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【ネットラジオ】第14回 『フランチャイズのスーパーバイザー(SV)ってどんな役割を果たすのでしょうか?』

ネットラジオ『多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所』は、弊社代表の高木と社労士の田村陽太が、飲食店、整体院、美容院等の様々な店舗ビジネスの「多店舗展開」を加速させるために重要な事を対談形式でお話しするラジオ番組です。

第14回 『フランチャイズのスーパーバイザー(SV)ってどんな役割を果たすのでしょうか?』というテーマで店舗ビジネス専門コンサルタントの髙木悠が熱く語ります。

【ハイライト】

・SVならではの仕事の大変さ

・SVだからこそ求められる重要な役割

・加盟店の経営状況の把握のポイント

・「怪しいシグナル」 こそ現場で何か起きている証 ・加盟者を本部がしっかりと統制する方法


多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所。この番組は株式会社常進パートナーズの提供でお送りいたします。

店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠が最速・最短で年商30億、店舗数30超を実現する実証されたノウハウをコンセプトにのれん分け制度構築、FC本部立ち上げ、立て直し、人事評価制度の整備など飲食店、整体院、美容院などの様々なビジネスの多店舗展開を加速させるために重要なことを対談形式で分かりやすくお話しする番組です。

田村:こんにちは。パーソナリティーの田村陽太です。配信第14回目となりました。本番組のメインパーソナリティーをご紹介します。店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠さんです。よろしくお願いします。

高木:よろしくお願いします。

田村:今日の質問はこちらとなっております。「フランチャイズのスーパーバイザーってどんな役割を果たすんでしょうか?」という質問なんですけれども、本日はスーパーバイザーの話です。

高木:私はフランチャイズのスーパーバイザーを長いことやったんですけれど。

田村:そうですよね。その経験から語れるものがいっぱいあるっていうことですね。

高木:スーパーバイザーっていう仕事はもう本当大変な仕事なんですよね。まずこのスーパーバイザーの果たす役割というところなんですけど、まず大切なことは加盟店の利益をしっかり出してもらうこと、これは当然ですよね。

田村:そうですね。

高木:フランチャイズっていうのは、加盟店が儲かって、そこから一部をロイヤリティとして本部に払ってくれて、そのロイヤリティを元にまた本部がビジネスを開発して発展していくみたいなものなので、加盟店が儲からないと始まらないわけですよ。

田村:そうですね。

高木:まず加盟店の利益を増やしていくっていうところが最も大事な役割としてあるんですよね。これはコンサルタントと同じような役割なんじゃないですか、利益を出してもらうという事は。フランチャイズのスーパーバイザーっていうのは他にも役割があって、これが仕事としてすごく難しくするんですよ。

田村:それは何なのでしょうか?

高木:それは何かっていうと、本部の方針っていうのをしっかりと守りながら、加盟店に利益を出してもらわなきゃいけない。だから利益が出ればいいってもんでもないわけですよね。

田村:なるほど。

高木:店舗によっては、もしかしたら本部が作った、例えば販促物とかそんなものを配らない方が、利益が出るかもしれないケースってやっぱりあるんですよね。だけど、加盟店の利益も大切なんだけれども、フランチャイズチェーンとしての統一性みたいなものも大切じゃないですか。だからそこは守ってもらわなきゃいけないわけですよ。

田村:はい。

高木:加盟店の利益を最大化させていくっていうものがありながら、でも一方で本部として、守ってもらわなければいけないものは守ってもらう。ここを両立させていくっていうのがフランチャイズのスーパーバイザーの役割なんですよね。

田村:なるほど。ちょっと1個質問したいことがあるんですけども、スーパーバイザーの役割として加盟店の利益を出していくってところが大事だとおっしゃっていましたけども、加盟店の売上とか業種によって戦略も違うじゃないですか。それってどういう形で加盟店の売上を高めるためにやっていくのですか?ポイントはあるんですか?

高木:基本的な考え方っていうのは、今の店舗の状況っていうのが必ずあるじゃないですか。
抱えている問題だとか課題とか、店舗が置かれている状況なんかによっていろんなものがあるわけですよ。

田村:そうですね。

高木:その中で、この店舗だったら、こういうのをやったら売り上げが上がったり収益が上がるんじゃないかっていう、あくまで仮説なんですけど、それをまずはフランチャイズのスーパーバイザーが作るお手伝いをしなきゃいけないんですよね。

田村:そうですね。

高木:店舗で働いてるとどうしても視点が狭くなってしまうというか、競合店がどんな取組をしてるかを、なかなか現場入りながら見に行ったりできないかもしれないじゃないですか。そういったところをスーパーバイザーがサポートして、これが効果的だっていうような作戦を作って仮説として立てたら、加盟店としっかりと握って、それを実践していくわけですね。

田村:なるほど。

高木:実践して、現場でよくあるケースっていうのが「やったらやりっぱなし」。何か取組をやっても、その効果が出たのか出てないのかちゃんと振り返らないケースってよくあるわけですよ。そこをスーパーバイザーがしっかりと実践した結果がどうだったのかっていう振り返りをして、それを踏まえて先ほどの仮説に戻ってくるわけですね。

田村:なるほど。

高木:例えば当然、飲食店と学習塾ではそもそもビジネスが違うから、打つ策とかっていうのは変わるわけじゃないですか。だけど考え方っていうのは変わらないですよね。仮説を立てて実践して検証していくっていう一連の流れを回すお手伝いをするのがスーパーバイザーですね。

田村:なるほど。もう1個質問したいんですけど。高木さんはもうスーパーバイザーとして長い経験もあって、ご自身の経験がおありかと思うんですけど、店舗の人だったら、ずっとその店舗にいて、いろんなお客さんの事情とか、来店のいろいろ動向とかわかるかと思うんですけど、スーパーバイザーって四六時中店舗にずっといるわけじゃないですよね。ずっといるわけじゃないのに、店舗の売上状況を把握するのってどんなふうにして把握していくんですか。

高木:ですからその辺が、スーパーバイザーの腕の見せ所というか、ポイントになってくるんですけど、どうやって店舗の情報を報告してもらうかっていう話ですよね。例えば月に1回しか行かなくて、月に1回だけ現場見てるだけだとそれは当然わかんないじゃないですか。

田村:はい。

高木:ですけど、例えば毎日営業報告とかをメールで送ってもらうだけでも、その中に今日の振り返りとか所感を送ってもらって、それに対して毎日返信とかしてれば、その中である程度現場の状況とかっていうのはわかってくるわけじゃないですか。

田村:なるほど。

高木:現場で見るのが一番わかりやすいんですけど、別に情報収集の方法って、行くだけじゃないと思っていて。私がSVだった時は、今みたいにオンライン会議とかできなかったんで、私がやっぱりよくやってたのは電話ですよね。営業前に電話するとか、当然営業中では電話できないんですけど、飲食店でいくと、例えばその9時とか10時ぐらいになったら1回営業落ち着くんですよね。

田村:はい。

高木:そういったタイミングで店舗に電話して、営業の状況を聞いたり、目標達成の状況とかっていうのを聞いたりする、そういったそのコミュニケーションの頻度っていうのを上げていって、現場で何が起きてるのかっていうのを、都度仕入れていくという感じですね。

田村:なるほど。もう1個質問なんですけど、電話とかだと、声色とか話してる方の様子を伺いながら状況を把握するじゃないですか。加盟者って経営者なので、売上が上がってなくても、「いや、なんとかいけてますよ。」みたいに、もしかしたら本音を言わない可能性があるじゃないですか。高木さんが電話をかけるときに工夫していた事、電話かける時のコツを教えてください。

高木:やっぱり店舗に電話かけるっていうのがコツになるんじゃないですか。オーナーだけとかもしくは店長だけとかに電話するのだと、やっぱりスーパーバイザーに言いにくいことだって当然隠しますし、なかなか話せないこととかもあるじゃないですか。でもやっぱり現場のスタッフっていうのは正直ですよ。

田村:スタッフに電話するんですね。

高木:店舗に電話すればスタッフが出るわけじゃないですか。

田村:なるほど。
高木:別にその時にその人とそんな長い話するわけじゃないんですけど、スタッフが出て、ちょっと時間が空いてそうだったら、「営業どう?」とかってちょっとしたお話をするわけじゃないですか。

田村:そうですね。

高木:そういう反応なんていうのも結構大事な情報ですよね。例えばそのときに、本部としては、こういうことを徹底してやっていこうみたいな方針があったりするわけじゃないですか。私がスーパーバイザーとして電話して、オーナーとか店長が出なかったとしても、スタッフが電話に出て、「そういえばこれどう?」みたいな話をするわけですよ。

田村:はい。

高木:そのときに知らないとかが起きるとね、これは何か現場で起きてるわけですよ。
たまたま1回だったらいいかもしれないですけど、だけどそれが3回とか5回とか続くのだったらおかしいじゃないですか。

田村:そうですね。

高木:何か問題が起きてそうな店舗っていうのはわかってきますから、それをやってると。

田村:ちゃんとした答えが返ってこないとかそういうことですか。

高木:そう。だからスタッフによってばらつきがあるとか、もしくはスタッフがすごい不満そうな感じとかね。そういったところっていうのはやっぱり重点的に訪問するようにするんですね。

田村:なるほど。加盟店によって電話とかの回答の様子を見て、訪問回数を変えたりするのですね。

高木:そうそう。

田村:なるほど。スーパーバイザーって難しい職種ですね。今聞いて、改めてわかりました。

高木:そうなんですよ。スーパーバイザーっていうのはまずバランスをとらなきゃいけない。例えば本部が計画するマーケティングの施策みたいなものがあるじゃないですか。それが全部の加盟店にとってピタッとはまるっていうことはやっぱりないんですよ。飲食店で「フェアをやりましょう、ちょっと値段が安くなりますよ!」とかやるわけじゃないですか。

田村:はい。

高木:集客が増えるじゃないですか。普段空きがある店舗だったらその施策は嬉しいわけですよ。だけど、もう普段から繁華街にあってずっと満席みたいなお店からすると、客単価が下がるだけという事があるわけですよね。

田村:そうですよね。

高木:そう。それだけやっても客単価が下がるから利益はちょっと減ってしまうじゃないですか。でもそれを、その店舗だけやらないって認めてしまうと、今度はチェーン全体としてのイメージが悪くなるわけですね。全店でやるって言ってるのに、やってる店とやってない店があるとか最悪なわけですよ。

田村:そうですね。

高木:逆にやってる店とやってない店がありますって言ったって、わかりにくいじゃないですか、お客さんからしたら。だからそういうことを認めてしまうと、短期的にはその加盟店の利益って増えるかもしれないですけど、中長期的に考えたら損をする可能性ってあるわけじゃないですか。

田村:はい。

高木:だから、やっぱりそこは本部の言う事を聞いてもらわなきゃいけないですね。

田村:そこが本部のルールを守らせるという事に繋がるんですね。

高木:そうそう。そういうコミュニケーションをとって、結局は加盟店の利益を増やしながらも、本部の方針にはやっぱり従ってもらわなきゃいけないのです。それは短期的には加盟店の利益が減ることになったとしても、でも中長期的には増えるっていうお話ですね。これを命令ではなくてコミュニケーションでやってもらわなきゃいけないんで、難しいんですよね。

田村:めちゃめちゃ難しいですよね。コミュニケーションをする上で、やっぱり加盟店としては売上を上げたいし、そんな本部の方針に従ってられねえよみたいな事ってあるじゃないですか。そこら辺の折り合いをどうスーパーバイザーは加盟者を訪問して、加盟者を説得させるんですか。

高木:まず前提として絶対に無ければいけないのは、ロジックがしっかりしなきゃ駄目という事ですよね。相手が、「うちは普段から満席だから、別にそんなにやんなくたってお客さんは来るんだ。だからフェアやったら値段下がるから、利益減るでしょう?」と、こう言われたらそれはそれで筋通ってるわけじゃないですか。

田村:そうですね。

高木:だけど、さっき私も話しましたけど、それは個人店だったらそうなんだけど、フランチャイズチェーンっていうのは、チェーン全体のブランドイメージが悪化すると全体が衰退していくわけですよ。だから、1店舗の目先の利益を優先して、それぞれの店舗が好き勝手やったらちゃんと成り立たないでしょ?と。

田村:はい。

高木:だから今回は短期的には利益が減るかもしれないと。でもそれはフランチャイズチェーンに加盟して利益を得てる部分もあるわけじゃないですか。だからそこを守っていくためには当然そういう事が必要なわけです。

田村:そうですね。

高木:まずこういったロジックでちゃんと説明できる、これがもう前提なわけですよ。だから、「頼みますよ~。」みたいなのじゃ駄目なわけですよ。ロジックできっちりと説明するっていうところがありながら、でもやっぱり目先で利益が減るのがわかってたら加盟店の方も、そうやすやすと「はい、わかりました。」とは言えないわけですよ。

田村:いや、言えないですよね。売上を確保したいですから。

高木:はい。やっぱりその前提として、スーパーバイザーと、その加盟店との信頼関係がなきゃ駄目ですね。もう結局人と人の関係ですから、なんか気に入らないんだけど、「もうお前がそこまで言うならしょうがない。」っていう人間関係があるわけですよ。そこはやっぱり普段どれだけスーパーバイザーが経営者と接してるかが大事じゃないですか。

田村:そうですね。

高木:裏を返すとそういう関係をスーパーバイザーは作っておかなきゃいけないですよね。

田村:その加盟者の社長さんとですね。

高木:ロジックも大事なんですけど、ロジックだけじゃ人って動かないじゃないですか。
なんかこいつ気に入らないなって思われるわけですよ、ロジックだけで言ったら。「いやだからね、社長の気持ちは私もわかります。だけどそのチェーンとしてもそういう事情もあるのでね。」とそういった話をしながら、普段から一生懸命その店舗の経営のために頑張ってるSVが言うんだからしょうがないかと、なるわけじゃないですか。

田村:そうですね。

高木:これはいいですよね、命令してやらせるより。スーパーバイザーの力量で、信頼できるこいつがここまで言うんだったら、しょうがないからやるよと納得してくれる。だけど、俺が言ってることをちゃんと本部に言ってねと加盟者も言ってくるわけですよ。それはちゃんと「わかりました」と報告すれば良い。あとスーパーバイザーの三つ目の役割は加盟者との信頼関係構築にも繋がってるわけですよ。

田村:なるほど。高木さん、結構これいい話で、深掘りしてお話を聞いてるんですけど、時間が近づいてきました。よければ次回またそこら辺のコツというか制度作りのお話も深掘りできたらと思うんですけど、いかがでしょうか。

高木:承知しました。

田村:先ほど高木さんがおっしゃっていた、このスーパーバイザーだったら任せられるっていうコミュニケーション術みたいなところもちょっと僕が深掘りしたいなと思ったので、そこも合わせて次回にお話を聞いてもいいですか。

高木:はい、承知しました。

田村:高木さん、今日はありがとうございました。

高木:はい、ありがとうございました。
 

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