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自分本位の主張が強い部下の対処方法とは

少子高齢化が進み、これからは今まで以上に人材の新規採用は難しく、現状の社内の人材を戦力に育てていくことが求められます。
社員は、働く会社を選べる状況にあり、自社に勤務してもらっていることに感謝し、育成することが大切です。
人材は、現金や設備などの資産のように、貸借対照表に表れることはありませんが、人材育成により、今よりはるかに大きな価値を生み出す可能性を秘めています。

このようななかで、若い世代との対話に苦心されている経営者の方がいます。
若い世代の中には、自分本位の発言に偏る人がおり、上司が全体の状況を十分考慮して指示したとしても、「もっとこうしてもらえませんか?自分は・・・」など、反論してくる場合があります。

自分本位の主張が強い部下への対処方法

このような部下にはどのように対話したらよいのでしょうか?

部下の主張を会社として、社会人として、望ましいい方向に向けたいのですが、上司もなかなかうまく対応できない場合があります。
そこで、そのようなときに役立つ4つの対話の対処法をご紹介します。

1.部下の主張の根拠を聞く

部下に質問をしながら、主張の根拠をつかむようにします。
「どうしてそう思うの?」、「いつから考え始めた?」、「それをするとどうなると思う?」などです。
「どうして?」と理由を聞くことで、主張の背景で部下が気にしていることを確認できます。

それが、部下自身の個人的なことなのか、会社や組織のことなのかなどです。
「いつから?」と聞くことで、考え始めたきっかけがわかります。
きっかけは、主張の背景の本質に直結している場合があります。
「どうなるか?」を聞くことで、感情的に思いつきで言っているのか、先のことや影響まで考えているのか、目的を考えているのかがわかります。
極端な事例を主張する場合は、「一般的な場合はどうか?」と考えさせる質問がよいでしょう。

2.指導する根拠を具体的に伝える

主張の背景を理解した上で、見直すべき理由を伝えます。
例えば、個人的な意見に終始していること、会社や組織の目的に合っていないこと、根拠があいまいなこと、主張が偏っていることなどです。
そして、その主張を受け入れることができない点を具体的に伝え、会社や組織、先輩、同僚のためになる考え方を促します。

3.共感する

一方で、共感できる部分は共感します。
会社では、すべての人が100%満足して働いていることはありません。
すべての人を満たす完全な組織や制度、やり方、人間関係は存在しません。

仕事に力を入れて取り組む気持ちは尊重し、会社の不備な点や人間関係などに関する不満には耳を傾けます。
主張の内容を“受け入れる”のではなく、“受け止める”のです。
そして、上司が抱いたことのある同じような感情や似たような経験を共有することで、部下の立場で考えていることを共有します。

部下の成長のため、会社の成長のために話していることを伝えるのです。

4.行動させる

対話では、部下に頭の中だけでの理解を求めずに、次に行う行動の約束をさせます。
その上で、部下の行動に注目するようにします。
行動内容は、業務や作業に関することでも、コミュニケーションや人間関係に関することでも構いません。

ただし、実行できたかどうかわかる具体的な内容にします。
言葉で理解したつもりでも、納得していないと行動にはつながりません。
また、行動を変えることで、考え方が徐々に変化し定着するようになります。
例えば、2週間など部下の行動を見守り、その後、部下と再度対話の機会を設けましょう。

対話において留意すること

対処法で気をつけたいことは、あくまでも部下の“言動”について指摘することです。
“人間性”に決して話が及んではいけません。

話が熱くなると、つい上司も感情的になりがちです。
上司にその意図はなくても、部下にそのように伝わってしまう場合があります。
留意することは、改善点を指摘する際に、主語に「あなたは」「○○さんは」などを使わないことです。
「その発言は」、「この前の行動は」など、言動を主語にすることで、相手に誤解を与えることを避けることができます。

もう1つは、上司が伝えたいことについて、譲歩や遠慮をしてはいけません。
言いづらいこともしっかり伝えることが上司には求められます。

譲渡や遠慮を避けるためには、事前に心構えと準備をしておくことです。
想定していないことや知らない話題になると、上司の主張も弱くなりやすくなりますので、準備を整え、上司のペースで対話を進めましょう。

上司と部下のベクトルを合わせる

 これらの対処法を活用し、対話の最後には、部下と主張の方向性を一致させましょう。
方向性はあくまでも会社や組織目的、部下自身の成長に関することです。
部下の不適切な主張を指摘して、論破したり、やる気を喪失させたりすることが目的ではありません。

考え方や行動にはそれぞれ個性があります。
対話により、部下に自分を見つめ直す機会を与え、部下の良いところを伸ばすのです。
人材採用が難しくなるなか、自社の人材を1人でも多く自発的な取り組みができる人材に育てることは、会社の持続、発展に不可欠です。

(コンサルタント・中小企業診断士 木下岳之)

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