新型コロナウイルス騒動のおさまる兆しがみえません。
未曾有の危機、国難とも言える状況の中、各リーダーは多様かつ難しい判断に迫られています。
やや不謹慎な言い方かも知れませんが、ビジネスに置き換えると、現在の状況は、これ以上無い程、「リーダーシップ事例の教材」に溢れています。
この事態をネガティブなものだけで終わらせるのではなく、学べるものは全て吸収して、ビジネスに活かしたいものです。
フランチャイズ本部は加盟店にとってのリーダーです。
今はリーダーとしてのあるべき姿を学べる機会と言えます。
なお、フランチャイズ本部構築の進め方や成功のポイントについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。
(1)自治体によって異なるリーダーのあり方
自治体によって、リーダーによる情報発信の頻度や内容、演者が異なりますが、それぞれに、自治体のカラーが大きく表れているように感じます。
- 毎日のように市民へ進捗や注意喚起を働きかけ、毎回異なる切り口で新しい情報を提供する自治体
- 国より先駆けて取り組む体制を確立できる自治体
- 国が方針を決定するのを待っているように見受けられる自治体 などなど
特に大阪は非常に考え抜いて、判りやすく情報発信されています。
しかも役人の作成したペーパーを気取って読み上げるのではなく、自身の言葉で、熱量を持って市民へ語りかける姿勢や振る舞いは、非常に好感が持てます。
このようなことができるのは、日頃から課題に強い関心を持ち、自身で考え抜いて議論し続けているからでしょう。
こういった時にこそ、日頃からの仕事ぶりが顕著に表れてくるのだと思います。
自身の言葉で胸を張って語れないということは、日々の仕事に対する姿勢が不足しているものと自覚する必要があるかも知れません。
フランチャイズ本部としては、加盟店から“国や自治体と同じように見られ、評価されている”ものと意識する必要があるでしょう。
(2)“世論・マスコミの声”を“加盟店の声”に置き換える
世界中の感染症対策は長期化の様相です。
ネット上では様々な情報が飛び交い、どれが専門家の見解で、どの情報が正しいのか、判断が非常に難しい状況です。
例えば、「マスクは不要(効果なし)」との見解が発表されたと思えば、今は世界中で“マスク”が必須アイテムとなっています。
数多くの加盟店を束ねるフランチャイズ本部としては、数多の情報に踊らされて判断を誤ることができません。
情報の精査と自身(自社)のポリシーから、自ら判断して発信するしか無いのです。
今回のコロナ騒動では、国や自治体の姿勢が様々なメディアで議論されています。
政治・行政への批判も多いですが、それらの指摘は当然に政治・行政では議論し尽くされているはずあり、ものによっては批判覚悟のものもあるかもしれません。
コロナ感染拡大防止についての今の世論は、国の「緊急事態宣言」発令への支持が圧倒的です。
しかし、4月3日時点で、政府は未だ発令のタイミングではないとの立場です。
時間の問題なのかもしれませんが、多面的・長期的視点からの判断であることを期待したいところです。
国が確固たる信念に基づき、世論を踏まえた上で宣言を後回しにしているのであれば、それは一つのリーダーシップのあり方なのではないでしょうか。
この“世論・マスコミの声”を“加盟店の声”に置き換えると、本部の立ち位置や必要な振る舞いが見えてきます。
- あらゆる事態を想定して議論し、加盟店へ繰り返し丁寧に説明する
- 加盟店への発信内容は何故その判断に至ったのかエビデンスを明確にする
- 期限(期間)を決めて発信する。事態が変われば朝令暮改も辞さない
- しかし原理原則(ポリシー)はブレない
このような危機下においては、こういった立ち振る舞いが必要でしょう。
加盟店の声が束になると、それらの声が正しくも見えてきます。
しかし、本部はそれらの声に耳は傾けるものの、鵜呑みにしてもいけません。
それらの声が本当に長期的に加盟店を守るものなのかは、慎重な判断が必要です。
フランチャイズ本部も、今の国や自治体と同様、加盟店の声を踏まえつつも、多面的・長期的視点から、自分の信念に沿って、自分で考えなければならないのです。
(3)S Vの成長する機会
今のコロナ騒動はS Vにとっても学べることが沢山あります。
自身の加盟店との接し方を再確認するいい機会とも言えます。
・想定外の困難への対処方法
・加盟店とのコミュニケーションの大切さ
・加盟店支援の視点
・スピード感ある発信と行動
・自ら考え、自ら判断し、自ら行動する力
情報化やグローバル化が進む現代では、経験したこともない、不確定要素も多い事象が頻繁に発生します。
商品もビジネスモデルもライフサイクルが短命化しています。
変化の激しい時代に見えてくるのは、自分の判断基準がより重要になってきたと言うことです。
スピードが求められるのであれば、「指示待ち」も命取りです。
今後のフランチャイズ本部は、自ら考え、判断し、行動できるS Vを育てていかなければなりません。
自ら考え、自ら判断し、自ら行動できるS Vは、あらゆる場面で加盟店を説得できるスキルも身についているはずです。
(4)本部の危機管理体制
今回のコロナ騒動下では、本部社員の働き方も大きく変えざるを得ない状況です。
テレワークによりリスクを回避しつつも、今まで以上の生産性や、スピード感のある判断や決裁が求められています。
テレワークの仕組みが構築できていないのであれば、仕組みを整えるよい機会です。
危機管理の観点からも事業継続計画に盛り込んでおくべきでしょう。
これまで、大企業でもテレワークは未整備のケースが多く、今回の騒動を機会に、B C P(事業継続計画)に盛り込み、全社員一斉テレワークの災害想定訓練を急遽し始めた企業もあります。
今年はB C P(事業継続計画)を策定するいい機会かも知れません。
テレワークの仕組みは大企業よりも、ベンチャーや新興企業の方が、早く構築できるはずです。
(5)まとめ
経済の停滞、客数の停滞は暫く続きます。
「ピンチをチャンスに」
「劇的な変化に対応する」
「時代を逆手に取る」
「ルールを変える(再構築する)」
「考え方を変える(見直す)」
こういった思考で、事業を継続し続けるために白紙に戻り、自らの頭で次を考え抜きましょう。
今考え続けることが後に大きな差となっているはずです。
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