ネットラジオ『多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所』は、弊社代表の高木と社労士の田村陽太が、飲食店、整体院、美容院等の様々な店舗ビジネスの「多店舗展開」を加速させるために重要な事を対談形式でお話しするラジオ番組です。
第79回 『「優秀な店長に求められる資質」にはどのようなものがありますか?』というテーマで店舗ビジネス専門コンサルタントの髙木悠が熱く語ります。
【ハイライト】
・優秀な店長が必ず持っている資質とは何か?
・店舗経営が上手くいかない時にやってしまいがちな事とは?
・高木が独立後に「覚悟」が決まった瞬間とは?
・高木が独立当初や独立したばかりで必ずやっていた事
・優秀な店長を輩出するためには苦しい経験が必須かどうか論
・自分が職場からいなくなった先の未来を想像できていますか?
・会社が従業員自身に問題整理能力を培わせるために重要な事
多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所。この番組は株式会社常進パートナーズの提供でお送りいたします。
店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠が最速・最短で年商30億、店舗数30超を実現する実証されたノウハウをコンセプトにのれん分け制度構築、FC本部立ち上げ、立て直し、人事評価制度の整備など飲食店、整体院、美容院などの様々なビジネスの多店舗展開を加速させるために重要なことを対談形式で分かりやすくお話しする番組です。
田村:こんにちは。パーソナリティーの田村陽太です。配信第79回目となりました。本番組のメインパーソナリティーをご紹介します。店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠さんです。よろしくお願いします。
高木:よろしくお願いいたします。
田村:高木さん、今日も頑張っていきましょう。
高木:お願いします。
田村:本日のテーマはこちらとなっております。「優秀な店長に求められる資質にはどのようなものがありますか?」ということなんですけれども。これ以前も第68回の、「店舗経営で失敗しないために、経営者や管理者が絶対にしてはいけないことってありますか?」ってところでも、ちょっとだけ触れたかなと思います。今日は優秀な店長さんに求めるものということで、そちらを深掘りしてお話いただきたいと思うんですけど、いかがでしょうか。
高木:リーダーが持っていなければいけない要件みたいなものですね。資質という感じですかね。いろいろあると思うんですけど、私の経験則で申し上げると、優秀な店長がまず間違いなく持っている資質がありまして、それは何かっていうと「覚悟」なんですよ。
田村;覚悟!
高木:そう。すごく簡単に言うと、自分が目の前にある問題を解決する主体者というか、自分が解決しなければいけないんだって思っているっていうことですよね。これがいまいち結果が出ない店長っていうのは、環境のせいにしたり、人のせいにしたりする傾向があるんですよね。そこが大きな違いだと思いますよ。
田村:覚悟があれば、自分自身でも頑張らなきゃいけないとか踏ん張っていかなきゃみたいな、そういう能力上がっていって、優秀になっていくみたいな感じですか。
高木;そうそう。だから結局経営活動とかもそうだと思うんですけど、こういう風にやったらうまくいくなんていうものなんてないじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:だからそういうセオリーを知っておくっていうことは大切だと思うんですよ。だけどそれを実践したからと言って、必ず結果が出るわけじゃないんですよね。例えば結果が出なかったとするじゃないですか。そのときに自分のせいじゃないとか、人のせいにすることってめちゃくちゃ簡単なんですよね。
田村:はい。
高木:例えば本を読んで、本に書いた通りにやってみたんだけど、効果ありませんでしたというのは、本に書いてあることが正しくありませんと捉えることもできます。「いやいや、うちがいる店舗がもう駄目なんだ」と、「これはもう店舗のせい」みたいに会社のせいにするかもしれないですね。
田村:はい。
高木:という風に、うまくいかなかったら誰かのせいにするとかって簡単にできちゃうんですよね。だけど、例えば本のせいだとするじゃないですか。「そうしたら何か生まれます?」っていう話のわけですよ。
田村:そうですね。
高木;だけど、できる店長っていうのは違うんですよね。本読んでやってみたんだけど、これは駄目だったと。これを良くするために、自分にできることは何だろう?という発想になるんですよ。ここは全然違いますよね。
田村:自分ごとにできるっていうことはどんなことにも興味関心をもって、「これは悔しいな」と思ったりもできますしね。
高木:そうそう。結局自分がコントロールできないことを気にしていてもしょうがないじゃないですか。そういうことが出てくるのは人間だからしょうがないと思うんですけど、だからそれは一旦置いといて、その環境の中で自分にできることって何ですか?みたいに考える事が大事です。
田村;なるほど。
高木:スタッフが思った通りに動いてくれないところもあるわけじゃないですか。「あのスタッフは言ってもわかんねえな」みたいな、「あいつは駄目だ」みたいな。そう言うのは簡単なんですよね。
田村;はい。
高木:そう思うことってあるのかもしれないですし、仕方ないかもしれないですけど、でもそう思ったところで何も変わらないんで、その中で自分に出来ることって何ですかみたいな話のわけですよ。これはかなり根本的な違いなんですけど、結論、この覚悟が備わっている店長っていうのは、ほぼ成果が出ますよね。それぐらい違うポイントだと思いますよ。
田村;ありがとうございます。ちょっと1個質問したいんですけど、以前高木さんがサラリーマン時代に店長経験があって、すごい従業員さんからやんや言われて、覚悟が決まったみたいな話があったと思うんです。
高木:はい。
田村:今度は高木さんが独立した後に、どう覚悟が決まったかっていうのを教えてもらいたいです。要はサラリーマンから独立したとき、社長になるじゃないですか。どういうときに高木さん自身の覚悟が決まりましたか。それをわかっていれば、店長の方も高木さんがそういう風になったんだっていう覚悟が決まりますし、ちょっといいアイディアになるじゃないですか。高木さんが経営者になって覚悟が決まった瞬間ってどんなところがありますか。
高木:私は最初会社を辞めるというか、最終出勤日の前に有給が何日か残っていて、有給消化をしていたんですよね。その期間に、もうすごいゆっくり休もうって思っていたわけですよ。
田村:はい。
高木:多分1ヶ月ぐらいあったんじゃないかなと思うんですよね。辞めて1日翌日はゆっくりしていたんですよ。家で一日ずっといてテレビとかいちいち見ちゃったりしたわけですよ。次の日になるじゃないですか。次の日もずっと何もしないで家にいたんですよ。丸2日間家にいたんですよね。
田村:はい。
高木:そのときに、まずこんなに家で何もしないで過ごしていていいのかなっていうなんとなくの罪悪感っていうか、あと不安とかっていうのがちょっと生まれてきたわけですよ。
田村:ストイックですね、高木さん。
高木:そのときに僕に起きたことっていうのがこの2日間、要はメールとか電話とか、何も鳴らない、何も来ない2日間なんです(笑)
田村:いいじゃないですか(笑)
高木:会社員のときってそんなことないじゃないですか。そのときに僕が思ったのは、会社を離れた私のことを気にしている人っていうのは、誰もいないんだなっていうことを強く実感したんですよ。
田村:はい。
高木:誰も構ってくれないし、相手もしてくれないわけじゃないですか。独立するってだからそういうことなんだなっていうことにその2日目にして気がついたんですよね。
田村:その有給消化中の2日目にですか。
高木:そうそう。先のことを考えても別に何のあてもなかったんですよ。僕は最初のときに決まっていた仕事は原稿を書く仕事だけで、月3万円ぐらいしかなかったんですよ(笑)
田村;それはやばいですね(笑)すごいですね。
高木:そうそう。その先、この先どうしようかなって考えたときにも、何の見通しもないわけじゃないですか。だけど、僕のことを構ってくれる人もいないから当然仕事を紹介する人なんかもいないわけですよ。
田村:はい。
高木:お尻に火がついた状態だったことにその時に気がついたんですよね。でもある種それがよかったような気がしますよね。
田村:確かにそれはありますね。ちなみに高木さんその有給2日目を迎えて、気持ちが変わったじゃないですか。残りの1ヶ月の28日間は何してたんですか、その有給消化中は。
高木;その2日間で家にいるのを止めまして、まず人に会いに行くようにしました。
田村:すごいですね。誰に会っていたんですか。
高木:それは同業の方とか、前会社勤め時代に関わっていた経営者とかいるじゃないですか。だからそういう方に、何とか連絡を取ったりして、別に用もないんですけど、とにかく人に会うように心がけていましたね。
田村:そうなんですね。
高木:でも仕事なんか全くなかったんですけど、そうやって人に会って、というか動いてないと不安って消えないわけですよ。だから動いているときだけ不安がなくなるような感じだったんで、それがスタートじゃないですか。
田村:すごいですね。高木さんのお尻に火がついて、そこからも独立までの覚悟を持ってスムーズに行かれたんですね。
高木:結論これも覚悟じゃないですか。このままじゃ自分はやばいかもしれないと思ったときにでも、誰も見てくれてないから自分で何とかするしかないわけじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:自分にできること何だったら何もなかったんですけど、人に会いに行くことができたわけですよ。もう最初の3ヶ月ぐらいはずっとそれをしていたんですけどね。
田村:でもそれが、高木さんが後継者として独立したときに最初の3ヶ月間人に会うっていうことが、やっぱりプラスに働いていったのでやっぱり大事ですよね。
高木:やっぱり何にもしないよりは100%いいですよね。そこをどう捉えるかだと思うんですよ。自分にできることは何だって考えるのか、「いやあ、なんで誰も相手にしてくれないんだ、ふざけんなよ」みたいな感じで、人のせいにしちゃうのかという話じゃないですか。
田村;確かにそうですね。
高木:景気が悪いとかもう言い出したらキリがないんですよね。誰かのせいにするっていうのは簡単なんですけど、自分がちゃんと問題解決の主体者であるかどうかが大事ですよね。
田村:なるほど。ありがとうございます。もう1個質問したいんですけど、そういった高木さんの苦しかった経験や覚悟が決まった経験っていうのを、今度は優秀な店長を作り出すために、サラリーマンの店長の方に伝えていきたいと思います。
高木:はい。
田村:どういうことをしていったら覚悟が決まる人間になりますか。高木さんが苦しい経験をした人じゃないですか。有給消化中に苦しい経験したからそういう風に覚悟が決まったんで、そういう優秀な店長の方には苦しい経験をさせる方がいいのかなって気もしたんですけど、そういうのもあるんですか。
高木;これは僕個人の考え方にはなるんですけど、やっぱり苦しい経験っていうのはした方がいいと思うんですよね。苦しい経験をして、それを乗り越えるからこそ僕は人が成長すると思っています。運動とかでもそうじゃないですか。できることをずっとやっていたって成長はないと思うんですよね。
田村:そうですね。
高木:筋トレなんかまさにそうだと思うんですけど、限界まで負荷をかけて、もうできるかできない所のギリギリだけど頑張るところがめちゃくちゃ効果を生むわけですよね。だから、基本そういうものだと思っているんで、苦しい状況に陥ったときにもそれを乗り越えることでまず成長できるものだと思うんですよね。
田村:なるほど。
高木:そしてどうやったらその覚悟を持てるかっていうのはなかなか難しいじゃないですか。そこで折れて、逃げ出しちゃったりするケースとかっていうのもあると思うんですよ。
田村:そうですよね。
高木:僕もそういうときがあったんですよ。でも私はそこで逃げないっていう選択をしたんですよね。そのときはちゃんと問題を整理して考えたんですよ。私結構厳しい店舗に送り込まれていて、もう超逃げたいなと思ったわけですよ。
田村:はい。
高木:実際逃げようと思ったんですけど、整理したんですよね。僕に選択できるのは、だから逃げることとちゃんと向き合って頑張ることで、それぞれの道のことを考えたんですよ。
田村:なるほど。
高木:逃げたら自分は楽になるじゃないですか。だけど、その後に起こることもちゃんと考えたんですよ。自分が苦しいからって辞めるじゃないですか。当然後から店長が入ってくるじゃないですか。その人が苦しい状況に追い込まれるわけですよ。
田村;はい。
高木:僕が苦しかった環境にその人が行くわけだからその人も苦しむじゃないですか。絶対その人は僕のことを恨みますよね。
田村:「高木~!!」ってなりますよね(笑)
高木:そうそう(笑)それって、まず人として正しいことなのかって思ったわけですよ。嫌だなって思ったらそうやって恨まれるのだと。また、苦しい店舗でその店長が来て、その人がその状況を劇的に改善しちゃったらどうですか。
田村:いやあ、めっちゃ悔しいですね。なんで俺ができなくて、アイツができんだよみたいな。
高木:そうそう。だからそのときってその力の違いをだから見せつけられちゃったことになるわけですよね。もうぐうの音も出ないじゃないですか。そういう未来がある可能性に気がついたんですよ。その瞬間僕はその道を選ぶっていうことがもうなくなったんです、選択肢として。
田村:そうですね。
高木:頑張るしかないじゃないですか。だからやるしかない。
田村:気持ちが固まっていったんですね。
高木:そうそう。でもその「辞めよう」とかって思っている方はぜひそんな感じで考えてみるといいのかなと思うんですよね。自分がいなくなった後にどうなるか、同じ苦しみを他の人がするわけです、絶対にね。
田村:はい。
高木:それでいいのかどうかとか、あとはそういう苦しい環境を上手いこと乗り切れる人と逃げた自分、どっちが世の中にとって必要とされるかとか優秀と言われるかって言ったらどう考えても「変えた人」じゃないですか。
田村:そうですね。
高木:そう。僕がそれはもう絶対嫌だったからでも絶対やるって言って、頑張ってそこを乗り越えたわけですよ。その結果から得られたものっていうのが、他の店長は逃げていた環境だったんですが、「あいつはやりきったよ」とそれってものすごい評価になると思うんです。
田村:確かにそうですね。
高木:しかもそんなしんどいところを乗り越えているからそれは評価されますよね。成長もしているじゃないですか。根本としては、やっぱり逃げたいと思っていたんだけどちゃんと整理して、それぞれの選択肢のメリットとデメリットを比較するのが大事というお話ですよ。
田村:そこは大事ですね。
高木:やっぱり店長って、物事の本質を突き詰めて考えていく力っていうのが僕は必要だと思うんですよね。だから何か問題があったときに、「その問題の本質って何なんだ?」という感じです。
田村:はい。
高木:例えば従業員さんがすごく言うことを聞かない状況があったとします。聞かないっていうのは表れている現象なわけじゃないですか。だけど何でそうなっちゃっているんだろうっていうところには本質的な悪い部分があるのだと思うんですよね。
田村;はい。
高木:そこを捉えられない限り、なかなか環境って変わんないですよね。だからそういう風に問題をちゃんと整理したり、深掘りして考えるような力を身につけておかないといけないんじゃないですかね。
田村:確かにそうですね。ありがとうございます。ちょっと時間が近づいてきたんですけど、最後もう1個だけ質問したいです。優秀な店長を輩出するためには、問題の本質をわかったりとか、あと問題を整理する力が大事って言っていたんですけど、会社側が優秀な店長に問題を整理する力だったりとか、問題の本質を見極める力をつけさせるために重要なことって何でしょうか?
高木:基本的に考える力って、ベースとなるのは、ロジカルシンキングだと思うんですよ。「論理的思考」ってやつですか。これができないと、考えるも何もないんですよね。ロジカルシンキングって例えば、ミッシーとか聞いたことあります?
田村:メッシですか?(笑)わかんないですね。何ですか。
高木:ミッシーとは、だから、もれなくダブリがない状態に整理をしていくみたいなことってよく言うんですけど、例えば、人をもれなくダブりない状態に分けるとしたら、まず性別とかで切ったりできますよね。
田村:そうですね。
高木:男性と女性、今だったらそれ以外にもあるのかもしれないんですけど、それって漏れもダブりもない状態になるわけじゃないですか。基本的な考え方ってあるわけですよ。SWOT分析とかも聞いたことありますよね。
田村:はい。強み、弱み、機会、脅威みたいな。
高木:そうそう。だから企業を分析するときに、そういう4つの事象の中で分析すると、漏れとかダブりがないですよっていう思考のツールなんですよね。だからそういうのを知っているだけでも、考え方って変わるわけですよ。
田村:はい、そうですね。
高木:そうですよね。だからそういうのを会社が店長とかに教育していくっていうのが大切ですよね。
田村:その都度OJTとかでそういう問題を出したりとか、考えてみようみたいなそういう機会を与えていくみたいな感じですか。
高木:OFF-JTもやった方がいいんじゃないですか。そういう基本的な考え方をちゃんと教えてあげる事が大事です。例えば日々の会議の中で、僕は考えを深めていく上では「書く」っていう事をすごく重要だと思っています。
田村;なるほど。
高木:だからそういうのを実際に書いて整理するような時間を設けたりとか、トレーニングをしていくわけですよね。そうすると考える力って深まっていくわけですよ。そういうのをやった方がいいと思いますよ。
田村:ありがとうございます。本日は、優秀な店長に求められる資質についてお話いただきました。ありがとうございました。
高木:ありがとうございました。
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