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【ネットラジオ】第11回『本部の損失が大きいのれん分け制度を改善させるコツを教えてください。』

ネットラジオ『多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所』は、弊社代表の高木と社労士の田村陽太が、飲食店、整体院、美容院等の様々な店舗ビジネスの「多店舗展開」を加速させるために重要な事を対談形式でお話しするラジオ番組です。

第11回『のれん分け制度を運用していますが、今の制度は本部の損失が大きいような気がしています。制度づくりのコツを教えてください。』というテーマで店舗ビジネス専門コンサルタントの髙木悠が熱く語ります。

【ハイライト】
・のれん分け制度でよくある本部の損失

・本部の損失を無くす為の秘訣

・独立者のやる気を高める上で重要な事

・本部の独立者への寄り添い方

・のれん分け制度が上手くいくポイント


多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所。この番組は株式会社常進パートナーズの提供でお送りいたします。

店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠が最速・最短で年商30億、店舗数30超を実現する実証されたノウハウをコンセプトにのれん分け制度構築、FC本部立ち上げ、立て直し、人事評価制度の整備など飲食店、整体院、美容院などの様々なビジネスの多店舗展開を加速させるために重要なことを対談形式で分かりやすくお話しする番組です。

田村:こんにちは。パーソナリティーの田村陽太です。配信第11回目となりました。本番組のメインパーソナリティーをご紹介いたします。店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠さんです。よろしくお願いします。

高木:よろしくお願いします。

田村:高木さん、今日の質問はこちらとなっております。「のれん分け制度を運用していますが、今の制度は、本部の損失が大きいような気がしています。制度作りのコツを教えてください。」ということなんですが、お願いします。

高木:なるほど。これは本部の損失っていうのが何を指しているかっていう事なんですけど、よくある例でいくと、のれん分け制度って、本部が基本的に運営している直営店舗を従業員に引き渡すようなモデルになってるケースが多いんですよね。この場合っていうのは、本部が運営してる店舗を渡したとして、独立する人の収入は、少しぐらい増えないと、やろうと思わないじゃないですか。

田村:元々今もらった給料よりも高いお給料がもらえるっていう確実性がのれん分けにあるかどうかっていう。

高木:やっぱり独立するからには、そのリスク取るからには独立した瞬間に少しぐらい給料増えないとモチベーション湧かないじゃないですか。

田村:確かにそうですね。

高木:独立して、独立者の増えた給料分がどこから出てるかっていうと、結局その本部が今まで得ていた利益の一部を独立者に渡すような形になるじゃないですか。既存店舗を使ってのれん分けということをしていくと、基本的にその本部の利益というのは独立した瞬間に減るんですよね。

田村:それは支店の店舗の売り上げがなくなるから利益が下がるという事ですよね。

高木:店舗の利益のうちの一部を、要は独立者に渡さないと、独立者の収入が増えないんですよね。

田村:なるほど、立ち上げ当時は儲からないからってことですか?

高木:例えば今、月100万円の利益が出ていたとしましょう。従業員さんは給料30万円もらってたと、でプラス100万の利益が本部に出てたんですよ。それを引き継ぐじゃないですか。そうすると、従業員さんの給料はまず30万円そのまんま払われますよね。独立してそれを自分の会社から自分で取ると。本部は、当然その店舗を渡すわけですから、そこからロイヤリティとか払ってもらうじゃないですか。でも店舗に100万円利益が出てても、それをそのまま独立者に渡すわけにはいかないじゃないですか。でも(独立者が)100万円利益を取るわけにいかないですよね。だから独立者は少し収入増えないとかわいそうだから、今まで本部は100万だったんだけど90万円払って、そうすると本部の利益っていうのは元々100万円だったのが、のれん分けしたことによって90万円に減るじゃないですか。独立者は今までもらっていた給料30万円に、店舗の利益として10万円分が残って、40万円得られるようになると。だから独立者の収入は増えてるんですけど、その増えた原資はどこから出てるの?って言ったら、本部の利益がその分減ってるんですよね。

田村:なるほど。今聞いて分かりました。

高木:そう。だから、のれん分け制度、その既存の店舗を、従業員さんに譲ったりすると本部の利益って絶対減るんですよ。その瞬間は、減るわけですよ。おそらく多分その損失っていうお話を言ってるんだと思うんですね。

田村:なるほど、今回のその質問者の「損失」っていう意味は。

高木:ここで大事なことは、のれん分けしたら本部が損になるじゃないですか。でも、独立者が独立して、売上を上げてくれればその売上に応じて本部の利益も増えていくようなシステムになっていれば、その分だけ独立者が頑張って売り上げを上げれば上げる分だけ本部の収入も増えていって、元々入ってた100万円よりも増える可能性っていうのがあるわけですよ、独立者の店舗の売り上げが上がっていくと。だから、やっぱりそこを実現するようなシステムにしなきゃ駄目なんですね。

田村:なるほど。そこがポイントなんですね。一見すごい聞いた感じ難しそうなんですけども、それっていうのはどこから手をつけるんですか?本部から手をつけるんですか?独立者の方の店舗に手をつけて売り上げを良くしていくんですか?

高木:これ全然難しいことじゃなくて、独立者の本気に火をつければいいだけですよね。

田村:といいますと?

高木:今までは、会社で雇われていた立場なわけじゃないですか。会社で雇われている状況だと、どんなに頑張ったって給料が払える限界ってあるわけですよ。だけど独立したら、もう自分次第なわけですよね。だから自分が頑張ったら頑張った分だけ自分の収入って増えていくわけじゃないですか。だからまず、そういう「たてつけ」にのれん分け制度をしておくってことですね。

田村:「たてつけ」といいますと?

高木:頑張れば頑張った分だけどんどん加速度的に収入が増えるようなシステム。

例えば、独立して、独立者が売上を上げるとするじゃないですか。自分がその売上を伸ばした分については本部が得るロイヤリティの割合っていうのが少し少なくなっているとか、そういう風にしておくと、独立者は頑張ろうって思えるわけですね。そういう独立者がモチベーションを上げるようなシステムにしておくっていうことが一つあるかと。

田村:今おっしゃってたのは売上が例えば700万とか800万とか、ある程度一定以上超えたら、その分のロイヤリティは、〇〇%下げるよみたいなシステム。

高木:例えばそういうのがありますよね。あとは、独立者が「自分が経営者だ」っていう覚悟を決めるような、何かきっかけを制度の中に盛り込んでいくことが大切かなと思いますね。

田村:それはどういうことでしょうか?

高木:のれん分け制度の失敗例でよくあるんですけど、一応独立するんだけれども、例えば最低収入が保証されているとか、あとはその独立する時に一円もお金を出してないとか、こうなってると結局独立したっていっても、それは形だけで、何のリスクも負ってないわけですから「雇われ」とあんまり変わらないんですよ。そうなると、なかなか経営者としての覚悟って決まらなくて、覚悟が決まらないと「雇われてる時の行動」と「独立後の行動」が変わらないわけですよ。だけど、そこで例えばいくらか投資があると、その瞬間覚悟が決まるわけですよ。そのお金を失うかもしれないわけですから。

田村:加盟する方がいくらか自分のお金も出すとか、それぐらいの覚悟。

高木:あとは借入してるとか。そうするともう、後に引けなくなるわけじゃないですか。そうなると雇われの立場から経営者のマインドに変わるケースが多いんですよね。

田村:なるほど。加盟者側として火を付けるためには最低の売上保障とかってすごく大事だと僕は思ってましたが、そうじゃないんですね。

高木:これも前回お話しましたが「最低保障」って一見、その本部から従業員に対しての思いやりじゃないですか。だけど、それは独立者が経営者としての覚悟を決める機会を奪ってるっていう見方もできるわけですよ。だからそこはしっかり考えなければいけなくて、少しお話戻りますけど、本部はのれん分けをしたら店舗の売上を上げてもらわない限り本部にメリットがないんですよね。その状態じゃ、もう絶対制度って続かないじゃないですか。

田村:そうですね。

高木:「のれん分けしたら損失が大きい気がするんですけど・・・」ってそんな制度は続かないわけですよ。だから、やっぱり本部にも意味があるように、当然独立者にも意味があるように、そういう制度を作っていくっていうのが、やっぱり本部の義務じゃないですか。だとしたら、やっぱりその経営者としての覚悟を決めるきっかけを本部は盛り込んでおかないといけないですね。

田村:めっちゃいいこと聞きました。もう1個質問してもいいですか。例えばその加盟者がのれん分けをして、独立者として任されるじゃないですか。やっぱりやる気は満ち溢れてるんですよ。だけどもやっぱりお客さんが来て売上に繋がるってことで、お客さんが来ない時もやっぱりあるじゃないですか。頑張ってるけど売上に繋がらないっていう時に、どうしても気持ちが落ち込んだりとかするじゃないですか。それってどうやって加盟者が気持ちを独立者として維持できるんでしょうか?どうやったらいいんでしょうか?

高木:なかなか難しい問題なんですけど、まずその本部としてやらなければいけないことは、独立者の収益状況とか、悩んでる状況に寄り添わなきゃいけないですよね。

田村:といいますとどういうことでしょうか?

高木:「独立してるんだから、経営者なんだから、それは全て自分の責任だ。」っていうのがある種正しいわけですよ。だけど、それだと自分で独立するのと変わらないじゃないですか。

田村:確かにそうですね。

高木:のれん分けする理由っていうのは、やっぱり本部が寄り添ってくれて、ノウハウを提供してくれて、そういうサポートがあって、孤独じゃないからのれん分けするわけじゃないですか。だからそこはやっぱりちゃんと収益状況も把握して、寄り添ってアドバイスをしたり相談に乗ったりする必要があるんですよ。

田村:収益状況というのは加盟者の店舗の収益状況という事ですか。

高木:そうですね。ただ、寄り添うんだけれども、寄り添った後に、行動するのは独立者じゃなきゃ駄目なわけですよ。それは何でかと言うと相手は「経営者」だから。そこのさじ加減はやっぱり気をつけなきゃいけないですよね。寄り添うんだけれど、代わりにやってはいけないんだっていう。

田村:難しいなあ。なるほど

高木:だから本部ができることって、結局話を聞いて、受け止めて、だけど元気づけて、結局苦しい状況の中で、だけどその結果を変えられるのは、自分の行動しかないわけじゃないですか。

田村:そうですね。

高木:行動して、それが変わるかどうかそこはコントロールできないんだけど、行動はコントロールできるじゃないですか。だから、「本部の構築しているノウハウだと、これが一番効果に繋がる可能性がある。」と、「だからこれだけはちょっと頑張っていこうよ。」と、元気付けるわけですよ。だけどその先の行動っていうのはやっぱり独立者にやってもらう。これぐらいの距離感で、感覚で寄り添っていく。

田村:そういう事が大事ってことですね。

高木:そう。そこが本部と独立者の関係を、それぞれの役割を守りながら関係を維持していくポイントですよね。

田村:なるほど。のれん分けのさじ加減というのが難しいんだなと聞いててとても思いました。最後に高木さんに究極の質問をさせてください。のれん分け制度をうまくやっていくためのコツ、最後にバシッと教えていただきたいんですけども、何が本部として重要でしょうか?

高木:一つに絞るとなると、やっぱりそれは本部経営者が「独立者に成功して欲しい。」とそこに対して強い情熱を持って、その情熱を独立者にちゃんと伝えることですよ。

田村:というと、どういうことでしょうか?

高木:結局店舗の売上を狙った通りに出せるかどうかっていうのはコントロールできないし、経営環境にもよるじゃないですか。

田村:そうですね、すごくそこら辺は僕も気になってました。

高木:だからそこについては、独立者も馬鹿じゃないですから。どうしようもできないことっていうのがあることは分かってるわけですよ。そこで、本部に対して何か不満が起きたりするポイントっていうのは、それに対して本部が寄り添ってくれていない、サポートしてくれないっていう「プラスアルファ」が必ずあるんですよね。逆に言えば、コントロールできない結果が悪かったとしても、それを良くするために、本部の経営者が本気で日々接してたら、相手は分かるじゃないですか。

田村:そういう熱い気持ちというか。

高木:そう。でそれが結局駄目だったとしても、それに対して本部の経営者のことを責めるようなことってないはずなんですよね。だから少なくとも本部の経営者っていうのは独立者の成功にコミットして、「自分ができること」というのを情熱を持って語りかけていく。一つにまとめたら、もうこれしかないですよね、成功のポイントは。

田村:おー格言!

高木:のれん分け制度をやるっていうのは、社員の方の人生を大きく左右する問題じゃないですか。そんな責任ある制度を導入するわけですから、やっぱり「それなりの覚悟を持って、独立者の成功にコミットする。」そんなマインドで取り組んでもらえるといいのかなと思います。

田村:なるほど。今日はのれん分けをしたい本部の皆様にとって非常に良いお話を聞けました。高木さん、ありがとうございました。

高木:はい、ありがとうございました。

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