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のれん分け制度で社員を独立させる際に必要な教育とは

「元々いた社員を独立させるのだから、一般的なフランチャイズが実施する研修は必要ないですよね」
これは、現在弊社がのれん分けシステム構築をサポートさせていただいているラーメンチェーンの経営者からのお言葉です。

たしかに、長い間本部企業で勤務をしている社員に対してのれん分けをするわけですから、会社の理念や店舗のコンセプト、オペレーションなどはすでに習得していることでしょう。
一般的なフランチャイズシステムとは異なり、理念やオペレーションといった一般的な内容についての教育は不要かもしれません。

なお、のれん分け制度つくりや成功のポイントについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

事業拡大したい経営者必見!のれん分け制度をつくる7つの手順と、のれん分け成功の3つのポイント


(1)必要なのは社員を経営者にする教育

それでは、教育自体が不要かというと、残念ながらそういうことにはなりません。
なぜかというと、のれん分け制度により独立する人は「経営者」となり、社員の時には経験しなかった役割や業務をこなさなければならない立場となるからです。

いかに店長に権限を委譲している企業であったとしても、店舗の記帳業務や給与計算業務、社会保険手続き等を店長が行っているような会社は存在しないでしょう。
したがって、これらの業務の進め方を理解している店長はごくまれな存在かと思います。

ところが、これらの業務は、どのような会社でも対応しなければいけない業務であり、のれん分けにより独立した元社員は、当然に実施することを求められるようになります。
このような点を放置してのれん分けによる独立をさせてしまっては、独立後、独立者に混乱が生じることは火を見るよりも明らかなことでしょう。

のれん分けした店舗の業績を維持、拡大していく上でそれほど重要性の高く無い付随業務に時間をとられ、最も時間を割くべき重要業務に時間を充てることができなくなった結果、店舗の業績も低迷してしまうのでは本末転倒の話です。

(2)必要な教育内容は起業者向けと同じ

では、のれん分け制度で社員を独立させる際にはどのような内容を教育しておくべきでしょうか。
この点、当社としては、通常の起業をする際に学ぶべき内容について教育することを推奨しています。
具体的には、以下内容程度は触れておくべきといえるでしょう。

①経営者としての心構え

経営者と社員の立場は天と地ほどの違いがあります。
その違いを端的に申し上げれば、経営者は「生じたすべてのことに対して責任をとらなければいけない」ということです。

極端な例を挙げると、独立直後に天変地異が発生し、のれん分けした店舗が営業不能な状態になったとしても、その責任を取るのは経営者であり、のれん分けにより独立した元社員です。
経営者は、起きたことを他人のせいにすることはできません。

他人のせいにしたとしても責任を取るのは自分です。「生じた問題はすべて自分自身で解決する」という意識が、経営者としての基本的な心構えであり、この点は社員の立場とは大きく異なる点ですから、独立前に十分に教育を行っておく必要があるでしょう。

②経営基礎理論

経営者となるからには、経営についての基本的な理論は学んでおくべきでしょう。
例えば、経営戦略やマーケティング戦略の考え方、事業計画書の作り方、人材育成・動機付けの原理原則、リーダーシップや組織理論等が挙げられるでしょう。

③労務

のれん分けにより独立した後には雇用主となりますから、労務についての基本的な知識も習得しておく必要があります。
雇用をする際の流れ、雇用契約書や労働条件通知書のつくり方、社会保険手続き、給与計算方法、労働関連法規などを教育しておくべきでしょう。
近年政府が進めている働き方改革についても、基本的な内容は理解させるべきといえます。

④開業手続き

のれん分けにより独立する際には、個人開業もしくは法人設立のいずれかを行うことになります。
ですから、個人と法人の違い、個人開業や法人設立の流れや必要な手続き等について教育する必要があります。

⑤財務・税務

経営数値は、経営者にとって最も理解しておかなければならない内容です。
損益計算書であれば店長時代から接することもあるかもしれませんが、貸借対照表となるとなかなか触れることはないでしょう。
また、資金調達の種類と特徴、税金の考え方や支払い方法、収支と資金繰りの違い等についても教育しておく必要があるでしょう。

上記はあくまで一例ですが、ざっと考えてみるだけでも、経営者になる際に身につけなければならないことは多くあることがわかります。
のれん分け制度を円滑に運用していくためには、経営者と社員に求められる役割の違いを正しく認識し、経営者として必要な教育を事前に行っていくことが不可欠といえます。

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