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フランチャイズ本部と加盟者の契約に関するトラブルを回避する

昨今の新型コロナウィルス感染症の影響による社会環境、雇用環境の変化や、個人の働き方や生き方の変化により、今後も独立・起業を希望し準備する方が増えていくことでしょう。

その際の選択肢の1つとして、「F C契約」「のれん分け契約」や請負契約や委任契約といった「業務委託契約」 など、契約を結んだ上で互いをビジネスパートナーとして認め合いながら事業展開していくケースは益々増えていくと思われます。
しかしこれらの契約形態にはトラブルも多く発生しています。

長く良きパートナーの関係を維持するために、今回は契約に関するトラブルの発生要因とその回避方法について触れていきます。

加盟者の声が市民権を得てきている

最新の事例ですが、人気ビジネスホテルで知られる「スーパーホテル」が加盟者から提訴されたケースです。 ニュースをご覧になった方も多いと思います。

「業務委託契約」を結んだ加盟者が、住民票をホテルに移して住み込みで働き、決められた業務委託料を本部から受け取って、ホテル支配人としてホテル運営するビジネスモデルで、元支配人が本部を訴えました。
具体的には、業務委託契約に基づいた加盟者の労働が、実質的に本部の指揮命令下にあり、労働基準法の「労働者としての地位確認」と「未払い残業代」「慰謝料」の支払いを本部に求めています。

本部の決めたホテルに配属となり、本部の決めたマニュアルで働き、清掃等の取引業者も指定され、営業備品購入も本部の決裁が必要であり、加盟者にほとんど裁量権がない契約であったようです。
2人で運営しながら毎月の手取りが1人当り10万円程であったとするならば、生活保護水準をも下回っており、ビジネスモデルとしては、もはや崩壊している利益水準です。

今回提訴に至った背景には、コロナ禍で宿泊者数が大きく減少し、稼働率が下がり、結果的に本部から契約解除された状況が引き金になっていることでしょう。
しかし今回の報道内容が事実であれば、独立した業務委託者であるホテル支配人が、実質的に本部の指揮命令下にあった実態が明らかになり、今後の裁判の行方が気になる事例です。

本来どんな形であれ、自由意志の下で契約を結んでいる訳ですから、加盟者の自己責任と言えるのが原則です。
しかし加盟時において、リスクやデメリット、苦労する点など、実態を全くイメージできないまま契約させているのであれば、本部側に説明責任が問われることになります。
まして「売上予測」「損益予測」を堂々と提示して契約をしているのであれば大きな問題です。

今後は、このように加盟者が声を上げるケースが増えると予想され、これまでは契約の自己責任を盾に本部の責任を問われなかったケースも、社会が認めない空気が醸成されてきています。

契約書の事前説明を確実に実施する

F C契約書では、本部と加盟者は独立した事業主であり、互いに経営責任があります。
そこは明確にされながらも、トラブルが絶えない原因の一つは、本部、加盟者ともに、FC契約書の事前説明をおざなりにしていることがあげられます。

加盟前の事前説明や加盟時の読み合わせに至るまで、締結するFC契約の内容を、本部はどのくらい時間をかけて加盟者へ説明しているでしょうか。

加盟候補者側の立場として、契約書の全ての説明を受けるのはかなりの苦痛です。
慣れない法律用語や言い回し、本部特有の仕組み・解釈を、初めて聞いた人が理解するのは困難です。
時には加盟候補者が退屈そうにすることもあるでしょう。そういった空気感に流されて、説明する側の本部担当者も説明を端折ってしまうことがあります。

しかし、ここは絶対に手を抜いてはいけないのです。
サラッと説明を流して、加盟候補者に署名させるケースは未だに発生していますが、これがゆくゆくトラブルの元となるのです。

例えば個人向けサービスの会員登録や、企業サイトにアクセスする際の「個人情報保護規定」を読まずに同意するケースと同じようなことが、加盟候補者の人生を左右するFC契約の現場でも起きているのです。

大手チェーンでは、トータルで6時間〜8時間以上の時間をかけて、FC契約書を説明することを自社の担当者に義務づけています。
その際に、法定開示資料とFC契約書について「誰に、何を、いつ、どのくらいの時間」説明したかを記録する「説明確認書」を用意し、説明したFC契約書の章ごとに署名・捺印してもらいます。
そして最後に「説明を受けて全て納得しました」の確認印を、契約者と連帯保証人も含めて押印してもらうのです。

このような仕組みを事前に用意することで、大手チェーンは「事前説明で聞いていなかった」というトラブルを回避しています。

担当するS Vが説明者となるのが一番 S Vの指導レベルを上げよう

一般的にFC本部において、FC契約書を説明するのは、店舗を準備し、加盟候補者を募った開発担当者が実施するケースが多いのではないでしょうか。
しかしトラブル防止の観点からすると、店舗オープン後の担当S Vが説明者となるのが本来は望ましいでしょう。

加盟者へ提供するビジネススキームを活用しながら、加盟者と信頼関係を築いていくのはS Vだからです。この立地に出店した経緯や売上予測を理解した上で、販促策を提案するのもS Vです。
更に何よりもS Vの経営指導のスキルレベルが格段に上がり、最高のS V教育となるのです。

残念なことに、大手チェーンにおいても、F C契約書の中身を理解できていないS Vが多いのも実態です。大量出店でS Vを即席で育成する必要があったためです。

店舗ビジネスは、開業しなければ結果が判らない部分も多いですが、加盟候補者に対して事前に「損益のモデルケース」を提示します。ただしあくまでもモデルです。

一方で社内では「予測売上」「予測損益」を開発担当者とS Vが共有しておき、開業後にその予測と実際の損益を検証し続けることが大事です。
ここで開発担当者の「予測損益」を鵜呑みにしてはいけません。
言わずもがな、出店稟議の承認を得るためにバイアスがかかっています。

S Vにも自ら作成させることが大切です。 大方、開発担当者の「予測損益」の方が高い実績になります。
自分で仮説を立てて検証しなければ、SVとして加盟者を経営指導する実力はつきません。
そしてオープン後の実績と「モデルケース」があまりにも乖離しているのであれば、これはビジネスモデルの問題です。
本部としてビジネスモデルそのものの再構築を考える時期に入っていると言え、早く手を打たなくてはなりません。

まとめ

加盟店が主張するトラブルの声としては、①「事前説明で聞いていなかった」②「適切な経営指導をしてくれない」③「損益モデルケースと実態の乖離が大きい」が多いです。

FC契約書の事前説明を加盟候補者へしっかり行った上で納得して捺印してもらい、担当SVが適切に加盟店に向き合って経営指導をすれば、前述のような本部と加盟者とのトラブルは減らせます。
そしてF C契約書を語れるS Vは、何より加盟店から信頼されるとともに、そのようなSVを育てている本部への信頼も高まることでしょう。

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