ここ最近、外食業界に限らず人員不足の問題が深刻化を増しています。人手不足が原因で店舗を閉めるようなお店も増えてきており、人手不足問題への対応は外食業界において喫緊の課題といえます。
このような状況の中、「どうしたら人を採用できるか」という相談が多くあります。正直申しまして、このような時代に人を確実に採用できる方法はありません。もしもあるのであれば、どこの企業も飛びついていることでしょう。ですから、当社では、採用できた人材を定着化させ、戦力にしていくことに注力すべきであると考え、その仕組みづくりをサポートしています。
ただし、仕組みづくり以前に、基本的なことをおろそかにした結果として、人材の採用や定着化につなげることができていない企業が多く存在することも事実です。そこで、人の採用や定着化でお困りの経営者は、まずは以下事項を確認してみることをおすすめいたします。
1.「一緒に働きたい」と感じさせる雰囲気づくり
ある調査によると、日本人がアルバイトの職場を探す際、飲食店や小売店の場合は、50%以上の方が応募前に下見に行く、とされています。これは、応募内容だけではなく、実際の現場を見たうえで、応募するかどうかを判断している、ということです。
これは日本人の特徴なのかもしれませんが、アルバイト応募先の職場イメージに影響を与える要因は、募集内容よりも、来店時の印象が圧倒的に大きいのです。ですから、店舗の営業状態や雰囲気が悪い状況でいくら人材募集をかけようとも、効果は期待できません。まずは、店舗の営業状態や組織風土を整えていくことがスタートとなります。
ここが悪いままだと、採用することもできないし、採用できてもすぐにやめてしまう、という負のスパイラル状態に陥りますので注意が必要です。
2.初回勤務時の受け入れ態勢の整備
人材が定着化しない企業のお話を聞くと、採用後、すぐに現場に入ってもらい、OJT指導にて訓練を行っているケースが圧倒的多数です。逆に、人材をうまく定着化させている企業は、最初に座学形式で研修を複数回行い、基礎的な知識の習得、またはある程度の人間関係構築を済ませたうえで現場に入ってもらっているケースが多いようです。
新しい仕事を始める時には、誰でも仕事内容や人間関係などの面で不安があるものと思います。この不安に対処しないままいきなり現場に入ってもらうのは、離職するリスクを高めることになりますから、採用直後はこれらの不安を取り除く工夫を取り入れるべきでしょう。最初の3回程度は、仕事内容や人間関係に慣れる期間として設定しておくとよいと思います。
3.季節指数を意識した人材募集の実施
売上に季節変動があるのと同様、人材募集の反応にも季節変動があります。せっかくコストをかけて人材募集をするのであれば、指数の高い月に応募を行うべきでしょう。
この季節指数は店舗によって当然異なりますので、本来であれば店舗毎に実績を集計するべきですが、一般論でいうと月毎の確立としては以下になるようです。
4月◎
1月、3月、5月、9月、10月〇
2月、6月、7月△
8月、11月×
12月××
あくまで確率論ですが、セオリーは“人の動く月にお金をかける”ことでしょう。
無料メルマガ登録
専門コラムの他、各種ご案内をお届け中です。ぜひ、ご登録ください。
セミナーのご案内
店舗ビジネスの多店舗展開やのれん分け・FCシステム構築を進めていくため、具体的にどう取り組んでいけばいいのか、どのような点に留意すべきか等を分かりやすく解説する実務セミナーを開催しています。
セミナー一覧ぺージへ