FC展開

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フランチャイズ本部構築前に満たすべき要件とは

「FC展開をするには何からはじめたらいいですか」

これは、先日弊社のセミナーにご参加いただいた美容院チェーン経営者からのご相談です。

ここ最近、FC展開を志向する経営者様からの相談が増加しています。
実際、日本フランチャイズチェーン協会が発表しているフランチャイズチェーン統計調査を見てみると、FCのチェーン数、店舗数、売上のいずれも、長期的には右肩上がりの傾向となっています。

周囲を見渡してみても、FCチェーンの店舗が存在しない地域は無いと言ってもよいほどに普及していることが分かります。
FCシステムが世の中の発展に大きく貢献していることが感じ取れるのではないでしょうか。

経営環境の不確実性の増大、人手不足問題の深刻化等が進む現代においては、リスク分散という観点からもFCシステムのメリットが見直されています。

コンビニの24時間営業騒動などで、FCについてのイメージが低下したことは否めませんが、長期的に見れば、FC業界の成長トレンドは今後も続くことが予想されます。

FC本部の構築や立ち上げ、立て直しのサポート・コンサルティングを専門とする当社にとっても、FC業界が成長、発展していくことは非常にうれしく思います。

しかしながら、FC市場が拡大をしていく中で、FC化するには時期尚早といえる企業がFC展開を開始し、加盟者とトラブルになっている例も増加しているように感じます。
そのような本部が原因で、FCに対して悪いイメージを持つ人が増えていることは非常に残念です。

そこで、今回はFC本部になるための要件について考えてみたいと思います。

 

要件を満たさないFC本部の弊害

FC本部になるための要件を考える前に、要件を満たさない本部がFC展開をすることが、いかに世の中に弊害をもたらすかを考えてみたいと思います。

FCの仕組みを簡単に整理すると、以下のように説明することができます。

「FC本部が開発した“成功する仕組み”を加盟者に提供し、加盟者はその対価としてFC本部に対して加盟金やロイヤリティを支払う関係性」

加盟者からしてみれば、加盟金やロイヤリティを支払ったとしても、自分単独でやるよりは結果的に高い収益性を実現することができるからこそ、FCに加盟しようと考えるわけです。

それでは、仮に本部が提供する仕組みが「成功する仕組み」でなかったとしたらどうなるでしょうか。

加盟者は、加盟金やロイヤリティといった“自力で事業展開するときには支払う必要のないコスト”を払っているのですから、経営状況は厳しいものとなります。

この場合、FC本部と加盟者とでトラブルが発生することは言うまでもありませんが、万が一、加盟店が業績不振により閉店することなった場合、加盟者自身はもちろんのこと、当該加盟店舗で働く従業員や取引先、顧客など、非常に多くの関係者に悪影響を及ぼすことになります。

したがって、成功する仕組みの構築が不十分で、加盟者の業績不振が頻発するようなFCチェーンは、社会にとって害悪であると言わざるを得ません。
このようなFCチェーンがやっていることは、飲食店で例えてみれば、腐った料理を提供していることと同じことです。

このように、成功する仕組みを構築できていない企業=FC本部に求められる要件を満たしていない企業がFC展開を始めてしまうと、意図しているかいないにかかわらず、社会にとって害悪になる可能性が極めて高くなってしまうのです。

ですから、当社ではFC本部の構築や立ち上げのサポート依頼をいただいたとしても、その企業様がFC本部になるための要件を満たしていない場合は、依頼をお断りするようにしています。
これは、FC業界の一関係者としての責任であると信じています。

これからFC展開を目指す企業様においても、まずはFC本部としての要件を満たしていることを確認したうえでFC展開を開始することが、FC本部の社会的責任といえるのではないでしょうか。

 

FC本部の要件

それでは、FC本部になるための要件とは、どのようなものなのがあるでしょうか。
弊社では、FC本部になるための要件を以下のように考えております。

・収益性が高いこと

あたりまえのことですが、FC展開する業態は高い収益性を実現していることが前提となります。

加盟者が自力で事業展開するよりも儲からないのであれば、FC本部の存在価値がありません。
ビジネスモデルやFCシステムの特徴にもよりますが、FC加盟で生じるコスト(加盟金やロイヤリティ等)も含めて、加盟店の投資回収が3~5年程度で実施できる程度の収益性は確保したいところです。

そのためには、モデル店舗の営業利益率が、飲食店でいえば15%以上、サービス業でいえば20%以上が一つの目安となるでしょう。

FC展開を目指す企業の中には、加盟金やロイヤリティで儲けることを目的として、収益性の低い業態をFC化するような本部もありますが、そのような本部は前述の通り社会悪になる可能性が極めて高いです。
自身がやろうとしていることの社会的な影響をよくよく考えたうえで、まずは業態の収益性向上に取り組むべきといえます。

・容易に模倣できないこと

FC展開が進展するにつれて繁盛する店舗が増えてくれば、当然、第三者による模倣行為が行われるようになります。
類似店舗が増加すれば競争環境が激化し、チェーンの競争力が失われることも考えられます。

ですから、展開している業態について第三者による模倣が困難であることも、FC本部としての重要な要件となります。

現時点における収益性が高かったとしても、事業を模倣することが容易な場合、将来的な収益性に疑念が残る点に注意をしなければなりません。

過去には、「居抜き物件の活用+サラダなどの食べ放題」というモデルで一世を風靡したレストランチェーンがありましたが、容易に真似できるモデルであったことから、あっという間に戦略を同業他社に模倣されてしまい、結果として短期間で優位性が失われ、大量閉店に追い込まれてしまった例があります。

・素人でも運営ができること

FCチェーンにとって、チェーン店間の統一性はブランドイメージを保つために極めて重要な要素となります。

統一性とは、どの店舗を利用しても一定品質のサービス品質が保たれている、ということです。
店舗間で品質にばらつきがある場合、顧客から見るとそのチェーンを安心して利用することができなくなってしまいます。

統一性を考えた時にしばしば問題となるのが、その業態の運営難易度の高低です。
運営難易度が低い=素人でも運営できる難易度であれば、統一性を保つことは比較的容易に出来ますが、運営難易度が高い=例えば、職人の技術が必要等の場合、チェーンとしての統一性を保つことは極めて難しいものとなります。

第三者加盟を前提としたFC展開をスムーズに進めていく為には、運営難易度がそれほど高くないことも重要な要件となるのです。
運営難易度が高い場合には、相応の教育システムや業務マニュアルを整備しておくべきでしょう。

・成功に再現性があること

成功に再現性があるとは、本部が定めているモデル店舗基準に基づいて新規店舗を出店した場合に、モデル店舗と同水準の成功を収めることができる、という考えです。
モデル店舗の成功がまぐれではないこと、と言い換えることもできます。
成功の仕組みを販売するFC本部にとって、まさに核となる点といえます。

例えば、地域性の強い業態を全く別の地域に出店した場合に、モデル店舗と同様の結果が生まれるかどうか、やってみなければわかりません。
当たり前のことですが、はじめてチャレンジすることはリスクが高く、失敗する可能性も大いにあります。
この状態では、成功に再現性があるとはとても言いきれません。

ここで、FC本部がトライアルで当該地域に1、2店舗出店し、実際に成功することが確認できた場合、その地域でも自社のビジネスモデルが通用することを検証できたわけですから、その成功には再現性があると判断することができます。

成功に再現性の無い業態をFC展開する行為は、成功する仕組み構築が不十分な業態をFC展開することと同義となります。
成功の再現性を検証することも本部の義務といえます。

尚、FC業界では、一般的に3店舗を2年経営することが、成功の再現性を判断する基準とされています。
これが絶対ではありませんが、一つの目安としていただければと思います。

 

まとめ

以上が、弊社が考えるFC本部となるための要件です。

FCシステムは、本部の事業発展はもちろんのこと、加盟店の繁栄、顧客サービスの充実など、世の中の発展に貢献できる極めて優れたシステムである一方、その社会的な影響力の強さゆえに、間違った使い方をすると社会に大きな悪影響を与える結果になることも考えられます。

FC展開を目指す企業としては、この点を十分に認識し、少なくとも本記事で紹介したFC本部の要件を満たしたうえで、FC展開を開始するべきでしょう。

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