FC展開

FC本部のつくり方を体系化した【完全版】 FC本部構築大全を無料進呈

フランチャイズ本部に求められる危機的状況下のリーダーシップとは

ここ最近、新型コロナウイルス問題でもちきりです。
多くの企業が、コロナ対策への対応に追われていることと思います。
オリンピックの開催さえ危ぶまれる状況ですから、中長期的に見ても経済全体に影響を及ぼすことは避けられない情勢です。

こんなときこそ、フランチャイズ本部はリーダーシップを発揮して、加盟店を統率・先導していくことが求められます。
また、今回の非常事態は、会社を取り巻く環境の変化に対する取り組みや、日頃からの備え等、企業にとって学ぶべきことが沢山あります。

そこで今回は、この危機的状況を踏まえて、フランチャイズ本部がリーダーシップを発揮するために抑えておくべきポイントをご紹介します。

なお、フランチャイズ本部構築の進め方や成功のポイントについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

新規事業をしたい人必見!フランチャイズ本部立ち上げの7つの手順と、FC展開成功のたった3つのポイント


(1)正しい情報の収集

情報化が進んだ今、本部経営陣、本部社員、加盟店、店舗スタッフといった誰もが、ネット記事などからほぼ同時に新しい情報を入手しています。
一昔前までの情報格差はありません。

しかしながら、その情報が正しいかというと、必ずしもそういうわけではありません。
“紙が不足する”というデマ情報によって、トイレットペーパーなどのパニック購買が生じたことは、その最たる例といえるでしょう。

フランチャイズ本部は、現場社員や加盟店へ早期に正確な情報発信し、正しい方向へ導かなければなりません。

それを実現するためにも、フランチャイズ本部には、
・入手した情報が本当に正しい情報なのかを精査する判断能力
・溢れた情報を早期に要約する編集能力
が求められているものといえます。

加えて、情報収集と情報発信を一本化し、現場のSVから加盟店のアルバイトスタッフに至るまでの“関係者全員”に、「憶測で物事を言わないこと」を徹底させることが大切です。

仮に誤った情報を流布してしまうと、混乱に拍車をかけ、自社の首を絞めることになりかねません。
社会的な影響力の大きいフランチャイズチェーンのリーダーたるフランチャイズ本部は、そのことを肝に銘じ、断固たる姿勢で情報管理を行う必要があるでしょう。

(2)緊急対策本部による早期の施策決定

情報フローを一本化するには「緊急対策本部」を設置する必要があります。
フランチャイズ本部としては、有事に備えて召集基準を決めておかなければなりません。
少なくとも以下については担当者や担当部署をあらかじめ決めておくべきでしょう。

○対策本部長(社長や担当役員)
○情報収集者、情報発信者
○行政対応担当
○取引先対応担当
○加盟店対応担当
○お客様相談担当
○財務担当

現場で発生していることを早急に収集・精査し、本部で判断した施策を次々と打ち出すことが大切です。

国に先んじて政策を発表できる自治体(今回のコロナ騒動でいう北海道や大阪など)は、この対策本部の動きがスピーディーで、日頃からあらゆることが想定されているのでしょう。
フランチャイズ本部としては、是非これらの自治体の対応を見習いたいところです。

(3)早期情報整理&発信

加盟店も行政のホームページやYahoo!ニュース等で様々な情報を入手できます。
しかし次の動きに繋げるためには、溢れた情報を整理することが必要です。

この溢れた情報を早期に整理して、加盟店のやるべき事を発信することが本部の重要な役割です。
「緊急対策本部」で決めたことは、毎日でも発信していかなければなりません。

必要なことが整理できれば、加盟店も営業に専念することができます。
整理した情報を早期に情報発信することは、加盟店の動きを停滞させず、直ぐに通常営業に復帰できるよう背中を押すのと同時に、加盟店の不安を取り除く役割も果たします。
現場のSVにとっても勉強にもなるでしょう。

「情報過多時代」は早期に情報整理&発信する力が問われる時代です。
例えば、今回の新型コロナ騒動のケースでいえば、以下のような情報を早期に整理し、加盟店に情報発信する必要があったものといえます。

・臨時休業基準
・有事発生時手順
・助成金に関する特例措置のまとめや行政手続き方法
・事業主(加盟者)の休業、スタッフの労働相談に関する行政相談窓口

(4)中期的視野を見据えた出口戦略の検討

緊急事態には目先の課題を解決することで精一杯ですが、トップとしては「危機のその後」を中期的視点で考えておかなければなりません。

これらの危機は永続的に続くのではなく、必ず「終息」するのです。
「終息」した時点でどう行動を起こせるのか、これにより終息後の回復速度に大きな差がでます。
V字回復を実現するためには、通常営業へいち早く戻すための施策として出口戦略を考えておく必要があるのです。
そのポイントは、「早期に通常営業へ導くためのシナリオ作り」と「終息後の集客施策」といえるでしょう。

具体的には、以下のような内容が考えられます。
・材料・商品・備品の調達、物流の確保
・店舗スタッフの雇用
・加盟店の資金繰り
・終息後の販促活動
・購買行動の変化に伴うこれまでと異なる商品・サービスの提供手法 等

取引業者とも密に連携し、行政の動きと照らし合わせて考えておきたいものです。

(5)加盟店の資金繰り支援策の検討

加盟店の資金繰り支援としては、使える国の政策(助成金・無担保融資等)は全て使います。
しかし無利子・無担保融資と言っても借金が増えることに変わりありませんので、ここは注意が必要です。

本部からの見舞金の支給、一時的なロイヤリティの減額など、本部からの直接的なサポートをすることも考えられます。

なお、本部による災害時の加盟店支援について詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

フランチャイズ本部構築の成否を分ける本部による災害対応のあり方

加盟店は独立事業者ですので資金繰りは自己責任が前提ですが、親身に相談に乗ることは必要です。
税理士や社会保険労務士、中小企業診断士といった士業を紹介する制度を設けておくのもいいでしょう。

(6)まとめ

溢れた情報を精査し、正確な情報を整理・編集して加盟店へ発信すること。
同時に次のステージで取るべき施策についてシナリオを作っておくこと。
危機的状況においては、フランチャイズ本部は上記のことを走りながら考え、実行していかなければなりません。

「スピード」こそが、加盟店が本部に最も求めていることであり、その後の回復基調に差を生むことになるのです。
これは、何の準備もなく実施できることではありません。
まだ準備が不十分な場合には、今回の事態をきっかけとして、フランチャイズ本部としての責務を果たすための仕組み整備に取り掛かるべきでしょう。

無料資料ダウンロード

FC本部立ち上げを進めていく際の手順やポイントをまとめた資料を無料進呈しています。宜しければ、下記よりダウンロードください。

FC本部のつくり方を体系化した【完全版】 FC本部構築大全を無料進呈

小規模フランチャイズ展開の教科書

セミナーのご案内

店舗ビジネスの多店舗展開やのれん分け・FCシステム構築を進めていくため、具体的にどう取り組んでいけばいいのか、どのような点に留意すべきか等を分かりやすく解説する実務セミナーを開催しています。

セミナー一覧ぺージへ

おすすめ記事

  1. のれん分け制度で直営店を譲渡する時の留意点。譲渡対価設計、譲渡契…
  2. 店舗ビジネスの多店舗展開を成功させるために必要な5つの要件とは
  3. のれん分け制度における3つの独立形態。「直営店譲渡」「経営委託」…
  4. のれん分け契約書に盛り込んでおきたい条項例。絶対に入れなければな…
  5. のれん分け制度における加盟金やロイヤリティの考え方
  6. 【FC本部構築決定版:第5回】フランチャイズ本部の権利・責任を契…
  7. 事業拡大したい経営者必見!のれん分け制度をつくる7つの手順と、成…
  8. 【FC本部構築決定版:第1回】フランチャイズ展開前に準備すべきこ…

関連記事

  1. 書籍の値段が10万円超!?経営者にオススメの書籍を紹介!
  2. のれん分け制度説明会で押さえるべきポイント
  3. フランチャイズ業界の動向を知るおすすめイベント
  4. 2021年下期に向けて重点課題を整理する
  5. のれん分け制度導入と併せて社員の意識変革を行う必要性とその考え方…
  6. 【ネットラジオ更新】第64回『社員のモチベーションアップのために…
  7. フランチャイズ本部構築に取りかかる経営者がはまりがちな落とし穴と…
  8. 自己破産を経験した異色コンサルタントが新サービスを開始します!
店舗ビジネスの会社の事業拡大と社員の年収UPを探求するJOHSHINちゃんねる
21世紀型「のれん分け」ビジネスの教科書

のれん分け無料メルマガ

専門コラムの他、各種ご案内をお届け中です。ぜひご登録ください。

人気のある記事

PAGE TOP