多店舗展開

多店舗展開に必要な要素(後編)

前回に引き続き、当社が考える多店舗展開に必要な要素をご紹介します。

前の記事「多店舗展開に必要な要素(前編)

(3)キャリアパス

評価システムを整備した後には、会社の経営計画実現に貢献し、高い評価を得た従業員が、会社でどのようなキャリアを描いていくことができるのかを明示することが大切です。経営計画を理解し、経営計画実現のために努力した結果、自分自身の将来がどのようになっていくのか、という点が見えるようになることで、会社の経営計画実現と自分自身の将来が一体化していくことになります。すなわち、キャリアパスを明確化することにより、会社事が自分毎になっていくのです。
キャリアパスには「社内におけるキャリアパス」「社外におけるキャリアパス」があります。社内におけるキャリアパスとしては、仕事内容やポジション、給与水準などがあげられます。これを優秀な従業員の勤続年数を基準に示すことができるとよいでしょう。こういった情報をホームページの採用サイトで情報発信すれば採用競争にも有利に働くことが期待できます。
社外におけるキャリアパスとしては、代表的なものとしてはのれん分けによる独立があげられます。社内でキャリアを築いていきいたい人、社外でキャリアを築いていきたい人それぞれに対応するキャリアパスを用意できると完璧でしょう。

(4)教育システム

経営計画、評価システム、キャリアパスが明確化されたら、従業員それぞれの知識やスキル、目指す将来像などを踏まえ、個々の従業員に適した教育を行っていくことが必要です。前にも述べた通り、“会社の方向性=従業員の方向性”といった関係性が重要ですから、両面を意識して育成していけるシステムを導入することが大切です。
当社では多店舗展開を進めていく際の仕組みとして、目標管理制度の導入を推奨しています。目標管理制度とは、個人毎に目標を設定し、それに対する達成度合いで評価を決める制度のことを言います。会社の目標を踏まえて従業員個人が何を目標とするのかを明確にし、個人と企業のベクトルを合わせる手法で、個人の目標と企業の目標をリンクさせることができます。
目標管理制度では、従業員それぞれの目標を設定することに加えて、その目標を達成するために行動する具体的な内容を従業員それぞれに考えてもらうことになります。この行動を考えるプロセスが、多店舗展開を進める企業の人材育成には必須のプロセスと言えます。なぜならば、多店舗展開を進める際に求められる人材像は、ただ言われたことを言われた通りにできる人材ではなく、目標の達成や問題を解決するために必要なことを自ら考え、行動できる人材であるからです。これはトレーニング無くしては絶対にできません。目標管理制度はそのトレーニングに最適な仕組みといえます。
また目標設定完了後は、上司が定期的に進捗確認をすることで、日々目標を意識して行動することができるようになります。通常の評価システムでは、半年ごと、1年ごとの評価となり、日々意識することが難しくなりますが、目標管理制度を評価システムに組み込みことによって、評価システムを運用することが、そのまま人材育成につながることになるのです。

目標管理制度の全体像

 

(5)FCシステム

最後に、図の中心にあるFCシステムは、多店舗展開を進めるにあたり必須のものというわけではありません。多店舗展開を加速するエンジンの役目を果たすものです。
多店舗展開を進めていくと、どうしても資金面や人材面で制約が生じることが出てきますが、加盟者の経営資源を活用するFCシステムではその制約を取り除くことができます。
FCシステムを活用することで、直営店による展開時と比較して多店舗展開を加速することができるようになりますから、直営による展開に限界が出てきたときには、FCシステムを活用することも一つの手といえます。


以上、当社が考える多店舗展開に必要な要素をご紹介しました。重要なことは、経営計画、評価システム、キャリアパス、育成システムといったものが、それぞれ有機的に結びついて多店舗展開を支えている、という点です。それぞれが単独で効果を発揮するものではなく、すべての要素を整備することで、はじめて最大の効果が発揮されることを認識することが大切といえます。

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