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

のれん分けの活用で実現できる“理念共有型フランチャイズ”とは

最小規模の投資でフランチャイズ展開をスタートし、加盟者が3店舗、5店舗と増えていく中で、フランチャイズパッケージや本部組織体制の整備を進めていき、「これはいける!」と考えたときに、一気に大規模な投資を行うのです。
 この「小さくはじめて、大きく育てる」という考え方こそ、成熟経済時代におけるフランチャイズ展開の理想的な在り方といえるのではないでしょうか。

なお、小さくはじめて、大きく育てるフランチャイズ展開のあり方について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

小さくはじめて、大きく育てる!フランチャイズ本部構築の進め方

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございました。
弊社が考える「フランチャイズ本部になるためにやるべきこととそのステップ」はいかがでしたでしょうか。
内容について疑問に感じた点、もっと詳しく知りたい点などありましたら、是非ご連絡をいただければと思います。

本コラムをお読みになった方々が、素晴らしいフランチャイズ本部を立ち上げ、たくさんの幸せの連鎖を生み出すことを願ってやみません。


執筆者プロフィール

株式会社 常進パートナーズ 代表取締役 高木 悠
千葉県生まれ。立教大学経済学部卒。大手外食フランチャイズチェーンに入社後、店長、マネージャー、フランチャイズ担当等を歴任。15年以上にわたり外食・フランチャイズ業界に関わっており、店舗ビジネスや大手チェーン・フランチャイズ本部の実態を熟知している。
独立後は「店舗ビジネスを営む企業とそこで働く社員の社会的地位の向上」を実現すべく100社以上の企業支援に携わっており、支援先の中には2年間で売上274.6%UPを達成した企業や、創業後5年以内に30店舗展開を達成した企業があるなど、その実践的なコンサルティングには定評がある。
著書として「フランチャイズマニュアル作成ガイド(同友館 共著)」「飲食店「のれん分け・フランチャイズ化」ハンドブック(アニモ出版 共著)」がある。
経済産業大臣登録 中小企業診断士。

<シリーズ>
第1回:フランチャイズ展開をはじめる前に準備すべきことを知る
第2回:フランチャイズ展開する標準店舗モデルを確立する
第3回:加盟店に提供するフランチャイズパッケージを作り込む
第4回:本部が受け取る加盟金やロイヤリティを設定する
第5回:フランチャイズ契約書類を整備する
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