「フランチャイズ展開する際の条件みたいなものはあるのでしょうか?」
これは、先日弊社にご相談に訪れたラーメンチェーンを営む経営者からのご質問です。
フランチャイズシステムとは、本部が展開する事業のビジネスモデルを加盟者に提供し、その対価として加盟金やロイヤリティを徴収する仕組みです。
本部は、加盟者から加盟金やロイヤリティ等の対価を受け取るわけですから、本部が加盟者に提供するサービスとなるビジネスモデルは、加盟者に一定の利益をもたらすものでなければなりません。
フランチャイズでトラブルが生じる最大の原因は、“加盟店が儲かっていないこと”に起因します。
そこから派生して、
・スーパーバイザーの指導が不十分だ!
・本部からの説明は嘘だらけだ!
・本部から何のノウハウも提供されていない!
などといったクレームが噴出してくるのです。
裏を返せば、加盟店が儲かってさえいれば、多少本部に不備があろうとも、加盟店からクレームがつくことは稀です。
ですから、フランチャイズ本部としては、高い確率で加盟店が収益を上げられるよう、本部のビジネスモデルを磨き込むとともに、フランチャイズ展開可能性を検証しておく必要があるのです。
なお、フランチャイズ本部構築の進め方や成功のポイントについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。
FC展開について詳しく知りたい方は、弊社YouTubeチャンネルをご覧ください。
フランチャイズ展開可能性検証の6つの視点
フランチャイズ展開可能性を検証するにあたっては、以下の要素から自社ビジネスモデルを検証してみることをおすすめします。
➀収益性
- ロイヤリティ等、フランチャイズ加盟後に生じるコストを差し引いても加盟者が投資に見合う収益性を確保できること。
- 目安としては、ロイヤリティ等のフランチャイズ加盟後に生じるコストを差し引いた営業利益率で10%前後。投資回収期間は5年以内必須で、3年以内がベスト。
- ただし、法人を加盟対象とする場合で、長期安定的な売上が認められる場合には、投資回収期間が5年以上でも可。
➁成長性
- 展開しているビジネスの市場に将来性があること。
- ブームを対象にした商売や斜陽産業ではないこと。今好調であったとしても、数年後に業績が落ち込むような業態はFCには向いていない。
③独創性
- 第三者が容易に真似できるビジネスモデルでないこと。
- 真似が容易なビジネスモデルの場合、展開が進むにつれ類似店舗が多数出現し、競争力を維持できなくなるケースが多い。
④運営難易度
- 当該ビジネスの素人でも早期にノウハウを習得でき、一定品質の運営が可能であること。
- 職人技が必要なビジネスモデルの場合、運営品質にばらつきが出やすく、結果的にフランチャイズチェーンの競争力を維持しにくい。
⑤成功の再現性
- 成功に再現性がある(成功がまぐれではない)こと。すなわち、本部が定める基準で出店すると、7割以上の確率で黒字化できること。
- フランチャイズ業界では、3店舗の直営店を2年間継続した実績が目安と言われている。ただし、環境変化が早い現代では、2店舗1年程度でフランチャイズ展開しているケースもある。
⑥店舗展開可能性
- 最低50店舗程度は展開可能な市場があること。その程度の出店余地がなければ、フランチャイズシステム構築に対する投資回収が難しい。
- 主要都市でしか成立しないビジネスモデルは出店可能店舗数が限られるため、フランチャイズシステムを導入するメリットが少ない。
- 地域の嗜好に特化したビジネスモデル(地域グルメ等)は、その地域外で同様の実績をあげられるか未知数のため、他地域で通用するかどうかを検証した上で出店する必要あり。
まとめ
以上が、フランチャイズ本部構築に着手する前に、本部が満たしておくべき条件となります。
これらを満たせていない状況でフランチャイズ展開を進めてしまうと、加盟店を不幸にすることはもちろん、本部も多くのトラブルに巻き込まれ、結果として不幸になることとなります。
ですから、上記について現段階で不十分な点があるのであれば、フランチャイズ展開前に、ビジネスモデルの見直しやブラッシュアップをしておく必要があるでしょう。
フランチャイズシステムづくりと並行して、ビジネスモデルの磨き込みを進めていくのでも一つの選択肢とも言えます。
無料資料ダウンロード
FC本部立ち上げを進めていく際の手順やポイントをまとめた資料を無料進呈しています。宜しければ、下記よりダウンロードください。
セミナーのご案内
店舗ビジネスの多店舗展開やのれん分け・FCシステム構築を進めていくため、具体的にどう取り組んでいけばいいのか、どのような点に留意すべきか等を分かりやすく解説する実務セミナーを開催しています。
セミナー一覧ぺージへ