ネットラジオ『多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所』は、弊社代表の高木と社労士の田村陽太が、飲食店、整体院、美容院等の様々な店舗ビジネスの「多店舗展開」を加速させるために重要な事を対談形式でお話しするラジオ番組です。
第69回 『上手く店舗をマネジメントできない店長がいるのですが、どのような指導やサポートをすればよいでしょうか?』というテーマで店舗ビジネス専門コンサルタントの髙木悠が熱く語ります。
【ハイライト】
・店長が成果を出せない真の理由は「従業員との関係性」にあり
・「言っていることが正しい人」よりも「誰が言っているか」の方が重要である論
・従業員との信頼関係を築く上で意識すべき事
・従業員との個人面談で話すべき内容と意識すべき姿勢
・話好きな店長が相手の話を関心持って聞けるようにするためには?
・経営者や管理職が店長を指導する際に大切な事
多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所。この番組は株式会社常進パートナーズの提供でお送りいたします。
店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠が最速・最短で年商30億、店舗数30超を実現する実証されたノウハウをコンセプトにのれん分け制度構築、FC本部立ち上げ、立て直し、人事評価制度の整備など飲食店、整体院、美容院などの様々なビジネスの多店舗展開を加速させるために重要なことを対談形式で分かりやすくお話しする番組です。
田村:こんにちは。パーソナリティーの田村陽太です。配信第69回目となりました。本番組のメインパーソナリティーをご紹介します。店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠さんです。よろしくお願いします。
高木:よろしくお願いいたします。
田村:高木さん、今日も頑張っていきましょう。
高木:はい、お願いします。
田村:本日のテーマは、こちらとなっております。「上手く店舗をマネジメントできない店長がいるのですが、どのような指導やサポートをすればよいでしょうか?」ということなのですが、要はダメ店長という事ですね(笑)
高木:ダメまでいかないかもしれないですけどね。僕はすごいダメでしたけど(笑)
田村:そうですか。これはあるのですか?高木さんの今までのご経験としてちょっと教えていただきたいです。
高木:いやあ、これはやっぱり店長としては難しい問題ですよね。まずなかなか結果が出せなくて悩んでいる店長を、一人前の店長というか結果が出せる店長に育てていくってことじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:これはかなり難問ですよ。まず私が思うのは、店長として何故うまく店舗をマネジメントできないのかっていうところの原因を考えなきゃいけないと思うんですよ。
田村:具体的にそれはどういうことでしょうか?
高木:これ正解はないと思うんですけど、僕が思うのは、成果が出せないからといって、成果が出せない店長って従業員さんに対して何か言ったりするわけじゃないですか。その時に間違ったこと言っているのかっていったら、多分そうじゃないと思うんですよ。
田村:はい。
高木:でも結果が出ないっていうことは、多分そのスタッフをうまく動かせないんだと思うんですよね。だけど、基本的に間違っていることを言っているわけじゃないと思うんですよ。
じゃあなんでうまくいかないの?なんでスタッフが動かないの?という話になると、前提として信頼関係っていうのができてないんじゃないかなと思うわけですよ。
田村:その信頼関係っていうのは店長さんと従業員さんの関係という事ですよね。
高木;そう。店長とかスタッフの関係、まずそういう信頼関係という土台があって、その上で店長はこういう風にしていこうよとか、こういう風にやってくれっていうお話があって、それを聞く姿勢、聞く体制が相手にできるわけじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:だけど、信頼関係がなかったとしたら、いかにその店長が正しいことを言ったとしても、そもそも相手に聞く姿勢ができてないんですよね。だから言ったとしても上手く動かないっていう事象がよく起きるのです。
田村:なるほど。
高木:で、何が言いたいかっていうと、店長としてスタッフを動かせるかどうかって、言っていることが正しいかどうかじゃなくて、「誰が言っているんですか?」っていう方がより重要であるっていう話です。
田村:格言ですね。
高木:そんな気がするんですよ、僕は。しかも「ああいう風にやった方がいい、こういう風にやった方がいい」なんていうのに正解なんかないわけじゃないですか。
田村:そうですよね。
高木:そう。だからいかに変なこと言っていても、店長と従業員さんとの間で、すごく厚い信頼関係が築かれているのであれば、多分言うことを聞くのだと思うんですよね。
田村;確かにそうですよね。ちゃんとこの店長さんが頑張っているから、僕も頑張ろう、私も頑張ろうっていう気になりますからね、やっぱり信頼関係があれば。
高木:そう。そこの信頼関係がおそらくできてないんだろうなと思うわけですよ。
田村:確かにそうですよね。ありがとうございます。この前の回で高木さんが店長としてやるべきことみたいな話を四つぐらいあげていたじゃないですか。信頼関係を築くために店長さんがまずやるべきことって何かあったりするんですか。
高木:この間お話した、言っていることとやっていることを一致させるとかそういう話も当然そうなのですけど、それとはまた違ったお話でいくと、やっぱり信頼関係っていう観点でいったら、その店長と現場のスタッフのまずコミュニケーションを改善していく必要があると思うのですよね。
田村:なるほど。
高木:特にコミュニケーションを改善するってどういうことかっていうと、二つしかないわけじゃないですか。コミュニケーションの「質」を高めていくっていう話とコミュニケーションの「量」を増やしていくっていう話の二つしかないですよね。
田村:確かにそうですね。
高木:この「質」を高めるっていうのは結構難しい話じゃないですか。店舗をうまくマネジメントできない店長をサポートしていくという観点で考えると、まずコミュニケーションの量を確保するようなサポートをする方がファーストステップだと思うのですね。
田村:なるほど。
高木:コミュニケーションの量はやろうと思えばできるじゃないですか。僕が必ず店舗マネジメントがうまくいかない店長や経営者とかに言うことなのですが、うまくスタッフとか、部下とかをマネジメントできてないなと思ったら、もう最初にやるべき事は個人面談だと思っているんですよ。
田村:はい。
高木:個人で、まずは例えば月に1回とか、普段は正直10分とか15分とかでもいいんですよ。必ずその時間を取ること、これによってまずコミュニケーションの絶対量を確保するっていうことですよね。
田村:なるほど。個人面談で10分15分話すじゃないですか。面談の内容ってやっぱり決めておくべきなのですか?それとも雑談とかでもいいですか?
高木:だから当然そのコミュニケーションで話すべき内容っていうのはあるんですよ。まず個人面談さえできてない状況であれば、個人面談をまず月1回、これ最低月1回ぐらいだと思いますね。この時間を確保するっていうことをまずやらせるのが大事です。
田村:はい。
高木:その次にこの「質」、内容の話になってくるわけですよね。ここも別に仕事の話でこういう風にするのかとか、どういう風にすべきかというそんな話あるじゃないですか。最初はそんなことしなくていいっていう話なのですよ。
田村:はい。
高木:何故かと言うと、さっきお話があったように、店長とかリーダーが言っていることが正しいか正しくないかなんて話は、相手にとってあまり関係がないんですよ。
田村:そこに繋がるんですね。
高木:そう。相手は誰が言っているのかっていうところを重視しているわけじゃないですか。だから店長とスタッフの信頼関係を作るためのコミュニケーションなんですよ。田村さんはどんな人だったら好きになります?
田村:やっぱり自分に対して質問してくれたりとか、自分が喋ったことに対しても「何それ?もっと詳しく教えて」とかノッてくれるような方とかが良いですね。
高木:いいですね。それなんですよ。まさにそれで、相手に興味を持って、相手の話を9割聞くっていう話。まずはこれだけでいいんじゃないですか。とにかく、何の仕事の話もしなくていいから、例えば時間が30分だったら9割、だから27分ひたすら「最近どうなの?」みたいな話をするのです。
田村:はい。
高木:そこから、そのスタッフがどんなことに今興味持っているのかとか、どんな事に悩んだりするのかとかそういったことをただひたすらプライベートの話とかでいいので、関心を持って聞きまくる感じです。それをずっとやっていって、残りの3分とか5分ぐらいになって余裕があれば、その店長、リーダーが「こういう風なお店にしていきたいと思っていて、あなたにはこんなことを期待していますからね」くらいの話をちょっと最後にして、終了というイメージです。
田村:なるほど。結構仕事の話中心じゃなくて、本当に相手とのコミュニケーションっていうのに重きを置くのがやっぱり大事なのですね。
高木:そうそう。僕スーパーバイザーという仕事やっていて、スーパーバイザーって一見経営指導員とかいうので、相手に指導するとかアドバイスするみたいな、論理的に正しいことを言って相手に言うことを聞かせるみたいなイメージってあるわけですよ。
田村:ありますね。
高木:そういうアプローチすると大抵上手くいかないんですよね。結局論理的に正しくても、気持ち的に受け入れられないみたいのってあるじゃないですか。だからそれは全く機能しないのだなっていうことをすごく体感したんですよ。
田村:はい。
高木:逆にどんなに論理的に破綻していても、「いやあ、お前のことが好きだから、なんか納得いかないけどやるよ」っていう人もかなりいるのですよ。
田村:そうなのですね。
高木:そこで何が起きているかって言ったら、信頼関係ができているからじゃないですか。店長の役割って結局そういうことですよね。スタッフとの信頼関係を作って、会社の方針とか店長がこうあるべきだっていう方向に進ませるっていうのが役割だから、正直手段は何でもいいんですよ。そのためには信頼関係があるっていうのが一番早いです。そのためのコミュニケーションを取る質と量を高めていくっていう話ですよね。
田村:確かに。ありがとうございます。ちょっと1個興味本位で聞きたいんですけども、多分そういう店長のようなお仕事って、やっぱり人の話を聞くことが好きな方だったら結構苦もなくできると思うんですけど、結構自分の話をしたいみたいな店長もいるじゃないですか。
高木:はい。
田村:そうなった場合、面談で「どうなの?最近どうなの?」って興味本位で聞くのも結構つらい方もいらっしゃると思うのですね。どうやってスタッフのことに関心持っていけるようになるかみたいなワンポイントがあったりしますか。
高木:それこそまさに経営者とかマネージャーがサポートする範囲だと思うんですよね。
その人のパーソナリティっていうところで、何か話したがるみたいなことってあるわけじゃないですか。
田村:はい、本当はね。
高木:違うんですね。個人面談でやることっていうのは結局相手の信頼関係を築いて、こちらの言うことを実行してもらうっていうところがゴールじゃないですか。これ、仕事なわけですよね。
田村:はい。
高木:その中でやるべきコミュニケーションっていうのは、別にその人の話したいことを話すってことじゃないじゃないですか。そうじゃなくて、信頼関係を作るっていうフェーズはさっき僕が田村さんに質問しましたけど、「あなたはどんな人だったら好きですか?」って聞いたら、話好きなのだから聞いてくれる人が好きに決まっているじゃないですか。だから時間が10割あるとしたら、9割は相手に話させるんですよっていうのがもうルールなわけじゃないですか。
田村:それが仕事であると。
高木:そう。そういうサポートをすることを指導するのがマネージャーとか経営者の役割じゃないですか。
田村:そうですよね。そういうのをちゃんと仕事としてちゃんとそれが店長の役割だよっていうのを伝えていくのが、その上の経営者の方とかがやっていくべきということですね。そこら辺が共有されずに店長さんがそういう仕事をやっていっちゃうと、ナアナアな面談になっちゃうんでしょうね、多分ね。
高木:そうですね。でもとりあえず面談をまずやるかやらないかで、かなりの違いが出るんですよ、どんな内容でもね。その後に9割話を聞いて、最後に何か仕事の話をするっていうのも、その店長の考えとか期待を話すだけじゃないですか。これをまず繰り返していくぐらいでいいわけですよね。
田村;なるほど。確かにそれ重要ですよね。
高木:はい。これをやったらうまくいくってわけじゃないですけど、個人面談をして、そういった相手に関心を持って信頼関係を築いていくって話と、この間お話したような、言っていることとやっていることを一致させるとか、人同士で違いを作らないとか平等に扱うみたいなところをちゃんとやっていけば信頼関係は育っていくわけですから、これができればおのずと結果が出せる店長になっていくはずですよ。
田村:なるほど。確かにそれは重要なことですよね。ありがとうございます。結構時間が近づいてきたんですけども、今までのお話で店長さんがやるべきことっていうところが結構系統立ってお話されて、店長さんとしてもこうやって頑張っていこうって話があったと思います。
高木:はい。
田村:その中で、より経営者や上の層の方が、店長をサポートする上で、さっき話し方とか、こういうような仕事だよっていうのを伝えるのも、上の仕事だという話もありましたけど、どんな形で経営者の方とかより上の管理職の方が、店長と接したらいいのかっていうワンポイントアドバイスを教えていただけたらと思います。
高木:あんまりうまくできないことっていうのを詰めたり責めたりするっていうのは良くないと思うんですよ。やる気がなくて、そうなっているっていうならわかるのですけど、僕もダメ店長だった時よくわかるんで、やる気はあるんだけどうまくいかなくて、うまくいかないから腐っていったりするわけじゃないですか。
田村:確かにそうですよね。
高木:やっぱりそれぐらい店長の仕事って難しいし、大変な仕事なわけじゃないですか。だからどんなに上手くいってなくて、マネージャーとか経営者から見たら「こいつダメだな」と思ったとしても、これはもうだいぶレベルが違う話なわけですから、ぜひ相手の土俵に降りていって頂いて、苦しんでいることとか相手が感じることに寄り添っていただき、その中で責めるというよりは相手に気づきを与えるようなご質問するとか、そんな関わり方をしてあげるといいんじゃないですか。
田村:答えを与えてあげるってよりかはこういう場合どうする?みたいなそういう質問とかをする感じですか?
高木:まずちゃんと受け入れてあげて、その中でそういう気づくきっかけですよね。「こうしろ」とかって言うんじゃなくて、もしくは「こうやってやったら?」っていうんじゃなくて、質問してみたりして相手に気づきを与えるきっかけなんかを提供してくといいんじゃないですかね。
田村:なるほど。ありがとうございます。なかなかそういう店長と経営者の方の関係って難しいなっていうところがありますけれども、高木さんのお話を聞いてそういう風にやっていったらいいのかって思われた経営者の方も増えたのではないかなって思います。
高木:はい。よかったです。
田村:ありがとうございます。本日は上手く店舗マネジメントができない店長にどのようなサポートをしたら良いかっていう話をさせてもらいました。本日はありがとうございました。
高木:ありがとうございました。
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