ネットラジオ『多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所』は、弊社代表の高木と社労士の田村陽太が、飲食店、整体院、美容院等の様々な店舗ビジネスの「多店舗展開」を加速させるために重要な事を対談形式でお話しするラジオ番組です。
本日は『多店舗化・フランチャイズ化を考える「店舗ビジネス研究所」』二人目のゲストをお迎えしての対談回です。ゲストは、合同会社ロータステーブル代表社員の小沼梨沙さんです。
田村が小沼梨沙さんのポッドキャスト番組『経営とたべもの。心ほぐれるラジオ』のパーソナリティーを担当している事からこの度対談が実現しました。
高木は多店舗展開のスペシャリスト、小沼さんは創業支援のスペシャリストという事で、今回は「創業後から多店舗展開に必要な事を語ろう!」をテーマに、小沼さんに事前に高木に対する質問を二つ考えてきてもらいました。今回は前編をお送りしたいと思います。
第72回 『美容サロンを開業したい人が、サロン勤務時代の元同僚を雇う時の注意点はありますか。』というテーマで店舗ビジネス専門コンサルタントの髙木悠が熱く語ります。
【ハイライト】
・従業員は店長の様子や動きをよく見ています
・店長が従業員に平等に接するために重要な事
・元同僚や知り合いとの理想的なコミュニケーション方法
・仕事とプライベートでの明確な態度の切り分けについて
・人間関係で悩む「話を聞く事」と「共感する事」の違い
多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所。この番組は株式会社常進パートナーズの提供でお送りいたします。
店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠が最速・最短で年商30億、店舗数30超を実現する実証されたノウハウをコンセプトにのれん分け制度構築、FC本部立ち上げ、立て直し、人事評価制度の整備など飲食店、整体院、美容院などの様々なビジネスの多店舗展開を加速させるために重要なことを対談形式で分かりやすくお話しする番組です。
田村:こんにちは。パーソナリティーの田村陽太です。配信第72回目となりました。本番組のメインパーソナリティーをご紹介します。店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠さんです。よろしくお願いします。
高木:よろしくお願いいたします。
田村:高木さん、多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所、2人目のゲストをお迎えしております。
高木:しかも女性じゃないですか。
田村:そうですよ。それでは華のあるゲストをお呼びしたいと思うんですけども、私からご紹介させてもらいます。合同会社ロータステーブル代表の小沼梨沙さんです。よろしくお願いいたします。
小沼:よろしくお願いします。
田村:小沼さんは私と一緒にポッドキャスト番組をやっていまして、「経営とたべもの。心ほぐれるラジオ」という番組をやらせてもらっています。それで、小沼さんは食と栄養を専門としたコンサルティング会社を経営されていて、また小売店とか飲食店の創業支援を行っていらっしゃいます。
なので、高木さんは多店舗展開のスペシャリスト、小沼さんは創業支援のスペシャリスト、これはちょっと親和性が高いんじゃないかということで、今回お呼びさせてもらいました、高木さん。
高木:へーすごいですね。やりますね、田村さん。
田村:そうなんですよ(笑)今回は、「創業から多店舗展開に必要なことを語ろう!」ということで、事前に小沼さんから二つ質問をもらってきています、高木さんに。今回はそのうちの一つの質問を小沼さんから高木さんに質問していただきますので、高木さんにズバリお答えいただきたいという事で、そんな企画でやっていきます。
高木:わかりました。じゃあ、はりきって答えていきたいと思います。
田村:はい。よろしくお願いします。最初に小沼さんにゲストとして来ていただきましたので、よろしければ小沼さんの自己紹介をリスナーさんにしていただけるとありがたいです。
小沼:わかりました。リスナーの皆さん、初めましてということですが、今ご紹介いただきました、小沼梨沙と申します。私は、高木先生と同じく中小企業診断士でございまして、いろんな企業さんの支援活動をやらしていただいております。私は結構店舗の支援が多いんですけれども、0から1っていう感じですかね。本当に真っさらな状態から創業する方の創業支援が結構多くて、もう業種も様々です。小売店や飲食店もあり、あと女性の創業支援がすごく多いので、美容サロンとか、美容院もそうですし、まつげエクステとかネイルサロンとかマッサージ屋さんとかですね。そういったサービス業の支援が結構多くなっております。
今日来させていただくにあたって、いろいろ高木さんにお聞きしたいこともあったので後で詳しくお聞きしてみたいなと思います。よろしくお願いします。
田村:ありがとうございます。はい、そんな小沼さんをお迎えしての、さあ、1個目の質問が小沼さんから来ていますので、高木さん、ご準備よろしいでしょうか?
高木:大丈夫ですよ。
田村:はい(笑)小沼さん、よろしくお願いします。
小沼:わかりました。実はこれ本当に現実で今私が直面していることでして、それで質問をちょっと用意させていただきました。これから美容系の脱毛サロンを開業する方がいらっしゃるんですよ。それでその方は多店舗展開を考えているんですね。まだこれから創業という段階なんですけど、従業員を最初から雇いたいそうです。
それで、前の会社に勤めていたときの同僚を、自分のお店のスタッフとして雇いたいそうです。自分が経営者で、そのスタッフを店長として雇ってお店を切り盛りするみたいな感じで考えているそうです。
それでちょっと気になるのが、前の職場ですごく仲が良くて、すごく意気投合して、多分やりやすいスタッフさんだと思うんですね、仕事仲間としても。でもそれって職場の仲間としては良かったかもしれないけれども、経営者になって雇うというか、採用するという事は関係性が変わるじゃないですか。
高木:はい。
小沼:そのときに注意しておいた方が良いこととか、逆に良いこととか、そういうのがあれば教えていただきたいなっていう風に思ったのでちょっと質問させていただきました。
高木:なるほど。これはよくあるパターンなんですけど、結構難しいやつです。実際僕が店長やっていたときに、昔アルバイトで一緒に働いていた人を、アルバイトとして雇ったことがあるんですよ。構造として似ているじゃないですか。
小沼:似ていますね。
高木:これ、かなり難しかったんですよ。
小沼:そうなんですね。
高木:何故かっていうと、まず普通の雇用と違うことって、やっぱり仕事とは違う人間関係があるっていうお話じゃないですか。やっぱりそれを全く表に出さない経営者とか、もしくは店長だったら問題が起きないと思うんですよ。だけど、それって相当レベル高いと思うんですよね。
小沼:そうですね。
高木:僕はその難しさにハマって、やっぱり結構大変な問題が起きてしまいました。その上で気をつけなきゃいけない事なんですが、経営者とか店長の他にもスタッフっているんですか。
小沼:他のスタッフは、最初はいないです。だんだん軌道に乗ったら雇っていくという感じです。
高木:なるほど。もしかしたら最初の段階でいったら問題起きない可能性ってあると思うんですけど、やっぱり他のスタッフとかが入ってきたときに、他のスタッフから見たら経営者とか店長ってやっぱり1人しかいないじゃないですか。だからほんのちょっとした態度の違いにめちゃくちゃ気づくわけですよ。
小沼:そうなんですね。
高木:多店舗展開しようみたいな話が先ほどありましたけど、今後多店舗展開していってそのような人間関係がちょっとでも出ていたら、他からしたらそういうのってよく見えるわけですよ。そこに対して余計な不満がやっぱり生まれる可能性ってあると思うんですよね。
リーダーや経営者とか、店長ってやっぱり雇用している従業員さんとかマネジメントしている従業員さんからめちゃくちゃ見られる人たちだと思うんで、いかに「平等」に扱うかっていうのが、やっぱり重要なわけですよ。
小沼:なるほど。
高木:そういう意味で言ったら、レベル高いですよね。人間関係を抑えて平等に扱っていく。そういうのがポイントになると思いますよ。
田村:小沼さん、どうですか。今高木さんのお話を聞いて。
小沼:ありがとうございます。「平等に扱う」っていうのは、具体的にどういう振る舞い方なんですかね、スタッフに対して。
高木:いろんなことが想定されると思うんですよね。私のケースとかで言ったら、例えば僕は飲食店で店長をやっていて、アルバイトスタッフを20人とか雇用しているわけじゃないですか。それで、シフトが早い時間しか入れない人や遅い時間しか入れないとか、いろんな人がいるじゃないですか。
小沼:はい。
高木:遅い時間とかの人って、仕事が終わったらちょっとお喋りして帰ったりしますよね。そうすると必然的にコミュニケーション量は増えるじゃないですか。でも例えば、他のスタッフから見たら、店長1人だから「店長は他の人とはコミュニケーション量が多いのになんで僕たちとはそんなに喋らないんですか?」みたいなことすら不満要因なんですよ。
小沼:へえ、なるほど。
田村:ちょっと僕もご質問したいんですけど、例えば、元同僚の方だったら、やっぱり昔からの付き合いなんで、一緒にいる時間が長いじゃないですか。新しく入ってくるスタッフはもちろん、初対面なわけで今までの出会いの時間って短いじゃないですか。そうするとやっぱり不平等が生まれるじゃないですか。そこをどうやって平等にしていくようにすればいいですかね。元同僚と、新しく入ってくるスタッフの扱いを平等にする方法って何かあるんですか。
高木:まだ今の段階で全部想定するというのは難しいと思うんですよ。例えば私のケースで言ったら、「いやあ、そんな小さいことでも向こうは気にするのか!」っていう気づきがあるわけじゃないですか。
田村:はい。
高木:でもそれってもう無理でしょ?直せないじゃないですか。そうなると、だから問題は早く帰っちゃう人たちとのコミュニケーションの時間がないっていうところが問題だから、意図的に時間を取りに行ったりするわけですよね。それによって極力そういった不満が生じないような、やっぱり努力をしていかなきゃいけないですよね。
田村:はい、ありがとうございます。小沼さん、どうですか。今の話を聞いて何かありますか。
小沼:コミュニケーションの量がやっぱり不平等感を感じさせる、結構大きな要因になるんですかね。
高木:コミュニケーション量は多分すごく感じる部分だと思いますよ。まあそれもあくまで一つのポイントにしか過ぎないと思うんですけど、他にもいっぱいあるんじゃないですか。例えばあの人にだけ言い方がちょっと違うとか。
田村:はい、ありがとうございます。高木さん、僕から一個質問していいですか。さっきの元同僚雇うときとちょっと注意点で話が戻るんですけど、要はすごい知り合いで、なかなかきついことが言えない間柄じゃないですか。そこをどうやって線引きしていくっていうか、経営者の心の切り替えってどういう風にしていったらいいのかってあるんですか。
高木:そこって人それぞれなのかもしれないですけど、僕が一番良くないと思うのは、自分の元同僚だから、本来だったら絶対やんなきゃいけないことなんだけど、言いにくいから言わないとか、もしくは今回はもう許してあげようみたいな感じの対応です。要は仕事の厳しさを無視して何か甘さが出てしまうと、他の従業員さんが仮にいなかったとしても、社長のそういう判断というか姿勢って、会社全体に対する明確なメッセージになっちゃうと思うんですよ。
田村:はい。
高木:だから本来やるべきことをやってないのにそれに対して言わないっていうことは、それをやらなくていいっていうメッセージになっているじゃないですか。絶対なるんですよね。
田村:そうですね。
高木:だから、上司と部下っていう関係とかその仕事の関係っていうのは絶対曲げちゃいけなくて、むしろ普通の他の従業員さんに対してよりも、意図的に厳しくするぐらいの感じで接しないと、それはうまくいかないだろうと僕は思いますけどね。
田村:難しいですね。小沼さん、どうですか、お話聞いて。
小沼:すごく今、勉強になりました。知った仲だからこそ、あえてちゃんと線引きをきっちりやるっていうか、そういう厳しさを持って接していく事が大事という事ですね。結構でもそれって心しておかないと、緩みますよね。だからすごく最初が肝心かなってちょっと思いましたね、今お話聞いて。
高木:まずそういう心構えじゃないと、多分その同僚を雇ったりしてしまうとうまくいかないケースって多いわけですよ。でも一番初めにお話したんですけど、普通の従業員さんとの違いって、雇用する側・される側の人間関係以外の関係があるっていう、ただそれだけじゃないですか。だからそこをいかになくすかっていうところは、やっぱり意識的にやっていかないと、駄目ですよね。
田村:確かにそうですよね。もう1個質問してもいいですか。例えば雇用する前に、店長とか経営者の方ってその同僚の方に「プライベートはこんな仲だけども、ちょっと今回雇用するってことだから、ちょっと厳しめにするよ」みたいな感じで言った方がいいのか、それを言わずに信頼関係でやっていった方がいいのか、それはどんな感じで雇用していったらいいとかあるんですか。
高木:もうその仕事の関係とプライベートの関係って全然別もんじゃないですか。だからプライベートの関係を変な風になりたくないっていう思いがあるのであれば、それはちゃんと雇用する前にちゃんと言ってもいいと思うんですよ。だけど、私から見れば仕事の関係とプライベートの関係を明確に切り分けるなんていうのは結構当たり前なので、だから仕事になった瞬間めちゃくちゃ厳しいけど、終わった瞬間に全然切り替わっちゃっていても、普通だと思うんですよ。
田村:なるほど。
高木:なので説明云々というよりも明確にその態度を切り分けて、もう相手がそれを感じるぐらいのやっぱり厳しさとか接し方をした方がいいでしょうね。僕は今までそういう同僚とか昔の友達を雇っている人をいっぱい見てきましたけど、うまくいっている人っていうのはだからそこを明確に切っているんですよね。
田村:そうなんですね。ありがとうございます。小沼さん、いかがですか、今の話聞いて。
小沼:結構女性が多い職場って独特だなってちょっと私は思っていまして、切り替えができる人もいるんですけど、できない人もいるというかですね。何人かが集まると、グループ的なものができて、それがちょっと人間関係をややこしくするっていうのがどうも何かあるなっていうのはすごく女性創業をいろいろやっていると感じるところです。その辺って高木さん、女性が多い職場のそういうコミュニケーションのとり方ってアドバイスはありますか。
高木:女性のグループは難しいですよね。一番恐ろしいところですよ(笑)
小沼:そうなんですね、高木さんでも(笑)
高木:僕がいた職場っていうのは、基本的に男の人の方が多かったので。でも現場は違ったかな。女性の方が多かったですかね。女性スタッフ同士の人間関係っていうことですもんね。いやあ、それは難しいんじゃないですか。それを店長とか本部経営者がどうにかしたいっていうことですか。
小沼:やっぱり女性の職場、美容系のサロンとかって、もう女性の職場なんですよ。他の職場も今ありますけど、やっぱりそうすると、さっき高木さんがおっしゃっていたコミュニケーションの量とか質とかっていうのはものすごく敏感なんです。割り切りましょうって言ってもなかなか割り切れないっていうか、共感してもらうっていう事をすごく求める雰囲気みたいなのがあって、そういうのを何か「仕事は仕事」って割り切れないっていう人が結構いたり、それをまとめる人がまた女性だったりすると、何か気持ちは分かるんだけれども、あんまり寄り添いすぎても仕事にならないからどうしようっていう結構そういう相談を私は受けることがあるんですね。
高木:なるほど。
小沼:でも、結局私は「そこは割り切るしかない」っていう話で結局終わっちゃうんですけど、本当になんか難しいなって思いますね。
高木:なるほど。私の妻がそういう会社のマネージャーやっていて、職場に若い女性がいっぱいいて、それをマネジメントしているらしいんですよ。その時に悩みとかを聞くんですけど、なんか突然泣き出したりとか、人間関係で何かあの子は私のことを嫌っているとか、そういう相談を受けるみたいです。
小沼:はい。
高木:「それどうするの?」みたいな感じなんですけど、でも聞いていて僕が思ったのは、相手が言っていることやお話を聞くのが仕事なんだろうなって思いつつ、でもどこまで共感するかっていうのは別問題だなと思ったんですよ。僕が聞いていても、「いやいや、それ相当気にしていてもしょうがない問題だな。」とかっていう風に思うわけですよ。
小沼:はい。
高木:そしたら、そんなこと気にしていたら多分自分がすごく損をするし、健全な気持ちで働けないと思うんですよね。話は聞くんだけど、でも共感するかどうかっていうのは別の話で、そこは話を聞いて受け入れるんだけど言うべき所は言うというか、その辺の姿勢はちゃんと切り分けた方がいいんじゃないかなっていうのは聞いていて思いましたね。
田村:ありがとうございます。ちょっと時間が近づいてきたんですけれども、どうですか、小沼さん、高木さんは小沼さんの質問にたくさん答えていただけましたでしょうか?
小沼:すごく参考になりました。よかったです。いろんな相談を私も受けていて、やっぱそういうスタッフを雇ったりしている人は特に人間関係で悩んでいる方ってすごく多いんです。1人で創業している人は、売り上げがどうこうっていう話なんです、やっぱり。人を採用し始めるとやっぱり人間関係の相談が多かったので勉強になりました。ありがとうございます。
田村:ありがとうございます。高木さん、どうですか。今小沼さんの質問に答えての感想というか、今日のトピックの感想を教えてください。
高木:やっぱり小沼さんは専門家なので、すごく質問が鋭いですよね。女性の人間関係問題って、多分今悩んでいる人ってすごく多いんじゃないですか。僕みたいな人は多分その女性の気持ちをわかりきらないので、ぜひそこは小沼さんに極めていただいて(笑)、相談に乗っていただけるようになると、めちゃくちゃ嬉しいですね。
田村:はい。ありがとうございます。本日は1回目の小沼さんの質問に高木さんから回答いただきました。高木さん、小沼さん、ありがとうございました。
高木/小沼:ありがとうございました。
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