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のれん分け契約書に盛り込んでおきたい条項例

「信頼関係のある社員に対するのれん分けでも、契約書は必要なものでしょうか」

これは、弊社ののれん分け制度構築セミナーに参加されたラーメンチェーンの経営者から頂いた質問です。

昔ながらののれん分け制度では、従業員との厚い信頼関係があることを根拠として、契約書を用意せず、口約束で独立を認めるようなことがありました。

しかしながら、現代においては、
・人間関係の希薄化
・権利者意識の高まり
・独立までの期間の短期化
などの傾向があり、これらの結果、以前のような信頼関係が構築されていない状況でのれん分けがなされることが大半です。

結果、信頼関係があるはずの従業員に対するのれん分けであるにもかかわらず、トラブルとなることが多々見受けられます。

従業員のことを想ってののれん分けであるにもかかわらず、トラブルとなってしまうので本末転倒ですから、トラブルを予防するための努力は積極的に行っておくべきでしょう。

また、仮にトラブルが生じたときのことも想定して、本部の収益や権利を守れるのれん分け契約書をつくっておくことが大切です。

 

のれん分け契約書に盛り込んでおきたい条項の代表例

ここでは、これまで当社に相談があったトラブル事例を踏まえ、特にのれん分け契約書に盛り込んでおきたい事項を紹介します。

独立者の独立性の確認

・独立者と本部はそれぞれ独立した事業体であること、
・本部は独立者の成功を保証しないこと、
・加盟後に生じる全ての責任は独立者が負うものであること
など、独立者が本部から独立した事業者であることを確認します。

独立事業者にとっては当然のことなのですが、独立希望者の中には「のれん分けすればすべてうまくいく」等と安易な考えをしている方もいます。

独立者の独立性を明文化して、独立希望者と読み合わせをすることが、後々に本部を守ることにつながります。

保証金

保証金とは、のれん分け契約に基づいて発生する独立者の本部に対する債務を担保するために、のれん分け時に独立者から本部に対して支払われる金銭のことをいいます。

仮に、独立者が本部に支払うべきロイヤリティや家賃などを支払えなくなってしまった場合に、本部は保証金を債務の弁済に充当することができるため、本部にとって金銭回収リスクを引き下げることが可能となります。

のれん分けは従業員に対する長年の勤務の恩返しとしての側面が強いことから、保証金をとらずに制度運用している本部もありますが、トラブルになるケースでは「保証金さえ取っておけば…」という思いになることが少なくありません。

保証金を取らないということは、その分のリスクを本部が負う、ということを認識しなければなりません。
以上を踏まえ、当社ではのれん分け契約書作成にあたって保証金規定は入れておくことを推奨しています。

保証金の金額は、のれん分けフランチャイズパッケージの在り方によって変動するため一概には言えませんが、少なくとも独立者が本部に対して負う債務の1~2ヶ月分程度は保証金で賄える金額を設定しておくべきといえます。

テリトリー権の取り扱い

テリトリー権とは、本部が独立者に対して、特定の地域において与える独占的な販売権等を言います。

独立者に対してテリトリー権を認めるのかどうか、認めるとしたらどの程度の権利を与えるのかを契約書に定めておく必要があります。

テリトリー権を認める場合、実際の運用に際して様々な問題が生じることが予想されます。
例えば、独立者間での権利侵害はその典型例です。

この場合、本部は仲裁に入ることになりますが、どの程度権利を保障するのか、ルール違反者に対してどのような対応をするのか等は非常に難しい問題です。
そのため、テリトリー権を認めないケースが多いようです。

従業員の雇用

社員の雇用は、独立者の責任の下でおこなってもらいます。

とはいえ、人件費削減のために過小人員で運営されるようなことがあると、本部としては困りますので、本部の定める人員数を独立者の責任の下で確保してもらうよう契約書に明示するべきです。

また、最近では長時間労働、セクハラ、パワハラ、モラハラなど、企業の人事労務管理に対する世間の目が厳しくなってきています。
仮に独立者が前述のような問題を引き起こした場合、本部にもマイナスの影響を起こしかねません。

ですから、独立者の責任のもとで労働関係法規を遵守することを契約書に明記しておくとよいでしょう。
なお、契約書に記載するだけでなく、独立者に対して十分な指導を行わなければならないことは言うまでもありません。

競業避止義務規定

競業避止義務とは、独立者に対して本部チェーンと同種または類似する事業展開を禁止する条項です。

仮に、本部チェーンと同種または類似する事業展開を認めてしまうと、本部がこれまで培ってきた顧客基盤やノウハウが他事業に流用される恐れがあります。
トラブルが生じた場合には、独立者が契約解除後に同種または類似する事業展開を独自に開始することが往々にしてあります。

このような事態を防止するためにも、加盟中、加盟後の両軸で競業避止義務を設定すると共に、違反した場合には違約金が生じるような契約形態にしておくことが望ましいといえます。

なお、競業避止義務は独立者の事業の自由を制約することにもなることから、あまりに厳しい制約は無効となる可能性があります。
競業避止義務を有効にするためには、「禁止される事業範囲」「禁止される場所」「(契約終了後の場合)禁止される期間」を限定しておくべきでしょう。
必ずしもすべてを限定する必要があるわけではあるわけではありませんが、過度な制約とならないよう、ビジネスモデルの特徴にあわせて適正な制約となるよう配慮する必要があります。

顧客情報の取り扱い

本部にとって、顧客情報も重要な資産の一つですから、その取り扱いも明確に規定しておきましょう。

まずは、顧客情報の帰属が本部になるのか、独立者になるのかを明らかにします。

顧客情報の帰属を本部とする場合には契約期間中は顧客情報の使用を認め、契約終了時には顧客情報を部に返却してもらうことになります。
一方、顧客情報の帰属を独立者とする場合には、契約終了後には当該顧客情報を抹消してもらう必要があるでしょう。

取得した顧客情報を契約終了後にも独立者が使える状態にしてしまうと、
契約期間中に別事業の宣伝をする、
契約期間後に、新たに始めた商売の宣伝をする、
など、本部の顧客基盤にマイナスの影響を与える取り組みを実施されてしまう可能性があります。

ですから、契約終了後には独立者が顧客情報を保有できない状態にするとともに、FC契約以外の目的に使用することを明確に禁止しておくとよいでしょう。

なお、顧客情報の帰属がいずれにせよ、顧客情報の取り扱いについて、厳格な管理規定を定めておく必要があります。

秘密保持義務

のれん分け制度では、本部が保有するノウハウがビジネスの核となりますから、そのノウハウ流出が発生しないよう、独立者には秘密保持義務を課す必要があります。

また、ビジネスモデル上、独立者が社員やアルバイトスタッフを雇用する必要がある場合には、それらのスタッフに対しての管理監督の義務も課しておくべきでしょう。

違約金

独立者が中途解約を希望したり、重大な契約違反(商標使用義務や競業避止義務違反など)を行ったりした場合などに、違約金の支払い義務を課す規定です。

第三者を対象としたフランチャイズ契約であればほぼ間違いなく設けられる条項ですが、のれん分け制度においては、保証金と同様の理由から設けられないケースも見受けられます。

違約金規定があれば、独立者としては中途解約や契約違反をしにくくなりますから、条項を設けておくだけでも相応の効果が見込めます。
また、違約金の性質として「損害賠償請求を妨げるものではない」ことを契約書に明記しておけば、実際に生じた損失額が違約金を上回る場合に、上回った分の損害額を請求することも可能です。

たしかに、信頼関係のある元従業員に対しては厳しい内容のようにも感じますが、信頼関係があるからこそ契約書に違約金条項があってもなくても変わらない(そもそも違約金が生じるような事態にならない)とも言えます。

このように考えると、安易に違約金条項を外すよりは、万が一のリスクに備えて違約金条項を盛り込んでおくことが望ましいといえます。

 

まとめ

以上、のれん分け契約書に盛り込んでおきたい条項の代表例をご紹介しました。

のれん分け制度で成功をおさめるためには本部と独立者の信頼関係が最も重要な要素となることは事実ですが、時代背景も踏まえ、トラブルが生じることも想定した契約書を整備しておくべきでしょう。

弊社の経験則で申し上げれば「信頼関係があるから口約束でも大丈夫」というのはまやかしです。
何があっても本部を守ることができるよう、十分な準備をしておきましょう。

なお、上記はのれん分け契約書に盛り込むべき事項のほんの一部であり、上記があるから安心か、というとそういうわけではありません。
より詳しい内容をお知りになりたい方は以下を参考としていただければと思います。

【FC本部構築決定版】第5回:FC契約書類を整備する

 

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