「フランチャイズ展開を開始する際、どのような組織体制が必要なのでしょうか」
これは、現在弊社がフランチャイズ本部構築プロジェクトのお手伝いをさせていただいている体操教室チェーン経営者からの質問です。
フランチャイズ本部の立ち上げ初期段階でプロジェクトが頓挫するケースがありますが、弊社の経験則では、要因の大半は、フランチャイズ本部立ち上げプロジェクトを進める人員体制が十分でないことに起因します。
フランチャイズ本部立ち上げの初期段階は、それなりに本部に負荷がかかります。
例えば、
- 加盟案内資料を作成したり、
- マニュアルを作成したり、
- 問い合わせのあった加盟店と加盟交渉をしたり、
- 契約に至った加盟店を教育したり、
- 店舗物件を探したり、
- 店舗開店のサポートをしたり、、、
などなど、やるべきことを挙げだしたらきりがありません。
特に、加盟店募集開始前にやらなければならない加盟案内資料やマニュアルの作成は、プロジェクトのボトルネックとなりやすいポイントといえるでしょう。
加盟案内資料やマニュアルの作成を担う人材がおらず、プロジェクトが停滞した状態に陥ってしまうと、ズルズルと時間・金銭的コストばかりが発生し、結果何も生まれない、という最悪の事態になりかねません。
ですから、プロジェクトを円滑に進めることができるよう、プロジェクトの正式稼働前に、最低限必要な体制を整えておくべきでしょう。
これが、最速・最短・最小コストでフランチャイズ本部構築を進める鍵となります。
なお、フランチャイズ本部構築の進め方や成功のポイントについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。
フランチャイズ本部構築時に整えるべき組織体制
弊社の経験則で申し上げれば、フランチャイズ本部構築プロジェクトには、最低限、以下の役割を果たす人材を揃えておくべきといえます。
社長も含めて最低3名の人員を確保したいところです。
①プロジェクトリーダー
フランチャイズ本部構築プロジェクト全体を統括する。
基本的には社長が担当することが望ましいが、それができない場合は、経営レベルの意思決定をくだすことができる幹部が担当すること。
②店舗運営担当
加盟店の店舗運営指導に必要な仕組みづくり(加盟店に提供するマニュアルの整備、研修プログラムの作成等)を担当する。
店舗運営に精通していることはもちろんのこと、それを素人でも理解できるようにまとめ上げる論理的思考力、パソコンスキルがあることが望ましい。
③加盟開発担当
加盟店営業に必要な仕組み作り(加盟店向け営業資料作成、本部事業説明会企画・資料作り等)を担当する。
本部のビジネスモデルやフランチャイズシステムを深く理解していることに加え、経営者と対等に渡り合える経営知識やコミュニケーション能力も求められる。
このような人材は希少であるため、最も成長しそうな人材を選定し、フランチャイズ本部立ち上げプロジェクトを通じて育成していくことが望ましい。
初期段階においては、加盟希望者へのプレゼンテーションや交渉は社長が務めることが一般的。
④事務担当
フランチャイズ本部立ち上げプロジェクトの開始に伴って生じる事務作業を担当する。
フランチャイズ本部立ち上げでは、多くの資料を作成することになるため、資料作成や事務作業等を補助する要員を確保しておくことが望ましい。
また、フランチャイズ加盟店が生れた後には、売上管理、情報共有等も担当してもらうこととなる。
まとめ
以上、フランチャイズ本部構築時に必要なプロジェクト体制をご紹介しました。
フランチャイズ展開を目指す経営者の中には、既存事業の延長でフランチャイズ展開を進めていこうと考えている方もいらっしゃいますが、現実的にはそう簡単には進みません。
ですから、弊社がコンサルティングのご依頼を受ける際にも、プロジェクト体制については念を押して確認をさせていただいています。
初期段階でプロジェクト人員を専任化する必要まではありません(もちろん専任化できればベストですが、そのような企業は稀です)が、少なくとも、必要となる人員の質と量は確保しておくべきでしょう。
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