ネットラジオ『多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所』は、弊社代表の高木と社労士の田村陽太が、飲食店、整体院、美容院等の様々な店舗ビジネスの「多店舗展開」を加速させるために重要な事を対談形式でお話しするラジオ番組です。
第31回 『居酒屋を1店舗経営しています。今後、多店舗化を進めたいのですが、どのようなことを準備しておくべきでしょうか。』というテーマで店舗ビジネス専門コンサルタントの髙木悠が熱く語ります。
【ハイライト】
・店舗展開をする上での企業が直面する課題
・社員への業務を委譲する上でのポイント
・自社業務の棚卸しのポイント
・二店舗目以降の店舗マネジメント方法とは?
・店長候補社員への教育方法 ・店長に求める理想像は何なのか考える事
多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所。この番組は株式会社常進パートナーズの提供でお送りいたします。
店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠が最速・最短で年商30億、店舗数30超を実現する実証されたノウハウをコンセプトにのれん分け制度構築、FC本部立ち上げ、立て直し、人事評価制度の整備など飲食店、整体院、美容院などの様々なビジネスの多店舗展開を加速させるために重要なことを対談形式で分かりやすくお話しする番組です。
田村:こんにちは。パーソナリティーの田村陽太です。配信第31回目となりました。本番組のメインパーソナリティーをご紹介します。店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠さんです。よろしくお願いします。
高木:よろしくお願いします。
田村:高木さん、今日もやっていきましょう。今日の質問はこちらとなっております。
「居酒屋を1店舗経営しています。今後、多店舗化を進めたいのですが、どのようなことを準備しておくべきでしょうか。」ということなんですけども。これは直営でやっていきたいという事なんですかね。
高木:直営でしょうね。
田村:どんなふうにしてやっていくべきなんですかね。
高木:今は1店舗を経営されていて、2店舗目とか3店舗目とか展開していくと。やっぱり1店舗から2店舗、3店舗に増やすときには大きな壁がありますよね。例えば今までは1店舗ですから、多分経営者が営業時間中にずっといたと思うんですよ。だけど2店舗目を出すと、お店にずっと居ようと思っても半々しか入れないわけじゃないですか。
田村;そうですね。
高木:だから、特に3店舗出していくと3分の1になってしまいますから、経営者がお店にいることを前提にした従来のマネジメントだと、店舗が回らなくなってくるんですよね。
田村;なるほど。
高木:だからやっぱり経営者がいなかったとしても、店舗が回るようにしていかないといけないという事は、大きな壁になるんじゃないですかね。
田村:店長とか社長がいないときに売上を確保していくみたいなマネジメントが必要になっていくと思うんですけど、そこは2店舗目を出す際にどんな風にしてやっていくもんなんですか。
高木:まず、経営者が今居酒屋1店舗やってて、どんな仕事を担当してるのかっていうのを、1回整理する必要があると思いますけどね。経営者が今までずっとやっていた業務があるわけじゃないですか。2店舗になって2店舗とも全部経営者ができるかっていうと、絶対できないじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:だから、経営者がやってた業務の中でも、人に渡せるもの、スタッフに渡せるものっていうのをちゃんと特定して、渡せる状態にしていかなきゃいけないじゃないですか。それはやり方をマニュアルにしたりだとかしていかないと、経営者はめちゃくちゃ忙しくなってしまいますよね。
田村:そうですね、確かに。単純に2店舗どっちもやっちゃうみたいな感じになりますもんね。
高木:そう。だから2店舗目出そう、3店舗目出そうと思ったときに、最初にやらなければいけないのは、今経営者がやってる業務がどういうものがあるのかっていう棚卸ですよね。
それで業務の優先順位の付け方っていうのをしっかりとしていただいて、どの業務を従業員さんに渡していくっていう話です。最終的には全部渡すんですけど、渡しやすいものと渡しにくいものってあると思うんですよ。
田村:はい。
高木:あと、社長がこれやってて意味あるの?みたいなものをちゃんと優先順位付けしていって、それを従業員さんに渡していかないといけない。これはもう2店舗目3店舗目を出す前に絶対やった方がいいですね。
田村:なるほど。ちょっと質問したいんですけど、やっぱりこれは経営者じゃなくても、サラリーマンでもあると思うんですけど、やっぱり自分にしかできない業務って思い込む事って誰でもあるじゃないですか。人に任せてくってなかなか簡単なようで難しいところもあるじゃないですか。それってどうやってやっていくもんなんですか。これは任せられる業務だっていう風にしていく心持ちになるためには何が重要なんですか?
高木:まず2店舗目を出すわけじゃないですか。そしたら、今の業務体制でさらに店舗を2店舗3店舗と回せるかどうか、これをイメージされてみるといいと思いますけどね。
田村:なるほど、それはどういう事でしょうか?
高木:イメージをするじゃないですか。イメージをしていくと、多分回せないっていうことに、嫌でも気がつくと思うんですよ。もうこのままじゃにっちもさっちもいかないっていうのがわかれば、「いや、この業務は俺がやりたい」みたいなものって、そのままでいったらうまくいかないわけですよ。
田村:はい。
高木:もう想像できるわけじゃないですか。だから必然的に、やっぱりそれも渡さなきゃいけないっていう気持ちになってきますよね。
田村:なるほど。経営者の覚悟が決まるっていうか。
高木:やっぱり一番良くないのって、この業務を自分でやってたいとか、人に渡すと最初面倒くさいと思う事じゃないですか。資料を作ったりしなきゃいけないから後回しにしたりするんですよ。また、そこに対して社長が本気で思ってないとすると後回しになっていくわけですよ。
田村:はい。
高木:でもこれって3店舗展開した後にやろうと思ったら、そもそもその業務を抱えながらやるから余力がないともうできないんですよね。だからより一層大変なわけですよ。ちゃんと業務を棚卸ししたら、その業務を2店舗目3店舗と出したときに、業務も増えていくので、それを今の働き方でちゃんと回せるかなってちょっと想像してみていただいて、ちゃんとそれが回らないっていう状態を明確にイメージしていただいて、業務を整理して従業員さんに渡すっていうところに対して、まず覚悟を決めていただきたいっていうところですかね。
田村:なるほど。それが経営者として多店舗化する上での心持ちとして大事なんですね。ちょっと質問なんですけど、そのようにして自分の業務の棚卸をして、2店舗目の方に任せる業務とかを決めていくじゃないですか。オーナーとしての立場でいうと、2店舗を任される際に、どっちの店舗も入るようにした方がいいのか、1店舗はオーナーが見てもう2店舗目は、誰か店長を雇用して、その人に任せるかとか、どんな風にしてやっていくべきなのでしょうか。
高木:これも経営者によるんですけど、例えば展開する店舗数が2店舗とか3店舗とかそれぐらいでよければ、オーナーは1店舗に入って、残りの2店舗を任せるみたいな考え方もありますよね。もしくは副店長みたいなのを各店舗に配置して、オーナーは日替わりで各店舗に入るみたいな考え方もあるじゃないですか。
田村:はい。
高木:だけどそれもせいぜい言ったって5店舗とかのわけですよ。5店舗を越えたら日替わりでも入れなくなってくるじゃないですか。一週間に1回お店に行けないわけですから。
田村:そうですね。
高木:だから5店舗以上、10店舗とかを目指すとなると、これ次のステップに入っていくんですけど、経営者がオペレーションに入らなかったとしても、ちゃんと回る体制作りをしていかないといけないですね。そうなると経営者の仕事っていうのはオペレーションじゃなくなるわけですから、今度はだからマネジメントになってくるわけじゃないですか。
田村:はい。
高木:だからそこをもう目指してるんであれば、2店舗目とか3店舗目の段階から、やっぱりもう自分が入らなくても回るような、仕組み作りを進めた方がいいと思いますけどね。
田村:なるほど。回る仕組みというと、店長さんが経営者と同じような仕事ができるように作っていくっていう感じですか。
高木:そうそう。だからまず2年目3年目やろうとしたときに、まず従業員さんに任せていかなきゃいけない業務ってやっぱりオペレーションじゃないですか。オペレーションできないとそもそも始まらないので、やっていくわけですよ。だけどそれが一通り終わったら、店舗の経営とオペレーションだけでできるかっていったら、そうじゃないじゃないですか。売上を上げるためにこういうことをしなきゃいけないとか、例えば飲食店で言ったら、原価のコントロールとか人件費のコントロールとか、そういうのもしていかなきゃいけないじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:でもこれも例えば3店舗ぐらいならまだしも5店舗とかなっていったら、たまに全店舗のシフトを社長が作っている所もあったりしますけど、もう超大変ですよね。
田村:大変ですね。
高木:だから、社長はマネジメントに行って、現場はもう従業員さんに任せていくという観点でいくと、そういうシフト管理とか要は経営者がやってた業務、経営管理の業務も本部はやっぱり委譲しないといけないですよね。
田村:なるほど。そういう経営管理とかそういう知識というのは、どういうタイミングで従業員さんに教育していくものなんですか。
高木:店舗を任せるタイミングですよね。
田村:なるほど。オペレーションだけじゃなくてこういうことも学ばなきゃいけないのだよみたいに伝えていくというか。
高木:例えば今の段階で、2店舗目3店舗目を出そうと思ったときに、店長候補としてまず適任者を1人決めるわけですね。でもまだ店長業務はできないわけじゃないですか。そこに対して、代表が今までやっていた業務のうち、店舗マネジメントに必要な業務を一つずつ委譲しなきゃいけないですよね。
田村:なるほど。
高木:店長業務は、オペレーションより難易度高いんですよ。オペレーションっていうのはもうマニュアルにまとめれば誰でもできるじゃないですか。面倒くさいんですけど、従業員さんへの委譲はしやすいですよね。
田村:はい。
高木:例えば、売上の上げ方とかコストコントロール等、この辺ならまだいいかもしれないですけど、例えば店舗の従業員さんのモチベーションを上げるとか、もう超難易度の高い業務じゃないですか。やり方がないわけですよ。こういうのはやっぱり時間かけて訓練しなきゃしょうがないですよね。
田村:訓練というのは経営者の実績とか経験に基づいて教える感じなんですか?どんな感じやっていくのですか?
高木:これ前回少しお話したかもしれないですけど、例えば従業員さんのモチベーションを高めていくために、「あなたは何したらいいと思う?」って言う感じでそれを考えさせる。
特にモチベーションアップとかそういうリーダーシップ系は最も難しくて、何でかっていうとそれは人によってやり方が違うじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:経験も違うわけですし性格も違うから、その人なりのやり方を確立してもらうしかないんですよ。そうなると、社長とタイプが違ったら、社長のアドバイスもそれ通りにできないわけじゃないですか。
田村:そうですね。俺そんな性格じゃねえしみたいな(笑)
高木:そう。だからモチベーションを上げるために、「あなたは何をする?」っていうことを考えさせて、そこを社長の経験で、「こういうことやった方がいいんじゃない?」とか、「最初はモチベーションを上げるためのやっぱりいろんな理論を学んだ方がいいよね。まずはその本を読むことから始めようか?」とかね。そういうアドバイスはしてもいいと思うんですけど。
田村:なるほど。もう1個質問したいんですけど、多分直営で2店舗やっていきたいってことで、誰かしら店長候補を採用するじゃないですか。1店舗目は経営者じゃないですか。2店舗目を任せる方は従業員じゃないですか。経営者と従業員とだと、任せるときの責任の度合いって違うじゃないですか。2店舗目の店長候補の従業員さんに対して、「あなたは責任者なんだよ」っていう事を浸透させるには何が重要なんでしょうか。
高木:それはやっぱり日々のコミュニケーションなんじゃないですかね。これも前々回ぐらいにお話したんですかね。例えば「あなたの役割は、5店舗をマネジメントして、店舗の利益を出すことなんだよ」って言われても、どうしたって自分事には受け入れられないですよね、最初は。
田村:そうですね。
高木:それをやっぱり社長と店長との日々のコミュニケーションの中で、社長から、「店長としてどうあるべきだと思う?」みたいな質問を例えば投げかけるとか考えさせていって、当然社長の思いとかっていうのも伝えていかなきゃいけないですし、そういったことの積み重ねでやっぱり意識を変えていかなきゃいけないですね。
田村:そうですね。その辺の気持ちから変えていくのが大事なんですね。
高木:結局、店長が決められたことを決められた通りにやっていればいいと思ったら、うまくいかないじゃないですか。この店長の定義や役割って、社長によっていろいろ考え方が変わると思うんですけど、例えば私とかが店長に期待したいことって言ったら、店舗の業績を伸ばすために、何が問題なのかっていうのを自分でちゃんと特定して、それに対する解決策を自分で考えて実践できる人、こういう人がめちゃくちゃ優秀な店長だと思うんですよ。
田村:はい。
高木:そうなってほしいんだったら、社長が毎月個人面談とかして、「この店舗の業績を上げていくために今一番何が課題だと思ってる?」って質問してみるとかね。で答えが出てきたら「それを解決するために、何をする?」って聞いて考えさせるわけですよ。それを繰り返せば習慣になってきますよね。
田村:なるほど。経営者として店長っていうのがどういう理想像なのかっていうのをまず明らかにして、それを店長と一緒に作り上げていくみたいな感じですか?
高木:そうそう。だからちゃんと店長に何を期待してるかっていうのは明確にしなきゃいけないですよね。
田村:それはすごく難しいですけど、大事ですね。育ってくれるだろうと思っちゃいますもんね、店長候補だから次第にそうなっていくだろうみたいになっちゃいがちですけど。
高木:店長に対する考え方って本当違うんですよ。経営者によっては言われたことを言われた通りにやってくれればいいという会社もありますし、私の今のお話した要求ってかなり期待水準高いと思うんですよ。だからそこは決めなきゃいけないですよね。
田村:なるほど。
高木:だいたいいろんな社長と話してるとみんなそう言いますよ。自分で問題を見つけて解決してくれたらそれは最高だよねって(笑)
田村:経営者の手が空きますからね、それは。
高木:そう。だからそういうコミュニケーションを、そうなってほしいんだと勝手に思ってたとしても勝手にはそうなってくれないです。1万人に1人ぐらいしかいないじゃないですか。それをやっぱりトレーニングしていかないといけない。
田村:それはすごい大事ですね。なるほど。これから直営で2店舗3店舗していく上でのアドバイスが聞けました。今日はありがとうございました。
高木:はい、ありがとうございました。
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