ネットラジオ『多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所』は、弊社代表の高木と社労士の田村陽太が、飲食店、整体院、美容院等の様々な店舗ビジネスの「多店舗展開」を加速させるために重要な事を対談形式でお話しするラジオ番組です。
第25回 『これから多店舗展開を進めていきたいと考えています。直営とフランチャイズ、どちらで展開すべきでしょうか。』というテーマで店舗ビジネス専門コンサルタントの髙木悠が熱く語ります。
【ハイライト】
・直営店とフランチャイズの違い
・フランチャイズならではのメリット
・今の時代だからこそ〇〇を減らす工夫を
・最近の日本のチェーン店事情
・FCのあり方の変化の動向について
多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所。この番組は株式会社常進パートナーズの提供でお送りいたします。
店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠が最速・最短で年商30億、店舗数30超を実現する実証されたノウハウをコンセプトにのれん分け制度構築、FC本部立ち上げ、立て直し、人事評価制度の整備など飲食店、整体院、美容院などの様々なビジネスの多店舗展開を加速させるために重要なことを対談形式で分かりやすくお話しする番組です。
田村:こんにちは。パーソナリティーの田村陽太です。配信第25回目となりました。本番組のメインパーソナリティーをご紹介します。店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠さんです。よろしくお願いします。
高木:よろしくお願いします。
田村:高木さん、今日も元気にやっていきましょう。本日の質問はこちらとなっております。
「これから多店舗展開を進めていきたいと考えています。直営とフランチャイズ、どちらで展開すべきでしょうか。」という質問なんですけども。これは難しい質問なんじゃないですか。そもそも直営とフランチャイズっていう選択肢でいいんですか。
高木:店舗展開の切り方で言ったら、のれん分けとかあるんですけど、のれん分けっていうのはフランチャイズと同じなので、直営かフランチャイズかでいいと思いますね。
田村:ちょっとわかりやすく直営とフランチャイズの違いを教えていただけるありがたいです。
高木:直営っていうのは、展開している店舗っていうのは、全てその会社の店舗のものですね。会社が店舗に投資をして、そこに雇用した人を送り込んで経営をしていくと。だからそこで起きたことっていうのは全部その会社の責任になりますし、その分儲かったときに利益はすごく大きくなりますよね。
田村:それは何故ですか。
高木:というのは、フランチャイズの場合っていうのは、加盟店に店舗を作ってもらって、経営をしてもらうわけですよ、人も配置してもらって。だから会社に入ってくる収入は、売り上げとしては全部加盟店のものになりますから、ロイヤリティ収入とかになってきますよね。例えば1000万円売っていて、10%利益が出ている店舗を直営で持ってるとするじゃないですか。それが直営だと1店舗あったらこれ100万円。1000万円の10%で100万円入ってくるわけですよ。だけどそれがフランチャイズ店の場合、ラーメン屋だとロイヤリティ5%ぐらいですから、本部に入ってくるお金っていうのは50万円になるわけじゃないですか。
田村:そんなものなんですか。
高木:だからそう考えると、直営店の方が儲かってますよね、同じ条件だとすると。
田村:そうですね、直営の方がよさそうですね。
高木:だから利益の額だけ考えたら直営の方が大きいわけですよ。
田村:そうですね。聞いた感じだと絶対直営の方が得ですね。
高木:だけどフランチャイズのメリットっていうのは、まず店舗投資の負担とか、あと人員の配置とかっていうのを加盟店がやってくれるっていうところで、だから本部はそこの投資のリスクをまず負わないわけですよ。
田村:はい。
高木:というのが一つと、あと利益率が高いんですよね。
田村:利益率?ちょっと利益率がわからないです。
高木:だからさっきの話で言うと、直営店の場合1000万円で10%として100万円の利益なわけじゃないですか。100万円って大きいわけじゃないですか。
田村:はい。
高木:フランチャイズの場合っていうのは加盟店が1000万円売って、利益は10%ぐらい出たとしても、そのうち5%だけ本部が貰うんですよね。だから、額で見ると50万円減っちゃうわけじゃないですか、本部の配分っていうのは。
田村:はい。
高木:だけど本部の売り上げで見ると、本部の売り上げは50万円なわけですよ、ロイヤリティ分しかないから。だから利益率っていうのがめちゃくちゃ高くなるんですよね。
利益率で見るとですよ。売上高はも低いんですけど。だから収益性っていう観点で言うと、だからどっちがいいかっていうと簡単には直営の方がいいとは言えないですね。
田村:要は中抜きというかマージンみたいな感じですね。いろんな経費がかかって無いって事ですもんね。
高木:ビジネスモデルが違うので本部がノウハウとかを提供してその見返りとしてロイヤリティをもらってるんで、だから効率はいいわけですよ。投資もしてないですから。だからどっちを目指すかっていう話だと思うんですよね。
田村:なるほど。直営とフランチャイズのメリットを教えてもらったんですけど、これは多店舗展開ってどっちかに決めなきゃいけないんですか。直営でいくなら直営でいく、フランチャイズで行くならフランチャイズで行くみたいな感じなんですか。
高木:両方とも展開していくっていうところも結構ありますけど、まず考え方で話すと、フランチャイズっていう仕組みを導入するかどうかってことでしょうね。直営店舗での展開っていうのを基本的にしていくとして、フランチャイズを主体にするっていう考え方でもいいと思うんですけど、直営店舗で展開していきながら、田村さんがおっしゃったみたいにフランチャイズシステムを導入して両方を展開していくってこともできるわけですよ。
田村:はい。
高木:基本的に直営店舗は持ってるでしょうから、極論を言ったらフランチャイズ化するかどうかでしょうね。
田村:フランチャイズ化するかしないかっていうのは誰が決めるんですか?経営者が決めるべきなんですか?何か市場規模を見てやるべきなんですか。
高木:経営者が決める話ですよ。だから直営店舗で展開していくと、本部が儲かってる限りにおいては本部の利益も大きくなりますし、本部が自由に経営できるわけですよね。ただデメリットがあって、店舗の投資とか人材の確保を自分でやらなければいけないんで、今回のコロナみたいな状況になると、やっぱり経営が重たいですから、影響が大きいわけですよ。
田村:はい。
高木:あと最初にお金がかかったりするんで、店舗展開スピードっていうのもそんなに急速には行けない。フランチャイズっていうのは他人の資本とか、お金と人を活用して展開していきますから、経営が軽いんですよね。店舗を増やしていけますし、環境変化への適応も強いわけですよ。
田村:はい。
高木:ただ、店舗の利益は本部と加盟者で分け合いますから。同じ店舗数だと仮定すると直営チェーンとフランチャイズチェーンで利益の額で言ったら、やっぱりフランチャイズチェーンの方が、同じ店舗数だと少なくなる。その代わり店舗を急速にガーッと増やせますから、その部分では利益も増やせるし、利益率も高くなる。どっちを目指しますかって話ですよね。
田村:なるほど。それはやっぱり経営者自身が決めていくという事ですね。
高木:そうですね。フランチャイズの場合はやっぱり加盟者が関わってくることですから、加盟店のコントロールが難しいわけですよ。命令できないですから。
田村:そうですよね。
高木:その代わり違うメリットがあるわけじゃないですか。だから、まずはそういったメリットデメリットがあることを踏まえて、どっち選びますかっていうことを考えていかないといけなくて、今の時代にどっちですかってことですが、、、
田村:聞いた感じで言えば経営が軽くなる、フランチャイズと。
高木:ですから今はやっぱりそっちの方向に流れていってますよね。直営展開っていうのはどうしても店舗展開の速度が遅かったりしますし、経営も重たいと。環境変化の速度がどんどん速くなっていってるんで、だから今流行ってても3年後に流行ってないかもしれないですよね。
田村:そうですね。
高木:だから波に乗り遅れることもありますし、むしろその3年後にはもう全然収益が出なくて赤字になってるみたいなこともありうるわけじゃないですか。そういうことを考えると今の時代って直営展開だけだと結構リスクが高いんですよね。
田村:はい。
高木:これは店舗ビジネスに限らず、これからの経営ってやっぱりできるだけその固定費を抱えない。要は経営を身軽にしておくべき時代になっていくと思うんですよ。そういう観点で考えると、今日の経営環境の状況から考えて、やっぱりフランチャイズ化をしていった方がいいでしょうね。
田村:そうですよね。結構フランチャイズ本部をいっぱい抱えているような会社さんも今多いですよね。二、三個本部を抱えているような会社さんとか多いですよね。
高木:ただフランチャイズのあり方っていうのも変わってきてて、フランチャイズっていうと、そもそも店舗を急速に拡大していくっていうことが基本思想で発展してきたシステムなんですよね。だからフランチャイズっていうとそういうフランチャイズのあり方をイメージしてしまうんですけど、私はそういう店舗展開のあり方っていうのは今の時代にマッチしてないかなと感じるんですよ。
田村:なるほど。時代の転換点というか。
高木:というのはお客さんのニーズがよく多様化してるとかっていうわけじゃないですか。
商売によるんですけど、例えば飲食店とかで、同じブランドがもう1000店舗とか2000店舗とかそんなにあっても他にも行くお店があるし、その店舗だけ大好きで行く人ってもう減ってきてるんですよね。
田村:はい。
高木:だから一昔前みたいに大規模に展開できる可能性って、すごく減ってきてる。これから時代が経過していくに伴ってお客さんのニーズの多様化っていうのはもうまず間違いなく進んでいくわけですよ。
田村:はい。
高木:と考えたら大規模チェーンが生まれる余地っていうのは今どんどん減ってきてると思うんですね。大規模展開を前提にしたフランチャイズのあり方っていうのは、やっぱり時代遅れになってると思います。以前に比べると成功確率が低いってことですね。
田村:なるほど。昔に比べるとフランチャイズのあり方自身もやっぱり変わってきてるってことですね。
高木:なので今の時代に私がおすすめしたいのは、経営を良くしていくため、自社の経営力を良くしていくためにフランチャイズシステムを使っていく。店舗展開をすることを第1に置くんじゃなくて、さっきお話した通り、環境変化が厳しくなっていく、激しくなっていく中で、それに対応できる経営体質を作らなきゃいけないわけですよ。
田村:はい。
高木:そのためにはやっぱりフランチャイズシステムを一部導入していく必要があると思うんですね。ただ、それでそんなに展開していく必要はなくて、従業員さんに対してフランチャイズしてあげる、いわゆるのれん分けとかっていうものを使うことによって、直営展開のあり方だったものにフランチャイズ化を一部導入するとかね。こういう時代になってくと思いますよ。
田村:コロナとかいろいろ時代が変わってきている中で、フランチャイズのあり方も新しいやり方でやっていくというのが来ているんですね。
高木:はい。
田村:なるほど。先ほど高木さんがおっしゃってました、直営とフランチャイズだとやっぱりフランチャイズの方がいいですよって話もあったと思うんですけど、フランチャイズのあり方自身が急速な多店舗展開よりも小さくやっていくっていう風潮がある中で、これから企業さんがフランチャイズを始めるにあたって、フランチャイズのやり方自体が変わってきてるので、難しいじゃないですか。どうやってやっていったらいいかのワンポイントアドバイスというか、進め方のポイントをちょっと教えてもらいたいのですが。
高木:まずフランチャイズっていう言葉を調べると、ほとんどのケースが昔のフランチャイズの事を指しているんですよ。1000店舗やるとかね(笑)だから1000店舗やるとなると、いろんな仕組みが必要なわけですよ。だから大げさなんです、いちいち(笑)僕はあんまり難しいこと考えないでいいと思ってて、基本的にフランチャイズっていうのは、ある程度の確率で成功するようなビジネスモデルがあって、あとはそれをやりたいって言ってくれる人がいれば、小さくはできるんですよ。
田村:はい。
高木:だからまずは自社にそういうビジネスモデルとか、仕組みがあるかどうか。そしてやりたいって言ってる人がもしいるのであれば、これはそんなに難しく考えず、もっと気軽にフランチャイズシステムを使ってみる。そこにいきなりすごい手間をかけたり、お金かけたりしないで、まず小さくやってみたらいいと思いますよ。こういう時代に私はなってくと思います。
田村:そうですよね。高木さんがそういう新しいフランチャイズのあり方っていうのを提唱されてるので、リスナーさんもこんな考え方もあるんだって結構びっくりされてる方多いじゃないですか。なかなか珍しいというか、画期的な考え方じゃないですか。
高木:そう。やっぱ私もフランチャイズとずっと関わってきたんで、フランチャイズはこうあるべきだっていうのはやっぱり昔はあったわけです。だけど中小企業の経営に触れていく中で、やっぱりギャップを感じるんですよね。
田村:ギャップといいますと?
高木:中小企業の経営者で別に100店舗とか1000店舗とかやりたくないよと。10店舗とか20店舗ぐらいだったら展開をしたいなとか。自分たちの個性を残しながら、環境変化にも対応できるような店舗展開のあり方が何かないのかなと言ってるわけですよ。
田村:はい。
高木:だからそれって昔のフランチャイズとは全然合わないんですよ。でもそういう時代になってるんですよね。もっとフランチャイズの本当に重要な部分、それは結局ビジネスモデルと最低限の仕組みなわけじゃないですか。加盟した人が成功できるための仕組み。
あとはやりたいって人がいるかどうか、もうここだけなんです。
田村:シンプルですね。
高木:そう。そこに特化して、そこだけをちゃんと作って、小さくやってみるってことですよね。
田村:なるほど。また詳しくは高木さんの会社、常進パートナーズさんのリンクを概要欄に貼っておきますので、ぜひお問い合わせしてほしいですね。
高木:とにかくフランチャイズをもっと気軽に使っていくと。そんな考えでやっていただけるといいと思いますけどね。
田村:わかりました。今日は貴重なお話をありがとうございました。
高木:はい、ありがとうございました。
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