前の記事、「メニューブックをつくる③実際のページに割り当てる」では、商品カテゴリーを実際のページに割り当てる方法を紹介しました。今回は、割り当てたカテゴリーの中にどのように単品商品を掲載するのか、掲載する際に注意することポイント等を紹介いたします。
掲載商品を決める前に設計書をつくる
商品カテゴリーの割り当てが終わったら、次にすることはメニューブックの「設計書」を作ることです。掲載商品を決める前に「設計書」をつくることが重要です。「設計書」とは、実際のメニューブックをデザインするための基となるレイアウト図のことです。メニューブックの制作にとりかかる前に、先に設計書を作成し、これを基に各ページに掲載する具体的な商品と配置を決めていきます。
前回提示したページ割り作業の例を使って、商品の割り付けを考えてみます。
まずは、この図に各カテゴリーの商品数を入れていき、その商品数に合わせてページ割りを見直していきます。次に、商品名以外にこだわり情報や付加価値情報を入れようと考えている商品には、その旨をメモしていきます。カテゴリーの掲載スペースと掲載商品数、さらにはこだわり情報との関係から、このカテゴリーは2ページ必要になる、またこのカテゴリーはページ半分で十分など、ある程度のスペースを把握します。
掲載する商品のスペースを配分する
カテゴリーのおおよそのスペースを把握した後は、実際の商品を掲載するスペースの配分をしていきます。大切なのは商品の役割によってスペースを変えることです。「ウリの商品」や「コンセプトを伝える商品」は広いスペースを確保していきます。さらに、これらの商品は、できる限りこだわり情報・付加価値情報を書き込み、店の思いや商品特徴などをアピールします。なお、こだわり情報・付加価値情報も店のコンセプトやストーリーを意識した内容とすることを忘れてはいけません。
その他商品掲載で注意すること
商品名だけで特徴がわかること
「商品名」は、見ただけで「こだわり」や「特徴」がわかるようにすることが重要です。商品説明は大切ですが、細かく読んでくれる方は多くはありませんので、付加価値やこだわり、特徴を伝えることを意識して商品名を考えましょう。例えば、「自家製〇〇」、「〇〇漁港で獲れた〇〇」、「採りたて〇〇」「さっぱり〇〇」などです。ただし、すべての商品がこのような商品名だと見る方が疲れてしまいますので、バランスを考えながら商品名を考えることが大切です。
商品説明は簡潔にする
商品説明は、こだわりや付加価値を伝えるのに大変重要ですが、長い説明文は不要です。文章は短めで、「これはどんな料理ですか?」と聞かれたときにスタッフが答える内容で十分です。長い説明が必要な商品は、別コーナーを設けて記載する方がお客様に伝わりやすいのためおすすめです。
価格標記はわかりやすさを意識する
商品の「価格表記」のポイントは3つあります。
1つ目は、価格ラインが1つの場合の表記です。1つのカテゴリーがすべて780円なら、カテゴリーページ内に「ALL780円」と1か所だけ大きく記載する方がおすすめです。一つ一つの商品の価格を見なくて済みますので、価格を見るストレスがなくなります。
2つ目は、商品の並び順です。商品の掲載順は、価格の順番に並べる必要はありません。それよりも大事なことは、売りたい商品を一番目立つ場所に掲載し、狙い通りの注文数を取ることです。ただ、見た目で「高い」と感じないようにするために、目に入りやすい列の両端に高い商品を置かないように注意します。
3つ目は、高い商品の見せ方です。他の商品と比べてあまりにも価格差がある商品は、グランドメニューから外して別メニューにするか、通常の商品とは明確に異なるコーナーを設けて掲載します。
以上、今回は単品商品を掲載する方法と注意点を紹介いたしました。次回は、メニューブックに掲載するパーツの使い方をご紹介します。
無料メルマガ登録
専門コラムの他、各種ご案内をお届け中です。ぜひ、ご登録ください。
セミナーのご案内
店舗ビジネスの多店舗展開やのれん分け・FCシステム構築を進めていくため、具体的にどう取り組んでいけばいいのか、どのような点に留意すべきか等を分かりやすく解説する実務セミナーを開催しています。
セミナー一覧ぺージへ