人材育成

【ネットラジオ】第12回『整骨院のスタッフの賃金アップに限界があり、キャリアビジョンを示すための良い方法はないでしょうか?』

ネットラジオ『多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所』は、弊社代表の高木と社労士の田村陽太が、飲食店、整体院、美容院等の様々な店舗ビジネスの「多店舗展開」を加速させるために重要な事を対談形式でお話しするラジオ番組です。

第12回『整骨院を経営しています。スタッフの賃金アップに限界があり、キャリアビジョンを示せません。何か良い方法はないでしょうか?』というテーマで店舗ビジネス専門コンサルタントの髙木悠が熱く語ります。

【ハイライト】

・店舗ビジネスの事業の仕組み

・店舗ビジネスならではの人件費問題

・店舗ビジネスでのキャリアビジョン構築方法

・成功する人間はどの分野でも活躍できる論

・従業員に対するキャリア教育の重要性


多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所。この番組は株式会社常進パートナーズの提供でお送りいたします。

店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠が最速・最短で年商30億、店舗数30超を実現する実証されたノウハウをコンセプトにのれん分け制度構築、FC本部立ち上げ、立て直し、人事評価制度の整備など飲食店、整体院、美容院などの様々なビジネスの多店舗展開を加速させるために重要なことを対談形式で分かりやすくお話しする番組です。

田村:こんにちは。パーソナリティーの田村陽太です。配信第12回目となりました。本番組のメインパーソナリティーをご紹介いたします。店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠さんです。よろしくお願いします。

高木:よろしくお願いします。

田村:高木さん、本日も元気にやっていきたいと思うんですけども、今日の質問はこちらとなっております。

「整骨院を経営しております。スタッフの賃金アップに限界があり、キャリアビジョンが示せません。何か良い方法はないでしょうか。」という質問なんですけれども。お答えいただけますでしょうか?

高木:なるほど。整骨院を経営されている方からの質問になるんですけど、賃金アップに限界がありキャリアビジョンを示さないとかっていうお話は、整骨院だけではなくて店舗ビジネス全般に共通している課題かなと思いますね。

田村:結構よくある質問なんですね、これは。

高木:例えば似たような商売でいくと、美容室なんかもそうですよね。それ以外にも、エステとかもそうでしょうし、飲食店なんかも同じなんじゃないですかね。社員の方1人当たりが生み出す売り上げとか、粗利益がそんなに多くないビジネスなので、整骨院で言うと、多分月あたりの1人当たりの売上が80万円とか行くと、結構繁盛店なんですよ。

田村:なるほど、目安があるんですね、やっぱりそういうのが。

高木:だから、そこから払える給料っていうと、多分多くて半分。田村さんは詳しいと思いますけれど、社会保険の負担とかもあるわけじゃないですか。

田村:ありますね。お給料に対しての負担は高いです、やっぱり。

高木:だからそれを含めて多分40万ぐらいになると思うんですよ。

田村:なるほど。それでは結構いっぱいいっぱいですね、そしたらね。

高木:そうそう。ここっていうのはやっぱり店舗ビジネスの全般的な課題になってきますよね。

田村:では、この質問者の「スタッフの賃金アップに限界がある」っていうのはそういう背景からあるんですね。「キャリアビジョンを示せません」っていう風に悩まれてるんですけれど、これはどういうことなのでしょうか?業界的にある事なんですか?

高木:キャリアビジョンというのはおそらく、「社内の出世の道」を言ってると思うんですね。当然給料が増えていかないとかっていうのもあるんでしょうけど、例えば整骨院だと現場で働いてて、院長とかになって、その後マネージャーとかになっていくわけじゃないですか。

田村:いろんな店舗を統括していって。(ということですよね)

高木:だけど、そのステップアップの道っていうのが本当に少ない。これはもう当然のことで、これはさっきお話した通りでその1人当たりの生み出す価値が限られてますから、80万売ったら40万円しか人件費に充てられないわけじゃないですか。

田村:そうですね。

高木:例えばマネージャーとかっていうのは、直接的に治療しないわけですからお金を生まないわけですよ。だから現場にいる人たちが1人80万売ったら、その80万円の中から自分の人件費も出すし、マネージャーの人件費も出さなきゃいけないじゃないですか。

田村:そうですね。

高木:だからマネージャーっていうポジションがいっぱいあったら、みんなの給料どんどん下がってしまうわけですよ。だから当然ピラミッドの上の方のポジションというのは少なければ少ないほど、会社としては優秀というか収益性が高いわけですね。

田村:なるほど。

高木:なので、やっぱり店舗ビジネスではこのキャリアビジョンを示すっていうのが非常に難しい。

田村:無駄なポストを置いてしまうと、その人件費が圧縮されちゃうってことですね。

高木:人件費が、どんどんどんどん現場に払うことができなくなりますよね。

田村:整骨院の経営者とかも、スタッフのお給料も払えないってところがあるけれども、キャリアマップとかキャリアビジョンっていうのを示したいってことなんでしょうか。マネージャーを置けないという葛藤を抱えながら、どんなふうにして、どういう風なのが理想なんですかね、経営者の方のキャリアビジョンでいうと。

高木:その中でもその会社で働いていることで、社員の方が「自分がいい人生を歩むことができる」と思わないと、やっぱり人は辞めてしまうし、入ってこないじゃないですか。

田村:そうですね。

高木:なので、そこをどうやってこう描いていくか、ここは考えていかなきゃいけないですね。

田村:そのために具体的な方法というとどんなことがあるんでしょうか?

高木:店舗ビジネスの経営者もそうですし、従業員さんにもちゃんと伝えなければいけないことは、今お話した店舗ビジネスっていうのはそもそも1人あたりの生み出す価値というのが限られてるから、社内の出世の道は、どこの会社でもそんなにたくさん用意できないですし、賃金アップもできないわけですよ。そういった現実があるっていうことをまずはしっかりと共有していくことが必要ですよね。

田村:会社側が従業員にそれを言っちゃっていいんですか。

高木:そう、それは会社の問題ではないんですよ。店舗ビジネス全体の特性としてそうなってるわけですよ。

田村:売り上げの仕組みのところで、それが影響してると。

高木:そう。その中でやっぱり自分の人生っていうのをどうしていくのかっていうのをちゃんと考えていかなきゃいけないわけですね。だからまずはそういう教育をちゃんとするってことなんですかね。

田村:ちゃんと従業員さんに伝えていくっていうのが大事なんですね。もう一つ質問なんですけれど、やっぱり人件費とかお給料には限界がある中で、従業員さんがやる気を持って働いてもらうことが重要じゃないですか。お金じゃないところって何が重要なんですか。

お金じゃないところでこの会社で働きたいとか生きがいだとか、そう思ってくれるようなポイントってどういうのがあるでしょうか?

高木:整体院とか整骨院とかだと、結構治療に対してのこだわりがあるというか、お客さんに満足してほしいという、そういう治療(技術)を極めていきたいとかっていう方は結構多いですね。なので、そういったことを突き詰めていけるような道があってもいいんじゃないですかね。

田村:なるほど。自分の施術の技術っていうのを高めていくような仕事の与え方とか、そういうことですか。

高木:でも、結局整骨院とかで働いていらっしゃる方って、やっぱり会社で働いててもなかなか先が見えないから、自分で独立しようとか、他に転職しようとか考え始めるわけですよ。

田村:そうなんですね。

高木:でもそれって、やっぱり一部分しか知らなくて、隣の世界がすごく青い芝生に見えていることが往々にしてあるんですよね。

田村:はい、と言いますと?

高木:例えばよくあるんですけど、整骨院とかで働いてて、もう給料も上がらないし、先も見えないから、保険の営業マンになるとかね。

田村:思い切りましたね。

高木:そういう方って結構いるんですよ。何でかっていうと、保険の営業マンとしてすごい活躍されてる方って、収入も多いし、キラキラしてるわけじゃないですか。表面だけ見るとすごくよく見えるわけですよ。だけど実態どうなってるかっていうと、そういう人は本当に限られた一部だけで、ほとんどの人っていうのは、もうそもそも新規のお客さんが取れなくて困ってるわけじゃないですか。そういう現実をやっぱり知らないわけですよ。なので、やっぱりそういうところはちゃんと教育しなきゃいけないんですよね。

田村:そういうところっていうのは、どういう風に教育していくんですか。

高木:よくキャリア教育って言うものだと思うんですけど、例えば自分たちの整骨院とか整体院以外の、やっぱり一般的な企業の状況とか、例えば大企業に入ったら、頑張っていけばどんどんどんどん出世することって不可能じゃないと思うんですけど。優秀な人が集まってて、競争って厳しいわけじゃないですか。

田村:そうですね、出世も厳しいですよ。

高木:その中で勝ち上がっていくためにはそれなりの苦労もしなきゃいけないですし、全然青い芝生じゃないわけですよ。だからそういうことを知らずにやっぱり行ってしまうと不幸になるじゃないですか。

田村:そうですね。

高木:整骨院は整骨院でやっぱりいいことがあるでしょうし、他の業界もそうですね。良いこともあれば悪いこともあると。そういう幅広い知識を会社でちゃんと伝える場っていうものを作っていって、その中で従業員さんそれぞれが、自分はどういうキャリアを作っていくのかっていうのを、従業員さんに考えてもらうっていうのが大事なんじゃないですかね。

田村:なるほど。経営者とか経営層が従業員に対して、うちの業界だけじゃなくて他の業界っていうのも、「大変なんだよ」っていうのを、例として伝えていくみたいな感じですか。

高木:「大変なんだよ」っていうことっていうよりは、基本的な考え方ですよね。整骨院もそうですし、他の業種に行って、大企業で働くとか保険の営業もやるとか何でもいいんですけど、自分が望む未来を得るために突き詰めて考えていくと、どこに行っても活躍できる人材になるしかないと思うんですよね。

田村:それは深いですね。

高木:だから目の前の仕事で、本気で取り組んで、その中で結果が出せる人っていう風になれば、どこに行ったって活躍できると思うんですよ。だから、整骨院で働くことのメリットデメリットもそうですし、転職することとか、独立するとか、全部メリットデメリットがあるわけじゃないすか。

田村:そうですね。

高木:そういうのをちゃんと伝えた上で「あなたは何を目指すのか?」と。ただ何を目指すにしたって、結局はその人はどこに行っても活躍できる能力をつけなければ、何やったって中途半端で終わるわけですよ。だからそういうのをちゃんと伝えた上で、目指すビジョンに向けて、今何をするのかというのをちゃんと考えてもらうような機会を提供していけば、モチベーションって変わってくると思うんですよね。

田村:なるほど。そういう視点からキャリアビジョンを作っていくのが重要なんですね。

高木:その中に会社が応援できることがあれば、こののれん分け制度というのは、その一つであるわけですよ。

田村:なるほど、そこに繋がるのですね。

高木:独立をするっていう道の中で、よく整骨院で独立するというのでよくあるのは、自分1人でやるとか、自分と奥さんの2人体制でやるとか、そんな感じなんですけど。

そんなビジネスで独立したとしても、整骨院の施術って結構ハードな仕事じゃないですか。

田村:そうですね。大変ですね。

高木:50才60才とかになって1人でできるかっていったら難しいと思うんですよ。だからそういった状況を踏まえて、独立支援の意味を込めて、「人を雇用して経営者になるようなシステムを用意してあげるから、こういったものでチャレンジしたらどうですか?」みたいなっていうキャリアビジョンを示すことも一つになるじゃないですか。

田村:なるほど。従業員さんのニーズとか目指すところっていうのを経営者として引き出していって、適切なキャリアビジョンを提案していくみたいな感じなのですね。

高木:そうですね。ちゃんとやっぱりそこは教育しなきゃいけないんですよね。

田村:なるほど、(リスナーさん)良いこと聞きましたね。

高木:最近もね、美容院の経営者からお話を聞いてたんですけど、美容院でもよくあるのは、自分1人でできる規模で独立をする、だから病院ってめちゃくちゃ数があるんですよね。

田村:今そうなんですか。

高木:美容院ってコンビニなんか比じゃないぐらい多いんですよ。

田村:コンビニよりも多いんですか。

高木:そうですよ、だって一駅に何個もあるじゃないですか。これはみんな美容師で働いてると給料も上がらないし出世とかっていう道もあまりないし、「独立するしかない!」という事で、小さなお店で独立するんですよ。働いてたお店のお客さんをいっぱい連れてってやるわけですよ。最初はいいんですよね、お客さんも来るし、スタッフが若ければ。だけどスタッフがだんだん年とってきたら、若い人の話とかについていけなくなって、お客さんがだんだん減ってきたりして、最初がピークで、だんだん減っていくような。

田村:そういう現状なんですね。

高木:私はそれは美容院を経営されてる会社が従業員さんに対してそういったところも教育をしていく必要があるじゃないかなと思うんですよね、そういう現実を。

田村:そういうことが将来20年後30年後にあるよという事を言ってあげるっていう事ですか。

高木:そうそう。だからそれを知った上で、それでもやるのか、それとも違う道を(例えば)人を雇用して自分が厳しくなった代わりの人にやってもらえるような店にするのか。結局はその人の何を目指すかによるじゃないですか。なので本部は、やっぱその正しく判断できるような情報をちゃんと提供していって、その中でサポートができるものがあるのであれば、そこに対してそのキャリアビジョンの一つとしてそういう選択肢を作ってあげる、それは大事なんじゃないですかね。

田村:いいことを聞きました。ありがとうございます。整体院とか店舗ビジネスをやっている経営者の方がどうやってキャリアビジョンを示せるかの、良いヒントが今日は得られたかなと思います。高木さん、今日はありがとうございました。

高木:ありがとうございました。

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