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フランチャイズ本部が知っておくべき収益改善活動の本質

「フランチャイズ加盟店がオープンしてからしばらくすると売上が大きく低下してしまいます。改善するためにはどうしたらいいでしょうか」

これは、先日当社にご相談に来られたラーメンチェーンの経営者からのご相談いただいたものです。

オープン直後は売上が好調であるにもかかわらず、時間の経過とともに徐々に売上が落ちていってしまうとのこと。直営店は継続的に高い売上を上げているようでしたので、フランチャイズ加盟店の運営水準に問題があることは間違いなさそうです。

そこで、直営店水準の業績を実現するために、フランチャイズ加盟店に不足していることは何なのを質問してみたところ、返ってきた答えは「直営店舗よりも運営水準が低い」とのこと…。
「いや、ですから運営水準が低い、というのは具体的にどのような点が不足しているのでしょうか」と掘り下げて質問をしていくと、「本気度が足りない」「SVの教育が不足している」などなど、得られた答えはどれも具体性にかけるものでした。

これまで、多くのチェーン本部から相談を受けてきましたが、このように店舗の業績が低迷している要因を抽象的にしか捉えられていないチェーン本部は思いのほか多い印象です。
ここまでお読みいただいて勘の良い方はお気づきになられているかもしれませんが、業績が低迷している要因を抽象的にしか捉えることができていないわけですから、この状態では業績を改善しようがありません。

「業績が低迷している要因を抽象的にしか捉えられていない」ということは、「業績を高めるためのポイントが不明瞭である」ことともいえます。
これは、多店舗展開を進めていく上で極めて重大な問題となりますが、成功するためのノウハウを販売するフランチャイズ本部においては、その売り物自体に欠陥があるということになりますから、事態は一層深刻です。

そこで、今回のご相談者様には「①自チェーンのオペレーション上の成功要因をシンプルに特定すること」「②①で特定した項目の実行状況を短サイクルで進捗管理すること」の2点から進めていくことを助言させていただきました。

なお、フランチャイズ本部構築の進め方や成功のポイントについて詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

フランチャイズ本部の立ち上げ方。7つの手順と成功の3つのポイント

①自チェーンのオペレーション上の成功要因をシンプルに特定する

業績改善を最速最短で進めていくためには、当該チェーンにおけるオペレーション上の成功要因をシンプルに特定することが不可欠です。
例えば、ラーメン店で言えば、顧客が来店し、券売機でメニューを決め、購入した券を店員に渡し、ラーメンを食べて、退店する、といったように入店から来店までの顧客の一連の流れがあります。
この一連の流れの中で、チェーンとしてやらなければならないことは多々あると思いますが、その中でも、特に業績に影響を与えるポイントは何なのかを明らかにしていきます。

この内容は、チェーン本部によって千差万別です。
例えば、「顧客の入店時に元気な挨拶があること」かもしれませんし、「再現性のある盛り付けがなされている」、「ブレの無いスープが提供されている」「外まで見送りがある」など、様々な要素が考えられると思います。

ここで気を付けなければならないことは、特に影響度が大きいものに絞り込む、ということです。
徹底しなければならないことが10個も20個もあっては、それぞれに力が分散してしまい、どれもこれも中途半端、ということになりかねません。

特化する項目を3つ~多くても5つ程度に絞り込み、店舗スタッフが当該項目に集中できる状態にしていくあげることが重要です。
当該項目の改善が進んだ後には、次に優先順位の高いものに絞って取り組んでいくことで、店舗業績は少しずつ、しかしながら着実に改善の方向に進んでいきます。

②①で特定した項目の実行状況を短サイクルで進捗管理すること

成功要因をシンプルに特定した後には、その成功要因の現場における実行状況をできる限り短サイクルで進捗管理できるマネジメント体制を構築することが大切です。
これまで出来ていないことを実行していくことは、店舗にも相応のストレスがかかります。

本部が「ただこれをやりましょう」と言っているだけで、その後のプロセスに目を向けていないとしたら、現場の行動が変わることはないでしょう。
ですから、特化する内容を決めた後は、その実行状況を日次、週次、月次で把握できる体制をつくり、実行できていない場合には即座に改善指導をしていく体制作りが求められます。

この具体的な方法も企業によって千差万別です。
消費者モニターを活用して実行状況を第三者視点でモニタリングするケースもあれば、店舗からの報告で済ませるケース、SV臨店時にチェックするケースなど、様々な方策が考えられます。

原理原則から考えれば、毎日実行状況を確認できる仕組みが望ましいのですが、これは企業の組織体制や管理レベルに応じて、無理のない程度にシステム化するとよいでしょう。
進捗状況を把握した結果、実行できていない店舗があった場合、そこに対してタイムリーに指導を行うことがSVの役割です。

今回のご相談いただいたラーメンチェーンでは、SVがオペレーションに入って指導を行っているようでしたが、そのようなやり方では改善できる店舗数も速度も限られてしまいます。
多店舗展開、フランチャイズ展開を加速させていくためには、現場における成功要因の実行状況を日次で把握できる仕組みを確立することが極めて重要な要素となります。
 
なお、SVの育成について詳しく知りたい方はこちらのコラムをご覧ください。

【FC大全:第7回】フランチャイズ本部のSVやスタッフを育成する


上記の通り、チェーン店が店舗の業績改善を進めようと考えた場合には、「何を実行すれば業績がアップするのか」を明らかにするとともに、「当該内容が店舗で確実に実施されているのか」を徹底的に進捗管理していくことが、最速最短の方策といえるのです。
現在、店舗業績不振やばらつきでお悩みであれば、上記2つのシステムが社内に構築されているかどうか、見直してみることをおすすめします。

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