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フランチャイズ本部が加盟金やロイヤリティを決める際の考え方

「加盟金やロイヤリティはどのように決めたらよいのでしょうか」

これは弊社がフランチャイズ本部構築のコンサルティングをお受けしている整体チェーンを営む経営者からのご質問です。

加盟金やロイヤリティをどのように決めるのか。
これは、フランチャイズ展開を目指す企業の経営者からからいただく質問の中でも、最も多い内容です。

なお、加盟金、ロイヤリティの設定について、詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

【FC大全:第4回】本部が受け取る加盟金やロイヤリティを設定する

前提として、加盟金やロイヤリティの考え方、決め方に決められた法則はありません。
受け取る金銭の性質と、フランチャイズ本部が加盟者に対して提供するフランチャイズパッケージとのバランスで決定していくことになります。

なお、受け取る金銭の性質について詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

フランチャイズ本部が加盟店から受け取る対価の種類

とはいえ、
・本部の利益を確保するためには最低限いくらほしい
・競合チェーンがこの程度にしている
など、原則論だけで決められるものでもありません。

そこで、今回は加盟金やロイヤリティの考え方をご紹介します。

加盟金やロイヤリティを検討する4つの視点

弊社では、加盟金やロイヤリティの性質を踏まえ、最低限、以下の4つの視点から検討することを推奨しています。

①対価としての妥当性

本部が加盟者から徴収する加盟金やロイヤリティは、本部が加盟者に提供するサービスへの対価となりますから、
「提供するサービスの価値=>加盟者が支払う金額」
が原理原則となります。

とはいえ、「フランチャイズ本部が提供するサービスにどの程度の価値があるのか」ということは非常に難しい問題です。

ですから、それほど神経質には考えず、その他の要素を踏まえて加盟金やロイヤリティを仮設定した後に、施呈した金額が、一般常識で考えて本部が提供するサービスと比較して乖離しすぎていないかを検証するとよいでしょう。

②加盟者の収益性

フランチャイズ展開で成功する最大のポイントは、加盟者の店舗を繁盛させることです。
本部の利益を追求し、加盟金やロイヤリティを高く設定した結果、加盟者の経営が上手くいかないのでは、そもそもフランチャイズシステムが成り立ちません。

したがって、加盟者が加盟金やロイヤリティを支払ったとしても、一定の収益性を実現できることがフランチャイズ展開の前提です。
目安としては、投資回収期間3年以内がベスト、長くとも5年以内程度の収益性を確保したいところです。

③本部の収益性

フランチャイズ展開をはじめると、加盟者に対する経営指導やマニュアル・情報システムの整備など、本部には従来には必要のなかったコスト負担が一定程度生じることとなります。

加盟者が高い収益性を実現することは非常に大切である一方、本部が儲からなければチェーン自体の発展が望めません。

ですから、本部の機能を果たすために必要となるコストは、加盟金やロイヤリティからまかなえなければなりません。
また、フランチャイズ展開も事業の一つですから、加盟金やロイヤリティから本部の利益を確保することは当然といえるでしょう。

そのためには、フランチャイズ展開後に新たに発生するコストに本部利益を加えた分を、加盟金やロイヤリティでまかなえるかどうかを検証しておく必要があります。

④同業他社とのバランス

近年フランチャイズ展開を進めている企業は増加傾向にあります。
当然、加盟希望者もそれらの情報収集を行っているはずです。

今の時代、どのようなチェーンにも比較対象が存在するわけですから、設定した加盟金やロイヤリティが同業他社と比較してあまりにも高額な場合は、高額なだけの十分な理由が無ければ加盟者獲得競争に打ち勝つことができません。

現状のフランチャイズ業界を見渡してみると、ある程度業種業態によって加盟金やロイヤリティの相場が決まってきていますので、4つの視点の中でも最も影響力のある要素といえるでしょう。

 

加盟金やロイヤリティの具体的設定手法

前項の4つの視点からバランスよく検討することによって、本部、独立者双方から見て、納得性のある金額に落ち着かせることができます。

とはいえ、「4つの視点から考えましょう」といわれても、具体的にどうすればわからない方もいらっしゃると思いま。
そこで、弊社がコンサルティングを行う際の加盟金やロイヤリティ金額設定の流れをご紹介します。

  • ① 対象店舗(新店の場合はモデル店舗)の償却前営業利益率の半分を基準とし、業界水準等と比較してロイヤリティを仮設定。
  • ② 業界水準等と比較して加盟金を仮設定。
  • ③ ①で仮設定したロイヤリティ控除後の期待店舗償却前営業利益で、初期投資(②で仮設定した加盟金含む)回収期間を算定。
  • ④ 初期投資回収期間が3年~5年程度におさまるようロイヤリティ、加盟金を調整。

言葉にすると難しくみえてしまいますが、考え方をマスターすれば、わりと簡単に適正な加盟金やロイヤリティを設定することができるようになります。
是非、チャレンジをしてみていただければと思います。

 

まとめ

以上、フランチャイズ本部構築における加盟金やロイヤリティの考え方をご紹介しました。

フランチャイズシステムで成功するポイントは、加盟店が儲かり、本部も儲かるWin-Winの関係を築くことです。
その際の重要なポイントが、加盟金やロイヤリティといった対価の水準となります。

本部だけが儲かっても、加盟店だけが儲かっても、フランチャイズシステムの繁栄はありません。
本部と加盟者のWin-Winの関係を実現し、真の信頼関係を築くためにも、加盟金やロイヤリティは多面的な視点から最適な水準で設定することが大切です。

 

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