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加盟店の滞納リスクを抑制するためにFC本部が担うべき役割

加盟店は独立した事業主ですので、事業を行う上で当然に納税義務があります。
しかしながら、昨今の新型コロナウイルス感染症の影響による急激な売り上げの低迷で、税金が払えないケースも増えてきています。

コロナ禍においては、事業者の努力では防ぎようのない外部要因であるため、国も支払猶予などの支援措置を用意しています。
現状、資金繰りが苦しいのであれば、税務署や行政に相談することも一つの手段です。

しかし、税金は法的に決められた基準以外では決して免除されるものではありません。
経営破綻を招いたとしても、債権より優先して徴収され、自己破産しても免除されません。

今後は、今回のコロナショックで打撃を受けた加盟店の税金滞納が生じることも増えていくことが想定されます。
これは、FC本部にとっても大きなリスクといえるでしょう。

今回は、加盟店の税金滞納時の対応について触れていきたいと思います。

 

加盟店の納税状況を確認する

加盟店が納税すべきものは様々あります。
「納税履歴」は、原則個人情報ですのでFC本部が自由に確認できるものではありません。
しかし、加盟時や納税時期、店舗数を増やして開業する際などは、信頼関係のもと「納税証明」の提出は求めたいものです。

互いに独立した事業主であるため、加盟者が滞納していたとしてもFC本部が責任を問われるものではありません。
ただし、加盟店の滞納処分は、本部にとって間接的には大きなリスクとなります。

FC契約は、法的には「特定連鎖化事業」と表現され、本部と加盟店は一体化した事業形態と解釈されます。
「共存共栄」などといった理念を掲げる本部もあるでしょう。

にもかかわらず、加盟店の税金滞納とFC本部は関係ないとの立場をとること、すなわち責任から逃れることは、社会的に認められないと解釈するのが自然でしょう。

 

加盟店の滞納が発生しやすい消費税

事業主として納税すべき税には、消費税、所得税、法人税などの国税から、住民税(都道府県税・市区町村税)、固定資産税、自動車税などの地方税まで様々あります。

この中で、特に消費税はお客様から預かり、事業者にプールされるものですから、運転資金として流用されやすく、最も滞納されやすい税金ともいえます。
FC加盟店が滞納を発生させてしまう最たるものです。

加えて国民年金・国民健康保険・介護保険の負担が増え続ける中で、未納となるケースも増加しています。
将来の社会不安を招かないためにも、行政は本腰を入れて督促を強化していますから、この点も本部としては注意していかなければならいでしょう。

 

「預り消費税」の流用を未然に防ぐ手段例

「預り消費税」を加盟店が管理する仕組みは、特に会計管理が未整備であることが多い個人事業主や小規模事業主において、滞納のリスクを高めます。
信用しているか否かの問題ではなく、納税に向けた本部としての姿勢を示すためにも、仕組みの構築が必要と言えるでしょう。

例えば、加盟店からFC本部への売上送金義務のある場合には、売上送金時に、お客様からの「預り消費税」を一緒に送金してもらい、本部がその資金をプールして、納税時に加盟店口座へ振り込むことで、流用が防げます。
これは、売上送金義務がない本部においても、例えばロイヤリティと一緒に預かり消費税分を送金してもらうことで、同種の仕組みを構築することができます。

また、加盟店利益(引出金)を加盟店口座へ入金する際に「預り消費税」も一緒に入金できますが、利益(引出金)と「預り消費税」を混同させてしまう加盟店も多いため、「納税準備金口座」を開設してもらうことも一つの手段です。

 

「滞納照会書」受領時にFC本部が取るべき行動とは

加盟店で税金滞納が発生すると、「滞納発生→督促→催促→最終催促→財産調査→差し押さえ」のような順序で税金徴収の手続きが進みます。
加盟店が督促に応じない場合、FC本部へ「滞納処分照会」が前触れもなく、行政より届くケースがあります。
その際は、FC本部の社会的責任を果たすためにも、できる限りの協力をすることが望ましいでしょう。

加盟店の納税に向けた本部対応例としては、以下の内容が挙げられます。

  • 「照会書」を受領すれば、指定の期限内に必ず「回答書」を提出する
  • 加盟店と加盟店の顧問税理士へ事実確認をする
  • 国税へ訪問のアポイントを加盟店に取らせる
  • 国税への訪問時に担当S Vかエリアマネージャーも一緒に訪問する
  • 加盟店に支払い意思があることを先方へ伝えさせる
  • 納税可能な分納額・期限をあらかじめ決めて、面談時に約束させる
  • 行政との面談後、約束した分納が履行されているかを毎月確実に「納税証明書」で確認する

「滞納照会書」は行政が本気で徴収するための姿勢の表れです。
納税義務者として「納税の意思があります」という姿勢と言葉が大切なのです。
悪質でない限り、大抵は相談に乗ってくれますので、本部としても、加盟店が誠意ある対応をするよう指導する必要があります。

 

税金滞納時の差し押さえ対象

差し押さえの対象となるモノと言えば、事業者の資産を対象とするのが一般的ですが、最近では、FCビジネスにおける「本部へ送金する売上金やロイヤリティ」「釣り銭」なども対象となってきています。

ビジネスで発生するこれらのキャッシュも対象となるとすれば、本部も他人事ではありません。
突然の差し押さえにより加盟店が営業不能に陥ることのないよう、FC本部としては未然にリスクを抑制する対応をしておきたいものです。

 

まとめ

大手FC本部においても、上記のようなケースが実際に発生しています。
これは、本部にとっては大きなリスクです。
加盟店との信頼関係を密にし、加盟店の状況は常に確認できる体制としておきたいものです。

それでも納税証明は個人情報ですので、不利益な情報は加盟店も隠すことも考えられます。
FC契約書に、加盟時や複数店出店時には「納税証明書」の提出を義務付けることを盛り込んでおくことも一つの手段です。

大手FC本部においてでも、FC契約書にこれらを盛り込んでいるところはまだ少ないかもしれませんが、FC契約書も時代の変化とともに確定していく必要があるでしょう。

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