ネットラジオ『多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所』は、弊社代表の高木と社労士の田村陽太が、飲食店、整体院、美容院等の様々な店舗ビジネスの「多店舗展開」を加速させるために重要な事を対談形式でお話しするラジオ番組です。
第5回『ポストコロナ時代に店舗ビジネスが発展していくための条件とは?』というテーマで店舗ビジネス専門コンサルタントの髙木悠が熱く語ります。
【ハイライト】
・コロナという環境変化がもたらしたもの
・環境変化に対して店舗ビジネス経営者がすべき事
・店舗展開すべき上で重要な事
・環境変化の影響を受けないビジネスモデル
・複数の収入の柱を築くためのステップ
多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所。この番組は株式会社常進パートナーズの提供でお送りいたします。
店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠が最速・最短で年商30億、店舗数30超を実現する実証されたノウハウをコンセプトにのれん分け制度構築、FC本部立ち上げ、立て直し、人事評価制度の整備など飲食店、整体院、美容院などの様々なビジネスの多店舗展開を加速させるために重要なことを対談形式で分かりやすくお話しする番組です。
田村:こんにちは。パーソナリティーの田村陽太です。配信第5回目となりました。
本番組のメインパーソナリティーをご紹介します。
店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠さんです。よろしくお願いします。
高木:よろしくお願いします。
田村:高木さん、今日のご質問なんですけど、ポストコロナ時代に店舗ビジネスが発展していくための条件とは?という質問なんですけど、教えてください。
高木:まずこのポストコロナ時代というのが何を指すのかということを考えていかなきゃいけないですね。
田村:難しい質問ですね。
高木:おそらくコロナという問題は誰も予期できなかった問題じゃないですか。
田村:そうですね。
高木:これそもそも確か2019年末くらいに中国の一部で騒いでいて、だけど我々からしたらめちゃくちゃ遠い世界の話で、2020年くらいに入って船でコロナが発生しましたよね。日本にも近づいてきたぞみたいな空気があったけど、あの時も完全に他人事だったわけですよ。あれは確か2月とかくらいだったと思うんですよね。
田村:そうですね。あれは年明けでしたね。
高木:そう。でもそれがあっという間に3月とかになったら大事になってきて、私フランチャイズショーでセミナーの予定があったんですけど、中止になったんですよね。
もう4月になったら緊急事態宣言が出て、経済活動停止みたいな事態になったわけですよ。
こんな誰も予期できないことが起きたのです。
だけど、こういう環境変化の速度が速くなっているというのは、随分前から言われていたんですよね。というのは、情報化が進んでいたり、グローバル化とかが進んでいたりして、ある一部の地域で何か起きたことが、全世界に影響を及ぼすような時代に、今なってきているということですよね。
田村:そうですね。
高木:それを最も分かりやすく示したのが、たぶんコロナだと思うんですよ。だから、コロナで感染症の問題というのはまた特殊なのかもしれないですけど、結局その情報化とかグローバル化が進んでいく中でそういったものが引き起こした急激な環境変化の1つだと僕は思うんですね。
だからそう考えると、今後もこういう環境変化はきっと起きるよと。だから、例えばなんですけど、コロナが発生したちょっと後にGoogleで障害が起きてGmailが一時的に使えなくなったとか、そんな問題が発生したんです。
あれでちょっと考えたんですよね。ある時Googleというサービスが使えなくなったらどうなるんだろうな…とか。
でもこれって起き得るじゃないですか、1つの企業ですから、何かのエラーが起きたりするということは。そしたらまたとんでもない環境変化って起きるわけですよ。
そういったことは、これ以外にも今って世界的に見てもいろいろ拡大しそうな問題ってあるわけじゃないですか。気候変動の問題だとか。
つまりこれからのポストコロナ時代というのは、そういった急激な変化が起こりやすい時代かと。でもその環境変化の中でも、企業は存続しなきゃいけない。
それって、経営者から見たらある種、無理ゲーですよね。
田村:そうですよね。
高木:でも私たちはそういう時代に立たされている。だから、要は急激な環境変化を乗り越えるために、店舗ビジネスがどうあるべきかということを考えていく必要がある。
田村:そうですよね。例えば店舗ビジネスやっている企業さんが、その急激な環境変化に対してやっぱり予測しなきゃダメじゃないですか。その予測するために重要なことって何かあるんですか?
高木:これまず前提条件でいくと、予測はできないわけですよ。というのは、今回のコロナ予測しろと言ったら、それこそ無理だったじゃないですか。
田村:そうでしたね。
高木:だから、おそらく何か起きることを想定して準備をしたとしても、変化はそれを上回ってくると思うんですよね。それが急激な環境変化なわけですよ。
田村:予測じゃないんですね。
高木:だから、予測できればしたいんですけど、でもできないですよね。
田村:そうですね。
高木:だから、予測を超えて何か変化が起きてきた時に、だけど対応できるようにしていかなければいけない。限界は当然あるわけですよ。
だけど、やっぱりそういった変化が起きた時に、「少しでも長く生き延びる体制を整えていく」ということが大事じゃないですか。
田村:そうですね。
高木:そのためにどうするか。こういったところを考えておくということが、今後の店舗ビジネスを営む企業には求められると。
田村:なるほど。高木さん、ちょっと1つ質問なんですけど、例えば店舗ビジネスをやっている飲食店とか整骨院さんとか、店舗をいっぱい増やしていくことによって売り上げを上げていたじゃないですか。
店舗をたくさん構えているのにお客さんが来なくなるというのは、コロナ禍で目の当たりにしたじゃないですか。そういう中でどうやって店舗ビジネスを展開していくかという、何が重要かって、教えてもらっても良いですか?
高木:すごい難しい問題なんですけど、まず今回のコロナで表面化した問題というのは、やっぱり店舗ビジネスというのは、多くの固定費を抱えるビジネスモデルであるということだと思うんですね。
というのは、良い立地を押さえていると、当然家賃も高いですし、そこに人員も配置しておかなければならない。
田村:そうですね。
高木:どんなに売り上げが無くたって、例えば飲食店だったとしたら100席ある飲食店だとお客さんが来るか来ないか分からなくても、最低人員として何人か置いておかなきゃいけないわけですよ。
田村:そうですね。忙しくなるかもしれないですしね。
高木:そうじゃないですか。ただ、そういう固定費がものすごく高く、大きいビジネスなんですよね。で、コロナでいきなり売り上げが0になったけど、その固定費は急に減らせないわけですよ。
田村:そうですよね。
高木:だから、そこがすごく難しいポイントですよね。
田村:そこがやっぱり店舗ビジネスをやっている企業さんの大変なところなんですね。
高木:でもやっぱりそこの在り方もこれ考えていかなきゃいけないと思うんですよ。
今までは人手不足という問題もあったわけじゃないですか。だから、正社員を確保して物件も良い物件を押さえて、高い家賃も払って、たくさんのお客さんを回す、みたいなモデルだったわけですよ。
田村:そうですよね。
高木:だけど、それはやっぱり固定費が絶対に大きくなってしまうので、環境変化に弱いですよね。
田村:そうですね。売り上げなくても経費として出ていきますもんね。
高木:そうです。だから、例えば立地条件が悪くて安い家賃の物件でも、売上げを作れるようなビジネスモデルを構築していくということですね。
例えば家賃は安くて物件も悪いと。だけど、ウェブの広告とかで集客ができるとなったら、これは環境変化に強いわけですよ。
なんでかといったら、コロナが起きて、もうお客さんが来れそうにないといったら、家賃は減らせないですけど、少ないわけじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:さらにそのウェブ集客というのはすぐ辞められますから、駅の一等地に構えている店舗に比べたら環境変化には強いわけですよ。
例えばそういうビジネスモデルを組んでいくだとか、雇用についても正社員を大人数抱えていくよりは、例えば正社員を最小限にしてパートアルバイトを多く使うようなビジネスモデルにするとか、それこそ前にご紹介したようなのれん分け制度。
従業員としてではなく、一経営者のパートナーとして関係を構築しておくことで、一定の経営責任を相手にも持ってもらう。そんな考え方もありますよね。
田村:いかに抱えないというか、固定費を減らしていくというか。
高木:そうです。固定費をどうやって減らしていくのかということは、店舗ビジネスでも考えていかなきゃいけない。
田村:なるほど。
高木:それに固定費だけではないですけど、さっきの話にもありましたけど、収入の柱もやっぱり増やしていかなきゃいけないですよね。
田村:そうですよね。
高木:何か発生した時にできる限り影響を受けないようにするモデルを構築しておかなければやっぱりいけないと。
マクドナルドさんが今すごく業績好調だと。あれはイートイン以外にテイクアウトと、あとドライブスルーを持っていて、それぞれの売り上げ割合が相当あるわけですよ。しかも完成度も高い。
だから、コロナが起きてお客さんが来れなくなってイートインは厳しくなったけど、テイクアウトとドライブスルーが需要も伸びて、結果的に売り上げは確保できたじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:マクドナルドさんもコロナを見据えてそんなことしていたわけじゃないと思うんですよね。ただ、その複数の収入の柱を高いレベルでそろえていたというところがやっぱり強み。
例えばドライブスルーの売り上げが5%しかないとかだったら、これはとてもじゃないですけど収入の柱にならないわけですよ。それなりに一定規模の完成度まで上がってきていたわけじゃないですか。だから、あれなんかすごい参考になりますよね。
だから、例えば二毛作とかってあるじゃないですか。
田村:ありますね。
高木:昼はカフェやって夜は飲み屋になる。こんなのも強いですよね。
田村:飲食店に置き換えてみると、そういうところもやっぱり収入源を2つに分けていくというかね。
高木:環境変化で全部の足が折れてしまうかもしれないですけど、それは飲み需要しかなければ折れてしまうところが、カフェだったら保つかもしれないじゃないですか。
だから、そんな収入源を多様化していく、これも大事ですよね。
田村:そうですね。なるほど。例えば2つの収入源というか複数の収入源を作っていくというのはすごい大事という話なんですけど、やっぱり初めての企業さんってそこまでどうやったら収入源を作っていくかって考えるのなかなか難しいじゃないですか。
まず具体的にどういうところから始めたら収入減を複数確保できるみたいな考えに至れますかね?コツみたいなものあるんですかね?
高木:難しい質問ですよね。
田村:やっぱりすごい気になるところなんです。
高木:でも今までもこういう複数の収入の柱を持つという考えというのはわりとオーソドックスな考えなんですよ。
ただ、従来の複数の収入源を持つという考え方というのは、店舗ビジネスでいうと、例えば3店舗持っているとしたら、その3店舗をそれぞれ1店舗ずつ違うことをやろうみたいな、そういう考え方だったんですよ。
だけど、今の時代というのは当然3店舗あったら3店舗でそれぞれ別の事業やっていたほうが環境変化に強いんですけど、1店舗の中でも複数の収入の柱を持っていたほうが望ましいわけですよ。
田村:なるほど。
高木:これはやっぱりその経営者がどういったことができるかで変わってくると思うんですよね、何ができるかというのは。
田村:その経営者の強みというか。
高木:そうですね。ただ、そういう観点を持っておかなきゃいけないということですね。
そこの1店舗の中でも違う収入の柱を作る、という。
例えば、私が関わっている会社で言うと、コーヒー屋さんがあるんですけど、そこはまずコーヒーのイートインがありますね。
その他にコーヒー豆の通販もやっているんですよ。あとはコーヒー教室をやっている。
つまり収入の柱が3つある、それぞれ顧客の利用用途とか顧客層が変わるわけですから、ただのコーヒーのイートインだけの店よりも強いじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:その店もどうやったら収入を複数作れるかという観点で、頑張ってそういう体制を作っているわけですよね。そういった考えをまず前提として持つことが、これからは大事な時代ですね。
田村:経営者自身がやっぱりそういうことを複数考え続けるということが大事なんですね。
高木:はい。
田村:なるほど。高木さん、最後に何かこの質問に対して言いたいこと、まとめをお願いします。
高木:今お話したのは、固定費を減らすということと、複数の収入の柱を持つということの2つでしたが、あともう1つお伝えするとすると、資金的な余裕を持っておくということだと思いますよ。
田村:と言いますと?
高木:店舗ビジネスってまず投資をして、それを何年かかけて回収するモデルなわけです。これまでは店舗拡大しないと会社が成長しないというので、店舗展開の速度が結構早くて、皆さんお金をたくさん借りて出店を加速していくわけですよ。
だから積極的に店舗展開している会社って、財務基盤が結構弱いんですよね。
でも今は、何か起きた時に結局最も強いのは、それに耐えうる財務基盤を持っていることじゃないですか。
田村:財務基盤というとお金が出ていかない仕組みということですか?
高木:お金をたくさん持っているということですね。赤字になっても耐えられる資金を持つということですね。
だから、店舗の展開スピードもやっぱり考えなきゃいけないですし、それこそ他人のお金を活用するフランチャイズシステムの活用とか、独立者の資金を使うのれん分けとか、そういったものを上手く使いながら会社の資金を蓄えて増やしていきながら店舗展開を進めていく、ということが大切ですよね。
そういったところも含めて、今後の店舗展開を考えてもらえると良いのかなと思います。
田村:なるほど。ありがとうございます。ポストコロナ後の店舗ビジネスが発展していくための条件。今日は大事なお話ありがとうございました。
高木:はい、ありがとうございました。
田村:高木さん、それではありがとうございました。
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