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のれん分けに必要な経営者と対象者の「対話」とは

先日、つい最近制度構築コンサルティングを終了したばかりの経営者の方から「のれん分け制度説明会を本日実施し、その場で即決した従業員が出ました!」と、説明会当日の夕方に喜びのお知らせがありました。
そのご報告から、のれん分けに必要な対話について考察していきます。

なお、のれん分け制度つくりや成功のポイントについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

事業拡大したい経営者必見!のれん分け制度をつくる7つの手順と、成功の3つのポイント


(1)経営者の熱さは伝わる

企業経営は一人ではできません。
良くも悪くも「この指とまれ!」と仲間を募って、徐々に集団となっていくのが、会社の原型だと思います。
特に、弊社がコンサルティングの対象とさせていただく中小企業では、経営者と社員の距離が近いことが特徴です。

なので、これまでご支援した企業で、比較的早くのれん分け対象者を輩出した企業は「経営者の声が届きやすい」規模であったり、「経営者の声が大きい」企業であったりした記憶があります。
ちなみにこの「声が大きい」というのは、物理的に大きな声という意味ではなく、日ごろからご自身の考えを伝える場を定期的に持っている、例えば毎年経営指針発表会を実施している、ブログや社内報等で長年経営者が自身の言葉を社内へ発信している、といったことです。

つまり経営者からの「この指とまれ!」の状態がずっと続いている企業であり、経営者の熱量がきちんと組織へ伝わっている企業と言えるでしょう。

(2)何度も書き直した「のれん分け制度説明資料」

「ここもう少し、こういう表現にしたいのですが」
「一度読んで、やはりこの言葉に変更したいのですが」
今回、ご報告いただいた経営者の方も、大変熱量の高い方で、かつご自身の発する言葉にとてもこだわりのある方でした。

のれん分け制度説明資料は、基本的な構成は弊社のひな型に沿って作りますが、コンサルティングの中でわかってくる企業の特徴や経営者からのご要望により、カスタマイズを加えていき、最終的にはその企業にあった資料にしていきます。
もちろん、ある程度弊社で仕上げたものを、ご自身で納得いくまで直され、実際の説明会で使われる方もいらっしゃいます。

なので、作り方はもちろん使い方も、経営者によって千差万別です。
ただこれまでの弊社の経験では、常日頃から社員へご自身の言葉を伝え慣れている方、また伝えようとする社員の顔が思い浮かぶ方は、「伝える言葉、表現にとてもこだわりがある」つまり、どうやったら自社の社員に自分の想いが伝わるか、とても丁寧に考えられている印象があります。

コミュニケーションの結果は、「相手に伝わったことがすべてである」ということを、身をもって知っているということなのかと思います。
さらに、人にご自身の考えや想いを、正確に誤解なく伝えることの難しさを知っているのでしょう。

(3)経営者の「真意が伝わらないもどかしさ」を超えていくものとは

普段のコミュニケーションにおいて、なかなか伝えたい想いが正確に伝わらない、誤解を受けた…そんな経験はどんな人にでもあるものではないでしょうか。
特に経営者と社員では、経営者にポジションパワーが自然に加わるので、社員に意図しない解釈をされてしまい、がっかりしたり、憤りを感じたり、という方も多いようです。

過去には「経営者と社員では、常に経営者の片想いですよ」と自嘲気味におっしゃる方もいらっしゃいました。
それだけご自身の想いや意図を、社員に正確に誤解なく伝えることができず、落胆していたのでしょう。
言葉で伝えることの限界なのかもしれません。

では言葉では伝わらない限界をいかに超えていくのか…
これには様々な方法があるとは思いますが、1つの手法として「対話」があります。
 
なお、経営者とのれん分け対象者との対話について詳しく知りたい方はこちらのコラムもあわせてご覧ください。

のれん分け制度導入においてなぜ「対話」が必要なのか

(4)経営者とのれん分け対象者に必要な「対話」とは

対話も言葉のやり取りですが、双方向のコミュニケーションのため、ビジョンや理念を一方的に伝えることとは、また違った効果があります。
対話とは相互理解を深めるためのコミュニケーション手段の1つなのです。

お互いの立場や考えが違うことを認め、理解しあいながら、率直な意見や気持ちをお互いが誠実に伝え合い、お互いが共感の姿勢を持って聴くことで、相互理解を深め、そして前向きな「未来づくり」に向かうものです。
なので、経営者が一方的に対象者を説得するような会話や対象者が独立のリスクや本部の支援内容を確認するためだけの会話ではないのです。

例えば、対象者からはこの時期に独立する不安やそれでも経営者になろうとするワクワクした気持ちが語られ、経営者からは、その不安に理解を示したり、自身の創業時の経験を語ったりしながら、本部のバックアップや経営者として一緒に成長することの期待などを伝えながら、のれん分けに必要な情報を伝え、お互いの齟齬を埋めていくのです。
場合によっては、途中で対象者が独立を諦めたり、延期したりするかもしれません。
経営者は本部の支援のあり方を考え直さなくてはならないかもしれません。

しかしのれん分けによる独立が、対象者にとっては人生をかけた決断である以上、互いの立場や考え、違いを納得いくまで話し合う「対話」は、のれん分けには欠かせないステップではないでしょうか。
今回、経営者から送られた「二人が笑顔で向かい合い、制度説明資料を掲げている」写真を見ながら、そんなことを考えました。

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