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【ネットラジオ】第18回『社員がのれん分けを希望していますが、資金不足のため尻込みをしています。何か良い方法はありますか?』

ネットラジオ『多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所』は、弊社代表の高木と社労士の田村陽太が、飲食店、整体院、美容院等の様々な店舗ビジネスの「多店舗展開」を加速させるために重要な事を対談形式でお話しするラジオ番組です。

第18回『社員がのれん分けを希望していますが、資金不足のため尻込みをしています。何か良い方法はありますか?』というテーマで店舗ビジネス専門コンサルタントの髙木悠が熱く語ります。

【ハイライト】

・お金の問題を乗り越えればのれん分けは成功する

・本部の加盟者への資金サポートとは?

・資金管理能力=経営者の資質

・社員の貯蓄能力の教育方法

・資金不足の社員をのれん分けさせる掟


多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所。この番組は株式会社常進パートナーズの提供でお送りいたします。

店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠が最速・最短で年商30億、店舗数30超を実現する実証されたノウハウをコンセプトにのれん分け制度構築、FC本部立ち上げ、立て直し、人事評価制度の整備など飲食店、整体院、美容院などの様々なビジネスの多店舗展開を加速させるために重要なことを対談形式で分かりやすくお話しする番組です。

田村:こんにちは。パーソナリティーの田村陽太です。配信第18回目となりました。本番組のメインパーソナリティーをご紹介します。店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠さんです。よろしくお願いします。

高木:よろしくお願いします。

田村:高木さん、今日も頑張っていきましょう。本日の質問はこちらとなっております。「社員がのれん分けを希望していますが、資金不足のため、尻込みをしています。何か良い方法はありますか?」というご質問なんですけども、これは何かリアルですね。

高木:これはよくあるんですよね。

田村:あるんですか、やっぱり。何か良い方法ありますかと言われてますけど、どうしたらいいでしょうか?

高木:基本的にのれん分けっていうのは、社員の方を対象にするわけじゃないですか。例えばフランチャイズだったらそれなりにお金を持っていて、何かいい事業はないかなっていう人を探しているんで、そういった人が対象になるから、資金の問題っていうのはそんなに問題にならないケースが多いわけですよ。

田村:もう準備万端でFCに入りたい方がやっぱり来るんですね。

高木:のれん分けってそうじゃないので、だからやっぱりお金の問題っていうのは高い確率で発生すると思ってた方がいいですよね。

田村:それはやっぱり乗り越えなきゃいけない課題というか。

高木:そうですね。独立する際にいろんなお金がかかるわけじゃないですか。だからそのお金をどういうふうに用意するのか。ここはフランチャイズ本部として、やっぱあらかじめサポートするのかどうか、サポートするんだったらどういうサポートをするのか、ここは決めておいた方がいいでしょうね。

田村:決めるというのは、どういうふうに決めていくものなんですか。

高木:まずは資金のところについて、まず本部がサポートするかどうかですよね。サポートしてる会社の方が多いかなと思いますね。

田村:サポートってどんなふうにサポートしていくものなんですか。

高木:サポート方法にもいろいろあるんですよ。一番わかりやすく言うと、本部が資金を貸し付けることもあれば、本部が保証人みたいになって銀行から借りる等そういった事をやってるところもあります。または、本部の店舗を貸してあげる、本部が持っている経営している既存の店舗を貸してあげるっていうのも、本部が投資した店を貸すわけですから、それによって独立する社員は自分で店舗投資しなくてよくなるわけじゃないですか。

田村:はい。

高木:だからある種資金を貸すっていうものになるわけですよね。だからそういう資金サポートっていうのもいろんな手段があるので、まずはそのサポートをするのかしないのか、サポートするんだったらそういった中で、どういうものを選んでいくのか。どれもやっぱりメリットもあれば、デメリットもあるんですよ。

田村:といいますと?

高木:例えば資金を貸すっていうのはわかりやすいですよね。メリットというのは本部の裁量でできる事じゃないですか。お金があればの話ですけどね。そういう貸すお金があれば、本部が自分でやるって決めたらできるんで、手軽ですよね。

田村:はい。

高木:でもデメリットとしては、貸したお金っていうのが返ってこない可能性っていうのは当然あるわけじゃないですか。これは気をつけなきゃいけないですね。お金を貸すのはわかりやすいですよね。
田村:はい。

高木:次に店舗を貸す、本部が運営している店舗を貸す方式でいくと、これは不動産のオーナーとかも少し関わってくるんで、資金を貸す事に比べるとちょっと複雑ですよね。

田村:そうですね。

高木:本部と独立者と店舗の家主が入ってきますから、ちょっと複雑になってくるわけですよ。それ以外にデメリットがあるとすると、本部の店舗を貸すので、独立者がやっぱり辞めたみたいな感じで、独立してからやっぱり気が変わったんで辞めますみたいなことを言われたときは大変です。

田村:はい。

高木:店舗は本部のものですから、その店舗をどうにかしなきゃいけないのは本部になるわけですよ。そのスケルトンにして返すんだったらそのスケルトンの費用は基本的にはまず本部が出して、それを独立者に請求する形になるかもしれないですし、契約によっては請求できない可能性もあるわけじゃないですか。

田村:スケルトンってちなみにどういうことですか?

高木:スケルトンっていうのは普通不動産を借りると、原状回復して返さなきゃいけない。
これをスケルトンと言うんですけど、そうすると例えば飲食店やってたとして、飲食店の店舗を独立者に貸して経営させてあげて、だけどやっぱり辞めたとかって言われて、店舗が残っちゃったと。それを閉店しようと思ったら綺麗に戻して返さなきゃいけないじゃないですか。

田村:はい。

高木:そうするとそこに何百万かまたかかるわけですよ。そしたらその店舗を失うだけじゃなくて、店舗の撤退費用まで本部が出さなきゃいけないみたいな事になるリスクもあるわけですよね。だからこの辺はやっぱりデメリットになるケースもあれば、逆にそこに本部が社員を派遣して、そのまま店舗を引き継ぐこともできるじゃないですか。だからそれがメリットになるケースもあるんですね。

田村:なるほど。既に出来上がってますもんね、店舗として。

高木:そうそう。資金を貸すべきなのか、それとも店舗を貸すべきなのかっていうのは本部が置かれてる状況によって結構変わるかなと思うんですよ。私が関わったラーメン屋さんで、本部がお金出して店舗作ってあげて、そこの店舗を貸して経営させたフランチャイズ本部があったんですよね。そこはでも独立者が結構好き勝手なことやっちゃって、もう半年ぐらいでもう辞めたいと言い出して辞めちゃったんですよ。

田村:あらあら。

高木:そこに違約金とか請求したんですけど、残っちゃった店舗をどうするのっていう話が出ました。ラーメン屋さんって当時、人手不足が激しくて、とてもじゃないですけど本部が人を派遣して、代わりに運営するの余力がなかったんですよ。だから結局その店舗を閉めるしかなかったんです。

田村:はい。

高木:なので、さっきお話したスケルトンにして家主に返したんで、本部はその投資した資金プラス、スケルトン費用が損失になっちゃったんですね。だから、こういうケースは貸しといたとしたら、貸したお金だけ失う。しかもその貸したお金っていうのは、相手が自己破産しない限りは債権として残ってますから、貸した方が良かったかもしれないですよね。

田村:そうですね。

高木:だけど本部に人が結構いて、独立者が辞めるって言ったら、その店舗を引き継いで経営できるんであればその店舗を持続できますから、店舗を貸した方がいいかもしれないじゃないですか。だからどっちの方策を選んだ方がいいかっていうのは一概に言えないんですよ。

田村:そうですね、聞いてる感じだと。

高木:資金調達をどういうふうにサポートしてあげるのかっていうのは、やっぱりいろんな選択肢のメリットデメリットっていうのをちゃんと学んで、最悪なケースでも一番デメリットが少ないものを選んだ方がいいですね。

田村:なるほど。資金サポートのメリットデメリットについてすごく詳しく理解できました。
もう1個質問なんですけど、この質問に戻りますと、資金不足のため尻込みしていますと言っています。これは僕の感覚ですが、資金不足で貯金があまりできてないような社員さんっていうのは、もう経営者としてお金の管理不足なのかなと思います。経営者の資質として、僕は大丈夫なのかなって思っちゃうんですけど、それはいいんですか。

高木:素晴らしいですよ、その観点は、だからまずいくら持ってるかですよね。だからそこは本部としてやっぱり基準は決めておいた方がいいと思いますよ。

田村:今現貯金がいくらかとかですか?

高木:そうですね。だから独立を認める人の条件として、一概にいくらっていうのはやっぱり会社の給料の水準とかが違ってるので言いにくいじゃないですか(笑)

田村:逆に本部にプレッシャーですよね(笑)給料少ないですよね、みたいな(笑)

高木:そういう面もあるんで、いくら用意した方がいいよって一般論で言いにくいんですけど、とはいえこれぐらいの給料払ってたら二、三年頑張ったらこれぐらい貯められるよねっていう額ってあると思うんですよ。それぐらいは最低限の自己資金として用意しなければいけない額っていう風に定めておいて、そのお金すら貯められてないような人は認めない方がいいですよね。

田村:なるほど。本部として言っとくんですね。

高木:そう。なんでかっていうと、お金の問題って、経営から切っても切り離せないじゃないですか。だからお金を貯めていくとか、ちゃんと自分で管理して借り入れ返済をしていくとか、もう経営から外せないもんなんですよ。

田村:そうですよね。

高木:だからお金持ってない人って、銀行からお金を借りないわけじゃないですか。なんでかって言ったら銀行からお金借りちゃいけない人だからですよね(笑)

田村:はい(笑)

高木:これわかりやすいじゃないですか。だから本部は独立させてあげたいとかあると思うんですけど、やっぱりお金の部分を過度に面倒見てしまうっていうのは相手のためになんないですよね。

田村:そうですね。

高木:なので本部が定めてる基準に達してるのかどうなのかっていうのは、ちゃんと確認してあげて、駄目だったら貯めるまで頑張ってもらう。そして、資金があればちゃんと経営できるんだっていうことを示していくことですよね。

田村:と言いますと?

高木:例えば、お金が少なくてできるのかなと不安に思ってるわけじゃないですか。普通に会社で働いてる人って自己資金100万円持ってたらいくら借りられるかどうかわかんないわけですよ。

田村:そうですね。

高木:でもだいたい一般的には100万円持ってたら、その2倍ぐらいまでは借りられる可能性があるわけですよ。100万円持ってたら200万円ぐらい借りられる可能性があるわけですよ。例えばそういう話をちゃんとしてあげて、その資金を借りて独立した結果、最初の1年間ぐらいで、例えば300万円あるとしたらそのお金がどういうふうに推移していくのか、そういうのをちゃんとシミュレーションしてあげる事で、やっぱりそこが安心感に繋がってきますよね。

田村:なるほど。のれん分けする方のお金に対する安心感というか。

高木:はい。そこがある程度見えれば、最初の方はもしかしたら減っていくのかもしれないけど、このぐらいで黒字になって、ここから増えていくよみたいのが見えれば、ちょっと安心するわけじゃないですか。そういったところで不安を取り除いてあげるっていうのも本部の重要な役割になるという事ですね。

田村:なるほど。最後の質問になるんですけども、資金不足のため尻込みしている従業員さんを何とかのれん分けさせたいっていう経営者の思いが、この質問から読み取れるじゃないですか。高木さんが考える何かいい対策、何からまずしていったらいいでしょうか?

高木:繰り返しになっちゃうんですけど、のれん分け制度を導入するときに、そのときの基準として、この資金を用意しなければ駄目ですと発表するわけじゃないですか。なぜその資金を用意しなければいけないのかっていう背景までちゃんと伝えることが重要でしょうね。

田村:背景といいますと?

高木:自己資金があるっていうことはもうそれ自体が信用じゃないですか。だから100万円持っていれば200万円分銀行から借りれると。それは100万円っていうのが、その人の信用になってるわけですよ。その貯金ができるという信用力があるわけじゃないですか。

田村:そうですね。

高木:それがない人っていうのは基本的には誰からも信用がないわけですよ。経営がうまくいくわけないじゃないですか。だから、本部としてはこれを0でやらせてあげるようにもできるんだけど、それじゃ皆さんのためにならないよと。だからちょっと厳しいかもしれないけど、2年間とか3年間頑張ればこの金額が貯められるはずだから、何とかこれを今から計画的に頑張っていきましょうって話を最初にしていく事が重要なんじゃないですかね。

田村:めちゃめちゃ大事なことが聞けましたね。これからのれん分けを増やしていくっていうときの本部としてやらなきゃいけない姿勢が読み取れたんじゃないかなって思います。高木さん、今日はありがとうございました。

高木:はい、ありがとうございました。

 

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