ネットラジオ『多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所』は、弊社代表の高木と社労士の田村陽太が、飲食店、整体院、美容院等の様々な店舗ビジネスの「多店舗展開」を加速させるために重要な事を対談形式でお話しするラジオ番組です。
第43回『美容院を3店舗経営しています。最近立て続けに人が辞めて、1店舗閉めることになりました。さらに人が辞めないためには、何から手を付けたらいいでしょうか。』というテーマで店舗ビジネス専門コンサルタントの髙木悠が熱く語ります。
【ハイライト】
・従業員の退職前に起こる兆候や原因について
・退職しそうな方のシグナルを察知する方法
・コミュニケーションの量を増やすポイント
・相手の状態を読み取ったり円滑なコミュニケーションを行うコツ
・ゆとり世代、さとり世代との対話術について
多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所。この番組は株式会社常進パートナーズの提供でお送りいたします。
店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠が最速・最短で年商30億、店舗数30超を実現する実証されたノウハウをコンセプトにのれん分け制度構築、FC本部立ち上げ、立て直し、人事評価制度の整備など飲食店、整体院、美容院などの様々なビジネスの多店舗展開を加速させるために重要なことを対談形式で分かりやすくお話しする番組です。
田村:こんにちは。パーソナリティーの田村陽太です。配信第43回目となりました。本番組のメインパーソナリティーをご紹介します。店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠さんです。よろしくお願いします。
高木:よろしくお願いします。
田村:高木さん、今日も頑張っていきましょう。本日の質問はこちらとなっております。「美容院を3店舗経営しています。最近、立て続けに人が辞めて1店舗を閉めることになりました。さらに人が辞めないためには、何から手をつけたらいいでしょうか。」という質問なんですけども。これは深刻な悩みですね。
高木:立て続けに人が辞めて、1店舗を閉めたわけじゃないですか。ここからさらに人が辞めることを、懸念されてるわけですよね。人材の定着っていう観点で考えたときに、1番厳しい状況っていうのは、スタッフから辞めるって言われた後に、何か対策を施すそうとすることなんですよ。
田村:なるほど。といいますと?
高木:というのは、スタッフが経営者に、私会社を辞めますって言ったときっていうのは、もう心固まってるじゃないですか。心固まってるんで、基本的にはもうそれが出たら引き留められないと思うんですよ。
田村:はい。
高木:だけど、なんか最近仕事しんどいし、人間関係もうまくいってないから、何かどうしようかなあなんて辞めようかななんていう選択肢が頭の中に浮かんできている頃ぐらいのときであれば、それを察知して、もうそのタイミングで状況を改善したりするってことはできる可能性ってあるじゃないですか。
田村:ありますね。
高木:むしろ高いと思うんですね、阻止できる可能性っていうのは。だから今後のことを考えるんであれば、まずはその人が辞める前に兆候とかもしくはその原因になってること、これが読み取れるようなそういう対策を打つ必要があるかなと思いますけどね。
田村:なるほど。ちょっと前提の質問なんですけど、こういう美容院とかで働く人が辞めるような兆候とか原因って具体的にどんなものがよく挙げられるんですか。
高木:美容院で言うと、労働時間が長いとか、給料がなかなか上がらないとか、このまま会社で働いていても、なかなか夢が見えないとかそういうのが多いんじゃないかなと思いますけどね。
田村:なるほど。そういうところが結構お悩みになってるんですね。もう一個質問なんですけど、そういう兆候とかを察知していくのは、すごく僕も大事だと思うんですけど、なかなか従業員さんってそういう兆候って顔には出すかもしれないですけど、なかなか言葉とかに出さないじゃないですか。
高木:はい。
田村:言いにくいというか店舗の人にも社長にも言えないし、同じ同僚の人にも言っちゃうとやっぱり職場の雰囲気を悪くしちゃうんで、なかなか言えないという事で察知する事は難しいと思うんですけど、察知の方法みたいなのは具体的な進め方はどんな感じでやったらいいですか。
高木:ですから、そこが読み取れないっていうのはもう全然コミュニケーションが私は足りてないと思うんですよ。不思議なもので私はスーパーバイザーという仕事をやっていて、いろんな方と毎月お話をしたり、メールでやりとりをしたりしている中で、相手に信頼してもらって、自分の思った通りに行動してもらうっていうことが仕事だったので、人を観察することっていうのが習慣になってると思うんですよ。
田村:はい。
高木:だから、メールのやりとり一つをとっても、書き方の微妙な変化とかっていうのがわかるんですよね。だからこれはもしかしたら「こっちの言い方が悪くて、少し腹が立ったかもしれない」とか、もしくは全然私に覚えはないけど、なんか落ち込んでるような書き方だったり、話し方だったりみたいなことって読み取れるはずなんですよ。
田村:はい。
高木:だからそういうのがまず感じ取れないっていうのは、もう単純にコミュニケーションが足りてないと思った方がいいと思うんですよね。
田村:なるほど。こっちから語りかけるとか、そういうことが大事なんですか。
高木:まず、この会社でいくと美容院3店舗経営してて1店舗閉めたとのことで現在2店舗ですよね。
田村:そうですね。
高木:少なくとも残りのスタッフとは、月に1回は絶対個人面談とかをして、別に仕事の話をしなくてもいいと思うんですよ。関係ない話でもいいと思うんで、まず相手がどんなことを考えてる人なのかどうかとか、そういったところをちゃんとまずは興味を持ってお話をしてみる事が大事です。
田村:はい。
高木:当然辞めようと思ってるなんていう話はしてこないじゃないですか。悩んでるとかもね。だけどコミュニケーションをしていくと、絶対今までとちょっと違うみたいな変化に気がつきますから、その変化が現れたときが一番危険なポイントなんですよね。
田村:はい。
高木:そのときに、やっぱりそれが何なのかっていうところを、こちらからの質問とかで探っていくわけですよ。
田村:なるほど。一個質問なんですけど、高木さんが以前私のポッドキャスト番組のサニーデーフライデーに出てもらったじゃないですか。その際に上司とどうやってうまくいくかってところのポイントとして、相手の興味関心のスイッチを押し続けるみたいな話があったと思うんですよ。従業員さんとの微妙な気持ちの変化みたいなのを読み取るのが結構うまくなってきたって話があったじゃないですか。どんな風にしてやっていくべきなんですかね。相手の気持ちの変化みたいな状態変化を読み取るコツみたいなものってあるんですか。
高木:やっぱり信頼関係がないところには何の話もしてこないじゃないですか。スタッフから見たときに経営者っていうのは絶対1人しかいないわけですよね。だから経営者が思ってる以上に相手は経営者のことを見てるわけじゃないですか。
田村:はい。
高木:そんな経営者が、各スタッフに興味を持ってちゃんと月に1回ぐらい時間をとって、お話をまずしてくれるとします。そんなときにちょっとした何か変化が現れたときに、「何かいつもと違うけど、なんか最近あったの?」とか、気遣ってくれるようなコミュニケーションがあれば信頼って深まっていくわけじゃないですか。
田村;はい。
高木:そうすると、ちょっとしたときに悩みを相談してきたりとかがあるわけですよ。その関係にならないと、止められないじゃないですか。だから、やっぱりこれから人が辞めて欲しくないと思うんであれば、信頼関係を作らなきゃいけないです。そのためにはコミュニケーション、よく「質と量」とかって言いますけど、とにかくまずは量を増やさないことには始まらないってことですよね。
田村;なるほど。その量を増やすっていうの1ヶ月にどれぐらいをコミュニケーションとるみたいのってあるんですか?面談の時間を何回設けるかみたいな話です。
高木:社員が何人いるかなんでしょうけど、例えば、1店舗に2、3人いて、2店舗で6人とかだとしたら、30分から1時間ぐらいはとってあげたらいいんじゃないですかね。
それで将来どういう風になりたいのかとか、今どんな思いで働いてるのかどうか、仕事の面だけじゃなくて、プライベートの面とかも含めてお話をされて、相手をまずよく知ることですよね。
田村:はい。
高木:そうするとこの間お話したような、相手のモチベーションが上がるポイントも見えてくるはずなんですよ、絶対。そういった中で微妙な変化をつかんで、そこに対して歩み寄って、その段階で例えば人間関係で悩んでるとか引き出せたら、これはもうこっちのものじゃないですか。
田村:はい。
高木:辞めるって言われる前に、その状況を作った方がいいんじゃないですかね。
田村:なるほど。もう1個質問なんですけど、僕の世代とか30代とか20代後半とかって、結構「ゆとり世代」とか「さとり世代」とかの話になったりするんですよ。プライベートと仕事のオンオフの切り分けができてるみたいな感じです。仕事が終わったらもうプライベートなんで自由に入ってこないみたいな世代って結構多いと思うんですよ。
高木:はい。
田村:結構面談とかしてても、なかなか相手の本性みたいなのを深堀りできないことがあると思うんですよ。そういう世代だと、そこら辺は高木さんとしてどのように深掘りしていくっていうか、そういう人なのかみたいなのを把握していくポイントはあるんですか。
高木:まず一般論としてはそういう話ってあるじゃないですか。もう最近の若い者はこうだみたいなのってあると思うんですけど、私は経営者とその従業員さんの中で、要はしっかりとした信頼関係が構築されていれば、そんな話は出ないと思うんですよ。
田村:それは深い話ですね。どういうことですか?
高木:大雑把な傾向としてはそういう傾向にあるっていうことに過ぎないわけですよね。それが本当かどうかもよくわかんないですし。私も仕事柄、いろんな世代の方とコミュニケーションをとりますしね。自分自身も30代なので言ってることはわからないでもないですけど、でも人と人とのコミュニケーションのあり方っていうのがそんなに大きく変わるかって言ったら、私変わらないと思うんですよ。
田村:はい。
高木:ただ取り巻く環境が違うからただそうなってるだけでそういう話が出るんだと思います。例えばIT化が進んでて、そもそも人と人との直接コミュニケーションする機会が減ってるとか、そういう時代背景があるから多分そうなってるだけだと思うんですよね。
田村:はい。
高木:そういったことを気にする前に、まずは目の前の従業員さんとちゃんとコミュニケーションをとっていく事が大事です。でも当然その中であると思うんですよね。まだ仕事とプライベートを明確に切り分けて、そんなに入って欲しくなさそうだなというのがわかったとしたら、それに気づいただけでも大きな一歩だと私は思っています。
田村:はい。
高木:でもその状況であれば、そこまで深入りしなくてもいいじゃないですか。話せる内容だけ話すだけでも。だけどそれを3回とか6回とか続けていくわけですよね。そうすると、やっぱり徐々に人と人との関係になってくるはずなんですよ。
田村:はい。
高木:人と人との関係になれば、これはもうちょっと込み入った話とかも当然できるようになっていきますから、だからまずはコミュニケーションの量を増やすっていうところから取り組んでいただくのがいいのかなと思いますけどね。
田村:なるほど。ありがとうございます。すごく勉強になりました。時間も近づいてきたんですけども、この質問者が聞くには、さらに人が辞めないためにはどうしたらいいのかって話だと思うんですけど、私はいろいろあると思います。面談を重ねていってコミュニケーションを深くしていくとかいろいろあると思うんですけど、まず何からしていったらいいですか?採用も大事だと思うんですよ。人がいないってことは、売り上げが上がらないですから。何からしていったらいいかっていう最後のワンポイントアドバイスをお願いします。
高木:まずは採用の話とかもあると思うんですけど、結局その人がどんどん出てってしまう状況だと、いくら新しい人を採用してもまたすぐ出てっちゃうと思うんです。それは問題の本質的な解決には繋がらないので、まず大事なのは離職を止めることなんですよね。
田村:はい。
高木:ですから、今残ってくれている従業員さんとちゃんとコミュニケーションをとって、もしくは辞めてしまった方なんかに聞けるんであれば、何で辞めてしまったのかっていうのを聞く。周囲の人に聞いてもいいと思うんですけどね。そういった中で、辞める理由っていうのが必ずあるわけですから、そういったところも探りながらまずは関係を深めていくということが大事です。
田村:はい。
高木:辞めた理由を特定すればそこに改善点ってあるわけじゃないですか。これが発展的なやっぱり良い改善策になっていくと思うんですよ。例えば、「いやこの会社で働いても、自分の人生が明るくなる道が見えない」とかっていう話であれば、うちの会社で働いてたら、3年後とか5年後にはこういう風になれるんだよっていう道をちゃんと描いてあげればいいわけじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:そういったものを作っていくんですけども、もうスタートでやっぱり経営者とスタッフとの間の関係性ができてないと、そもそも何が問題になってるか分からないじゃないですか。だからまずはそこから取り組むといいのかなと思います。
田村:ありがとうございます。常進パートナーズさんで、経営者から従業員さんへの質問力みたいな、聞きだし力みたいなところの教育ってしていただけるんですか。
高木:聞きだし力の教育っていうとなかなか難しいんですけれども、今の状況をお聞きした上で、何から始めていくのか。我々は何をするかっていうこともそうなんですけど、どの順序で始めていくかっていうのもすごく大切にしてるんですよ。
田村:はい。
高木:今お話したように、もう人が辞めている状況で発展的な取り組みをしたとしてもこれは効果がないわけですよ。だからそういった悩みを根本的に解決するための進め方は、ご提案させていただけるんじゃないかなと思いますね。
田村:なるほど。ありがとうございます。本日は従業員さんの退職者を防止するためのポイントについてお話いただきました。本日はありがとうございました。
高木:ありがとうございました。
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