多店舗展開

人手不足時代を乗り越える人材マネジメントの在り方

ここ最近、人(従業員)についての相談を受けることが増えています。
具体的には、
①人が不足して困っている。何かよい方法はないか
②従業員の意識が低い。どのように育てていけばいいか
②従業員のモチベーションを上げるためにはどうすればいいか
といったものです。

ご存じのとおり、人材不足問題は飲食業界に限らす深刻化を増しています。東京オリンピック開催に伴う人手需要の増大、少子高齢化の進展などを考えると、今後、事態が深刻化していくことは明白です。多店舗展開やフランチャイズ化を進めるうえで、人に関連することは最大の課題になっていくはずです。

前提として抑えなければならないことは、そもそも人を採用すること自体が難しく、理想的な人材だけを採用することはほぼ不可能である、ということです。
多くの経営者から「人が採用できないから、やむを得ず採用している。もっと良い人材を採用したい」などと相談を受けますが、今の時代、理想的な人材だけを採用していくことは不可能なのです。
※もちろん、理想的な人材を集める手法はありますが、それを100%にすることは極めて難しい
ですから、いかに採用した人材を自社が理想とする人材に育てられるか、という点が今後の事業展開の鍵となってきます。

人材育成の手法には、現場指導、集合研修、コーチングなど様々な手法が存在します。どれも非常に重要なものとなりますが、ここで大切なことは“本質的な人材育成”と“付随的な人材育成”を分けて考え、両者をバランスよく取り入れていくことです。このバランスを崩してしまうと、良かれと思ってやっている育成の取り組みが全く効果をなさなくなる危険性があります。多いパターンは“付随的な人材育成”にばかりお金と労力をかけているケースです。

例えば、集合研修を開催している企業は多いと思います。このような取り組みはとても素晴らしい人材育成の取り組みです。ところが、研修を実施しているものの、その効果が従業員に表れてこない、といった悩みを抱えている経営者は相当数いることと思います。これこそ、“付随的な人材育成”ばかりを行っている典型的な事例といえます。
集合研修自体はとても素晴らしい取り組みですが、あくまで研修を開催しているその瞬間だけの取り組みです。ただ研修を行うだけでは、従業員は「いい話をきいたな~」と感じて、それだけで終わりです。なぜならば、集合研修はあくまで付随的な人材育成手法であるからです。

では、本質的な人材教育とはなんなのか、とお感じになられることと思います。私が考える本質的な人材教育とは、社内にPDCAサイクルを定期継続的に回していく体制を構築することです。具体的には、従業員自らに特定期間の目標と目標達成のためのアクションを考えさせ(Plan)、プランに基づき行動してもらい(Do)、結果を振り返り(Check)、次回以降の計画に反映させていく(Action)という一連の流れを仕組化することです。この中でも特に、従業員自らに目標を達成させるためのアクションを考えさせること、
そして決めたアクションを行動したのかどうかを振り返ること、の2点がとても需要なポイントです。

これを研修に当てはめて考えてみます。研修を実施する場合、研修後には “研修内容を踏まえ、目標とすることと、達成のために取り組むアクション”を明確に設定しなければなりません。これを考えることで、初めて研修内容が行動に表れる可能性が生まれてきます。あくまで従業員に考えさせることが重要であり、会社から一方的に押し付ける目標やアクションプランは人材育成上では害にしかならないことを心得るべきです。

次に、決めたアクションの実施状況を〇×レベルで確認する必要があります。決めたアクションの実行状況が〇であるにもかかわらず目標未達成の場合には、決めたアクション自体に問題があったことになりますから、次回以降のアクション設定では従来とは取り組みの質、量の観点から異なるものを考えなければならなくなります。これを考えさせることで、従業員の思考力が養われていくことになります。

このプロセスを回していくことは筋トレをするようなもので、なかなか効果も表れず、継続していくこと自体が困難です。しかしながら、これを仕組として回し続けることではじめて
“問題を認識し、達成のためのアクションを考え、行動し、成果を出せる人材”が育っていく
のです。このような人材は、研修などの付随的な人材育成では決して育ちません。このような仕組みを構築できる企業こそ、この人手不足時代を生き残れる企業なのではないでしょうか。

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