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のれん分け制度における独立候補者の見極め方

「のれん分け候補者を選定する際に気を付けたほうがいいことはありますか?」

これは、先日弊社ののれん分け制度構築セミナーにご参加いただいた整骨院チェーンを営む経営者からいただいた質問です。

独立者にのれん分けをするということは、経営者がこれまで時間と労力をかけて培ってきたブランドやノウハウの使用を独立者に認めることとなります。
万が一、独立者が食中毒などの事故や労働紛争といった大きな問題を引き起こした場合、その影響は、独立者の店舗だけではなく、当該ブランド全体に及ぶことになります。
最悪の場合、これまで培ってきた消費者からの信頼を一瞬で失ってしまうことさえあるのです。

のれん分けをすることには、上記のような大きなリスクもありますので、長年勤めてくれたから、または店舗の運営能力が高いからといって、のれん分けをしていいということにはなりません。

たとえ、これまで長年にわたり会社に貢献してくれた社員へののれん分けであったとしても、その人材がのれん分けするにふさわしい人物であるかどうか、冷静かつ客観的に判断することが求められます。

なお、のれん分けのターゲットとなる人材像について詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

のれん分け制度のターゲットとすべき人材像とは


独立候補者を見極める際の着眼点

それでは、独立候補者にはどのような資質が求められるのでしょうか。
のれん分け制度を導入している企業の中には「経験年数」や「店舗運営能力」を基準に判断しているケースもありますが、これは避けたほうがいいでしょう。

たしかに、「経験年数」や「店舗運営能力」は一見重要なことのように見えますが、これがあるからといって、経営がうまくいくわけではありません。
のれん分けをすると、独立者は一経営者となりますから、経営をうまくいかせるための資質や能力を重点的に評価すべきでしょう。

具体的には、以下の2つが特に重要なポイントが重要といえます。

①経営者としての資質

のれん分け制度を利用して独立した元従業員は、本部の従業員ではなく、独立した経営者となります。
立場的には、本部の経営者と元従業員は対等な関係となり、従来のように会社に守られる立場ではなくなるのです。

のれん分け制度やフランチャイズビジネスで独立したにもかかわらず、経営が上手くいかない人は、独立の前提である経営者としての資質が不十分であることが多い傾向にあります。
これは、そもそものれん分けやフランチャイズを利用するということは、一からビジネスを立ち上げるよりも、受け身となりやすいからでしょう。

いうまでもありませんが、独立をして成功をするためには、独立者自身に強い覚悟と経営者マインドが不可欠です。
もし「本部に成功させてもらおう」などと考えていたとすれば、その状態で成功するなどありえないわけです。

このような状態で独立をさせてしまったとしたら、本部も独立者も不幸になることは目に見えています。

本部の為にも、独立を希望する従業員の為にも、その人材が経営者に向いているのかどうかをしっかりと見極め、経営者に向いていないと判断できる人材は、いかに相手が独立を希望しようとものれん分けをするべきではありません。

「経営者としての資質」の難しいところは、独立するとその資質が急に開花することがある点です。
そのため、独立希望時点では物足りない人材も、独立後には必要十分な資質を持つことがよくあります。

とはいえ、「この人材は絶対に経営者に向いていない」ということはある程度見極められるはずです。
そのような人材を独立させることは絶対に避けるべきでしょう。

②本部の価値観や志に対する理解度

のれん分け制度によるトラブルを防ぐ方策は様々ありますが、最も重要なポイントは「本部経営者と独立者との間で価値観や志を共有すること」といえます。

それは、価値観や志を共有することができていれば、多少の問題が生じようとも、お互いの信頼関係をベースに前向きな解決策を見つけることができるはずであるからです。

本部の価値観や志を理解できない人にのれん分けを認めてしまうと、特に独立後に店舗経営が上手くいかなかった場合に、本部に依存してくる、または本部の方針に従わずに勝手な取り組みをしてしまうなど、後々トラブル発生の原因になる可能性があります。

また、自己流のやり方を持っている職人タイプの人材にも注意が必要です。

同じブランドを使用させる以上、独立者が好き勝手に経営をすることは認められませんし、認めるべきではありません。
取り扱う商品・サービスや提供方法まで、チェーンとしての品質を保てるよう、一定程度のルールを定め、それを守ってもらわなければなりません。

かりに、独立者が好き勝手な経営を始めてしまったとしたら、店舗によって取扱商品・サービスにばらつきが生じ、チェーン全体の統一性が保てなくなってしまいます。

ですから、自己流のやり方を持っている人材は、のれん分けには向いていません。
そのような人材は独力で独立をするべきなのです。

まとめ

以上、のれん分け制度における独立候補者の見極め方をご紹介しました。

のれん分けにより独立する人材が成功するためには、経営者としての資質や人間性、本部の経営理念や経営方針への共鳴度など、多様な要素が求められます。

「経験年数」や「店舗運営能力」は、その一つの視点に過ぎませんし、これらの点は、経営の成功とはあまり関係がありません。
この点は注意しなければなりません。

のれん分け制度を導入する際には「独立者の経営を成功させ、かつ本部も共に発展する」ことを念頭に、独立者に期待する資質や能力を評価基準として明確化しておくべきでしょう。 

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