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フランチャイズ本部の利益率を左右するロイヤリティの考え方

「ロイヤリティの計算方法にはどのようなものがありますか?」

これは弊社が過去にフランチャイズ本部構築のコンサルティングをお引き受けしたフィットネスジムを営む経営者からのご質問です。

ロイヤリティを決めるにあたり、本部はまずロイヤリティの計算方式を決める必要があります。
とはいえ、どのような方式があるのか、どのように決定すべきかは、なかなか難しい問題です。

そこで、今回はロイヤリティ計算の原理原則をご紹介します。

なお、ロリヤリティの設定について詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

【FC大全:第4回】本部が受け取る加盟金やロイヤリティを設定する


 

(1)2種類のロイヤリティの計算方式

ロイヤリティの計算方式には大きく分けると以下の2パターンがあります。

①固定額方式

「1か月あたり●万円」といった設定方法。
加盟店の売上や利益にかかわらず、一定金額のロイヤリティを徴収するもの。
加盟店からみると、ロイヤリティ=固定費となる。

②対売上比率方式

「1ヵ月の売上(または粗利)×●%」といった設定方法。
加盟店の売上や利益の実績に応じたロイヤリティを徴収するもの。
加盟店からみると、ロイヤリティ=変動費となる。
 

(2)ロイヤリティの計算方式毎の特徴

固定額方式、対売上比率方式ともに、本部と加盟者双方にとってのメリット・デメリットがありますので、まずはこのメリット・デメリットを正しく認識した上で、適切な方式を選択することが大切です。

①固定額方式のメリット・デメリット

固定額方式の本部、加盟者それぞれのメリット、デメリットとしては以下の内容が挙げられます。

本部にとってのメリット

対売上比率方式とは異なり、加盟者の売上管理やロイヤルティ算定などの手間がなく、本部の事務負担が少ない。
加盟者の収益状況に関わらず、必要な収入を、安定的に得ることができる。

加盟者にとってのメリット

加盟者の経営努力によって売上が伸びたとしてもロイヤリティの額は変わらないため、対売上比率方式と比較して、売上を伸ばせば伸ばすほど加盟者の収入が加速度的に増える。

本部にとってのデメリット

加盟店の売上が上がってもロイヤルティ収入は増えないため、本部に加盟店の業績アップに向けた取り組みを進めていくことに対するモチベーションが沸きにくい。

加盟者にとってのデメリット

ロイヤリティが固定費化するため、売上不振時にも一定のロイヤリティ支払い義務が生じる。売上不振時に加盟店の収益性が極端に悪化しやすい。

②対売上比率方式のメリット・デメリット

対売上比率方式の本部、加盟者それぞれのメリット、デメリットとしては以下の内容が挙げられます。

本部にとってのメリット

加盟者店舗の売上が上がれば本部のロイヤルティ収入も増えるため、本部に加盟店の業績アップに向けた取り組みを進めていくことに対するモチベーションが沸きやすい。

加盟者にとってのメリット

ロイヤリティが変動費化するため、売上不振の場合にロイヤルティ負担も減少する。固定額方式と比較して売上不振への耐性が強い。

本部にとってのデメリット

加盟者の売上管理やロイヤルティ算定など、本部に一定の事務作業負担が生じる。
加盟者の売上を正確に把握することに限界がある。売上を実際よりも少なく申告される可能性もあるため、予防策の導入が望まれる。

加盟者にとってのデメリット

加盟者の経営努力によって売上を伸ばせば伸ばすほど、ロイヤルティ負担も増加する。
 

(3)フランチャイズシステムにおけるロイヤリティのあるべき姿

以上の通り、ロイヤリティ算定方式には、大きく分けると固定額方式と対売上比率方式の2パターンが存在します。
では、フランチャイズ本部としてはどちらを採用すべきなのでしょうか。

弊社の考えとしては、“本部と加盟者の公平性”の観点から対売上比率が望ましいものと捉えています。
これは、加盟店舗の売上が上がれば上がるほど、本部・加盟者共に利益が増え、逆に加盟店舗の売上が下がれば下がるほど、本部・加盟者共に利益が減る、すなわちすなわち本部と加盟者双方の利害が一致する関係となるとなるからです。

例えば、固定額方式を採用した場合には、加盟店の売上不振時にも本部は必要な利益を得ることとなり、公平な関係とはいえません。
このような不公平なシステムは、早かれ遅かれ本部と加盟者の信頼関係を破壊する要因となるでしょう。

なおフランチャイズ本部成功のポイントを詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

フランチャイズ本部構築時に最低限認識すべき3つのポイント

この公平な関係があるからこそ、本部には加盟者の売上が増えるよう積極的にサポートする意欲がうまれることになります。
これが、弊社が対売上比率方式を推奨する理由です。

ただし、対売上比率方式の導入にあたっては注意点もあります。

対売上比率の場合「加盟者の売上を正確に補足できるかどうか」という点がしばしば問題となります。
仮に加盟者が売上をごまかして本部に実際よりも売上を少なく申告した場合、本部が得るロイヤリティも減少することとなります。

このような事態が発生すると、本部と加盟者の信頼関係が破綻することになりますから、対売上比率方式を採用する場合には、できる限り加盟者がそのような不正行為を行うことができないよう仕組みを整えておくことが求められます。
 

まとめ

以上、フランチャイズシステムにおけるロイヤリティ計算の考え方をご紹介しました。

フランチャイズ本部の中には、ロイヤリティを固定額方式で設定している会社も多くあります。
これからフランチャイズ展開を目指す場合にも、ロイヤリティを固定額方式にしようと考える方がいらっしゃるかもしれません。

もちろん、固定額方式が絶対にダメだというわけではありませんが、固定額方式を設定する場合は、「なぜ固定額方式にするのか」、その理由を考えてみていただきたいと思います。

もし、その理由が
・本部の事務負担を削減したい
・本部の必要利益を確実に確保したい
等といった本部側の理由しかないのであれば、その考えは危険です。
本部に一方的に有利なシステムとなっている可能性が高いでしょう。

フランチャイズシステムの根幹は、本部と加盟者との信頼関係です。
この信頼関係を築くうえでは、本部と加盟者が対等な関係となるフランチャイズシステムを整備しておく必要があるのです。

なお、フランチャイズ本部の立ち上げ方について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

【FC大全:第1回】フランチャイズ展開前に準備すべきことを知る

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