多店舗展開

【ネットラジオ】第29回 『焼肉店を経営しています。経営理念がなかなかスタッフに浸透しません。理念浸透のポイントを教えてください。』

ネットラジオ『多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所』は、弊社代表の高木と社労士の田村陽太が、飲食店、整体院、美容院等の様々な店舗ビジネスの「多店舗展開」を加速させるために重要な事を対談形式でお話しするラジオ番組です。

第29回 『焼肉店を経営しています。経営理念がなかなかスタッフに浸透しません。理念浸透のポイントを教えてください。』というテーマで店舗ビジネス専門コンサルタントの髙木悠が熱く語ります。

【ハイライト】

・経営理念設定の失敗事例

・経営理念の社内の浸透方法

・「他人事」を「自分事」にする方法

・シフト内で従業員と面談を設ける方法

・時間帯責任者が存在すべき理由


多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所。この番組は株式会社常進パートナーズの提供でお送りいたします。

店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠が最速・最短で年商30億、店舗数30超を実現する実証されたノウハウをコンセプトにのれん分け制度構築、FC本部立ち上げ、立て直し、人事評価制度の整備など飲食店、整体院、美容院などの様々なビジネスの多店舗展開を加速させるために重要なことを対談形式で分かりやすくお話しする番組です。

田村:こんにちは。パーソナリティーの田村陽太です。配信第29回目となりました。本番組のメインパーソナリティーをご紹介します。店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠さんです。よろしくお願いします。

高木:よろしくお願いします。

田村:高木さん、今日もやっていましょう。今日の質問はこちらとなっております。
「焼肉店経営者です。経営理念がなかなかスタッフに浸透しません。理念の浸透のポイントを教えてください。」ということなんですけども。浸透しないっていうのはどういう感じなんでしょうね。

高木:経営理念って、よく額縁に飾ってあるけど、お飾りになってるみたいのはよくありますよね。

田村:そんな会社って今あるんですかね、額縁に飾ってる会社。

高木:よくありませんか?社長室とか行くともうすごい素敵な言葉が飾ってあるとか。

田村:書道家に書いてもらったやつみたいな。

高木:そうそう。だけど現場見ると、どうもそんな雰囲気ないねみたいな。難しいポイントだと思いますけど。

田村:経営理念を浸透させるために何か書かなきゃいけない事とかあるんですか。

高木:経営理念って結局経営者の思いが集約されてるものじゃないですか。だからこう書かなきゃいけないとか一切なくて、私はあんまり綺麗な言葉にまとめるよりは、社長の言葉でかつ普段話してるような言葉で長くてもいいから、社長のカラーが出るような内容でまとめた方がいいと思いますけどね。

田村:カラーというどういうイメージで書いていくべきなのですか。

高木:経営理念って一言で書かなきゃいけないみたいなイメージありませんか。

田村:あります。すっきりした感じで、1~、2.素晴らしいお店に、みたいなそういう、簡潔した感じがありますね。

高木:そうそう。当然そういうのって覚えやすくていいんですけど、そういう風に綺麗にまとめていくと具体的な言葉とかが抽象化されちゃうんですよね。そうすると、誰が言っても同じような言葉、例えば「お客様の笑顔のために」みたいな、すごい抽象的な言葉で幅広い感じになると意味はわかりますし、覚えやすいんですけど、その言葉のパワーって奪われるじゃないですか。もうパワーが失われてますよね。

田村:そうですね。

高木:だからそういうのよりは普段社長が言葉で喋っている具体的な内容とかを盛り込んで、そうなるとある程度長文になりますが、社長の思いが感じ取れ取られるような内容があった方が私はいいと思いますけどね。

田村:その方がやっぱり浸透していくっていうか、従業員さんもやはり社長の言葉らしいなみたいになるんですか。

高木;そう。例えば「お客様の笑顔のために」っていう一言にまとめるとしても、それがどういうことなのかっていうのを下の文章で社長の言葉で長々と書くとかね。それは大事だと思いますよ。理念をまず表現するってことで言いますと。

田村:なるほど。質問したいんですけど、「従業員さんに浸透させたいんです」みたいな所というのは、社長は従業員さんにどう思ってもらいたいんですかね。ちゃんとそらんじて言えるようになってもらいたいのか、自分の思い通りに従業員さんに動いてほしいのか、どういう状態が浸透するって感じなんですかね。

高木:社長が思っている「こういうふうにしたい」っていうのが理念なわけじゃないですか。それがまず現場で実践されている状態っていうのが、「浸透」ですよね。従業員さんがちゃんとその思いを受け止めてくれて、例えば飲食店でいったら、実際日々のお客様への対応とかにそれが表れている、これが「浸透」ですよ。

田村:それを従業員さんが行動として体現していくような状態というか。その辺りはやっぱりその現場現場、会社会社によって違うから、それはもう真似るとかじゃなくてやっぱり会社独自に考えるしかないんですかね。

高木:理念はやっぱり経営者の思いなので、それは会社によって違うじゃないですか。だけどこれを浸透させるためのポイントっていうのは、いろんなパターンがあるのかもしれないですけど、すごい重要なポイントがあるんですよ。

田村:それは何でしょうか。

高木:例えば私も理念があるんですけど、私の個人理念で行くと、「関わる人にポジティブな影響を与えたい」っていうのがあるんですよね。私と関わってこんな気づきがあって、成長できたとか、明るい気持ちになったとかのポジティブな変化ですよね。そんな変化を与えられるような人になりたいなっていうことが理念じゃないですか。

田村:そうですね。

高木:自分はこうありたいというような感じですね。だけど重要なポイントは、田村さんからそれを見たときに、「高木はこう思ってる」という事はめちゃくちゃ他人事ですよね。

田村:一個人が言ってるみたいな。

高木:そうそう。「私はそう思ってますよ」って話して、田村さんは「へーそうなんだ。」と思うわけじゃないですか。

田村:僕は思っていないですけど(笑)高木さんすごいなと思いましたけどね(笑)

高木:でもこういう事が会社で起きてるんですよ。社長はこういうふうにしたいと、それは社長の思いなんですね。もしくはその前の経営者の思いだったりするじゃないですか。だけど従業員さんから見たらその思いっていうのは、他人事なんですよ。従業員さん自身が思っているわけじゃないじゃないですか。

田村:そうですね。
高木:だから「こういう風にしていこう!」って言われても、それをそのまま受け止められないわけですよね。だからちゃんと他人事を自分ごとにしてもらわなきゃいけない。これが本当に肝です。他人事を自分ごとに変えていくために、やっぱり何をするかですよね。そういう観点で浸透させるためのポイントの取り組みを考えてなきゃいけないですね。

田村:それは他人事を自分ごとにしていくにはどういう風にしていったらいいのですか。教えていただければ嬉しいです。

高木:これは人によっても色々やり方ってあると思うんですけど、私が大切にしていることっていうのは、経営理念について「従業員さんが考える場」を作るってことだと思いますね。
例えば、私が、人にポジティブな影響を与えたいと思っていて、だからうちの会社のスタッフはみんなそういう風にしてほしいと思っているとするじゃないですか。だけどそもそも人にポジティブな影響を与えるって言ったって、受け取り方は様々な訳じゃないですか。

田村:はい。

高木:だから、それがどういうことなのかっていう事を、従業員さんも分からないわけじゃないですか。だからちゃんとまずはそれがどういうことなのかっていうのを深く理解してもらうために、ただ言うだけじゃなくて、相手は聞いてるだけじゃなくて、相手の頭でそれってどういうことなのかなっていうのを考える場を提供する。

田村:なるほど。

高木:例えば、私が田村さんにポジティブな影響を与える人になってほしいと思ってるんだとするじゃないですか。今日の営業の時に「そのために何ができると思う?」って投げかけるとするじゃないですか。その瞬間どうですか、今まで私の話を聞いていたのが自分事になるじゃないですか。

田村:何て回答しようって考えましたね。

高木:急速に考えるじゃないですか。これがポイントですよ。

田村:なるほど。ということは具体的にどういう事ですか。

高木:今までは受身だったわけじゃないですか。「社長はこんなことを言ってる。」と。聞き流されていくわけですよね。だけど「これをやっていきたいから、みんなで頑張っていこう。これを実現するために、あなたは今日何やりますか?」と社長が言ったときに、まず経営理念を実現するために私は何しなきゃいけないんだって考えるじゃないですか、絶対に。

田村:そうですね、確かに。

高木:これが大事なんですよ。スタッフから見たら他人事だなと思っていたのが、いきなり自分事に変わるんですよ。考えるじゃないですか。従業員さんが何か答えるわけですよ。そしたらちゃんとそれを承認してあげて、実際やってみてという感じで、これをひたすら繰り返す。

田村:なるほど。経営理念をまず作って、経営理念に対しての行動ができてますかっていうのをスタッフに投げかけることを継続してみたいな感じでですか?

高木:経営理念をちゃんと作ったら、経営理念について従業員さんが考える場を提供していく。今回は焼肉店なんで、例えばいろんな場があるじゃないですか。例えば朝礼とかで、「今日はこの経営理念を実現していくために、例えばあなたの役割だったらどんなことができる?」とか聞いたり、もしくは営業が終わった後に、「今日は理念についてみんなで共有したいことありますか?」とか投げかけられたら、いつも何か投げかけられると「今日も社長に聞かれるよ。」ってなりますから、嫌でも意識するじゃないですか。

田村:しますね。

高木:これが大事なんですよ。

田村:なるほど、考えますもんね、確かに。

高木:そう。考えることになっていくじゃないですか。考えていくとだんだん社長が言ってることっていうのも自分事になっていくわけですから、自然とそれがだんだん頭の中に植え込まれていって、徐々に期待した行動が生まれるようになってくる。

田村:なるほど。素晴らしいですね。1個質問したいんですけど、僕も大学生のときに飲食店でバイトしてたんですよ。やっぱりシフトによって、偉い人、例えば管理職とか社長さんがいるときもあるんですけど、やっぱりバイトの人、つまりペーペーの人しかいない時間帯もあるんですよ。その時間帯で経営理念を振り返る時間ってどうしても作れないようなときもあるじゃないですか。そこはどうやって作っていくものなんですか。

高木:結局、社長の代わりもしくはその店長の代わりがいないから、そういう事じゃないですか。そうじゃなくて、そういったことを繰り返していくと、やっぱり自分の思いをだんだん共有できる人っていうのが増えてくわけですよね。その中でも共感度が高い人っていうのがもうリーダーなわけじゃないですか。ですからそういう方をちゃんと社長の代理とか店長の代理っていうポジションにちゃんと置いて、それでその人たちに同じことをやってもらえばいいわけですよ。

田村:なるほど。シフトを組むときはそういう人が必ず入れるように組んでいくのがベストというか。

高木:そうそう。そしたらもう社員なんていらないじゃないですか。私が焼肉店で働いてるときは、社員1人で2店舗とか見てたときもあったんですよ。社員1人しかいないですから、今の理屈で言ったらもう私がいないときなんか、何が起きるかわかんないじゃないですか。

田村:そうですね。

高木:でもアルバイトリーダーみたいなのがやっぱり何人かいたので、そこそこ頑張れるわけですよ。そこはやっぱり日々のコミュニケーションとかが重要だと思うんですよね。

田村:なるほど。よく時責とか時間帯責任者って言いますけど、あれはただ単にシフト時間の責任を持っているだけじゃなくて、ちゃんと会社の経営を任されてるんだっていうところの責任もあるっていう感じなんですね。

高木:ですので、本来はそこまで持っていかなきゃいけないですよね。結局店長代理みたいな仕事をやって欲しかったとしたら、同じことをやっていかなきゃいけないですよね。店長代理としてどうあるべきなのかっていうのを考えさせるとか、今日の営業を店長代理という観点から振り返ってみるとどうなのかみたいなのを従業員さんに投げかければ、他人事だったことが自分事に変わって、考えていくから成長するんじゃないですか。これが浸透ですよね。

田村:なるほど。結構時間が近づいてきたんですけども、経営理念を浸透させるべきポイントということで、飲食店がまず自分たちでできること、どういう風にしていったらいいかってところの最後にワンポイントアドバイスを教えていただけたらと思います。

高木:ですから、まず理念の浸透とかで悩んでる場合っていうのは、とにかくスタッフとのコミュニケーションの時間を増やしていくことが大事だと思いますね。例えば、今個人面談とかを月に1回とかやってないんだとしたら、まずそういうところからやんなきゃいけないですよね。コミュニケーションがない限り理念の浸透も何もないわけじゃないですか。まず日々ご自身の思いをちゃんと伝える時間っていうのを少なくとも月1回、個人面談ぐらいは確保して、確保したらその次のステップとして、考える場を提供していく。考える質問を出していくわけですよね。これは大事なんじゃないですかね。

田村:なるほど。焼肉店とか飲食店って結構アルバイトの方がやるので、結構まとまった面談の時間って取りにくいと思うんですけど、それってシフト内で面談の時間を設けるのか、別日に30分ぐらい空けるみたいな感じで呼び出した方が良いのかどんな感じでやっていくものなんですか。

高木:そこはやっぱり経営状態とかによって変わってくると思うんですよ。ただ私とかの観点で考えると、それをやるかやらないかでそれこそ天と地ほどの違いが出ます。30分とか別にやる必要ないんですよ。もう10分とか15分でもいいんで、そこはちゃんと相手にも給料を払って、特別な時間を確保してやっていくのがいいと思いますけどね。

田村:なるほど。貴社の方で面談の仕方というか、アルバイトの方に対してどうやって面談したらいいかっていうアドバイスをしていただいたりするんですか。

高木:お店の状況によってコミュニケーションの仕方って変わってくると思うんで、それはうちの方でこれまでの経験がありますから、状況をお聞きした上で、私だったらこんな感じがいいと思いますよっていうのはアドバイスできると思いますね。

田村:なるほど。今日も1日ありがとうございました。

高木:はい、ありがとうございました。

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