多店舗展開

人手不足問題を解決するためのポイント

欲しい人材を獲得するために必要なこと」では、企業が求める人材を採用するために必要なポイントを紹介しました。ただし、前記事でも述べた通り、採用活動を強化して人材採用ができるようになったとしても、採用した人材が短期間のうちに退職してしまっていては、人材不足問題の根本的な解決とはなりません。ですから、募集方法を工夫するだけでは不十分です。人手不足問題を根本的に解決するためには、以下の3つのポイントを抑えておくことが不可欠といえます。

(1)従業員が夢と希望をもって働ける環境整備

従業員にとって、その会社で働くことや会社の将来に夢や希望を感じることができなければ、長く働くことは期待できません。また、そのような会社で働きたいと感じる求職者もまずいないでしょう。従業員がその会社で働くことや会社の将来に夢や希望を感じることができる環境を整備することは、人材不足問題解消の前提条件となります。「夢や希望をもって働ける環境の整備」とは、具体的には以下のような点を整備することといえます。

中期経営計画策定

従業員にとって「将来、会社がどうなるのか」を見通すことができなければ、その会社で安心して働くことはできません。会社が目指す目標や方向性等を明確化し、従業員に共有・浸透させていくことは、人手不足問題解決の第1ステップとなります。具体的には、会社の3~5年程度の目標を明確化し、現状とのギャップから今後やるべきことを具体化した上で、中期経営計画等の形に明文化していくこと、及び従業員に対してそれらの内容を共有していくこと、が求められます。また、目標や方向性を外部に対しても積極的に発信していくことで、求職者から見た会社の魅力が高まるものといえます。

キャリアパスの見える化

会社の目標や方向性に加えて、会社内における従業員のキャリアパスを明確に示すことも重要です。キャリアパスとは、従業員それぞれが目指す目標や役職にたどり着くまでの道筋を意味します。例えば、将来独立を目指す従業員に対しては、その人が入社してから独立するまでに、会社内でどのような仕事や役職をどの程度経験していくのか、そのためにはどれくらいの時間を要するのか、などを明らかにするイメージです。従業員個人の目標への道筋が可視化されることで、従業員が夢や希望をもって働ける環境が整うものといえます。

(2)求職者が「その会社で働きたい」と感じる情報発信

従業員にとって夢と希望をもって働ける環境を整備したら、それらの環境が自社に備わっていることを明確に発信していく必要があります。従業員採用についても企業間で競争をする時代になっている以上、企業は求職者に対して“自社で働くことが他社で働くことよりも魅力的であること”をアピールしなければなりません。採用ターゲットに合わせて発信する情報を工夫することはもちろんのこと、WEBサイト等のデザインも求職者を惹きつけるような工夫をしていくことが求められます(詳細は、「欲しい人材を獲得するために必要なこと」を参照)。

(3)採用した人材を定着化させる育成・動機付けシステムの構築

いくら人材採用に成功したとしても、離職率が高ければ人手不足問題を根本的に解消することはできません。採用した人材が長期的に会社で働いてくれるよう、能力開発、動機付けの仕組みを構築していくことが不可欠です。
採用した人材を定着化させるためには、具体的には以下のような点を整備することが求められます。

人事評価制度構築

人手不足問題を解消するためには、従業員にとって働きがいのある環境を整備し、従業員の意欲と能力を最大限に発揮させていくことが不可欠です。
社員にとって働きがいのある環境とは、“能力や努力に対する評価”、“働きに対する称賛・承認”、“経営者とのコミュニケーション”の3つの要素が十分に満たされている環境です。従業員の能力や努力が適正に評価されない環境下や経営者とのコミュニケーションが不足している環境下においてモチベーションを保つことは不可能といえます。
適正な人事評価制度は、“能力や努力に対する評価”、“働きに対する称賛・承認”、“経営者とのコミュニケーション”という3つの要素を内包しており、従業員にとって働きがいを生み出すためには不可欠な制度といえます。

各種マニュアル整備

採用した人材を早期に戦力化するためには、業務の標準化・マニュアル化が不可欠です。マニュアルにより業務フローやノウハウを可視化することで、採用後の教育に必要な時間や、教育にかかるコストを低減することができるからです。人手不足に対する企業の耐久性を高めるためには、最低限のマニュアル整備は必要不可欠といえます。

以上は、人手不足問題を解消するために“最低限”取り組んでおくことといえます。人手不足問題の解決のためには、採用方法だけでなく、社内の仕組みから見直していくことが求められるのです。

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