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のれん分け制度における3つの独立形態。「直営店譲渡」「経営委託」「新規店舗」

「社員へのれん分けを考えているのですが、どのように独立させたらよいのでしょうか?」

これは、以前弊社にのれん分け制度構築のご相談にいらっしゃった焼肉店を営む経営者から頂いた質問です。

一言で「のれん分け」といっても、独立の形態にはいくつかの選択肢があります。
のれん分け制度の導入を目指すのであれば、まずは、基本的な独立形態を理解しておく必要があるでしょう。

どのような独立形態を選択するかによって、独立者が負うリスクの程度や最初に必要となる自己資金額などが変わってきます。
基本的な独立形態をおさえたうえで、自社の社員の特性を踏まえ、独立しやすい形で独立形態を整備することが大切です。

>「のれん分けやフランチャイズの基本」について詳しく知りたい方はこちら

制度構築前に絶対知っておきたい“のれん分けとフランチャイズの違い”



 

独立形態の種類と特徴

今回は、のれん分け制度の代表的な独立形態として、①自己資金による新規店舗方式、②直営店舗譲渡方式、③運営や管理等の一部業務委託方式 の3つのパターンを紹介します。

①自己資金による新規店舗方式

独立者の自己資金で、本部ブランドの店舗を新規に出店する方式です。
一般的なフランチャイズシステムと同じ形態と考えればわかりやすいでしょう。

仕組みとしては最もシンプルであり、かつ本部には何のリスクもないことから、本部としては本方式で独立してもらえたらうれしいところです。
一方、独立者からみると新規出店のリスクを自らが負わなければならないため、なかなか踏み出すことができない形態といえるでしょう。

そもそも、新規出店のリスクを取れるような人材は、のれん分け制度を利用せず、自力で開業を目指す傾向にあります。
「独立したいけどあと一歩が踏み出せない」といったような人をメインターゲットとするのれん分け制度では、本方式での独立はなかなかハードルが高いものといえるでしょう。

実際、弊社の経験則でも、本方式は、独立者が2店舗目、3店舗目といったように複数店の出店をするときに利用されるケースがほとんどです。

②直営店舗譲渡方式

独立者に対して既存の直営店舗を譲渡する方式です。
独立者視点では、すでに実績のある店舗を引き受けることができるため、独立後の収入の見通しが立てやすく、独立後の事業リスクを抑制できるメリットがあります。

一方、本方式により独立を果たす場合、独立者は本部から既存店舗を買い取ることとなりますが、その買い取り金額が高額となる点が、実務上の大きな課題となります。

一般的に、既存店舗を譲渡する際には、店舗の資産価値に営業権を付加して店舗譲渡価額を決定します。
この営業権に決まった計算方法はありませんが、一般的には利益の3年~5年分ともいわれています。

仮に、毎月100万円利益が出る店舗を譲渡するとして、営業権を3年分と設定した場合、営業権だけでも3,600万円となります。

本部にとってのメリットは極めて大きいのですが、このような大金を独立者が独力で用意することは実質的に不可能です。
そのため、スキームとしては本部、独立者双方にとって魅力的であるにもかかわらず、実務的にはこの譲渡価額がボトルネックとなって、譲渡することができないケースが多々あります。

③運営や管理等の一部業務委託方式

店舗資産は本部保有とし、運営や管理等の一部機能を独立者に委託する方式です。

前に紹介した「①自己資金による新規店舗方式」「②直営店舗譲渡方式」では、独立者が店舗出店に必要な資金、もしくは既存店舗の譲渡費用を用意することが前提となります。
しかしながら、これらの資金を用意できる人材はそれほど多くないのが実情です。

そこで、資金面での問題から①②による独立が難しい場合に採用されることが多いのが本方式となります。

委託方式の場合、独立者は本部が保有する店舗を用いて独立を果たすため、自己資金が少なくても独立を果たすことができます。
一方、簡単に独立できるため経営者としての覚悟を持ちにくい点や、本部と独立者の経営が完全には分離しない点がデメリットとも言えます。

委託方式の代表的なものとして以下の2方式があげられます。

経営委託方式

経営委託方式とは、独立者に対して店舗の経営を委託する方式です。
独立者は、本部が保有する店舗を借り受けて店舗経営を行い、その対価として本部に対して店舗や設備の利用料を支払います。

経営自体は独立者が行うことになりますので、店舗の売上は独立者に上がることとなります。
システム的には、店舗の又貸しに近い方法といえます。

運営委託方式

運営委託方式とは、独立者に対して店舗の運営だけを委託する方式です。

経営委託との違いは、委託範囲が店舗運営に限られている点です。
経営自体は本部が行っていますので、店舗の売上は本部に上がることとなり、本部から独立者に対しては、店舗運営費等の名目で運営に対する対価が支払われることとなります。

運営委託方式の場合、例えば営業許可などの書き換えも必要ありませんので、手間なくのれん分けを実施できる点がメリットとなります。
一方、実態としては業績連動型給与をもらう「雇われ店長」といったイメージとなりますから、独立者の独立性が問題となります。

>「のれん分け制度の加盟金やロイヤリティの考え方」を知りたい方はこちら

のれん分け制度における加盟金やロイヤリティの考え方

 

まとめ

以上、のれん分け制度における独立形態の種類と特徴をご紹介しました。

ご紹介した3つの形態はそれぞれ単体で用いるわけではなく、組み合わせて活用するケースもあります。
例えば、はじめは委託方式で独立を果たし、その間に自己資金を貯め、資金が貯まった段階で当該店舗を譲渡方式で買い取る、といった独立の流れを構築している本部もあります。

どのような独立形態を整備すべきか、という点については、本部が運営する事業の特徴や、独立者の特性によって変わるため、一概には言えません。
3つの形態と特徴を踏まえて、自社に最適なあり方を模索するべきでしょう。

>「のれん分け制度導入で失敗しないためのポイント」を知りたい方はこちら

のれん分け制度で失敗する本部に共通する点とは

 

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