多店舗展開

会社の事業拡大に社員の幸せ追求が不可欠な理由

「店舗業績は順調なのですが、人材が集まらなくて店舗展開を進められないのですよね…」
これは、先日のれん分け制度についての相談を受けた美容系チェーンを展開する企業経営者のお悩みです。
店舗展開を進める際の仕組み作りをサポートしている当社では、急成長を遂げている企業経営者からのご相談を多く受けていますが、急成長している企業のほとんどは、上記と同様のお悩みを有しています。このことは、企業の競争原理が10数年前と現代とで大きく変化していることと深く関連しています。

(1)顧客獲得競争から人材獲得競争へ

10数年前のチェーン間の競争といえば、魅力的な業態を開発して顧客を呼び込む“顧客獲得競争”でした。ところが、現代では優秀な人材を囲い込む “人材獲得競争”に打ち勝てるかどうかが、企業の競争力に重大な影響をもたらすようになってきています。実際、とても魅力的な業態を有しているにもかかわらず、優秀な人材を獲得できないがゆえに、企業成長や店舗展開に限界が生じている企業は非常に多く存在します。
多店舗展開を志向するということは、それだけ業績が堅調ということですから、現段階においては顧客獲得競争には勝利している状態といえます。とはいえ、現代において多店舗展開を進めていくためにはそれだけでは不十分です。有効求人倍率が1倍を大きく超えている、言い換えれば仕事を探している人よりも働き手を探している企業の方が多い現代においては、店舗運営を務める優秀な人材を安定的に確保できるかどうかが企業の競争力に直結します。いかに顧客獲得競争に勝利していたとしても、サービスを提供する人材がいなければ、多店舗展開のしようがありません。
多店舗展開を進めるにあたっては、この時代経過に伴う競争原理の変化を正しくとらえ、人材獲得競争で勝ち残れる体制を作り上げていくことが求められています。

(2)社員の幸せを追求することの必然性

人材獲得競争時代に多店舗展開を進めていくためには、社員の幸せを追求することが必然的なこととなります。必然的とは「そうなることが確実であって、それ以外ではありえない」という意味です。
これは、社員の立場に立って考えてみれば極めて当たり前のことといえます。社員の立場から現在の世の中を見渡してみると、働き手として自分のことを求めてくれる会社は数えきれないほど存在しますから、自らの人生を預けられる会社を、その多くの会社の中から選択することができます。会社を選定する基準は、給料水準や労働環境、人間関係など人それぞれでしょうが、間違いなく言えることは、会社の拡大や経営者の利益だけを追求している会社よりも、社員の幸せを願い追求している会社に魅力を感じる、ということです。
少子高齢化が進む現代において、人手不足問題はこの先も深刻化していくことは間違いありません。サービスの提供を人が行う店舗ビジネスにおいて、その影響は極めて深刻です。だからこそ、企業は社員の幸せを追求し、優秀な社員を惹きつけていくことが求められるのです。当社では、これを必要というレベルではなく、必然的なことと捉えています。

(3)自社が求める人材にあわせた幸せを定義する

それでは、社員の幸せを追求するためにどのような取り組みを進めていくべきでしょうか。結論から申し上げると、この取り組みに唯一の正解はありません。それは、それぞれの人にとって幸せの定義が異なるからです。すべての社員の幸せを追求していくことが理想ですが、経営資源の限られる中小規模の企業にとって、その取り組みは現実的とはいえません。そこで大切なのが、自社が求める人材像を思い描き、そのような人材にとっての幸せを実現できる体制を整えていくことといえます。
例えば、独立志向の高い人材を求めているのであれば、早期に独立に必要な知識や経験を身に着けられる環境やのれん分け・社員独立FC制度の整備が有効と考えられますが、逆に、安定志向の社員を求めているのであれば、労働時間の適正化や休暇制度の整備等が必要になるかもしれません。このように、どのような人材を対象とするかによって、社員の幸せを実現するための取り組みは大きく変わってくることとなりますから、自社が求める人材像から逆算して取り組む内容を検討することが求められるのです。


社員の幸せを実現できる環境を整備し、優秀な人材を惹きつけることが企業競争力を決定づける時代になってきています。多店舗展開を加速度的に進めていくためには、優秀な人材が数多く必要となりますから、通常企業よりもその重要度が高いものといえます。そのことを念頭に、社員の幸せ実現のための仕組み作りを進めていくことが大切です。

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