前の記事、「メニューブックをつくる①掲載商品を決める」では、メニューブックに掲載する商品の決め方、「メニューブックをつくる②価格を決める」では、メニューブックに掲載する価格の決め方について紹介しました。今回から、その商品・価格をメニューブックの実際のページにどのように割り当てていくのかを紹介いたします。
カテゴリーの割り当ての考え方
実際にメニューブックの作成にとりかかる前に、大まかにメニューブック全体のページ構成を決定します。その際、ページ割をカテゴリー単位で考えることが大切です。具体的な考え方は以下の通りです。
商品カテゴリーをページに割り当てる際に気を付けること
単品商品の割り当てを決める前に、まずは商品カテゴリーをメニューブックの実際のページにどのように割り当てるのかを考えます。割り当てを決める際には、店のコンセプトに沿ったストーリーを考えながら割り当てることが重要です。ストーリーとは、例えば、お客様が最初にドリンクを注文、次に看板メニューや定番メニューの注文、まだボリュームが欲しい場合は追加メニューの注文、最後にデザートを注文、このような店側が考えた流れのことです。店のコンセプトに合った流れでお客様が注文すれば、お客様の満足度は高まります。お客様に店側が考えた流れで注文してもらうにはどうするのかを考えながら、商品カテゴリーを最初のページから順番に割り当てていきます。
実際にカテゴリーを各ページに割り当てる
ページ割り作業をするには、大きな紙やホワイトボードなどにカテゴリーを書き出して、店のコンセプトに沿ったストーリーを考えながらページごとにカテゴリーを当てはめていきます。
(ページ割り作業の例)
ポイントとなるページ①表表紙と裏表紙
表紙と裏表紙は開かなくても見てもらえる大事なページです。そのため、表紙と裏表紙を上手に活用できれば、店の売上を伸ばすことができます。
まず、表紙は店のコンセプトを伝えるページとして、来店客に「この店は何がウリの店なのか」を覚えて帰ってもらうための「メディア」として活用します。例えば、店の特徴を残す写真や文章を入れたり、看板商品の写真や「こだわり紹介」といったメッセージを入れたりします。
また、裏表紙は、「ついで買い」を誘うように活用します。1つ目の活用は、デザートをアピールする活用です。大半の飲食店では、デザートメニューは看板メニューになることは少ないのですが、裏表紙にデザートのおいしそうな写真を載せてアピールすれば、ついで買いとして注文率を高めることができます。2つ目は、フードメニューの裏表紙でドリンクをアピールして、ドリンクの追加オーダーをとる活用です。この活用は、焼肉店や定食店のような食事需要中心で、ドリンクメニューが1ページに収まるお店に適しています。それぞれの店舗で「ついで買い」を誘えるメニューは何かを考えて、掲載することが大事です。
ポイントとなるページ②見開きページ
表紙の次の見開きは誰もが見るページです。ここにどんな情報を載せるかによって、店の印象を高めたり、店の売上を伸ばすことができます。活用パターンは3つあります。
1つ目の活用は、お客様に必ず食べてもらいたい「ウリの商品」や店のコンセプトがよく伝わる「お勧め商品」の情報を伝える活用です。
2つ目は、お酒が飲める店であることの情報発信をする活用です。これは、和食店やそば・うどん店でよく活用しますが、メイン商品を頼んだら後ろページは見ないため、お酒のメニューがあっても気付かれないことがあります。先にお酒メニューを掲載することで、ちょい飲みの注文を取ることができます。
3つ目は、初回来店のお客様向けに店の使い方を伝える活用です。注文方法がユニークであったり、地場メニュー中心である店では、馴染みのないお客様は、どのように注文して良いのかわからない場合があります。そのような場合に説明があると、お客様は安心して注文することができます。
以上、今回は商品カテゴリーを実際のメニューブックに割り当てる方法を紹介いたしました。店のコンセプトに沿ったストーリーを考えながらページに当てはめることで、お客様の満足度を高め、店の売上向上につなげることができます。次回は単品商品の割り当てる方法を紹介します。
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