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フランチャイズ本部が策定すべき事業計画書の内容と留意点

「フランチャイズ展開を目指すにあたって、どのようなことを計画しておけばいいでしょうか」

これは、過去に弊社がサポートをさせていただいた清掃系フランチャイズチェーンの経営者からいただいた質問です。
フランチャイズ本部の立ち上げも一つの新規事業となるわけですから、本格展開前に計画書を作成しておくことは当たり前です。

一方、計画書というと、一般的には収支計画、投資計画、資金調達計画等をイメージしますが、正直申し上げて、これからフランチャイズ展開を開始する企業が、これらの数値計画を詳細に作成したとしても、あまり意味はありません。

なぜならば、まだフランチャイズ展開の経験が無い状態で、いかに詳細な数値計画をつくったとしても、その通りに進むことなど、ほぼありえないからです。

なお、フランチャイズ本部構築の進め方や成功のポイントについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

新規事業をしたい人必見!フランチャイズ本部立ち上げの7つの手順と、FC展開成功のたった3つのポイント



 

フランチャイズ本部構築時に決めておきたいこと

ですから、弊社では、このような数値計画の作成はそれほどこだわらずにさっと流して、フランチャイズ展開を進めるうえで特に重要な点について、力をいれて作成しておくことを推奨しています。

具体的には、以下の内容について方針を固めておくとよいでしょう。

① 目標店舗数

将来的に何店舗程度のチェーン展開を目指すか、また直営店とフランチャイズ店の比率はどの程度かを明らかにしておきます。
想定しているフランチャイズ加盟店の規模によって、フランチャイズシステムをどの程度整備するかが決まってきます。

例えば、目標店舗数が30店舗以内であれば、フランチャイズ本部構築初期段階においてそれほフランチャイズCシステムを作り込む必要はありませんが、それ以上を目指すのであれば、はじめから100店舗超を目指すつもりでしっかりとしフランチャイズシステムを構築しておくべきでしょう。

② 展開エリア

店舗展開するエリアと展開の流れを明らかにします。
いきなり展開エリアを広げると、経営指導や物流等が非効率になりますので、初期段階では地域を絞って集中的に出店し、一定規模まで成長した段階で展開エリアを拡大していく流れになることが基本です。

全国展開を目指す場合には、エリアフランチャイズ制度※の導入可能性も検討しておくとよいでしょう。

※エリアフランチャイズ制度とは

特定の地域において、加盟店開発や経営指導などのFC本部の一部機能を地域の有力企業に委託する制度です。

例えば、関東で直営展開している本部が、いきなり九州地方に出店しようとしたとしても、人脈も無ければ地域の情報もありません。
このような状態でフランチャイズ展開を進めようとしても、簡単には進まないことは明らかです。

そこで、本部と信頼関係があり、かつ当該地域内で一定の力を有する企業をパートナー企業として選定し、当該地域においてフランチャイズ本部としての役割を果たしてもらうことより、本部がすべてを自力で進めるのと比べて、円滑かつ迅速にフランチャイズ展開を進めていくことが可能となります。

③ 加盟対象

どのような人を加盟対象とするのかを明らかにします。

一般的に、フランチャイズ加盟者の対象は第三者となりますが、最近は、本部社員の働きがいの創出等の観点から、社員を加盟対象としている本部もあります。
いわゆる社内フランチャイズ制度、のれん分け制度等と言われるものです。

第三者と社員、両方を加盟対象とする場合には、社員加盟に加盟金やロイヤリティ等の優遇措置を設けている本部もあります。

④ 加盟形態

フランチャイズシステムの場合、基本的には加盟者の自己投資で新規店舗をつくってもらうことになりますが、最近では、
・本部の既存店舗を加盟者に貸し出す形態(委託モデル)、
・本部の既存店舗を加盟者に売却する形態(事業譲渡モデル)等、
加盟形態も多様化してきています。

フランチャイズ展開の目的を踏まえて、自社に最適な形態を選択します。
加盟者の希望に応じて対応できるよう、複数の選択肢を用意することも考えられるでしょう。

⑤加盟店開拓計画

どのように加盟店開発を進めていくかを明らかにします。

フランチャイズ展開は「フランチャイズシステムの構築」が終わったところが本当のスタートです。
フランチャイズシステムを整備したのに“加盟店が一社も集まらない”なんてことになれば、笑い話にもなりません。

特に、はじめの3店舗までは、そう簡単に開拓できるものではありません。
誰も乗っていない船に乗りたいと考える人はそういないのです。

ですから、最初の数店舗をどのように開拓するのかは、ある程度目途をつけておきたいところです。

また、加盟店開拓にはそれなりの予算が必要です。
初期段階では、加盟店の50~100%は販促費で消えることを覚悟すべきでしょう。

加盟店開拓には相応のコストが必要となるわけですから、あらかじめ、開拓に費やす予算も決めておきたいところです。

 

まとめ

フランチャイズ本部構築時に策定すべき、フランチャイズ展開計画の概要をご紹介しました。
簡単な内容ではありますが、フランチャイズシステムの構築を開始する段階ではこの程度で十分です。

収支計画、投資計画、資金調達計画などについては、フランチャイズシステムの構築が完了し、本格的に募集を開始する段階において、あらためて目標・計画を策定すればよいでしょう。

フランチャイズ本部構築初期段階においては、大切なポイントに絞って、集中的に経営資源を投下していく意識を強く持つことが大切です。

 

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