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のれん分け制度における独立候補者に求められる資質と教育方法

前にも述べた通り、長年勤めてくれたから、または店舗の運営能力が高いからといって、のれん分け後に経営が上手くいくわけではありません。
のれん分けをして独立し、成功するためには、少なくとも①店舗運営に関するスキル、②経営に関する知識、③人間性(経営者としての資質)の3つの知識・スキル・資質が不可欠となります。
つまり安定したのれん分け制度・社員独立制度運営のためには、独立者にこれらの知識・スキル・資質を習得させることが求められるのです。
具体的に見ていきましょう。

なお、のれん分け対象者の見極めについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

のれん分け制度における独立候補者の見極め方


(1)店舗運営スキル

あたりまえのことですが、店舗の経営者になるからには、現場のオペレーションはもちろんのこと、その他にも店舗を適切にマネジメントする能力が必要となります。
「マネジメントする」の意味は、店舗の目標に対して、人、モノ、金、情報を適切にコントロールしていくことです。

これらの能力を身に着けるためにも、独立を希望する従業員には最低2年程度は店長経験を積ませておくべきでしょう。
また、現場での経験だけではなく、研修等を通じて自らの体験以外の考えを習得させておくことも重要なポイントといえます。
店舗運営スキルに関して特に重要なポイントは以下の3点です。

①オペレーション

いうまでもないことですが、独立者がオペレーションに精通していることは、独立の必須条件といえます。
オペレーションがしっかりできない状態では、従業員教育もできませんから、店舗運営レベルが低下することは避けられません。

逆に、独立者のオペレーションレベルが高ければ、独立後も早期に一定の店舗運営レベルに到達することが期待できます。
余談ですが、店長のオペレーション能力が圧倒的に高いと、店舗スタッフが自然と店長を尊敬し、人材のマネジメントが容易になる、という副産物が生まれることも期待できます(もちろん、オペレーションができるからといって人材マネジメントができる、ということにはなりません)。

②人材管理

近年の働き手不足問題の深刻化により人材管理の重要性は増し続けています。
経営者、店長の管理能力により、人を確保できる企業とできない企業の二極化が進んでいます。

最近では、人が確保できずにやむを得ず休業、最悪の場合閉店するようなお店も出てきていますので、一定レベル以上の人材管理能力は独立者に不可欠な要素といえます。
人材教育やモチベーションに関連するセミナーや書籍は多数存在しますが、実際のところ、研修受講や読書などによる勉強だけでは、現場で活用できるスキルまではなかなか身につきません。
店長経験の中で、スタッフとのコミュニケーションの取り方や教育の方法を指導し、身に着けさせることが必要です。

③業績管理

のれん分けをする場合、制度設計にもよりますが、多くの場合、本部はロイヤリティやのれん代などの名目で独立者から一定の金額を徴収することとなります。
本部直営店では生じないコストが発生するわけですから、のれん分けした店舗で利益を出すことは、直営店舗で利益を出すことよりも難易度が高くなります。

あたりまえのことですが、利益が出なければ、会社やお店は継続することができません。
独立直後の資金的な余裕が少ない状態で赤字が続けば、お店を1年と継続することはできないでしょう。

ですから独立者には、お店の業績(売上、原価、人件費、その他販売管理費)を適切にコントロールし、利益を確保するノウハウ習得が求められます。
これら店舗運営スキルについては、本部としてのあるべき姿にマニュアルなどの形で整理、明文化しておき、独立までに漏れなく体系的に指導することが大切です。

(2)経営に関する知識

のれん分けした従業員は、独立した経営者となりますから、店舗運営だけでなく、店舗経営に関する幅広い知識が求められるようになります。
以下は、店舗経営に必要な知識の一例です。
・個人事業開業や会社設立
・飲食店営業許可手続き
・経理手続き
・事業計画作成
・資金調達方法
・税務手続き
・雇用(保険含む)手続き
・不動産関連
・各種契約関連
・etc…

たとえ店舗の運営能力が高くとも、経営に関する知識が不十分な状態では、安定した店舗経営は不可能でしょう。
独立者が社内にいるうちから基本的な経営知識を習得させておくことが大切といえます。

習得方法としては、研修受講や読書等が考えられますが、経営を体系的に学ぶという意味では、商工会・商工会議所等の公的支援機関等が開催している創業塾に参加することが効果的です。
開催する公的支援機関によって内容に多少のばらつきはありますが、基本事項は国が定めていますので、事業計画、資金、雇用、税務など、経営に関する基本的な内容はたいてい網羅されています。

また、公的な事業であるため、講義自体は1回2~3時間が4~12回と充実している一方、費用は無料~高くても1万円程度と格安なことが多いです。
このような創業塾に参加して、基本を体系的に学んだうえ、不足している点や飲食店特有のポイントを書籍や社内・社外研修で補填していくとよいでしょう。

(3)人間性(経営者としての資質)

最後に、最も重要な人間性について触れておきます。
独立後、経営が上手くいくかどうかは、結局は独立者の人間性に左右されます。

他人から慕われる人は成功するでしょうし、他人から嫌われたり避けられたりする人が上手くいくことはないでしょう。
これはのれん分けに限らず、人が関わることすべてに言えることだと思います。

このような資質は先天性(生まれながらに持っている)の要素もあるようですが、私個人としては、後天的に身に着けることができるものだと考えています。
人間性を先天性のものと考えてしまうと、のれん分け・社員独立制度成功の可否は人材選定がすべてとなってしまいますから、本部経営者としては後天的に身に着けられることを信じ、そのための対応策に取り組んでいくことが望ましいといえます。

これを身に着ける方法も、読書や研修受講などの方法が考えられます。
私個人のおすすめは、名著と呼ばれる書籍を読むきっかけを提供する(例えば課題図書等の形式が考えられます)とともに、その書籍を読んで自分に不足していると感じたこと、取り入れていきたいこと、すぐに行動に移すことなどをアウトプットしてもらい、その内容を本部経営者と一緒に振り返る機会を定期的に設ける方法です。

人間性の磨きこみ

過去に成功している方が書いた書籍は気づきの宝庫です。
一方、書籍を読むだけでは「良い話だったな」で終わってしまうことが多く、書いている内容の習得には至りません。
読書後に学んだことや気づいたことをアウトプットし、それを経営者と一緒に振り返り、実際の行動にまでつなげていくことで、徐々に人間性が磨かれていくことが期待できます。

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