緊急事態宣言の解除も徐々に始まり、社会は自粛から日常生活に戻すステージへ向かっています。
飲食・小売・サービス業は厳しい状況が続きますが、頭を切り替えていかなければなりません。
加盟店の業績を回復させるためのフランチャイズ本部の支援としては、直接的な経済的支援を除けば、やはり“SVによるサポート“が重要です。
今回は、加盟店から選ばれるフランチャイズ本部となるために必要となる“SVの対話力”について触れていきます。
なお、フランチャイズ本部構築の進め方や成功のポイントについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。
(1)加盟店のマインドを高めるSVの対話力
今は、いかに早く社会の波に乗っていくのかが重要です。
スポーツもビジネスも“波に乗る”ことがとても大切なのです。
野球でもサッカーでもラグビーでも、ワンプレーで一気に流れに乗り得点を重ねるケースがあります。
そこには、きっかけとなる重要なプレーが隠されていたりします。
そして、そのきっかけの裏には、綿密な“戦術・作戦”や“選手起用”、“選手を鼓舞する言葉”があるものです。
これは、フランチャイズビジネスにおいても同様です。
加盟店を波に乗せるには、まずは加盟店のマインドを高めなければなりません。
そのためには本部=SVによる対話が欠かせません。
しかしながら、今の状況を考えれば、従来通りのSV活動で加盟店のマインドを高めることは難しいでしょう。
これまで以上の頻度で加盟店と接し、対話をすることが必要です。
1回の対話が短時間でも、“対話の頻度”が重要なのです。
思うように売上が伸びなかったり、客数が少なかったりすると、加盟店は余計なことを考えだし、更にマインドが落ち込みます。
これを避けるためには、加盟店に、目の前の商売に集中してもらう必要があります。
目の前の商売に集中させるためには、本部が率先して、加盟店が集中すべき仕事を作らなければなりません。
加盟店は孤独な立場にあることが多いですから、第三者の視点からSVが加盟店と向き合い、今取り組むべきことを示すことが効果的でしょう。
SVの対話力・提案力が、加盟店のマインドを高めるのです。
SVが加盟店に目を向けて、しっかりと対話するためには、本部が環境を整える必要があります。
会議や資料作りに時間を費やしている時間は極力削減するなどして、加盟店の元へ向かう余力をつくるべきです。
なお、SVの役割について詳しく知りたい方はこちらのコラムもあわせてご覧ください。
(2)対話力のあるSVを育てる
オンライン教育や9月入学の議論が活発化し、世の中では教育について関心が高まっています。
これはフランチャイズ本部におけるSV教育も同様です。
加盟店から選ばれるSVを育てれば、選ばれるフランチャイズ本部へと通じるはずです。
加盟店から見た魅力あるフランチャイズ本部とは、SVに指導力のある本部といえるでしょう。
ビジネスモデルは直ぐに真似されてしまいます。
加盟店の立場で考えれば、フランチャイズ契約が満了すれば、指導力のない本部とは解約することも選択肢となるでしょう。
加盟店も、オペレーションを3年から5年も続ければ、本部の提供するノウハウを身につけます。
最初はビジネスモデルで本部を選びますが、ノウハウの蓄積した加盟店は、次は指導力のある本部を選ぶものです。
しかし「SV教育の仕組み・ノウハウ」はなかなか真似できません。
実際、国内のフランチャイズ本部で最大規模の大手CVSチェーン本部でも、最も大きな課題が「SV育成」なのです。
これは、大量出店とあわせてSVを量産化したことが原因とも言えますが、大手CVSチェーン本部の経営資源をもってしても、一朝一夕でSVを育成することはできないのです。
それだけ「SV教育」は難しくもあり、ゆえにフランチャイズビジネスにおいて加盟店との信頼関係を築く根幹となるのです。
SVが育っていない、スキルが上がっていないというのは、本部の責任です。
正しい情報を圧倒的な量で与え、SVの「考える、仮説を立てる力」を身につけさせてこなかった結果が、今の状態なのです。
“俺のSVの頃は・・・”なんてぼやいている管理職がいればアウトです。
5年・10年前のSVと今のSVとでは情報量も求められるスキルも格段に異なります。
今の時代に合った教育ができていなければ、活躍できるSVが育つはずがありません。
例えば、加盟店にとって必要なSVは、対話で加盟店を引き付けられるSV、すなわち“面白いSV”です。
今世間で賑わっているオンライン教育では、早くも教育する側のスキルに格差が見えてきています。
「面白い先生」「引きつける先生」が人気を呼ぶのです。ユーチューバーの格差と同じです。
「面白い」がなければ、生徒を引き付けられないのです。
これは、SVにも当てはまります。
そしてこのような資質は、本部が積極的に育てていかなければなりません。
また、本部は出来る限りSVの自発的行動を妨げないことです。
手を挙げるSVや施策を提案するSVには販促費の予算を付けるなど、SVが自ら考え、自ら仮説を立てるよう仕向けていくことが大切です。
なお、SVの育成について詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。
(3)対話・コミュニケーションとは情報を持つことから始まる
「対話を増やせ」「コミュニケーション能力を上げろ」と言っても、手ぶらで加盟店へ行っても何
も始まりません。
そこには“加盟店にとって有用な情報”が必要です。
加盟店に提供するネタがなければ、経験のないSVは困ってしまうことでしょう。
・これからのビジネスのあり方はどう変わるのか、
・フランチャイズ本部としてはこれからどのような施策を打とうとしているのか 等
SVにどんどん情報を与えていきましょう。
これがSVの対話の武器になります。
SVの指導レベルの高低は、SV個人の問題ではないのです。
フランチャイズ本部による積極的なサポートや教育指導が、SVの指導レベルを決定づけることを忘れてはなりません。
まとめ
フランチャイズビジネスは、店舗数やブランド価値を早期に積み上げるには優れたシステムです。
しかし様々な業態のフランチャイズ本部が乱立しているということは、加盟候補者にとっては“売り手市場”といえます。
本部に加盟店を選ぶ余地は少なく、加盟店に本部を選ぶ権利があるのです。
選ばれる本部になるためにも、ビジネスモデルの次に、指導力・対話力を発揮できるSVの教育を考え続けていかなければなりません。
これが選ばれるフランチャイズ本部の道と言えます。
これからのフランチャイズ本部は、主権が加盟店側にあることを心に留めておくべきでしょう。
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