ネットラジオ『多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所』は、弊社代表の高木と社労士の田村陽太が、飲食店、整体院、美容院等の様々な店舗ビジネスの「多店舗展開」を加速させるために重要な事を対談形式でお話しするラジオ番組です。
第55回『ヘッドスパを2店舗経営しています。社員には自発的に行動できる人材になってほしいと考えています。教育のポイントを教えてください。』というテーマで店舗ビジネス専門コンサルタントの髙木悠が熱く語ります。
【ハイライト】
・経営者と従業員の意識の違いについて
・社員に当事者意識を持たせる為に会社がやるべき事
・『給料払ってれば仕事してもらって当たり前』の考えの是非について
・危機感を感じた瞬間が当事者意識の始まり
・現実や未来を一番理解しているのは経営者論
・経営者が確固たる知識を身に付ける為に重要な事
多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所。この番組は株式会社常進パートナーズの提供でお送りいたします。
店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠が最速・最短で年商30億、店舗数30超を実現する実証されたノウハウをコンセプトにのれん分け制度構築、FC本部立ち上げ、立て直し、人事評価制度の整備など飲食店、整体院、美容院などの様々なビジネスの多店舗展開を加速させるために重要なことを対談形式で分かりやすくお話しする番組です。
田村:こんにちは。パーソナリティーの田村陽太です。配信第55回目となりました。本番組のメインパーソナリティーをご紹介します。店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠さんです。よろしくお願いします。
高木:よろしくお願いいたします。
田村:高木さん、今日も頑張っていきましょう。
高木:はい、お願いします。
田村:本日のテーマはこちらとなっております。「ヘッドスパを2店舗経営しています。社員には自発的に行動できる人材になってほしいと考えています。教育のポイントを教えてください。」という質問です。これは高木さんの得意分野じゃないですか?
高木:これ得意分野というか、関わる経営者全員が持っている悩みですよね。
田村:結構これよく聞く質問なんですね。
高木:だって自発的に行動できる人材になってほしいとか、経営者マインドを持ってほしいとか、もう基本的に全経営者が思っていますよね。
田村:そう思うところってどういうところにきっかけがあるんですかね、経営者って。なぜそういう風に思われるんですか。
高木:だって自分は経営にほぼ生活や人生の全てがかかっているから、経営者って温度感が仕事に対してすごく高いじゃないですか。だけどその従業員さんの様子を見ると、必ずしもそうじゃないと思うのですよね。
田村:はい。
高木:というのは、従業員さんは基本的にお仕事をして給与を得るっていう体制になってるいんで、一生懸命やろうがやるまいが、とりあえずそこに来たら給料ってもらえるじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:経営者とそもそも意識の違いって絶対に生じるんですよね。でも経営者は自分の人生かかっているからこそ一生懸命やってるのに、それはやっぱり行動を経営者から見ると、従業員さんの働きっていうのは何か物足りないって思うんでしょうね。
田村:なるほど。従業員の温度感を自分の熱い温度感に合わせて来いみたいな社長の思いということですよね。なるほど。この辺の自発的に行動できる教育のポイントっていう事なんですけども、高木さんは以前の回とかでもこのお話を結構たくさんされてきていると思うんですけども、教えていただけたらと思います。
高木:こういうご相談を受けるときに、そういう人材を育てたいって経営者が思っているわけじゃないですか。その人材を育てるために、どういう風に今教育されているんですかって質問するわけですよ、その経営者に。
田村:はい。
高木:そうすると、どんな回答が返ってくると思います?
田村:えー何ですかね、ちょっとわかんないです(笑)
高木:はっは(笑)私が大体この質問すると、結構止まる経営者ってやっぱり多いんですよね。
田村:出てこないですよね。
高木:よく出てくるのは、そういう風に普段から伝えてると。1人1人が経営者意識を持って自発的に仕事をすることで、会社って良くなっていくんだとか、だから当事者意識を持って働こうみたいな、大体そういうメッセージを伝えているっていう話が出てくるんですよね。
田村:自分たちとして、もうやっているみたいに伝えているんですね。
高木:そう。だからもうそういう風に言っていますよという感じです。だけどわかってくれないんですって大体の経営者がおっしゃるわけですよ。でもやっぱりここで考えないといけないのは、「当事者意識を持て。当事者意識を持て。」って、従業員さんに言っているわけじゃないですか、経営者は。
田村:はい。
高木:だけど当事者意識を持たないわけですよね。だからもうそもそもそのコミュニケーションのあり方を、私は変えていかないといけないと思うのですよ。
田村:なるほど。具体的にどのようにするのですか?
高木:私がやっぱり思うのは、従業員さんは従業員さんで自分なりの正当な理由があって、当事者意識を持って働かないわけじゃないですか。だから従業員さんのまず側に立って考えることが大事だと思うのですよね。
田村:はい。
高木:じゃあ従業員さんって、なんで当事者意識を持って働かないんでしょうねっていうことですよ。これはいたってシンプルで、別に当事者意識を持って働いても、当事者意識を持たないで働いても、多分自分はどっちでも変わらないっていう相手の心の中には前提条件があるのだと思うんですね。
田村:はい。
高木:自分が当事者意識を持って働いたら自分がいいことがあるとか幸せになるとか思っていれば当事者意識を持って働くじゃないですか、必然的に。
田村:そうですね。
高木:そういう状態にやっぱりしていかないといけないですよね。
田村:社長から当事者意識を持てって言われてるだけで、自分に何のプラスにもならないじゃないかっていう風に思ってる社員さんが多いんですね。
高木:そう。その必要性をそもそも気づいてないわけですよ。会社のためにというのは、従業員さんのためっていう言い方ではないじゃないですか。ここがポイントで、会社のため云々の前に、従業員さんのためにも当事者意識を持って働くことが大切ですよっていうことを、会社はわからせなきゃいけないのですよね。従業員はわかってないから。それをどうしますかってことだと思うんですよ。
田村:なるほど。ちょっと厳しい質問してもいいですか。社長は従業員に対してお給料払っているじゃないですか。自発性を持ってもらうのが当たり前の労働契約だっていう風な経営者も多分思う方もいると思うのですけど、その考えは駄目ですか。
高木:そこも経営者の立場から考えるとそうなのですよ。だけど、現実どうなっていますかっていうその現実を見てほしいんですよ。現実問題がどうなっているかっていうと、超底辺の従業員さんの思考を私が代弁します。別に仕事をしようがしまいが、会社にいて何か時間を過ごしていればお給料がもらえると思っていると思うんですよ。
田村:そうですね。そういう方結構いますよ。
高木:別にだからそういう風にしていれば、会社は給料を上げないってことはないじゃないですか。もしかしたら給料が減らされることはあるかもしれないけど、給料がなくなるなんてことは絶対ないのですよ。従業員さんはだからそれが安定した状態だと思っているじゃないですか。
田村:はい。
高木:会社に行って別にちょこちょこって言われたことやっとけば、お金がもらえるわけですから。だからそこの前提条件を壊さない限り、変わりませんってことですよね。
田村:なるほど。お給料をもらいながら従業員さんとしては、自分たちで頑張っていかなきゃいけない、自分にプラスだっていう風に思うことが最終的なゴールじゃないですか。それっていうのは、会社がそういう業務を従業員さんに与えてあげるとか、どういう風な形で自分にプラスだと思わせていくべきなのですか。
高木:だからそこが本当にポイントで、会社が気づかせない限り、あとは相手が自分で気付くのを待つしかないじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:だからそれだと結局会社はコントロールできないのですよね。
田村:そうですよね。与えて、与えて、結局従業員さんもプラスに思わなかったって結構コントロールできないですよね。
高木:だから会社が意図的にそこに働きかけて、相手の認識を変えるように動かしていくのが僕は教育だと思うんのですよ。そのためにどうしますかってことじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:ここは正直相手の従業員さんがどう考えているかっていうのは微妙に違うでしょうから、こうやったら間違いないですよっていう方法論っていうのはないわけですよ。だから日々試行錯誤していく必要があるのですが、私がポイントだと思うことをお伝えします。
田村:お願いします。
高木:それは、従業員さんが例えば当事者意識を持って働かなかったり、黙ってとりあえず会社で仕事しなくても会社に行って我慢してれば給料もらえるとかって思っている人がいるとするじゃないですか。
田村:はい。
高木:そしたら、その状態でいることがあなたの人生にとっての大きなリスクなのだよっていうことをわからせるっていうことですよ。
田村:それは深いですね。どういうことでしょうか?
高木:危機感を植え付けるわけですよ。例えばその人がそのまま働いていたときに、3年後にもう仕事がなくなってどこにも就職できなくなり、今までみたいな給料を稼ぐこともできなくなった場合、路頭に迷うわけじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:そう相手が気づいていたら、果たして行動が変わらないですかってことなのですよ。
田村:絶対行動を変えますよね。危機感を持たなきゃと思いますよね。
高木:じゃないですか。ここがポイントで、人材教育というと基本的には自分の輝かしい未来を作るためにというポジティブな面に行くじゃないですか。それはそれでいいと思うんですよね。だけどポジティブな面にフォーカスするより、基本的にネガティブな面にフォーカスした方が、それを避けたいって人は思うわけじゃないですか。
田村:はい。
高木:だからそっちにフォーカスして、危機感を感じてもらえれば、それを感じた瞬間に当事者意識が要は備わるのですよ。
田村:なるほど。
高木:そういうアプローチを会社からしていくというのを私は一つ推奨していますね。
田村:なるほど。労務的な目線でちょっと質問したいんですけど、今の若い方とかだと危機感を煽ってしっかりと働かないと、将来10年後20年後大変だよって言うと、何か会社がそんな風に危機感を煽ってきたってことで萎縮してしまって、不安に思ってしまう従業員さんがいるんじゃないかなって僕は思うんですけど、その辺のフォローはどうやってしていったらいいですか。
高木:危機感を煽るっていう多分考え方が間違っていて、現実を伝えるってことなのですよ。
田村:詳しくちょっと教えてもらっていいですか。
高木:例えば社会保険の制度が今後どうなっていくのかとかいろんなデータが出ていたりするわけじゃないですか。もしくは少子高齢化が進んでいったりする側面ってあるわけじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:現実的に考えたら、今の状態って続かないわけですよ。そんなことは経営者は100%わかっているわけですよね。だけど従業員さんってそれを気づいていますかって言ったら、モヤモヤっとは気づいているのですよ。このままじゃマズイじゃないかみたいなことは気付いているわけですよ。だけど、それを教えてくれる人って世の中にいますかってことなのですよね。本当にやばいんだってことを。
田村:はい。
高木:例えば、何でしたっけ?老後の資金2000万円が必要問題があったじゃないですか。
田村:Aさんが言っていましたね、昔。
高木:あれが本当かどうかわかんないですけど、おそらくこの先って多分そういう時代になっていくわけですよね。誰かが守ってくれる、国とか企業が守ってくれるっていうよりは、自分の身は自分で守らなきゃいけない時代に多分なっていくわけじゃないですか。もう明らかになっていっていますよね。
田村:はい。
高木:コロナが起きて、急に職を失った人がいて、それでも収入を得なければいけない時代になっているじゃないですか。これってもう現実なのですよね。だけどみんなそういうことって不安に思うからとかの理由で言わないじゃないですか。
田村:はい。
高木:だけど、私が言っているのはでもそれって現実ですよねってことなんですよ。そういうのをちゃんと伝えたら、相手って変わりませんかってことですよ。
田村:そうですね。煽るのではなくて、現実をお伝えしていくっていうか、教育していくみたいなことですよね。
高木:例えば、私が思っていることとかで言うと、今AIとかがどんどん発達してきているじゃないですか。もうそもそも、言われたことを言われた通りにやるだけの仕事なんていうのはどんどん機械に置き換えられていくわけじゃないですか。機械に任せた方が正確だし、コストもおそらく下がってきますよね。
田村:そうですね。
高木:だから働き手は言われたことを言われた通りにやっているだけだったら、間違いなく仕事なくなるよねと言われていますよね。もうなくなるじゃないですか、絶対的にそうですね。
田村:はい。
高木:ということは今言われたこと言われた通りにしかできない人っていうのは、将来仕事なくなるでしょうね、ということを従業員さんは知っていますかってことですよ。
田村:確かにそうですね。教えてくれる方ってやっぱり自分の保護者とか先生とか結構少なかった方も多いですから、そうやって社長から言われると、現実に「ハッ」と気づかされる方も多いと思いますね。
高木:それを危機感っていうか現実の流れっていうのを一番知っているのは、もう間違いなく経営者なのですよ。経営者が一番そこに接して危機感を感じているじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:だから、そんなに不用意にリスクや危険を煽っていったりする必要はないと思うのですけど、例えば、今私が言ったこと、「AIに置き換えられていって、言われたことを言われた通りにしかできない人っていうのは仕事なくなるよね。」と。
田村:はい。
高木:「だから僕たちっていうのはこれから幸せを得るために、機械じゃできないことをしていかなきゃいけないね。そのためにはかゆいところに手が届くような仕事の仕方ってできないと、この会社でもそうだし転職したって誰も雇わないよ。だって機械入れた方がいいじゃん、そしたら。」って。「じゃああなたはどうしますか?」ってことなのですよ。
田村:なるほど。ありがとうございます。現実を従業員さんに対して伝えていくっていうところの重要性がわかりました。ありがとうございます。もう時間が近づいてきたので最後に1個だけ質問したいのですけども、従業員さんに対して現実を伝えていく教育していくことの重要性ってすごいわかったんですけども、現実を伝えていくためには、社長さん自身が知識をつけたりとか、自分の経験を習得していく必要があると思うんですよ。
高木;はい。
田村:高木さんが考える、経営者の方が自分の知識を収集していくためのコツやポイント、正しい情報を収集するポイントというのを教えていただきたいです。
高木:これ難しいのですけど、まずいろんな情報に接することですよね。新聞読んだり、インターネットのニュースを見たり、もしくは本を読んだりするじゃないですか。いろんな人のいろんな考え方をまず知る必要があると思うんですよ。
田村:はい。
高木:だけど正解ってもう極論ないと思うのですよね。いろんな人がいろんなこと言っていて、当たっている部分もあるし、いやそうじゃないと思う部分もあるわけじゃないですか。
田村;ありますね。
高木:そういったものにいろいろ接していく中で、やっぱり経営者なりのこの先の考え方、この先どうなっていくとか、こういうことが求められるみたいな確固たる考えを生み出す必要があるのじゃないですかね。
田村:なるほど。情報収集するというよりか自分の考える核を固めていくみたいな感じですか。
高木:そうそう。だから情報収集はするのですけど、その中で例えば今後の働き手が幸せな人生を生きていくためにどんなことが求められるのだろうかみたいなことを考えるわけですよ。
田村:はい。
高木:そうすると、さっき私の考え方をちょっとお話しましたけど、機械化とかが進んでいくから、言われたこと言われた通りにする人は、もう未来はないと思っているんですね。幸せにならないと思っているのですよ。
田村:はい。
高木:だから、幸せになるためにどうするかっていうのを私なりに考えがあるわけじゃないですか。私はそういった考えを周りの人に伝えていくわけですよね。そうするとそこに共感して危機感を感じた人っていうのがそこに危機感を感じれば変わるわけですよ。
田村:はい。
高木:その考えの軸を作って、そこに対して関連する情報を従業員さんに伝え続けていくのが大事だと思います。
田村:わかりました。ありがとうございます。今日は自発的な人材のさらに進化版の考えを高木さんから教えていただきありがとうございました。本日は自発的に行動できる人材の教育のポイントについてお話いただきました。ありがとうございました。
高木:ありがとうございました。
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