多店舗展開

多店舗展開の前提 労務管理の整備

多店舗展開を進めるうえで、前提となることは多々あります。例えば、当たり前のことですが、1号店が儲かる業態であることは、多店舗展開の必須要件といえます。そのような前提の中で、意外と見落とされがちなものが“労務管理体制の整備”です。後回しにされがちですが、多店舗展開を進める上では実はとても重要な事項です。ここを見てみぬふりをして多店舗展開を進めてしまうと、後から大きな問題点に発展する可能性もありますので注意が必要です。
例えば、社会保険の取り扱いです。法人であれば、従業員の社会保険への加入義務が生じますが、加入しないまま多店舗展開を進めてしまっている企業を目にすることがあります。先日も、社会保険に加入をしないまま6店舗、年商数億円にまで成長した経営者からの相談を受けました。
その会社は、社会保険のコストがないため、見た目上では利益が出ている優良企業です。
しかしながら、万が一社会保険へ加入するよう指導が入ったとしたら、大赤字が生じてしまうような収益状況となっていました。問題は、社会保険のコストを見込まない収益モデルで店舗展開を進めてしまったことです。初めから社会保険を必要コストと見込んでいれば、途中で今の売上では必要コストを賄えないことにいち早く気が付き、対策を講じることができたはずです。残念ながら、その企業は、指導が入らないよう祈りながら経営を改善していくしか方法がありませんでした。このことは、例えば残業代や深夜手当の未払いにも当てはまるケースです。

このような事態に生じないためにも、多店舗展開の初期段階、できれば1店舗の段階で、将来必要となる労務管理体制を整備するべきです。
経営者からは「小規模の段階で、そんなことは不可能だ」などとご意見をいただくことがありますが、小規模だとしてもその体制がつくれるからこそ、その企業は多店舗展開が可能であると考えるべきでしょう。

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