人材育成

経営者が社員に将来のキャリアを考えさせるメリットとは

店舗ビジネス従業員向けのキャリア研修とは

「この研修、全ての社員に受講させたい内容ですね」
これはのれん分け制度を構築した企業の経営幹部の言葉です。
のれん分けの対象となる社員に実施する「キャリア研修」のご提案を行った時のことでした。

弊社の店舗ビジネス従業員向けのキャリア研修では、まずキャリアを考える前提となる「自分を知る」ワークから始まり、キャリアを考える上で必要な視点から「今後のキャリアの方向性」を考え、それらを会社の中で具体的に何をしていくか、最後は「ToDoリスト」の形にしていきます。

特に、このキャリア研修は、のれん分け制度利用への動機づけの役割も兼ねているため、独立に興味を持った人が「独立するにはどうしたらいいか」を、具体的に自分の日々の行動として書き出し、それを経営者と「確認→実行→確認」のサイクルを回すことで、本人は独立に近づき、経営者は独立希望者を見極める手がかりにしていただいています。

キャリアに対する考え方は確実に変わってきている

ところで今やキャリア教育は、文部科学省の指針に基づき「社会的・職業的に自立する」「社会の中で自分の役割を果たす」「自分らしい生き方を実現する」ための教育として、小学校から取り入れられているようです。
例えば、我が家の子どもたちも、4年生時に「二分の一成人式」という「生まれた時からの思い出と将来就きたい職業」を保護者の前でスピーチする機会があったり、卒業時に「生い立ちの記」という何十枚もの作文の中で、最後は将来について必ず考えて書くように指導されたりしていました。
今思えば、これもキャリア教育の一環だったのかもしれません。

そのほかにも、15歳以下の子どもを対象に、様々な就業体験のできる「キッザニア」は、大変人気があり、我が家にも様々な「仕事用コスチューム」を着た子供たちそれぞれの記念写真が保存されています。

このような環境で、意識無意識に関わらず、何らかのキャリア教育を受けてきた若い人たちは、自分のキャリアや働くことの目的・意味を一度は考えたことがあると思われます。
最近の新入社員と話すと、「企業での経験を自分のキャリアにどう活かすか」という視点で企業を選び、働いていることに驚きを感じます。
キャリアは企業の中で積み重ねるものというより、身に着けて持ち運ぶ「ポータブルなもの」という意識を持って入社してきているのです。

なので企業としては、採用はもちろん定着の取組みの一環として、「今の仕事はあなたのキャリアにとってこのようなプラスになる」「当社ではこんな経験ができる」「将来的は独立も可能」といった将来のキャリアを見せることや、本人がどのようなキャリアを望んでいるのか確認する機会を持つことが、お互いのために必要となってきているのです。

自分の価値観を明らかにして方向性を見出す

とはいえこれまで弊社が関わってきた店舗ビジネスの従業員には、「どのようなキャリアを望んでいるのか明確ではない人」も少なくありません。
そのような状況のまま、企業が本人の意思確認の機会を持っても、なかなかうまく意思疎通が図れないことは言うまでもないでしょう。
そこでまず弊社のキャリア研修では、「自分は何を大切にしているのか」を考えてもらっています。

仕事は、金銭的な報酬を得る手段ですが、選り好みをしなければ、目の前の選択肢はいくつもあります。
だからこそ「この仕事、この職場」と選ぶからには、何らかの「基準」がその人の中にあるはずなのです。
その基準こそが、本人が「大切にしているもの」「いざとなった時に優先するもの」「満たされると幸せに感じるもの」…つまり価値観に近いものだと言われています。

なので、冒頭に「自分は何を大切にしているのか」という自身の価値観を、グループ内でのインタビュー形式で、言葉にすることから始めるのです。
それにより、本人が目指したい将来のキャリアの方向性も、おぼろげながら見えてきます。

言い換えれば、その場で出た価値観は、その人が「幸せや充実感を感じながら働く手がかり」とも言えるでしょう。
さらにワークによって相互理解が進むことで、組織内のコミュニケーションも深まります。
まずはこれが従業員にキャリアを考えてもらう上での第一歩と言えます。

店舗ビジネスでは働く人の創り出す価値が差別化要因となる

弊社セミナーでお話するように、今や商品やサービスそのもので競合と差別化できる時代ではなくなってきています。
つまり店舗ビジネスでは、「従業員が自律的に充実感をもって働くこと」が、他のビジネスに比べ、より重要です。

そのためには、社員から企業の目指すビジョンが見え、選べるキャリアの選択肢が社員に明らかにされることが必要です。
日々の仕事が自分の将来につながっていることがわかれば、おのずと社員の動きも自発的なものになっていくことが期待できるからです。

つまり経営者や上司あるいは周囲の人たちが、その人の「大切にしているもの」や「幸せや充実感を感じながら働く手がかり」、「目指したいキャリアの方向性」を知っておくことは、本人のキャリア開発だけでなく、企業の競争力を高めるうえでも大切なことと言えるのです。

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