ネットラジオ『多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所』は、弊社代表の高木と社労士の田村陽太が、飲食店、整体院、美容院等の様々な店舗ビジネスの「多店舗展開」を加速させるために重要な事を対談形式でお話しするラジオ番組です。
第85回 『経営を長期間継続していくためのポイントを教えてください。』というテーマで店舗ビジネス専門コンサルタントの髙木悠が熱く語ります。
【ハイライト】
・経営を行っていく上で重要な「お金」のマネジメント方法について
・「内部留保は悪い」の真偽について語る
・「徹底的な節税対策を行う事が会社経営に影響する」とは?
・会社が長期間持続する事が一番の社会貢献である論
・会社が将来どうなっていきたいかを常に真剣に考える事の重要性
・個店経営と多店舗展開、どちらが会社にお金が貯まりやすいかを語る
多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所。この番組は株式会社常進パートナーズの提供でお送りいたします。
店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠が最速・最短で年商30億、店舗数30超を実現する実証されたノウハウをコンセプトにのれん分け制度構築、FC本部立ち上げ、立て直し、人事評価制度の整備など飲食店、整体院、美容院などの様々なビジネスの多店舗展開を加速させるために重要なことを対談形式で分かりやすくお話しする番組です。
田村:こんにちは。パーソナリティーの田村陽太です。配信第85回目となりました。本番組のメインパーソナリティーをご紹介します。店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠さんです。よろしくお願いします。
高木:よろしくお願いいたします。
田村:高木さん、今日も頑張っていきましょう。
高木:はい、お願いします。
田村:本日のテーマはこちらとなっております。「経営を長期間継続していくためのポイントを教えてください。」ってことなんですけど、これは独立したての方の質問なんですかね。
高木:これはどういう観点からお話していくかによって結構変わると思うんですよ。経営をしていく上で、本当に重要なポイントって、今の時代でいくと「人」のマネジメントと「お金」のマネジメントだと思うんですよね。あんまり私の番組の中でお金の話ってしていないと思うんで、今日はだからお金の話をやってみたいなと思っています。
田村:お願いします。
高木:経営を長期間続けていこうとなると、特に今の時代もそうなんですけど、経営環境がすごく不確実な時代になっているじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:いつ何が起きるかわからない時代になっていて、その中で10年20年とか続いていくわけですよ。その環境変化に耐えられる状態を作っていくっていうことが重要じゃないですか。何が大事かって言ったら、まず会社の財務基盤、これは固めていかないとやっぱり駄目ですよね。
田村:はい。
高木:コロナでもそうなんですけど、結局コロナはまだ続いていますけど、今までずっと頑張っている会社と、残念ながら撤退してしまった会社とあるわけじゃないですか。何がやっぱり物を言っているかというのは色々あるんですけど、結局まずどれだけ今まで蓄えをしてきたかどうかですよね。
田村:なるほど。
高木:これ面白いもんで、何か内部留保=悪いみたいなのって何かちょっと聞いたことないですか。
田村:何かイメージありますね。その分人件費として還元しろみたいな事ですよね。
高木:そうそう。人件費として還元しろよとか、たくさん資産を持っているのなら、それをもっと違う事業機会に投資して、もっと効率的にお金を使うべきみたいなことです。特に現金を会社がたくさん持っているのは、すごく良くないみたいに言われる風潮もあったりするんですよね。
田村:ありますね。
高木:でもなんか僕たちみたいなコンサルって過去の時代のこととかも勉強するわけじゃないですか。結構面白いのは、大体不況になると「お金を持ちなさい」ってみんな言うんですよ。というのはお金持っているかどうかが、要は成否を分けるわけじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:だけど、景気がよくなると、お金を持つことが「悪」になるんです。わかりやすいですよね。お金を投資すれば、だから他にもお金が生まれるわけです。典型的なのはバブルのときですよね。そのお金を持っているぐらいだったら、そのお金で借金をどんどんして、不動産買えみたいなね。
田村:はい。
高木:それが繰り返されているんですよ。お金持っていることが良い、悪みたいな感じです。で、今になっているわけじゃないですか。結局どっちなのっていう話なんですよね。僕から言わせたら、「お金は持ってなきゃ駄目ですよ」っていう話です。
田村:なるほど。
高木:しかもその理由は、もう冒頭お話しましたけど、昔と違って今はもうIT化が進んでいたり、グローバル化が進んでいたりして、もう環境変化が急に起きるから、いつ何が起きるかわかんないじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:それに耐えられる事業体制っていうのを作らなきゃいけないんだけど、最もわかりやすいものは、お金をいくら持っているかっていう事なんですね。でもこれがかなり軽視されている気がするんですよ。
田村:なるほど。
高木:例えば、田村さんのクライアントとかで、税金をすごく気にしている社長とかいませんか。
田村:いますね。本当に年度末とかになってくると、法人税や所得税やらって言って、「やっぱりこれも経費になるんじゃないですか」みたいな感じですごく買っちゃう社長さん、いますね。
高木:それ、ありますよね。やっぱり多いんですよ。普通だと思うんですよ。僕も当然税金払うのは嫌だし、昔は税金を気にしているときっていうのもあったんですよね。だけどこれは財務とか会計の勉強をしたらよくわかるんですけど、会社にいくらお金があるかっていうのが、最もわかりやすい会社の信用度なんですね。
田村:はい。
高木:銀行の方がお金を貸すかどうかっていう判断をどこでしているかって言ったら、今儲かっているかどうかもそうなんですけど、それ以上に結局お金持っているかどうかなんですよ。例えば不動産とか、ものすごく価値のある不動産を持っていたらお金を貸してくれるんですよね。そこを見ているんですよ。
田村:はい。
高木:そこの会社の信用度を決める、いわゆるその資産、純資産とかって言うんですけど、そこを増やしていくためには、税金を払うしかないんですよね。
田村:BS見たらそうですもんね。
高木:そうそう。今BSと言いましたけど、貸借対照表を見ている社長ってめちゃくちゃ少ないんですよ。税金のことばかり気にするじゃないですか。でも基本的にその節税策ってお金がなくなるものしかないんですよね。だから節税策ばっかり意識してそんなことばっかりやっていると、会社はいつまでたっても体力がつかないんですよね。
田村:なるほど。
高木:だから、まさに長期間で経営を継続するっていうのが今日のテーマですけど、もう逆行しているんですよ。僕は会う社長に結構お話するんですけど、中小企業の社長も注意しなきゃいけないことだと思いますね。
田村:確かにそれはありますね。ちょっと二つ質問してもいいですか。最初の質問なんですけど、例えば先ほどお金を持つことって「悪」っていう風に思われるっていうところがあったじゃないですか。
高木:はい。
田村:要は会社でお金それだけいっぱい持っているんだったら他の事業に投資しろとか、人件費を払えとか、社会的なSDGsというようなそっち系にお金を投資しろみたいなのがあるじゃないですか。だけど何かそういう風な、やんや言われる状況の中で、お金を保持することって、なかなか難しいのかなって思ったりするんですけど。会社として強い信念を持って内部留保を蓄えておく為に重要なことは何でしょうか?これがまず1個目の質問です。
高木:結局その会社として何を一番重視するかが大事ですね。これが例えば上場企業だったら、それだけ株主に還元しなきゃいけないから、短期的な利益ってどうしても追わなきゃいけないですよね。
田村:はい。
高木:だけど上場していない会社の場合って、結局目指すのは社長もしくは株主がどうしたいかってところに尽きるんでしょうけど、僕はやっぱり関わる方々の幸せとかを考える上で何よりも重要なのはやっぱり「継続」することだと思うんですよ。
田村:なるほど。
高木:でも会社が結局なくなっちゃったら、何にもないじゃないですか。短期的に給料がすごく高くても、もしくは短期的にめちゃくちゃ社会貢献していても、結局トータルで見たときに、会社が継続している程社会に貢献することってないと思うんですよ。
田村:はい。
高木:だから、会社が継続していくために一番大切なことは何なのかっていうことを考えなきゃいけないと思うんですよ。僕は経営環境が不確実になっているから、よく進化論とかでも言うじゃないですか。一番強い生き物が、生き残るんではない。環境変化に適応できるような生き物が生き残っていくわけじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:だから結局環境変化が激しくなっているんだから、その環境変化に対応できる会社にならなきゃいけないのでそういう事業構造を作っていかなきゃいけないし、でも事業構造じゃ限界があるじゃないですか。例えばコロナとかね。
田村:はい。
高木:だからお金を持ってなきゃいけないっていう話です。だからそこはもう経営を継続するっていう明確な強い信念のもと、意図してやっていかなきゃしょうがないですよね。
田村:確かにそうですね。もう会社がいるだけでもその社会のためになっているのであれば、別に外部からそんなこと言われたとしても、自信を持って会社経営ができるんだなってすごく思いましたね。
高木:そういう事ですね。
田村:ありがとうございます。二つ目の質問です。高木さんも僕も結構質問が経営者からあると思うんですけど、会社の利益を残しておくことによって、銀行さんからお金借りられるし、決算書もよく見えるし、そしたらお客さんからも良いように見えるのでいい所もあると思います。
高木:はい。
田村:税金って要は払ったら何も直接的な対価がないじゃないですか。回りまわって還ってくるものじゃないですか。節税するためには小規模事業共済とかだったら退職金としてもらえるし、ふるさと納税だったら何か返礼品もらえる等、人にすぐ返ってくるじゃないですか、何かしら対価が。
高木:はい。
田村:税金払うのは無駄じゃない?という風に思う社長さんっていっぱいいると思うんですけど、それを強い気持ちを持って「税金払うことはいいことだ」っていう風に思えるポイントってあるんでしょうか?
高木:まずは税金払うことが社会貢献だっていう前提があるじゃないですか。だけどそれは一旦置いておきましょう。一旦置いたときに、そういう小規模共済って経営者に対する保険みたいなものじゃないですか。こういうのに対して計画的に積んでいくっていうのは、別に僕はいいと思うんですよ。
田村:はい。
高木:問題なのは、過度な節税ですよね。例えば必要もないのに車を買い換えるとかのお話です。確かに車買った方が払う税金は減るかもしれないですよね。だけど本来、要するに車を買わなければ残っただろう現金だけを見ると、車買った方が明らかに減っているじゃないですか。その事実は間違いないですよね。
田村:そうですね。
高木:そうそう。だから言ってみれば、税金を払いたくがないために、必要もないものを買って、それが会社の信用を落としているわけですよね。本当にその車が必要だったらいいんですよ。だからそういう観点で考えていただければいいと思うんですよ。
田村:なるほど。
高木:例えば「今期利益が出ています。来期車を買う予定があります。前倒しで買うか。どうせ必要だし。」という感じなら、これぐらいだったらいいんじゃないですか、経営判断として。
田村:はい。
高木:だけど、「なんかすごい利益出ているね。どうする?何か車買おうか。」とかは良くないですね。あと本当によくないなと思うのは、「謎の節税パッケージ」みたいな、よくわかんないものを買っていたりするケースや投資しているケース。もう僕はこういうのは徹底的に反対派なんですよ。
田村:はい。
高木:謎なものに投資して、会社の現金、純資産を減らして、会社の信用を落としているんです。結局それって働く人にとっても不幸になる可能性があるじゃないですか。と考えたらどうですかっていうことだと思うんですよね。
田村:そうですね。
高木:さっきお話しましたけど、とにかく貸借対照表とか、損益計算書を勉強している社長ってわかっているんですよね。税金を払わない限り、純資産が増えないから、会社の信用は上がりませんって、勉強するとわかるじゃないですか。税金を払いたくないっていうのはいいと思うんですけど、それをやっている限り信用が増えないから、長期的な経営を持続していくっていうのは可能性下がりますよっていう事じゃないですか。
田村:確かにそうですね。ありがとうございます。結構もう時間が近づいてきたんですけど、最後に1個質問したいです。結構飲食店とか、老舗で50年ぐらい続いてる洋食店とか結構あったりして、もうずっと残っている飲食店もあるじゃないですか。
高木:はい。
田村:そういう風に細々と一店舗の老舗でずっとやってきた方がお金も内部留保も貯まるかなというところもあるかと思います。今回私達が取り扱う多店舗展開って言うと3店舗5店舗ってお店を増やしていく事じゃないですか、単独店舗でやっていくのと、複数店舗でやっていくので、内部留保の仕方っていう観点で見ると、どちらもお金は貯まりやすいのかなって気はしたんですけど、経営者はどっちの道を選んでいった方が、お金が貯まりやすいのかなっていう決め手というかどうやって進んでいったら良いかみたいなポイントはあるんですか。
高木:店舗ビジネスで非常に難しいポイントがあって、それは多店舗展開をしていこうとすると、必ずその投資が先行するんですよね。必ず投資が先行して、その分の投資って借り入れとかで賄うじゃないですか。だから、店舗ビジネスって、多店舗化していこうと思ったら、絶対的に財務基盤が弱くなっていくんですよ。
田村:なるほど。
高木:純資産の割合が減っていっちゃうんですよね。それを何年かかけて回収していくじゃないですか。通常でいったらどんなに短くても3年とか5年とかで回収していくわけです。でも3年とか5年に1店舗しか店舗を出せなかったら、10店舗やるのにもう30年とかかっちゃうじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:だからどんどん出してきますよね。そうすると絶対財務基盤が傷んでいくんですよ。特に飲食業なんかは、やっぱりそういう傾向強くて、どんどん借金して出していくみたいな感じですね。だからコロナとか起きたときにやっぱり弱いんですよね。
田村:なるほど。
高木:結構難しいです。でも1店舗だけで言うと、当然投資回収した後はずっと純資産が増え続けていくわけだから、効率はいいかもしれないですよね。でもそれだけでやっていると、社長が自分で働いている分にはいいけど、社員の幸せを生み出せないじゃないですか。
田村:確かにそうですね。
高木:そう。そこはそこで問題があって、店舗を増やし続けなきゃいけないんですよ。だけど店舗を増やし続けていくと、財務は絶対に傷んでいくんです。ですので、解決策として僕は二つしかないと思っていて、投資回収に合わせたペースで出店をしていく、直営店舗で。
田村:はい。
高木:要は出店速度をそんなに速くないペースで出していくか、あとは他人資本を活用するフランチャイズシステムを使うかの2択ですよね。だから着実に成長していきたいんだったら、直営モデルでもいいかもしれないですね。二、三年にいっぺん出していく。
田村:はい。
高木:それが厳しいなって思ったら、フランチャイズシステムを活用して人のお金を使って店舗を増やすのが良いですね。本部の財務っていうのは全く痛まないですね。
田村:そうですね。
高木:だから僕たちがのれん分けシステムとか、小さくフランチャイズシステムを活用することをおすすめしているのは、もうこれが理由なんですよね。
田村:確かに直営だとわかんないですもんね。投資した分ちゃんと売り上げが返ってくるかもわかんないけど、先行投資しなきゃいけないっていう見えないところもありますからね。
高木:そうじゃないですか。だからあとは環境変化が起きて売上が下がったときに、家賃とか人件費の負担も本部がしなきゃいけないですけど、フランチャイズの場合っていうのは加盟店が負担してくれるし、中小企業の支援策もいっぱいあるじゃないですか。補助金とかコロナ融資とか。
田村:そうですね。
高木:ああいうのも、フランチャイズの場合だったら会社ごとに使えるし、そもそも会社の数だけ、グループ内に社長がいるから、強いじゃないですか。
田村:なるほど。覚悟を持った人たちが運営していますからね、皆さん。
高木:そうなんですよ。だから今日は財務基盤をどう固めていくみたいなお話をしましたけど、財務基盤を固めていくっていうところと、あともう1個はフランチャイズシステムを店舗ビジネスで取り入れる。これが今後経営を持続していく上で本当に重要なポイントだと思うんですよね。
田村:ありがとうございます。本日は、経営を長期間継続していくためのポイントについてお話いただきました。ありがとうございました。
高木:ありがとうございました。
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