F CビジネスにおいてS Vは扇の要と言えますが、S V業務は店舗指導のみならず、実に幅広く業務を担います。味のあるS Vは、お客様の立場、加盟店の立場、本部の立場など、その時の状況に応じて、変幻自在に役割を演じる、役者になれるS Vです。それらをいくつか紹介します。
友人としての顔
加盟者は多忙で孤独です。毎日、数百人のお客様と対峙しながら、多くのルーティン業務を手掛けて、スタッフも教育しなければなりません。対等の立場で語り合える、相談できる相手がいないのです。そこを補うのがS Vの役割です。超多忙で時間に追われている毎日でも、加盟者の中にはS Vの毎週の訪店を非常に楽しみにされている方も多いものです。耳を傾け、対等な立場で語り合える相手であればいいのです。必ずしも全ての悩みに的確な回答は必要ありません。親身になって聴く姿勢がまず必要なのです。
裏方の顔
店舗経営における主役は加盟者(店長)です。お客様を引き立てる役割が加盟者(店長)ですが、その加盟者(店長)を引き立てるのがS Vの役割です。店舗では主役である加盟者が、スムーズに店舗運営できるよう、時にはお膳立てをする必要もあります。例としてお客様からのクレーム発生時の対応です。加盟者が対応するのが前提ですが、本部の謝罪を求められるケース、加盟者指導の立場としての改善策を求められるケースもあります。本部の立場として謝罪する事もありますが、最後には「店長より改めて謝罪に伺います」とすることが大事です。地域で商売をしているのは加盟者です。その意識を加盟者にも持ってもらい、常に表に出る自覚を加盟者に植え付けるため、背中を押す役割はS Vです。
営業マンとしての顔
F Cは売上を上げてこそのビジネスです。営業力が試されます。コンビニ業界で言えば、商品の発注数が増えれば、メーカー・ベンダーに対する交渉力が高まります。飲食業界や美容業界においても材料費の発注ロット拡大は、原価軽減に役立つでしょう。売上アップの効果は、単に売上から経費を引いた利益の効果だけでなく、商品・材料費の仕入原価を更に引き下げる効果を生むのです。仕入原価の引き下げは、本部も加盟店も潤います。売上アップ、利益アップのために発注量が増えるよう、S Vは加盟者を説得する営業マンになるのです。
マネーライフプランナーの顔
加盟者は将来の生活をかけて事業を行っています。最近は各業態において、少ない開業資金で加盟できるF Cパッケージも増えてきました。コンビニ業界でも開業手数料の減額に動き出しています。少額開業のモデルケースは、資金不足の加盟者を多く生んでいるとも言えます。開業時から適切な資金繰り指導が必要なのです。S Vはファイナンシャルプランナーではありませんが、客観的な立場として、マネーライフのアドバイスはできるはずです。最近では様々な理由から経営破綻する加盟者も珍しくありません。加盟者を守るためにも、オーナー家族の懐に入って、マネーライフの指導をしていく必要があります。生活の支出と事業での見込み利益や、次の投資への蓄え。そのために必要な利益はいくらなのか。無駄な支出はないのか。収支を客観的に見てあげることが大事なのです。売上が順調な加盟者であっても注意が必要です。以下に危険な事例を紹介します。
事例1)
運営努力が実り、環境にも恵まれ、売上が好調なケースです。売上・利益が上がりだすと生活が乱れる加盟者が多く見受けられます。高コストな生活レベルへの変貌です。これは売上低下とともに破綻を招きます。ここは加盟時からしっかりと指導しておくべき事です。好調な時にも堅実な生活を維持することが必要です。ちょっとした環境変化で、売上は簡単に低下するものです。
事例2)
店舗運営が軌道に乗り始めた頃から次の事業に手を出すケースです。しかもそれが自己資金ではなく、金融機関からの借入である場合も多いです。これが最も危険です。第2の事業が失敗することで、好調な事業も連鎖的に資金ショートするケースです。同じ事業で複数店経営する場合でも細心の注意が必要ですが、本業と異なる別事業となると破綻リスクは高まります。本部に内緒で他事業に手を出すケースもありますので、S Vは常に加盟者とコミュニケーションをとり、懐に入る姿勢が必要でしょう。
S Vは、これらの様々な立場を演じることが必要といえます。これが土台となり、加盟者・店舗スタッフから一目置かれる存在となります。本部としては、S Vが加盟者へ寄り添える環境(時間)を整えることが最大の役割と言えるでしょう。
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