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これだけは知っておきたいのれん分け制度導入時の留意点

「のれん分け制度を導入する際の注意点を教えてください!」

これは、先日弊社ののれん分け制度構築セミナーにご参加いただいた焼鳥店経営者からのご質問です。

このようなご質問の背景には、のれん分け制度を導入することで、本部がトラブルにまきこまれたり、本部に損失が発生したりすることに対する懸念があるのだと思います。

正直申し上げて、のれん分け制度を導入するさいの注意点は数えきれないほどありますし、導入するのれん分け制度の形態によって異なる点も多々あります。
そのため、一言で「ここが注意ポイントですよ」と申し上げることはできません。

一方、のれん分け制度の目的や形態にかかわらず、トラブルを防止する上で誰もがおさえておくべきことがあることもまた事実です。

そこで、今回は、のれん分け制度の導入にあたり、経営者が絶対に抑えておくべき留意点をご紹介します。


 

留意点1 本部と独立者のWIN-WINの関係を実現する

制度構築時において最も留意すべき点は、本部と独立者の対等な関係性を実現することです。

当たり前のことなのですが、のれん分け制度でトラブルに陥るケースはほぼ間違いなく、のれん分け制度の仕組みが本部または独立者のいずれの側に寄っていて、WIN-LOSEまたはLOSE-WINの状態となっているのです。

いうまでもありませんが、どちらかが不利な関係性のビジネスで、双方の不満無く継続することなどありえません。
したがって、制度設計にあたっては“本部と独立者の対等な関係性を実現すること”を第一の意思決定基準とするべきでしょう。

例えば、ロイヤリティの決め方には、大きく分けて「対売上比率方式」と「固定額方式」の2パターンがありますが、本部・独立者双方の対等な関係性という観点では、「対売上比率方式」を採用すべきです(詳細は「のれん分けにおける加盟金やロイヤルティの考え方」を参照ください)。

のれん分け制度における加盟金やロイヤリティの考え方

とくに、のれん分け制度を導入しようとする経営者には、従業員想いの方が多く、従業員に有利な制度設計をしようとする傾向があるように感じます。
このような“想い”は、一時的には独立者のためになるかもしれませんが、長期的には両者の信頼関係にひずみを生み、結果として本部・独立者双方を不幸せにする可能性があることを認識する必要があるでしょう。

 

留意点2 独立者の選定を厳格に行う

のれん分け制度におけるトラブルを防止する上で最も有効な手段は、のれん分けするに値する人材だけに独立を認めることです。
具体的には、経営者として適正があり、かつ本部の理念や経営方針に共感している人材だけにのれん分けする、ということです。

よく、店舗の運営能力が高いことを理由にのれん分けを認めているケースを目にしますが、店舗の運営能力が高いからといって、のれん分けをすべき人材とは言い切れません。
のれん分けを認める人材には、運営能力はもちろんのこと、経営者としての資質や人間性、本部理念への共鳴度、一定の自己資金を有することなど、多面的な要素が求められるからです。

このような人材であれば、仮に店舗収益が厳しい状況におかれたとしても、本部と力をあわせ、前を向いて取り組むことができるはずです。
のれん分けしようとしている人材が独立後にものれん分け店舗の経営者としてやっていけるかどうか、厳正に見極めることが求められるのです。

この様な人材だけを選定して独立させていくことが難しいことも事実ですが、のれん分け制度を導入する本部としては、諦めずに努力をしてほしいものです。

なお、独立候補者の見極め方について詳しく知りたい方はこちらをご覧ください。

のれん分け制度における独立候補者の見極め方

留意点3 明確な決まりを定めてのれん分け契約書に落とし込む

のれん分け制度では「従業員との間に信頼関係がある」などの理由から、契約書を用意せず、口約束だけで制度運用しているケースも見受けられます。
しかしながら、このような運用は絶対に避けるべきでしょう。

いまある信頼関係が未来永劫継続する保証はありません。
むしろ、独立する人の立場が「雇われ」から「経営者」に変わることを考えれば、本部との関係も変わると考える方が自然です。

また、「信頼関係があるからといって契約書を用意しない」という考えは、そもそも論理的ではありません。
信頼関係があることに加えて、契約書でお互いの権利と義務を確認していた方が、よりよいことは言うまでもありません。

長期的な関係性の中で本部と独立者の間に見解の相違が生れたとしても、あらかじめ契約書でお互いの権利と義務が定められていれば、不要な争いを回避することもできるはずです。

もちろんのれん分け契約書があるからすべてが解決するわけではありませんが、独立時に明確な決まりを定め、それを形に残しておくことは、トラブル回避に有効な手段であることは間違いないでしょう。

のれん分け契約書をつくる根拠はいくらでもありますが、つくらない根拠は本部の怠慢以外にありません。
のれん分け制度を導入して成功したいと思うのであれば、お互いの権利と義務を明確に定めた契約書を締結しておくべきでしょう。

なお、のれん分け契約書に盛り込むべき具体的な内容を知りたい方はこちらをご覧ください。

のれん分け契約書に盛り込んでおきたい条項例。絶対に入れなければならない8条項

まとめ

以上、のれん分け制度を導入にあたり最低限知っておいてほしい留意点をご紹介しました。

ご紹介した3つはまさに基本の“キ”といえるもので、仮に1つでも無視してしまうと、トラブル発生確率が格段に増すものです。

のれん分け制度を導入し、本部企業の発展と働き手の自己実現を両立するためには、最低限上記内容を満たしたのれん分け制度を構築するべきでしょう。

 

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