ネットラジオ『多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所』は、弊社代表の高木と社労士の田村陽太が、飲食店、整体院、美容院等の様々な店舗ビジネスの「多店舗展開」を加速させるために重要な事を対談形式でお話しするラジオ番組です。
第76回 『フランチャイズ化したいのですが、具体的に何から始めたらいいでしょうか。』というテーマで店舗ビジネス専門コンサルタントの髙木悠が熱く語ります。
【ハイライト】
・フランチャイズ事業のビジネスモデルとその磨き方
・FC本部の加盟者に対してのサポート内容構築方法
・FC事業経験0の本部がフランチャイズ展開をどう進めれば良いか?
・前提知識のない加盟者へのFC本部の教育、支援方法について
・FC事業を進める上での「持続可能性が高い」加盟者募集方法について
・成功しているFC本部が加盟者募集において最初の段階で取り組んでいた事とは?
多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所。この番組は株式会社常進パートナーズの提供でお送りいたします。
店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠が最速・最短で年商30億、店舗数30超を実現する実証されたノウハウをコンセプトにのれん分け制度構築、FC本部立ち上げ、立て直し、人事評価制度の整備など飲食店、整体院、美容院などの様々なビジネスの多店舗展開を加速させるために重要なことを対談形式で分かりやすくお話しする番組です。
田村:こんにちは。パーソナリティーの田村陽太です。配信第76回目となりました。本番組のメインパーソナリティーをご紹介します。店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠さんです。よろしくお願いします。
高木:よろしくお願いいたします。
田村:高木さん、今日も頑張っていきましょう。
高木:お願いいたします。
田村:本日のテーマはこちらとなっております。「フランチャイズ化したいのですが、具体的に何から始めたらいいのでしょうか?」という質問なんですけど、これはFC本部の話ですかね?
高木:そうですね。フランチャイズ化ですからね。
田村:本部が今後フランチャイズを増やしていきたいという風に考えて何したらいいかって話ですね、これは。高木さん、得意分野じゃないですか。何したらいいでしょうか?
高木:フランチャイズビジネスっていうものの性質を考える必要があって、フランチャイズビジネスというのは、本部が作ったまずビジネスモデルっていうのがあるじゃないですか。これを加盟者に貸し出しますよね。
田村:はい。
高木:そこに当然ビジネスモデルだけ渡されても運用の仕方とかわかんないから、プラスで本部がサポートするじゃないですか。それに対しての対価とかを払いますね。例えば加盟金や加盟金とかのロイヤリティを払うじゃないですか。フランチャイズビジネスってそういう仕組みになっているんですよね。
田村:なるほど。
高木:言ってみれば、普通私達がコンビニとか行って、何か商品を買うじゃないですか。例えばお水を買うのだったら、水を受け取ってお金払うじゃないですか。こういう関係なんですけどフランチャイズも全く一緒なんですよね。
田村:なるほど。
高木:本部のビジネスモデルと、あとそのビジネスを適正に運用していくためのサポート、この二つが本部から加盟店に提供されて、加盟店はそこから加盟金とかロイヤリティという対価を払うっていうビジネスなのですよ。
田村:はい。
高木:まずフランチャイズの仕組みがこうなっているんで、ではどうするかっていうと、まずフランチャイズ本部の商品を作らなきゃいけないですね。
田村:そうですね。貸し出すわけですからね。
高木:そうそう。これが結局そのビジネスモデルと、フランチャイズ加盟店に対するサポートの内容ですね。これをまず確立するっていうことがスタートです。
田村:なるほど。そのビジネスモデルっていうのをちゃんとしっかり作り込まなきゃいけないって話なのですけど、どんな風にして作り込んでいくものなのでしょうか。
高木:フランチャイズ化したいっていうぐらいなので、基本的には既にビジネスモデルってある程度あると思うんですね、ちゃんとしたものが。最初にやるべきことは、成功要因というのが何なのかっていうのを特定する必要があると思うんですよ。
田村:なるほど。
高木:今うまくいっているビジネスは、何がポイントでうまくいっているのかという事です。それを特定したらそれはちゃんと加盟店さんに守ってもらわなきゃいけないじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:よく「マニュアルを作りましょう!」みたいな話になりますけど、結局感覚でうまくいっているものって、加盟店さんに提供してもうまく運用できないわけですよ。ちゃんと成功しているポイントというのを整理して、そういうのをマニュアルにして確立していくというのが一つあるんですよね。
田村:はい。
高木:あとは、フランチャイズ加盟店から見ると直営店のときにはかからない、いわゆるその加盟金とかロイヤリティっていうコストが発生するじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:だから直営だと十分利益が出ていても、フランチャイズ加盟店からすると利益が不十分というケースがよくあるんですよね。だから、そういったロイヤリティとかも踏まえて収益性がちゃんと成り立つかっていうのを検証して、もしそれで収益がこれだと不十分だなっていうことであれば、単価を上げたりしなきゃいけないかもしれないですし、新しい集客方法を開発したりもしなきゃいけないかもしれないですよね。
田村:なるほど。
高木:そういったところも検討しながら、これを加盟店に提供しようというビジネスモデルを明確に定義していく、これがそのビジネスモデルの観点ですよね。
田村:なるほど。もう1個の本部からサポートをしっかりするみたいな話もありましたけど、どんな風にしてやってくんでしょうか。
高木:これはある程度、フランチャイズ本部が加盟店に提供するサービスっていうのは、標準的な内容っていうのがあるんですよね。例えば、ブランドをそのまま使わせてあげるとか、ブランドを貸すって言ったって、貸す以上、そのブランドに対しての使用する権利を本部が持っている必要があるじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:それはよく商標とかって言いますけど、特許庁に登録しておかないと、独占的な使用権って、本部が持っているとは言えないんですよね。そういうのを商標登録したりすることとかが大事です。
田村:はい。
高木:さっきもマニュアルってお話がありましたけど、結局本部がノウハウ提供すると言ったって、ノウハウは形がないからよくトラブルになるんですよ。「本部からノウハウが提供されていません!」みたいな話。
田村:はい。
高木:そういったことが起きないようにちゃんとノウハウっていうのを書面にして、もしくは動画にしてマニュアルっていう形で渡すとかが大事ですね。あとマニュアルを見たところで、当然それだけじゃ適正に店舗運営ができないじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:だから最初は研修が当然必要になるでしょうし、開業した後だって継続的なサポートをしてもらわないと、安定的に運営していくって簡単じゃないと思うんですよ。
田村:はい。
高木:加盟店から見たら、そのビジネスの素人なわけですから、そういうときの為に、よくスーパーバイザーとかって言いますけど、スーパーバイザーのサポート体制をどうするのかとか、こんなことを検討しながら、加盟店が成功するために本部がどんなサポートをする必要があるかっていう観点から、サポート内容を決めていくってことが大事ですよね。
田村:なるほど。ありがとうございます。ちょっと1個質問したいんですけど、この会社ってこれからフランチャイズ化を始めるっていうことで、まだそのFCのフランチャイジーはゼロじゃないですか。
高木:はい。
田村:先ほどおっしゃっていた成功要因を特定するとか、収益性があるのかっていうのを見極める市場調査的なことも大事というお話もあったじゃないですか。
高木:はい。
田村:それって、本部としては経験がいかんせんゼロですから、そういう収益性を特定することとか、成功要因を特定することとかってあんまり経験値がないんじゃないかなと思っていて、それってどうすすめていいかって正直わかんないところがあると思うんですけど、どう進めていったらいいのかってあるんですか。
高木:直営店舗が何店舗あるかによるんですけど、通常は直営店舗が例えば3店舗あるとするじゃないですか。この中でフランチャイズ展開をしていこうって考えたときの、一番そのモデルに近い店舗というのをまず選んで、その店舗でうまくいっている要因というのを探り出すんですよね。
田村:はい。
高木:もしくは今うまくいっているのだとしたら、そのうまくいっているやり方っていうのを全部条件とか進め方とかっていうのを明確にしていくようなイメージですね。
田村:なるほど。そのような成功要因を特定して、また新規で入ってきたFCの方に対しても、こんな風にして売上が多分確保できますよっていう風に説明していくっていう感じですね。
高木:そう。理想は特定したら、直営店をもう1店舗をテストしてみて、想定通りの実績が出たら、その実績を持って加盟店さんを集めていくっていうような考え方ですよね。
田村:そういうのをテストできたらやっていきたいですけど、早い話はそういう風な形で検証していくのがいいってことですね。
高木:そうそう。
田村:ありがとうございます。もう1個質問したいんですけれども、フランチャイズを始めるっていうときに、先ほどのサポートが必要っていう話もあったじゃないですか。ちゃんとうちのビジネスモデルを導入できるようにサポートしていくのが大事っていう話ありましたけど、なかなかそういう継続的なサポート、要は経験がない方に教えることって誰でも難しいじゃないですか。
高木:はい。
田村:教えることに対してとかサポートすることっていうものを、未経験の方に対してスッと理解してもらえるようなサポートの仕方等、サポートのプログラムを考えるときのコツみたいのってあるんですか。
高木:全く前提知識もないわけじゃないですか。だからそういう人でもわかるようにするために、業務がいろいろあるんだと思うんですけど、例えば接客っていう観点でいったら、接客って言ってもお客さんが来てから帰るまで一連の流れがあるわけですよね。
田村:はい。
高木:まず流れを全部整理して、例えば飲食店で言ったら、お客さんが入店したときの対応がまずあったり、入店してご案内するまでの対応があったり、そこから何かおしぼり持ってくる対応とかっていう風に、分割されていくじゃないですか。
田村:はい。
高木:一連の流れから、細かく切っていって、それぞれについてマニュアルみたいなものを読めば、とりあえず70点か80点ぐらいのオペレーションができるような、まずプログラムにするわけですよね。
田村:なるほど。
高木:そこまでできれば、あとはそれを1個1個確認しながら進めていくっていう話ですよ。
田村:ちょっと添削を加えていったら修正を加えつつも、最初はまず形を作っていく事が大事という事ですね。
高木:逆にそういう一連の流れがなかったり、もしくは一連の流れはあるんだけど、その部分部分で細かい説明がなかったりすると、もう「見て覚えろ」になっちゃうじゃないですか。
これだと未経験の人っていうのはなかなか習得できないですよね。
田村:確かにそうですね。
高木:いわゆるマニュアル化ですよね、フランチャイズはやっぱり素人が来ますし、本部のスタッフが加盟店さんに関わる頻度とかというのは、直営店と比較してもやっぱり頻度が減ります。
田村:はい。
高木:だからいかにその仕組みが質高く構築されているかっていうのは店舗展開していった後に運営品質を維持していく時の非常に重要なポイントになりますね。
田村:確かにそうですよね。ありがとうございます。もう1個質問したいんですけれども、先ほど「何から始めたらいいのか」っていう所の話もあったと思うんですけど、同時並行的に大事なのかもしれないですけど、加盟者が入ってくるような仕組み、いつでもフランチャイズできますよっていう体制を作っていても、要は加盟者が応募してこないとビジネスが成り立たないじゃないですか。
高木:はい。
田村:それって加盟者を呼び寄せるための進め方って何かあるんですか。
高木:これは明確にやり方があるんですけど、僕たちがおすすめしているのが、加盟者を集めるっていうことは基本的にお金をかければできるんですよ。だから資料請求とかを増やそうと思ったら、広告をかけたら資料請求という形で来るわけですよ。
田村:なるほど。
高木:フランチャイズの難しいところっていうのは、加盟するときに結構お金かかりますし、一回加盟すると少なくとも5年とかっていう単位で付き合うことになるじゃないですか。
だから、そう簡単に意思決定できるものじゃないんですよね。
田村:そうですね、高いですもんね。買い物がね。
高木:そうそう。だからいかに広告で「加盟しませんか?」とかって言ったって、すぐその場で決まる可能性って低いですし、逆にすぐその場で決まったとしても、相手がどういう人かもわかんないし、相手も本部をちゃんと理解しているかもわからないじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:だから結構危険なんですよ。僕たちが推奨しているのは、集めることはできるんだけど、その時にまず本部がどんな加盟者に来てほしいのかとか、もしくは本部が何でフランチャイズ展開するのかとか、フランチャイズ事業を通じてどんなことを実現したいのかっていうのをちゃんと情報発信して、あらかじめそういうのを見てもらって、「いいな!」
と思ってくれた人たちをまず相手にしていきましょうっていう話です。
田村:なるほど。
高木:とは言え、加盟の意思決定までに普通半年かかるんですよ。結構時間がかかるものなんで、その時に加盟にならないってことはよくあるんですよ。
田村:そうなんですね。
高木:だから僕たちがおすすめしているのは、1回関わった形っていうのをリストにして、そこに対して継続的に情報提供していく事です。その情報提供っていうのは、本部の考え方とか、もしくはその本部が日々どんな取り組みをしているかとか、経営者が何考えているかみたいな話ですよ。
田村:はい。
高木:そういうのを情報提供して本部のことを十分に理解してもらって、相手のタイミングが来たときに、「あのー加盟したいんですけど。」と「加盟に興味があるんですけど。」みたいな状況が作り出せたら、フランチャイズってトラブルが多いイメージあると思うんですけど、トラブルをかなり予防できるんですよね。これが加盟店開発のポイントになってきますね。
田村:なるほど。その辺とかも含めていろんな対策を練っていくことが大事っていう話ですね。ありがとうございます。結構時間が近づいてきたんですけれども、最後の質問として、高木さん、いろんなフランチャイズ化を支援されてきたと思います。
高木:はい。
田村:今まで見てきたFC本部の会社さんで、最初の段階で「これをしていたから、今はこんな風に成功している」とか「あの時、あれをしてたからこんな風にして今楽しそうに事業やっているな」とかっていうところの、成功と失敗を決めた何か最初の行動で印象だったものはありますか。これが大事だなと思うことを教えていただけたらと思います。
高木:いろんなフランチャイズシステムの構築のフェーズとか、加盟店開発のフェーズとかでやっぱり大事なポイントって変わるんですけど、今さっきまで加盟店開発の話をしてきたんで、加盟店開発のポイントでお話すると、やっぱり「リスト化」だと思いますよ。
田村:リスト化!
高木:だから一回資料請求とか来て、多くのフランチャイズ本部っていうのはそこで提案して決まらなかったら、もうそこで関係絶っちゃうんですよ。それって結局「売る人」「売られる人」っていう関係性になっているからじゃないですか。だから1回終わったらもうおしまいなのですよね。
田村:はい。
高木:それだと結局また1からやり直して、資料請求を取ってなきゃいけないじゃないですか。それってすごく効率が悪くて、僕たちがおすすめしているのは資料請求してきた人たちに、別にそんなに急いで加盟を迫らなくてもいいし、タイミングが人それぞれあるわけじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:だから資料請求来たら、まずちゃんとその情報を継続的に提供するリストに入れて、そこでさっきお話した、本部のことをちゃんと理解してもらうための情報を継続的に発信していく。そのタイミングが来たときに相手から加盟したいって言ってもらう。これがなぜ大事かっていうと、例えば1年目に資料請求100件が来ました。その100件に対し売り込んだら1件決まるか決まらないかかもしれないじゃないですか。
田村:はい。
高木:だけどその100件に対して継続的にアプローチしていったら、翌年はさらに100件増えたら200件になってどんどん増えていくじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:リストって結局増えれば増えるほど、あとはもう確率論の話になってくるんですよね。売り込んでないから、結局ずっと残っているわけじゃないですか、「見込み加盟者」として。そこに蓄積していってしかもそこに本部の実情がわかる情報提供していれば相手は合う・合わないという風に勝手に判断してくれるわけじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:そういう状況で向こうから来てくれたら、それってすごく本部と相性も合う加盟店でしょうし、そういう観点でいっても、すごく早いタイミングでリスト化して、そこに対して情報発信を始めるっていうのが、僕はすごく大事なことだと思っていますね。
田村:ありがとうございます。常進パートナーズさんでは、そういう1回見込み加盟者になったけれども、一回離れちゃったみたいな方たちに対してどんな情報配信をしていったらいいかのポイントとかもアドバイスとかをしていただけるでしょうか?
高木:はい、もうこれは僕たちがサポートするときには最初に決めますね。
田村:本当ですか。ちょっとこの収録で聞きたいなと思ったんですけど、これはちょっと有料コンテンツかなと思ったのであえて質問したんですけど(笑)
高木:(笑)そんな大したことではないですけど、やっぱこれを最初に決めておかないと、広告費とかというのがどんどん垂れ流しになっちゃうので、そこが一番重要なことだと思いますよ。
田村:そうですね。ぜひ興味あってFC本部をしていきたいなっていうリスナーさんは常進パートナーズさんに聞いていただきたいですね。
高木:はい。ぜひここは絶対押さえておいた方がいいことだと思います。
田村:ありがとうございます。本日はフランチャイズ化を始める前に、何をしたらいいかについてお話いただきました。ありがとうございました。
高木:ありがとうございました。
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