ネットラジオ『多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所』は、弊社代表の高木と社労士の田村陽太が、飲食店、整体院、美容院等の様々な店舗ビジネスの「多店舗展開」を加速させるために重要な事を対談形式でお話しするラジオ番組です。
第13回『美容院を経営しています。スタッフが成長すると辞めてしまい、一向に会社が成長しません。成長している会社はどうしているのでしょうか?』というテーマで店舗ビジネス専門コンサルタントの髙木悠が熱く語ります。
【ハイライト】
・美容院の人材定着の難しさ
・美容業界のよくある退職原因
・美容院が成長できる道とは?
・美容業界でののれん分けのポイント
・本部がのれん分けで一番やるべき事
多店舗化・フランチャイズ化を考える店舗ビジネス研究所。この番組は株式会社常進パートナーズの提供でお送りいたします。
店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠が最速・最短で年商30億、店舗数30超を実現する実証されたノウハウをコンセプトにのれん分け制度構築、FC本部立ち上げ、立て直し、人事評価制度の整備など飲食店、整体院、美容院などの様々なビジネスの多店舗展開を加速させるために重要なことを対談形式で分かりやすくお話しする番組です。
田村:こんにちは。パーソナリティーの田村陽太です。配信第13回目となりました。本番組のメインパーソナリティーをご紹介します。店舗ビジネス専門コンサルタントの高木悠さんです。よろしくお願いします。
高木:よろしくお願いします。
田村:高木さん、今日も元気にやっていきましょう。質問はこちらとなっております。
『美容院を経営しています。スタッフが成長すると辞めてしまい、一向に会社が成長しません。成長している会社はどうしているのでしょうか?』という質問なんですけれども。
高木:これ前回、美容室の話をしましたね。
田村:整骨院と一緒の感じでお話しましたね。教えていただけますでしょうか?
高木:美容院でやっぱり難しいところっていうのは、まずスタッフに顧客が帰属する。スタッフにお客さんがついてしまうっていうところと、やっぱり資格が必要な仕事なので、スタッフがノウハウを完璧に身につけてしまうじゃないですか。お客さんもつくし、ノウハウを持っているので、それをそのまま持って独立しやすいんですよね。
田村:なるほど。
高木:成長すると辞めてしまうってありましたけど、ある程度お客さんがついて、ある程度やり方がわかれば、やっぱり独立したいって思うようになりますよね。
田村:会社の仕組みとして残っていかないというか、人に依存しちゃうんですね、売上の仕組みというか。
高木:結局スタッフが辞めてしまうと、ノウハウもお客さんも、両方とも会社から出ていってしまうんで、結局一からになるわけですね。
田村:それが会社の成長に繋がらないということですよね。
高木:これはやっぱり美容院っていうビジネスのビジネスモデル上の特性ですよね。
田村:なるほど。辞めちゃうっていうのは何故なんですか?そういうきっかけとかそういうのはあるんですか、美容院でスタッフ辞めちゃうというのは。
高木:その働く職場の環境とかにもよるんでしょうけど、美容院って労働時間が長かったり、あとは訓練の時間が必要だったりして、そもそも仕事として結構大変なわけですよね。あとは前回お話した通り、美容師1人が生む売上とか付加価値っていうのがそんなに多くない。カリスマ美容師とかって言われるような方だったらちょっと違うかもしれないですけど、私なんかが接するクラスだと、やっぱり80万とか100万売ってたらすごいですよね、1人につき。
田村:はあはあ。
高木:そういうものなんで、やっぱりなかなか給料というのも増えていかない。だから各結局そういったところで、自分で独立するっていう道を選びやすい。
田村:それは、売り上げがもう決まっちゃってるからそれに対する人件費が決まって、お給料で不満に思って退職してしまうという事ですか?
高木:給料の不満もあるでしょうし。不安というかそれ以上もう先が見えない。
出世の道っていうのも限られる。だったら独立して、自分が好きなように働いて、例えば、お店で働いてて1人80万売ってたら自分で独立して80万売ったら、会社の利益がなくなる分、自分の収入が増えるような感じするじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:だからやっぱり辞めて独立する人って、美容院では本当多いですよね。
田村:結構独立しちゃう方が多いんですね。
高木:個人で小さくやる方っていうのが多いですよね。
田村:前回もお話がありましたけど、そういう風なことをすることによって、本当に幸福になるのかっていうところはちょっと難しいところではありますけど。この質問に答えていきたいと思うんですけど、会社が成長しない、それは人に依存しているからだと思うんですけど、成長するためにはどうしたら良いんですかね。何とか成長させたいじゃないですか、たとえ人に依存するビジネスであったとしても。どうしたら良いですか。
高木:やっぱりこれは人の流出を防止しないといけないですよね。人が出て行かないようにしなきゃいけないわけですよ。ただ、スタッフが会社を辞めて独立するっていう道は多分止められないと思うんですよ。
田村:止められない?といいますと?
高木:というのは、会社で働いてて、給料とか出世の道とかに限界を感じてるわけじゃないですか。これはもうビジネスモデル上どうしようもないわけですよ。
ポジションをたくさん作るわけにもいかないし、給料を払うわけにもいかないじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:職場環境を良くしてとかやったとしても止められないと思うんですね。だから、もう自分が独立してしまう、自分でっていうところですよね。ここにフォーカスを当てて、独立はしてしまうんだけど、独立をしたとしても何とかそれを完全に切り離すことなく、グループの中で活躍してもらうみたいな道を何とか作れないか。
田村:グループの中というと、本部のグループにとどめておくってことですね、独立者を。
高木:そうですね。これがまさにのれん分け制度を活用していくっていう事なんですけれど。のれん分け制度を活用していくと、独立してもらって、チェーンとしてグループの中で仕事をしてもらうわけですよ。つまり経営者になってもらう。だからお客さんは当然直営店舗からは流出してしまうわけですよね。ノウハウも流出してしまうわけですよ。
田村:はい。
高木:だけどグループの中には留めることができる。だから自分で独立するとか、他社に転職するとかと比べればだいぶマシなわけですよ。そういう道を作っていくっていうことが唯一の解決策なんじゃないですかね。
田村:なるほど、一つ聞きたいんですけど、例えば髪を切るって人に依存するビジネスじゃないですか。のれん分けして本部に売上をあげていかないと本部の売上にならないじゃないですか。人に依存してる売上のロイヤリティを、なぜ本部にあげなきゃいけないんだよって、独立者も不満に思うこともあるじゃないですか。それはどうやってやっていくんですか、美容院の場合ののれん分けって難しいと思うんですけど。
高木:そこがまさに本部の腕の見せ所で、独立した美容師の方ってたくさんいるわけじゃないですか。その人たちが要は困っていることを本部のれん分け制度を活用することによって解消することができるのであれば、それはグループに入ってるメリットがあるじゃないですか。
田村:なるほど。
高木:これを作っていく。で、具体的にそれが何かっていうところは、私の経験で言ったら資金的なメリットと集客面でのメリット。その他に細かい部分でいくと、例えば最新の情報、技術とかを、(例えば)本部が収集している情報が得られたり、研修に参加できたりとか、そういったメリットなんかも作ることできるんでしょうけど。やっぱり資金的な要素と集客的な要素というのがキーなんじゃないかなと思いますね。
田村:なるほど。1個1個ちょっと分けてお話したいんですけど、その資金的なところっていうのは、本部はどうやってその加盟者に情報を提供していくものなんですか。どうやってやってくいくのですか?言えるような範囲で具体的なものを教えてください。
高木:美容院で独立される方って最初の自己資金をそんなに貯められないケースが多いわけですよ。だから店舗を作るにしてもそんなに大きいお店は作れないですね。みんな小さいお店を作るんですけど、小さな店を作ると、自分が施術者としてずっと働かなければいけない。抜けられないわけですよ、だから体壊したらおしまいになるわけですよ。
田村:そうですね。
高木:だから、もう少し人を雇用して、自分が抜けても回るようなお店の規模を作るっていうのがやっぱり理想なんですよね。それを作るのはやっぱりお金が足りなかったりするわけです。
田村:そういう人を雇う人件費とかがですか。
高木:人を雇う人件費もそうですし、それだけの規模のお店を作る投資もできない。
例えばそこに対して本部が一定の資金的なサポート、(例えば)貸してあげるとか、店舗を作ってあげてその店舗を貸してあげるとか、そういう資金的なメリットがあれば、これはわかりやすいですよね。
田村:わかりやすいですね。
高木:ただ、お金のサポートって本部もあんまりしたくないわけですよ。だからこれは限界がある。だからもう最後の手段と思った方がいいと思うんです。
田村:なるほど。っていう事は、優先する方は集客の方のサポートってことですか?
高木:やっぱり集客ですよね。基本的に独立する方っていうのは今持ってるお客さんを持っていこうと思ってると思うんですね。だけど経営って既存のお客さんだけだとやっぱり既存のお客さんでどんどん減っていきますから、新規のお客さんを一定程度入れていかないと、売上って少なくとも伸びてはいかないですよね。
田村:以前バケツに穴が開いて水を入れていくっていう話題をしましたけど。
高木:だから維持していくのもその新規(顧客)を一定程度入れなきゃいけないわけですよ。でもそこにはやっぱりそれなりのコストもかかりますし、何か媒体を使うんだったらコストがかかるじゃないですか。
田村:はい。
高木:自分でチラシ配ったりするっていう風になるとそれも労力がかかるじゃないですか。個人経営でそれをやるっていうのは、やっぱりなかなか難しいわけですよ。そこに対して本部が何らかの価値を提供できる、例えば本部がそれなりの店舗数を持ってたら、統一した宣伝広告としてそれなりの予算を持って投下したりできるわけじゃないですか。
田村:そうですね。
高木:それにのれん分けした人が便乗できれば、それはメリットがあるじゃないですか。最近だと美容系でもWeb広告を自社で回して集客していくような会社もあるわけですよ。
田村:といいますと、どういうことでしょうか?
高木:リスティング広告って言うんですけど、「地域名+美容室」とかで検索すると広告が表示されると。だけどそんな設定を個人の独立者ができるわけないんですよね。例えばそういうノウハウを本部が構築してて、独立者の店舗の収益が最近ちょっと落ちてきてるから、広告回して新規入れましょうかって言って、本部がやってくれたらめちゃくちゃメリットあるじゃないですか。
田村:メリットありますね、なるほど。
高木:だからそういうノウハウを本部は構築して、それは本部がやってますから独立者が単独でできないわけですよね。そのノウハウを提供しますよって言ったら、これはメリットが大きいじゃないですか。そういうシステムを構築できるかどうかが、のれん分けシステムを使いたいと思うかどうかの分かれ目になると思うんですね。
田村:加盟者が本部に残りたいと思うポイントということですね、なるほど。一つ質問したいのですけれど、集客ってところを本部がやっぱり勉強していかなきゃいけないじゃないですか。何から始めていったらいいですか。集客って何が大事なんですか。
高木:まず最新の情報はどんどん入れていかないといけないですよね。ウェブマーケティングの内容でもいいですし、最新のITツールとかでもいいでしょうけど、とにかく情報収集をしっかりとしていくっていうことでしょうね。私達がのれん分け制度作りとかで関わってる美容院なんかでもよくあるんですけど、例えば有名なクーポンマガジンみたいな情報媒体に載せて集客してるってなると、独立してもその有名なクーポンマガジンは使えるわけですから、それだけで集客できてたら、別に本部に残るメリットはないじゃないですか。
田村:なるほど。
高木:だから、そういった最新の情報をたくさん仕入れて、やっぱり自分たちでノウハウを確立して集客をしていく。それはとにかくやっぱり勉強して、いろんなことをトライアンドエラーで繰り返して、自分たちならではのものを活用するしかないですよね。
田村:のれん分けしていくためには、まず本部がどうやって広告がうまくいくかっていうところのまず成功体験がないと、やっぱりうまくのれん分けにも繋がらないってことですね。
高木:そうですね。だから独自のノウハウをやっぱり確立しないと、特に集客ですよね、
施術はできるわけですから。そのあたりがやっぱり残りたいと思われるかどうかの鍵になる。それが出来ないのだったら、資金的な面とかで分かりやすいメリットを作るしかないですよね。
田村:なるほど、わかりました。資金面と集客面での情報収集のところ、これが大事だなっていう事がとてもわかりました。これがスタッフの退職にも繋がらずに会社が成長していく、やっぱり一つのポイントっていう事ですね。
高木:グループ内に囲い込んで、本部も嬉しいし、従業員さんも嬉しい。そういう関係を作っていきましょうという仕組みですね。
田村:なるほど。とてもいいことを聞きました。今日は高木さん、ありがとうございました。
高木:ありがとうございました。
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