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「社員がロイヤリティを払ってまでのれん分け制度を利用する…?」という不安への対処方法

のれん分け制度を導入したいと考えていますが、社員がロイヤリティを払ってまでのれん分け制度を利用するものかどうか不安があります…

これは、先日弊社のセミナーにご参加いただいたパーソナルトレーニングジムを営む経営者からいただいたご相談です。

パーソナルトレーニングジムは初期投資がそれほどかからないため、独立ハードルが低く、本部のサポートがなくても独立する人が多くいるとのことで、スタッフがわざわざロイヤリティを払ってまでのれん分け制度を利用するものかどうか、いまいち自信が持てないとのことでした。

パーソナルトレーニングジムに限らず、特に美容院や整体院等のようにノウハウが個人に帰属するサービス業を営む経営者は、このような疑問を感じるケースが多いようです。

そこで、今回は「社員がロイヤリティを払ってまでのれん分け制度を利用する…?」という不安への対処方法について考えてみたいと思います。

(1) 「社員がロイヤリティを払ってまでのれん分けを利用する…?」という不安解消に向けた考え方

「社員がロイヤリティを払ってまでのれん分け制度を利用する…?」という不安の背景には、「社員がロイヤリティを払ってまでのれん分け制度を利用するメリットがある?」という疑問があるのではないでしょうか。

当然、独立者がロイヤリティを払う以上のメリットがなければ、のれん分け制度を利用する人はいないでしょう。
ですから、のれん分け制度を導入する本部としては、独立者が「ロイヤリティを払ってでものれん分け制度を利用したい!」と感じてくれるよう、仕組みを整えておかなければなりません。

この仕組みのあり方に唯一の正解はありませんが、基本的な考え方としては「スタッフが独立する際に感じる不安を本部が解消する仕組み」ということができます。

(2)利用候補者が抱える不安から逆算して仕組みを構築していく

この仕組みについて、具体的に考えてみましょう。

弊社の経験則では、のれん分け制度の利用候補者が独立に際して抱えている悩みや不安は、以下の4つに集約することができます。

  1. 独立したいけど、資金が無い…
  2. 独立後に集客できるか不安…
  3. 独立後に人材を採用できるか不安…
  4. 会社を辞めて一人で経営していくのは心細い…

この悩みや不安は、自力で独立をするのであれば、決して避けては通れないものです。
独立意思はあるけれども、いつまで経っても独立しない人がどこの会社でも数名はいると思いますが、そのような人材は、これらの悩みや不安を乗り越えることができないため、いつまで経っても独立することができないのです。

裏を返せば、独立希望者が抱えているこれらの悩みや不安を本部のサポートによって解消してあげることができれば、「ロイヤリティを払ってでものれん分けを利用しよう」と考える独立者が現れる可能性が高まるのです。

(3)利用候補者が抱える不安解消に向けた本部サポート例

以上から、本部は、のれん分け制度の利用候補者が抱える不安解消に向けて、本部サポートの磨き込みを進めていく必要があります。
一例としては、以下のようなサポートがあげられるのではないでしょうか。

①本部による資金サポート

事業計画作成などの間接的な支援

資金調達に必要となる事業計画書の作成や、金融機関等との交渉をサポートする方法。
最も基本的なサポート内容といえる。

委託方式の活用

経営委託や運営委託方式により、本部所有の店舗を貸し出して独立させることにより、独立者の初期投資負担を減らす方法。

本部による直接貸付または保証

本部または経営者が直接貸し付ける、または連帯保証人となる方法。
安易な直接貸付・保証はトラブルのもととなるため、メリット・デメリットをよく検討した上で導入をする必要がある。

➁本部による集客サポート

本部既存店舗をのれん分け

既に顧客が付いている本部直営店舗を譲渡または貸し出すことで開業直後の集客リスクを無くす方法。

本部プロモーションへの参加権

本部が個人レベルでは実施できないプロモーション(WEB広告等)を実施している場合、その取り組みへ有利な条件で参加を認める。

本部によるのれん分け店舗への送客

経営者のメディア露出、閲覧者の多いHPやYouTubeチャンネル等により、のれん分け店舗に顧客を送客する。

③本部による人材サポート

初期スタッフの出向

既存店舗をのれん分けする際、店舗に在籍していた本部社員を、一定期間の間、独立者の会社に出向させる方法。

本部人材採用活動への参加

本部が個人レベルでは実施できない人材採用活動を実施している場合、その取り組みへ有利な条件で参加を認める。

本部人材の貸し出し

のれん分け店舗で人材不足が発生した際や、オーナーの休暇時に、本部の人材を貸し出す。

④本部による経営サポート

定期的な経営相談

定期的に本部経営者やマネージャーと面談を行い、経営状況をヒアリングしたうえで、経営力向上のためのアドバイスやサポートを行う。

本部会議への参加

本部が開催している会議(店長会議や経営方針発表会等)への参加を認め、本部経営者とはもちろんのこと、他の独立者等とも交流する場を提供する。


上記はあくまで一例ですが、このように、のれん分け制度の利用候補者がかかる悩みや不安から逆算して本部サポートのあり方を設計していくことが大切です。

まとめ

以上、今回は「社員がロイヤリティを払ってまでのれん分け制度を利用する…?」という不安への対処方法について触れてみました。

のれん分け制度を導入する本部には、独立希望者が抱えている悩みや不安を深掘りし、それを本部サポートによって解消すべく、仕組みやビジネスモデルをブラッシュアップし続けていく姿勢が求められるのです。

この姿勢の有無が、のれん分け制度導入後に安定的に独立者を輩出できるかどうか、という点に大きな違いをもたらすことは言うまでもありません。

是非、ただのれん分け制度をつくるだけではなく、安定的に独立者を輩出し、会社と社員のWin-Winの関係を実現できる仕組みにしていただければと思います。

なお、のれん分け制度構築についてさらに詳しく知りたい方は、こちらのコラムも合わせてご覧ください。

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