ネットラジオ『多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所』は、弊社代表の高木と社労士の田村陽太が、飲食店、整体院、美容院等の様々な店舗ビジネスの「多店舗展開」を加速させるために重要な事を対談形式でお話しするラジオ番組です。
第71回 『飲食店を経営しています。店舗の売上を高めるための業績の数値管理のコツを教えてください。』というテーマで店舗ビジネス専門コンサルタントの髙木悠が熱く語ります。
【ハイライト】
・従業員の頑張りや行動で達成できる目標設定とは?
・KPI設定する際には会社目線、従業員目線どちらが重要?
・結果を出すために常に新しい事に挑戦していく重要性
・コロナ禍で店舗ビジネスの業績を高める為に経営者が意識すべき事
・業績の数値管理は従業員や全加盟者と短サイクルで共有すべき論
・店舗ビジネスの繁栄は店舗同士の「競争心」と「改善姿勢」を向上する事が大事
多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所。この番組は株式会社常進パートナーズの提供でお送りいたします。
店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠が最速・最短で年商30億、店舗数30超を実現する実証されたノウハウをコンセプトにのれん分け制度構築、FC本部立ち上げ、立て直し、人事評価制度の整備など飲食店、整体院、美容院などの様々なビジネスの多店舗展開を加速させるために重要なことを対談形式で分かりやすくお話しする番組です。
田村:こんにちは。パーソナリティーの田村陽太です。配信第71回目となりました。本番組のメインパーソナリティーをご紹介します。店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠さんです。よろしくお願いします。
高木:よろしくお願いいたします。
田村:高木さん、今日も頑張っていきましょう。
高木:はい、お願いします。
田村:本日のテーマはこちらとなっております。「飲食店を経営しています。店舗の売上を高めるための業績の数値管理のコツを教えてください。」ということなのですが、数値管理、コツはあるんでしょうか?
高木:これはありますよね。多くの会社では、売り上げの日々の管理とか、飲食店だとよく原価と人件費とかって言いますけど、売上に対して原価率何%になっているかとか利益率が何%になっているかについて、結構管理がされているんですよね。
田村:はい。
高木:だけど今回は売上を高めるためにどういう風に管理をしていくかっていう話じゃないですか。
田村:逆な話ですね、さっきの話と。
高木:ここをどうしていくのかっていうところなんですけど、これ何回か前でもお話をしたと思うのですけど、売上って、売上だけ見ていてもあまり意味がないんですよね。というか売上だけ見ていても、別に売上って直接的にコントロールできないじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:だから売り上げを高めていくために何か数値管理をしていこうと思ったら、考え方として売上アップに繋がる要因っていうのをちゃんと特定して、その数値を追っていくみたいな考え方をされるといいんじゃないですか。
田村:なるほど。「売上を高めるための要因」というとそれは具体的にどういうことなんですか。
高木:例えば、飲食店に行くじゃないですか。飲食店で考えると、まず売上って客数と客単価っていうことで構成されているじゃないですか。客単価なんかで考えていくとわかりやすいんですよ。客単価っていうのも売上よりはコントロールしやすいですよね。
田村:はい。
高木:例えば飲食店で言ったら、ちょっと客単価の高い商品をおすすめして、その商品の売上が伸びていったら客単価って上がっていくじゃないですか。そういうロジックでいったら客単価を管理していっても当然いいのですけど、この商品を売ると客単価が上がるから、この商品の注文比率みたいなものを見ていったら、結局注文比率が上がっていったら必然的に客単価が上がって、売上も上がるっていうことに繋がっていくじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:そしてお話を少し戻すと、現場のスタッフとか店長から見たら売上っていうのはやっぱりあまりにも遠くて直接的にコントロールができないものなのですよ。それが客単価まで落ちていって、さらに何か単価の高い商品の注文比率ぐらいまでいくと、これは完全にコントロール可能ですよね。
田村:自分の頑張りでおすすめすれば、客単価も上がっていくっていう風になりますもんね。
高木:そう。これが大切で、だから今のお話を整理すると、現場でコントロール可能で、かつその数値を管理していく、いい数字にしていくことで売上が上がっていく、その指標を見つけてくださいっていうことなんですよ。
田村:なるほど。
高木:よくKPIとかって言いますよね。そこをちゃんと設定するっていうのが売上を高めていく、つまり業績を高めることに繋がると思うんですけど、これが業績管理のコツですよね。
田村:なるほど。ありがとうございます。ちょっと1個質問したいんですけども、そういうさっきのKPIというか、従業員さんでも頑張れそうな数値目標を設定していくじゃないですか。そういうのはあくまで会社が売り上げの方に重きを置いてKPIを設定していくのか、従業員さんが頑張れそうだなっていう数値に重きを置いてKPIを作っていくのか、どっち寄りでやったらいいんですかね。会社寄りなのか従業員寄りなのかっていうご質問です。
高木:まず売上を上げるっていう事に最終的に繋がらないと意味がないので、そういった意味では会社寄りですよね。ただ分解していくのが大事ですね。例えば、さっきの単価の高い商品の注文比率を上げていくってなると、それもさらに分解していくと、目標の注文率が何%とかに設定する事ができます。例えば目標の注文比率が30%とするじゃないですか。
田村:はい。
高木:今日の来客数が例えば予測が20人ってなったら、20人の30%取ればいいんだから6個売ればいいわけですよね。皆さんスタッフの方には、「今日はこれを頑張って6個売りましょう!」みたいな感じにするんです。客単価上げましょうっていうより、よっぽどわかりやすくないですか。
田村:確かにわかりやすいですね。
高木:売れたら1個シールとか貼っていって、見えるようにすれば従業員のモチベーションも上がるじゃないですか。そういう風に最終的には会社が目指している売上とか利益に繋がらなきゃ駄目なのですが、ブレイクダウンしていって結局従業員さんがコントロール可能な指標まで落とし込むことができたら、目標も管理しやすいし、従業員さんのモチベーションも上がりやすいし、それを頑張って上がっていったら業績勝手に上がりますよねっていう事です。業績が上がらないケースがあるとしたら、それはKPIの設定の仕方が悪いわけですよ。その時はそれを変えていかなきゃいけないですね。
田村:そうですよね。今高木さんのお話を聞いていて思ったんですけど、やっぱり飲食店だから晴れの日もあれば雨の日もあって、それによって来客数とかにも変化するじゃないですか。そういうのも含めて、1ヶ月の売上管理、数値目標を作るっていうのは、すごく難しいことだなって今聞いて思いましたね。
高木:コントロール不能な部分があるじゃないですか、売上って。だからそういうことばっかり求めていると従業員さんは嫌になるし、そもそも、もうはなから無理だよみたいな話になっちゃうわけじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:でもそれをブレイクダウンしていって、「これをこれだけやればいいんだよ」って言われると、例えばおすすめぐらいだったらできそうな感じがしますよね。それをおすすめしていたら客単価だって売り上げだって上がるのだから、そんな指標を設定しなきゃいけないですね。
田村;はい。
高木:例えば客数とかだったら、リピート比率とかね。お客さんの会員カードとかがあってリピーターの割合とかを追えるのだったら、リピート率を70%以上にしようとかっていう方がやっぱり追いやすいですよね。ピンとくるじゃないですか、そっちの方が。
田村:はい。
高木:もうちょっと原始的なので言ったら、「一日チラシ100枚撒こう」とかそんなのでもいいと思います。それを管理していった方が、結果的に例えばチラシを配っていくっていうのは売り上げに繋がる可能性が高いじゃないですか。
田村;そうですね。
高木:「売上いくらにしなさい」だけ言われているより、「売上の事はいいから、一日100枚のチラシを1ヶ月間配り続けよう!」って言われた方が、「今日は何人でチラシ配れるから、1人何枚ね」みたいな話になるじゃないですか。その方が追えますよね、数値が。
田村:確かにそうですね。
高木:こういうのが多分意味のある数値管理だと思うのですよ。こんな考え方をしていくと、必然的に業績って上がっていくんですよね。
田村:確かにそうですね。ありがとうございます。ちょっともう1個質問したいんですけど、そういう売上の数値管理っていうのを、どんどんやっぱ高い目標にしていって売り上げを高めていくから数値管理の基準は厳しくなっていくじゃないですか。そういう数値管理を厳しくしていくプロセスっていうのは同じことをしてちょっと目標高くするのか、従業員さんでやるべきことをちょっと増やしていって、売り上げを高めていくのか、どんな感じで数値管理をより高い目標にしていく感じなんですかね。
高木:今お話されていたのは、例えばその売上目標を達成したとしたら、一段高い売上目標を別に設定することってあるわけじゃないですか。逆に高い売上目標に設定した結果、今やっている行動では届きませんでしたみたいな事態が起きるっていう事をお話しされていたんですよね。
田村:そうですね。
高木:そうすると、もう考え方はシンプルで、結局行動に重要なのは「質」か「量」しかないじゃないですか。だから、質をブラッシュアップしていくのか、もしくは今お話があったような行動を増やしていくのかって話なわけですね。
田村;はい。
高木:ここはある種スタッフなんかに考えさせればいいわけですよ。でも現状を継続したら、だってもう未達成だったんだから同じことやっているだけでは達成しないじゃないですか。
そういうことだけは明確であると。そうなっていくと達成したらラッキーだよねって話になっちゃいますね。
田村:はい。
高木:「そのために、もう質を高めるか量を増やすかしかないんだけど、どうします?」っていう話になっていきますよね。これも前お話しました、「結果」と「行動」を分けるっていう話なんですけど、行動にフォーカスしていくと、おのずと質か量をブラッシュアップし続けなきゃいけないんですね、目標を達成し続ける限り。そんな観点で考えてみたらいいんじゃないですか。
田村:ありがとうございます。もう1個質問したいんですけど、結構僕も飲食店いろんなとこ行くんですけども、最近本当に店員さんと会わなくなることも増えてきていますよね。注文もタッチパネルだったりとか、セルフレジとか、本当にお客さんとも会わず自分でおすすめを選んでいくみたいな形も増えているじゃないですか。本当に今までだったら店員さんが「これ、おすすめですよ」とか言って、おすすめ商品を提案できましたけども、本当に人と会わないみたいなことが増えているじゃないですか。
高木:はい。
田村:今後の高木さんが考える、そういうコロナ禍の飲食店の売上の数値管理をこういう風にして管理していたらいいよみたいな、ワンポイントってあったりします?
高木:でもタッチパネルみたいなものだとしても、おすすめ商品とかって出せると思いますし、例えばタッチパネルの見せ方を変えることによって、売りたい商品の売り上げを増やすっていうことはできると思うんですよね。だからとにかく、どこの数字をいじったら最終的な売上アップっていうものに繋がるのかっていうのを、飲食店に限らないと思うんですけど、会社がすごい科学をして、特定しなきゃいけないですよね。
田村:なるほど。
高木:いろんな可能性があると思うんですよ。だからおすすめだけじゃないと思うんですよね。例えば顧客の満足度とかも指標化もできるわけじゃないですか、アンケートとかを使えば。顧客満足度を指標化して、この内容の比率が良くなっていくと売上がすごく上がっていくとかっていうものってあったりするかもしれないじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:そういう重要な管理指標を見つけるっていうのがやっぱり本部の役割になってくるんじゃないですか。
田村:根本的に売上はどういう風に上がっていくのかっていう原因というか理由が、まず本部が知っていないと駄目っていうことがすごくわかりましたね。
高木:現場の人がしかもそれを動かせるっていうことが重要なんですよ。
田村:なるほど。それは現場の従業員さんが目標に向かって頑張れるような要素に分解してくみたいなことですか。
高木:コントロール不能なものを求めたって無理じゃないですか。最たる例が売上でしょ。「今日雪降ったんですけど!」みたいな(笑)不可効力じゃないですか。
田村;そうですね(笑)
高木:その中でもチラシ100枚配るとかだったらコントロールできるじゃないですか。手配りができなかったらポストに入れてくるとかっていうのもできるわけじゃないですか。そういうコントロール可能なものにやっぱり向けさせてあげればモチベーションも上がるし、売上だけを求めているよりはよっぽど売上が上がる確率って高くなると思うんですよね。
田村:はい。
高木:これをやっぱり特定してあげるってことが大事ですよね。
田村:そうですよね。ありがとうございます。もう1個質問したいんですけど、数値管理の方法についてちょっと教えてもらいたいんですけど、数値管理って何かそういう資料を作るじゃないですか。それは経営者の本部の方だけで共有しとくべきなのか、従業員さんとか加盟者の方とかと一緒にそういう風に共有していくべきなのか、どんな感じで数値管理ってしていったらいいんですか。
高木:基本的には関わる方たち全員に、短いサイクルで共有できるような管理体制を構築する必要があると思うんですよ。だから例えばなんですけど、10店舗を展開しているとするじゃないですか。毎日の実績が指標として上がってくるじゃないですか。
田村:はい。
高木:そしたら例えば毎日の全店の実績とかっていうのは、やっぱり少なくても日次ぐらいで全店に共有していきたいわけですよ。だけど、店舗の中の実績が日次で、つまり自分たちの店舗の実績が日次で共有されたとしたら、これでは遅すぎるんですよ。
田村:そうなんですね。
高木:例えばさっきの「何かを何個売ろうよ」みたいなのが目標とするじゃないですか。それだと終わった後に何個売れましたって言ったら、その日に改善できないですよね。
田村:確かにそうですね。
高木:例えば、一時間に1回ぐらい確認して、何かみんなで共有するような工夫したりとかすれば、営業時間半分終わったけどまだ3個しか売れてないから、残り3個頑張るみたいな事になったりするわけじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:なのでできるだけ短サイクルで共有をしていく、店舗単位だったら本当一時間レベルぐらいでやっておいた方がいいと思いますけどね。
田村:めっちゃ大変ですね。
高木:だからそんなのも、さっきお話ちょっとしたんですけど、売れたらシール貼っておいて、デシャップ台の前とかで常に見えるような場所で数をカウントできるようなシステムがあったら、もうそれで終わりじゃないですか。
田村:従業員さんが一目でこれが売れてないから、これを売ってこうみたいな感じですよね。
高木:そうそう。責任者や担当者とかをつけといて1週間に1回確認して今何個だからあと何個頑張ろうみたいな感じで共有するイメージ。例えばそんなのでいいわけですよ。
田村:常にシフトの時間に自分たちで改善できるように従業員さんが頑張れるような機会や情報をアップデートしてくみたいな感じですよね。
高木:目標はそういうのがベストですよね。そしたら営業にも緊張感があるし、常にそこに対して意識を持てるじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:だから店舗のマネジメントという観点でいくと、店舗内においては、営業時間中に進捗管理できるような目標がいいし、1日単位だとやっぱ遅いですよね。
田村:確かにそうですね。自店舗だけじゃなくて他の店舗も自分たちの店舗がどんな感じなのかってわかれば改善できますし、何より競争意識が高まりますので、「頑張ろう!」ってなりますもんね。
高木:例えば僕がマネージャーをやっていた時には、当時で言うとメルマガ登録があったんですよ。自分のエリア内や店舗間とかで競ったりしていたわけですね。1時間にいっぺんは無理だけど、ピークが始まる19時ぐらいとピークが終わった21時とか22時ぐらいに全店に実績をメールで送るみたいな取り組みがあったんですよ。
田村:そうなんですね。
高木:メールを送るときぐらいに他の店舗からもメールが来るから、どこの店舗がどれだけの売上が見えるじゃないですか。「あのライバルの店舗があんなに売り上げ行っているから俺たちも頑張らなきゃいけない!」みたいなことを店舗内に共有したり知ったりすることで、モチベーションが上がるじゃないですか。
田村:燃え上がりますよね。
高木:そう。店舗がいっぱいあるんだったらそういう工夫をしてもいいと思うんですよね。
田村:競争意識を煽っていくみたいな感じですよね。
高木:でも結果的にそれが売上アップに繋がるようになっているのが重要なんですね。
田村:そこにやっぱり一番本部としてやるべきことっていうのが詰まっている感じですね。
高木;そう。そこが特定できれば、「売上をこれだけ達成しろ!」みたいな管理から脱出して、売上も上がるし従業員さんのモチベーションも上がるっていうような良い体制になっていくわけですね。
田村:そうですね。そこはやっぱり常進パートナーズさんのノウハウなので、ぜひ相談に来てほしいですね。
高木:何がその会社にとって重要な指標なのかみたいなところは、僕たちも一緒に考えられるといいですね。
田村:そこは難しいですもんね。僕も聞いていて、店舗が増えていくとやっぱり難しいなと思いました。
高木:でもその辺は多分経営者の中にこれが重要だみたいなものがあると思うんですよ。あとはそこをどうやって指標化するかが大事です。指標にならないと管理できないので。管理ができないものってやっぱりモチベーションに繋がらないじゃないですか。
田村;そうですね。
高木:そこをいかにして数字として追えるものとか数字に落とすかっていうのがやっぱり腕の見せ所だったりすると思いますね。
田村:そうですね。わかりました。ありがとうございます。本日は、店舗の売上を高めるための業績の数値管理のコツを教えていただきました。ありがとうございました。
高木:ありがとうございました。
無料メルマガ登録
専門コラムの他、各種ご案内をお届け中です。ぜひ、ご登録ください。
セミナーのご案内
店舗ビジネスの多店舗展開やのれん分け・FCシステム構築を進めていくため、具体的にどう取り組んでいけばいいのか、どのような点に留意すべきか等を分かりやすく解説する実務セミナーを開催しています。
セミナー一覧ぺージへ