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飲食店開業の戦略③飲食店の商圏・立地の考え方

1) 飲食店の商圏とは

飲食店を開業する際には店舗の立地を考えると思いますが、その店の商圏にどのくらいの人口があり、次にその商圏人口のうちどれくらいの割合でお客様として来ていただけるのか、というのが立地の基本的な考え方になります。「商圏」というのは、その店への来店が期待できるお客様の居住地域・通勤地域の範囲を指します。ひらたく言えば、「どこからお客様が来てくれるのか」ということです。徒歩客中心の飲食店の場合は徒歩5分以内、車で来店を想定した場合は車で10分以内の距離圏が基本的な商圏と考えられますが、個性が明確で、わざわざ選んで来てもらえる店舗であれば、商圏はより広くなります。

2) 良い立地とは

では、より具体的に良い立地の条件にはどのようなものがあるでしょうか。簡単に言えばお客様がたくさん入店してくれるのが良い立地ということになりますが、次のような要素が考えられます。
・人通りが多い
・駅に近い
・車で入りやすい
・視界を遮るものがなく、店の場所・看板が良く見える
・競合店が近隣にない
・周辺環境が良い(お客様を遠ざける要素がない)

3) 駅前立地とロードサイド立地

上記のように立地条件を並べてみたとき、「駅に近い」と「車で入りやすい」は矛盾する場合が多いことに気づかれるのではないでしょうか。実は、飲食店の典型的な立地場所としては、「駅前立地」「ロードサイド立地」の二つがあり、大きく違った特徴があります。
駅前立地は主に徒歩客、ロードサイド立地は主に車での来店客を主要なターゲットにしているため、利用シーンもそれに応じて違います。
例えば、ロードサイド立地では、酒類で稼ぐことは難しいので、定食屋・ラーメン屋、あるいは喫茶店等の出店が通常の考え方です。ただし、これを逆手にとり、送迎バスサービスで繁盛しているロードサイドの居酒屋もあります。

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4) 商業施設への出店と単独出店

駅前にも、ロードサイドにも、百貨店やショッピングセンターなど、さまざまな形態の複合型商業施設があり、同一施設内にアパレル・雑貨・飲食その他の店舗が集積していて、その総合力が生み出す集客力が大きな魅力になっています。その一方で賃料が高めで、実績がないとなかなか声がかからないため、開業してすぐはこういうところに出店することはできませんが、将来的に多店舗展開して大きな事業にしたいと思っているのであれば、商業施設への出店は一つの目標になるでしょう。まずは単独出店からのスタートになりますが、近隣に商業施設があれば、その中の飲食店との競争はすぐに始まるということも忘れてはなりません。

5) 立地条件と家賃

立地条件が良ければ、当然家賃も高くなります。しかし、上ですでに見たように、良い立地条件の要素は一つではありませんから、「何を重視して何は妥協できるのか」という基準を自分の中でなるべくはっきりさせる必要があります。端的に言えば、「都心のブランド力のある地名だが、奥まった裏通りで人目につかない場所」と「地方都市だが、駅前の一等地でその町では一番人通りが多い場所」の家賃が同程度ならば、どちらをとるでしょうか。その答えは常に同じではありません。どのような業態で勝負するかにより、答えは違ったものになります。

6) ニッチを狙うべきか、万人受けがよいか

一般的な考え方としては、人口密度の高い地域への出店の場合は「狭く、深い業態(と店づくり)」、人口密度の低い地域への出店なら「広く、浅い業態(と店づくり)」が大原則となります。高密度地域においては競合の数も質も高く、特徴がはっきりしない店はお客様から選んでもらえません。来てほしいお客様のタイプを絞り込み、個性的な店づくりによって、ニッチをがっちりつかまなければならないのです。低密度地域では逆に、そもそも商圏人口が少ないので、なるべく幅広い層のお客様に来ていただく努力をしなければ売上げが十分確保できません。競争もそれほど厳しくないので、万人受けする無難な店づくりのほうがむしろ来てもらいやすいのです。

7) まとめ・・・自分の目で確かめよう!

理想的な立地条件を求めすぎると、そこは家賃が高すぎて手が出ないものですが、不動産屋の説明だけを信じるのではなく、自分の目で出店候補地をいくつも見ることによって、営業のイメージを固めていきましょう。一見裏通りに見えるが、実際に観察していると案外にランチタイムの人通りが多いということがわかる場合もありますし、通行人におしゃれなOLが多くて自分が開業しようとしているカフェとイメージが合致する、ということもありえます。また、賃料には競合状況は反映されませんので、周辺の競合店舗も直接確認が欠かせません。自分にとって割安な賃料を獲得しようと思ったら、歩いて探すことを楽しむぐらいの気持ちが必要です。

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